いわゆる埴輪顔である。この顔になってしまった者は、狂気の道への第一歩を踏み出してしまったということだ。
首を切られても、身体をバラバラにされても死ぬことはなく、頭を粉々にされる以外では死ぬことはない、半不死者となる。たとえ致命傷を負ったとしても、徐々に再生する治癒能力も発現する。
この顔になった者は、時間が経つにつれ自我を失っていく。完全に自我を失った者は自分以外の個体に攻撃を始める。
さらに、埴輪顔によって首を切られた者には埴輪顔が伝染する。こうすることにより仲間を増やしていく。
既に地霊殿ではこの謎の症状が蔓延していて、火焔猫燐以外の妖怪は皆埴輪顔となっていることが確認されている。
幸い地霊殿の妖怪たちは滅多に地上には出ないため、感染はそれほど広がってはいない。
以上が今回の取材による成果だ。この件で地上が心配することは今のところ無いようだ。(射命丸文)――ところで、この記事を書いた記者だが、現在は永遠亭の八意永琳によって隔離治療されているようだ。やはり地底は危険な所だ。(終わりの始まり