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『天体望遠鏡』 作者: 十三
上白沢慧音は、寺子屋の屋根の上で何やら細長い筒の様な物を取り付けている霧雨魔理沙を不思議そうに見ていた。
この変わり者の人間はこんな夜遅くに一体何を始める気なのであろうか。疑問と好奇心に突き動かされた慧音が口を開く。
「何をしているんだ?」
魔理沙は地上から自分を見上げる慧音に気づき、笑顔と共に大きく手を振って見せた。
そしてまた作業に集中し始める。質問が聞こえていなかったのであろうか。
気になった慧音は自身も屋根に上るため、僅かにある妖力を使ってふわりと飛び上がった。
「魔理沙。夜遅いぞ。寝なくていいのか。」
「なーに言ってる。夜じゃないと駄目なのさ。」
そう言う魔理沙は屋根の上に置かれた三脚の上に筒を乗せ、それを固定させた。
「うっし。」そう言って魔理沙が、その筒の片方に顔を近づける。
「それは何なんだ?」
「天体望遠鏡。にとりからかっぱらってきたんだ。これで今から星を見るのさ。」
なるほど、天体観測か。この筒は恐らく夜空を観察するための道具なのであろう。
そう結論付けた慧音は望遠鏡に食い入る魔理沙をじっと見つめて言った。
「見えるかい?」
「ああ!すごいぜ!流石はニトリ製だ…美しい……こんなに綺麗なお星さまを見たのは初めてだ……。」
「ほう。」
「何というか、宇宙の偉大さと共に私たちのちっぽけさを感じるよ。この大宇宙を前にすれば、私たちなんて
チリと同じなんだな…。」
「そうかもな。」
「おお!すごい!流れ星だ!空一面を埋め尽くしている!なんて綺麗なんだ……まるで大空の運河を渡る
渡り鳥のようだぜ…そしてその奥には巨大な惑星…。ここにも私たちの様な生き物が居るんだろうか…。」
「そんなにすごいのか。」
「ああ。どう表せばいいのか…レンズ越しに見える光景が私の生きる世界の奥にあるなんて到底信じられない。
あまりに魅力的で、芸術的。あぁ…命だ。命に満ち溢れているんだ。おや?あれはなんだ?」
「何が見えるんだ?」
「あれはまるで…大きな蝶…虹の様に輝いている。なんて綺麗なんだ…あぁ夢みたいだ…何もかもが美しい。
宇宙、人生、時間、それらすべてがこの光景の中に集約されているかのようだ。」
「そんなに凄いのか…魔理沙…顔真っ赤だぞ…。」
「余りの感動に…目頭が熱くなって来たぜ…こんな世界があったなんて…信じられない…。
私の今までのやってきたことは本当にちっぽけで詰まらない物だったんだな…。そしてこれからも
つまらない人生を送っていくんだろうよ。でもいいんだ。この空の下で暮らせること自体が幸福な事なんだ。
これを見れば誰だってそう思うさ。」
「意外と詩人なんだな。どれ、良かったら私にも見せてくれないか。」
「いいとも。慧音もきっとこの世界の虜になるだろうよ!」
心を躍らせながら、慧音はさっきまで魔理沙が見ていた望遠鏡を覗き込んだ。
思わず慧音は息を飲む。自然に腕に力が入り、湧き上がる興奮に冷静な感情が追いやられていく。
「…なんて凄いんだ………。宇宙とは…なんて偉大なんだ…。こんなの見たこと無い……。」
レンズの向こうでは若い男女が性行為をしている真っ最中だった。
end
みんな変態。
テスト投下してみました。
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この名前で投稿することはもうないでしょう。
『この名前では』
十三
- 作品情報
- 作品集:
- 1
- 投稿日時:
- 2011/09/15 13:18:18
- 更新日時:
- 2013/11/18 07:50:00
- 評価:
- 5/9
- POINT:
- 600
- Rate:
- 12.50
- 分類
- 魔理沙
- 慧音
- 宇宙
ナイスオチ!!
ユニバース!!
というわけで負けた!ってことで百点でw