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『「マキャベリにして曰く『目的のためならばあらゆる手段は正当化される』」』 作者: 穀潰し

「マキャベリにして曰く『目的のためならばあらゆる手段は正当化される』」

作品集: 1 投稿日時: 2011/09/29 15:48:46 更新日時: 2011/10/05 01:06:48 評価: 5/7 POINT: 560 Rate: 14.63
トントントン、と小気味よい音が響く。
その音を背中で聞きながら蓬莱の人の型―――藤原妹紅はちゃぶ台の上に食器を並べていく。

「妹紅、準備できたらこっちを手伝ってくれ」
「分かったよ、慧音」

背中越しに聞こえてくる声―――上白沢慧音に応えながら、妹紅は緩む頬を隠しきれなかった。
人見知りの彼女にとって数少ない友人の慧音に食事に御呼ばれする。普段寺子屋やら里の警護やらで暇の無い慧音ともっぱら竹林に篭りがちな妹紅。あまり会う機会の無い彼女達にとってこれは少ない楽しみの一つだった。

「こっちは準備できたよ。それにしても……うん、やっぱり慧音は料理がうまいね。不老不死の楽しみっていえば料理ぐらいしかないからね」

準備を終えた妹紅が料理を続ける慧音を背後から覗き込み、その手際に感嘆の声を漏らす。もちろん出来上がった料理を摘む事も忘れていない。
その姿に苦笑を漏らしつつ、手を止めない慧音。

「だから料理なら幾らで教えてやると言っているのに、妹紅ときたらすぐに逃げ出すじゃないか」
「いやぁ、私的に料理なんて似合わないかなぁってさ」
「焼き鳥屋なんてやってるくせに何を言ってるんだ。一品でも増やしてみろ、客足も増えるぞ?」
「いいよ、別に。そこまで本気じゃないし……何より忙しくなったら慧音に会えなくなっちゃうしね」

にひひ、と子供のような笑顔に慧音も呆れたような笑みを隠せない。もっともその笑みの大半が喜びで構成されているあたり、彼女としても妹紅の言葉も満更ではない様だ。

「まったくもう……だいたいだな、おま、っつ!?」
「け、慧音!?」

小言を言い始めようとした慧音の手が撥ねた。どうやら火にかけていた鍋に触れてしまったらしい。いかんいかん、と気が逸れていたことに注意する慧音。

「や、火傷したの!? は、早く水で冷やさないと!!」
「お、おい妹紅。そんなに慌てるほどでも……」
「駄目だよ!! 火傷は初期手当てが物を言うんだから!!」

慧音の腕を引き抜かんばかりの力で流しへと引っ張り込む妹紅。その焦りぶりに自身の傷の痛みも忘れて慧音は目を瞬かせる。そんな慧音をさておいて、本人より焦っている妹紅。
これは任せるしかないか、と諦めた慧音。しかしそれも流水によって手が完璧に冷えるまでだった。

「お、おい妹紅……も、もういいんじゃないか?」
「……」
「妹紅? 妹紅!!」
「うぇ!?」

耳元で聞こえた声の方向に頓狂な声とともに顔を上げる妹紅。視線の先には呆れたような視線を向ける慧音。彼女の何か言いたそうな表情に、妹紅は自身が慧音の腕を未だ掴んでいることに気がついた。

「いい加減手の感覚が無いんだが」

呆れ声の慧音。よく見れば彼女の手は冷えた流水に長時間晒されていた所為か青白くなっている。

「あ……ご、ごめん慧音!!」

慌てて手を離す妹紅。慧音はやれやれと言った風に手に付いた水を払う。

「ちょっと大袈裟過ぎるんじゃないか? 妹紅の珍しい一面を見たよ」

怒っている風ではなく、むしろ子供の相手をするような慧音。その声にしょんぼりと項垂れながらも、妹紅は言葉を紡ぐ。

「だって……私の所為で慧音に怪我させちゃったし・・・…」
「この程度は怪我の内にも入らないさ。それより慌てることの方が問題だよ。緊急事態の時に一番やってはいけないことは混乱することだ」
「うん……」
「だがまぁ……私の身を案じてくれるのは嬉しいけどな」
「そりゃそうだよ!! 慧音は私のとって大切な人なんだ!!」

ずいっと身を乗り出し力説する妹紅。普段何処か冷めた態度のある彼女に、ここまで熱が篭るのも珍しい。だから慧音もついつい言葉を重ねた。

「それは嬉しいな。それじゃあこれから怪我でもしたら妹紅に看病してもらおうかな?」

笑みを浮かべながら冗談半分の言葉を紡ぐ慧音。そしてそれに応えるのは。

「いいよ」

満面の笑みの妹紅だった。その笑みに慧音の心臓がドキリ、と脈打つ。彼女の内心に気づかないまま妹紅は言葉を続ける。

「私がずっと傍にいてあげるよ」
「……そう、か」

深く考えない、おそらくは純粋な行為から生まれた言葉。
それが慧音の心に深く響いた。



「せんせー、どうしたのー?」
「……ん?」

足元から聞こえた舌足らずな声に、慧音はハッと我に返った。視線を落とせば自身を見上げ来る少女。そこでようやく慧音は自分が今寺子屋にいることを思い出した。

「ぼーっとしてたよ?」
「ああ、すまない……ちょっと考え事をな」
「せんせー、ここんとこずっとぼーとしてるよ? どこかびょうき?」
「いや、そう言う訳ではないんだが……と言うか、私はそんなに呆けていたのか?」
「うん、めーちゃんとたろーがけんかしたときもぼーっとしてた」
「そうか、そんなにぼんやり……ちょっと待て、明と太郎が喧嘩しただって? 何時だ?」
「さっき」

少女の頭を撫でながら言葉を返す慧音。と、少女の言葉が気にかかった。
人里の何処かならともかく、寺子屋内と言えば慧音のお膝元も同然だ。そこで喧嘩などと慧音が気づかないほうがおかしい。
私としたことが、と慌てて周囲を見渡した慧音。しかしそんな彼女の服の裾を引っ張りながら少女が言葉を続ける。

「もうおわってるよ。それにめーちゃんとたろーのけんかならいつものことだよ」
「そ、そうなのか?」
「うん、いつもたろーがめーちゃんにいたずらするの。そんでめーちゃんにおこられておわるの」
「ま、待て。私はそんな話一切聞いてないぞ?」
「だってせんせいのまえじゃやらないもん。それにこれはあのふたりのもんだいだし」

唐突に突きつけられた真実に動揺を隠せない慧音。それに応えるのは急に大人びた少女の口調。

「ふ、二人の問題って……」
「しょうがないよ。たろーはめーちゃんのことがすきだからちょっかいかけるんだし、めーちゃんはそれがわかって、おこるもん。ふたりともてれてるだけなんだよねー、こどもだねー」

呆れたような口調で言い放つ少女。こんな言葉が十に満たない子供の口から漏れていることに軽い眩暈を感じる慧音。これは一度道徳の授業が必要か……などと考えている彼女に。

「でもあいてのちゅういをひくにはいちばんのてだよねー」

少女の言葉が突き刺さる。僅かに跳ね上がった心臓を押さえるように、冷静に言葉を紡ぐ慧音。

「……そうだな。だが、お前はするんじゃないぞ?」
「しないよー。せんせーもしないよね?」
「……ああ、もちろんだ」

彼女は少女の言葉に心のどこかをざわめかせながら言葉を紡ぐ。



ぼたぼたぼた。
紅い液体が自身の腕から垂れる。それをどこか他人事のように見ながら、慧音の脳は事態を把握した。
斬れた、斬れた、斬れた。自分の腕が。
ぱっくりと。
ざっくりと。
ぼたぼたぼた。
止まらない、止まらない。
紅い液体が止まらない。
ああ、出ているのは血か。
そこまで理解して、ようやっと腕から感覚が上がってきた。

「……ぁっぁあぁあ゛あ゛あ゛あ゛あああ!!」

最初は焼けるような熱さだった。そしてそれはすぐに耐え難い痛みとなる。
半獣半妖であり、数は少ないものの弾幕ごっこの経験も無いことはない慧音。もちろんそれに伴う痛みもある程度経験済みだった。
だがこの痛みは違う。
弾幕ごっこのような表面的な痛みではない。
皮膚の下を、筋肉の中を、骨の上を、そして神経を直接掻き回される様な痛み。

「あっぎ、がぅ……!!」

歯を噛み締め、脂汗を垂らしながら慧音は荒い息をつく。少しでも出血を抑えようと傷口を布で押さえる。それがまた新たな痛みを生みだし、慧音の口から押し殺した絶叫を上げさせる。
押さえた布はあっという間に真っ赤に染まり、吸い切れなかった血がぼたぼたと床へと垂れる。

「ぐっ……!!」

もはや噛み締めている奥歯は感覚が無い。そんな彼女の耳に。

ガチャンッ!!

何かが割れる音が聞こえた。視線を寄越せばそこには地面に酒瓶を落とした妹紅の姿。彼女は酒瓶を落としたことも気にせず、呆然と慧音に視線を寄越している。

「も、こう……」
「け、慧音ぇ!?」

辛うじて慧音が搾り出した声。その声に妹紅は弾かれた様に彼女の元へと駆け寄った。

「なん、何があったの!? いや、でもそんなことより早く手当てを!? ああ、でも手当てって、こんな深い傷!!」

出血量と慧音の痛み方で傷の深さを把握した妹紅が悪化をおそれて傷に触れずわたわたと慌てる。何かしなければいけない、しかし何も出来ない。あれほど慧音に言われていたのにあっさりと混乱状態に陥る妹紅。その姿に自身の痛みも忘れ、僅かに唇を緩める慧音。

「こ、こういう時はあ、あいつらの所!? いや、でも、当然だけど!? ああどうしようどうしようどうしよう!?」

妹紅が思いついたのは竹林の診療所―――永遠亭へ連れて行くということ。確かにここまでの深手では永遠亭にいる医者以外に手の施しようが無いだろう。
そしてそれは永遠亭に住む連中と妹紅を顔を合わさせることとなる。永遠亭にすむ人物と殺し合う関係の妹紅にとって、それは出来れば遠慮したい願いだった。
しかし。

「……!!」

それも歯が砕けんばかりに奥歯を噛み締め痛みに耐える慧音を目にするまでだった。



永遠亭での治療を終えた帰り。慧音はぼそぼそと事の顛末を妹紅へと伝えた。
曰く、不審者に襲われたと。
その言葉に憤りつつ、内心疑問を浮かべる妹紅。
確かに慧音は戦闘向きとは言いがたい。しかしそれでも半獣半妖なだけあって膂力はそこらの人間とは比べ物にならないし、いざとなればスペルカードもある。
そんな彼女が、たかが人間に遅れをとるだろうか、と。
妹紅の内心を察したのだろう。慧音が申し訳なさそうに呟いた。

「私だって、作業中に背後から襲われればどうしようもないさ」

その言葉に、今更ながら妹紅は自身が晩御飯をお願いしていたことを思い出した。つまり慧音は料理の準備中に襲われたということ。
そしてそれは間接的に妹紅の所為で襲われたといっているようなものだった。

「ごめん……ごめんよ慧音。わた、私が……」

自身の願望により、大切な人を傷つけたと気づいた妹紅。普段の気丈な態度は何処へやら、ぐずぐずと鼻を鳴らし始める彼女に、慧音は優しい笑みを浮かべた。

「気にするな。お前は何も悪くは無いよ。むしろ私はお前に感謝しているんだ、お前があそこで駆けつけてくれなければ、私はもっと酷い状態になっていたかもしれない」

ぽんぽんと妹紅の頭を撫でながら慧音は言葉を紡ぐ。その言葉に救われたように顔を上げる妹紅。

「私が憤っているのは卑劣な暴漢だ。言葉は悪いが、犠牲者が私でよかったよ。私以外に犠牲者が出ればそれこそ目も当てられない。だからな、手伝ってくれるか妹紅?」

それはこれ以上被害が出る前に自身を襲った暴漢を捕まえてくれと言っていた。その言葉に一も二もなく頷く妹紅。

「当然だよ。それに捕まえるだけじゃない、慧音の怪我が治るまで私が傍にいてあげる」
「・・・…ああ、有難うな」

夜空の下、里への帰路を急ぐ二人の口元には笑みが浮かんでいた。



それから数日、妹紅は負傷した慧音の変わりに賢明に責務を果たした。
慧音の変わりに里の見回りに参加し、彼女の生活を支える。
慣れないながらも寺子屋の手伝いまでしたほどだ。
そしてその傍ら、慧音を襲った暴漢の手掛かりを辿っていた。
しかし、よほど手馴れた者だったのだろう。手掛かりどころか不審者の目撃情報一つ見つからなかった。
ようやっと慧音の傷が癒えた頃には妹紅は疲労でくたくたになっていた。

「妹紅、この通り私の傷も癒えた。お前は少し休め。散々手伝ってくれたんだ、里の者達にも私から話を通しておく」

家に帰宅するなり布団に倒れこんだ妹紅に慧音の優しい声が響く。その言葉に頷く気力すらなく眠り込む妹紅。その頭を優しく撫でながら、慧音は呟いた。

「なぁ、妹紅。お前が私を助けてくれて本当に嬉しかったよ。まったく……普段は何処か冷めているくせに、こんなことで子供のようにムキになるなんて……」

ずれた掛布を直しながら言葉を続ける。

「それがとても可愛い」



「先生!! いないのか!! 先生!?」
「っ!?」

ドンドンドンッ!! と、扉を叩き壊さんばかりの音と、逼迫した声。それは惰眠を貪っていた妹紅を叩き起こすには十分だった。
慌てて服を調え、扉を開ける。そこには真っ青な顔をした里人が一人。彼は妹紅を見るなり彼女に掴みかかった。

「あ、あんた、先生は!? 先生はいないのかい!?」
「慧音……居ないようだけど、って、ちょっと待ちな!!」

その言葉にようやっと家の中を見渡す妹紅。しかしそこには慧音の影も形もなかった。
妹紅の言葉に慌てて踵を返す里人。そのただならぬ様子に妹紅は思わず彼の腕を取った。

「何があったのさ。その慌てぶりは尋常じゃないよ」

夜這いにしても勢いがよすぎるだろう、とおどけた妹紅の言葉。
そこで彼女は奇妙なことに気づいた。外から漂ってくる空気が妙に焦げ臭い。嗅ぎ覚えのあるこの臭い、これはまさか……と眉を顰めた彼女の考えを肯定するように、里人が言葉を吐き出した。

「半鐘が聞こえないのか!? 大通りで大火事なんだよ!!」
「!?」

里人の道すがら聴いた話によると、大通りに面している民家から立て続けに火の手が上がったとの事だ。現場に辿りついた妹紅たちが目にしたのは夜空を真っ赤に染め上げる三つの火柱だった。
ただの火事にしては火の勢いが強すぎる、と気づいた妹紅が顔を顰める。彼女の周囲には賢明に消火活動を行う里人達。
だが手桶の水を幾らかけたところで家一軒包み込むほどの猛火が弱まるはずも無い。せいぜい延焼を食い止める程度だろう。これはもはや手遅れ、と察した妹紅の耳に悲痛な声が聞こえた。
その声をよく聞けば燃え盛る民家の中に子供が取り残されているとの事。半狂乱に泣き叫ぶ両親は放っておけば自ら火の中に飛び込むほどだ。
慧音が居ない以上私がやるしかないか。

「こんな身体でも少しは役に立つか……」

火傷の引き攣る痛みは何時まで経っても慣れないけどね、と自嘲気味に零した妹紅が猛る炎の中に身を投じようとしたそのとき。
炎を突き破って二本角の獣が飛び出してきた。

「!?」

思わず身構えた妹紅。しかしよくよく見ればその獣はハクタク化した慧音だった。未だ炎の残る服の部分部分を引き千切り消火すると、その腕に抱いていた物を泣き叫ぶ両親へと差し出した。

「何とか間に合った」

冷静すぎるほどの言葉に、妹紅は慧音が腕に抱いている物の正体を察した。

「ああ先生……!! 有難うございます、有難うございます!!」

先程の半狂乱から一転、両親が安堵からか泣き崩れる。
しかしそれに応えるのは慧音の渋い声だった。

「だが危険な状態に代わりは無い。もし許していただけるのであればこのまま永遠亭に運びたいのだが」

その言葉に幼子の両親は顔を上げる。その視線の先にはぐったりとした幼子。
表面上はそれほど外傷が無いように見えるが、あの高温の中に晒されていたのだ。呼吸器や内臓がどんな損傷をしているか分かったものではない。
二の句も無く頷く親に小さく頷き返した慧音は所在無さげに立ち竦んでいた妹紅に、一言『着いてきてくれ』と言うと空へと飛び立った。
自身も火傷を負っているくせにあの冷静さは何だ。
妹紅がふと感じた違和感。しかしそれも周囲の喧騒に掻き消された。



「いやはや参ったな。また八意殿に怒られてしまったよ」

子供を永遠亭に預けた帰り道、何てこと無いように慧音が口を開いた。
その言葉に、当たり前だよ、と呆れ声で返す妹紅。もっとも彼女の言葉も仕方ない。
いくら自然治癒力の高い半獣半妖とはいえ、下手をすればショック死する可能性のある火傷だ。流石に永遠亭の医者もそのままで帰すわけは無く。

「しかしこの動きにくさは火傷で引き攣っているのか包帯で固定されているのかどっちか分からないな」

身体を束縛するのではないかと思うぐらいにしっかりと包帯が巻かれていた。言わば今の彼女は包帯で全身を覆ったミイラ状態である。
そこかしこを動きづらそうに引っ張る慧音に、妹紅が呆れ声を放つ。

「両方だよ。今回はしっかりと巻いておいたからね。慧音が無茶しないように」
「失礼だな。しかし……」

今まで軽かった声が急に曇った。その変調に慧音へと視線を向ける妹紅。

「すまんな、またお前に迷惑をかけてしまう」

申し訳なさそうに言う慧音。それは遠回しに火傷が完治するまで身の回りを頼むと言っていた。その言葉にあー……と気まずそうに頬を掻いた妹紅は言葉を紡ぐ。

「別にいいよ。本来ならああいう場面こそ私の出番なんだ。それがいくら疲れていたとはいえ異変にも気づかず眠りこけてたなんて……情けないよ」
「気にするな。それに……」
「それに?」

言葉を途切れさせた慧音。その表情は俯いていて見えない。ただその口元が小さく弧を描いていたことに妹紅は気づいただろうか。

「また、お前に看病してもらえるしな」

小さな暗い声。それを聞いた妹紅は数秒沈黙した後、ぷっと吹き出した。

「なるほどねぇ。それじゃ、しっかりと看病させてもらおうかな?」

慧音の言葉を冗談だと思ったのだろう。軽い口調でそう返す妹紅。それに慧音も顔を上げる。ああ、頼むよ、となんでもないように言い放った顔には笑みが張り付いていた。


ある晩、慧音は里の長達と会合があるといって出て行った。留守を任された妹紅は手持ち無沙汰に彼女の帰りを待つ。
自分以外誰も居ない家の中。そういえば一人になるのも久しぶりだ、などと思い出し、随分と長いこと慧音の傍にいたことに気づいた。

「流石に疲れたけどね……」

苦笑を浮かべつつそう零す妹紅。幾ら不死身とは言え疲労まで感じないわけではない。大きく息を吐き出した妹紅はそのまま畳に寝転んだ。

「慧音が帰って来るまで……ちょっと、休もう……かな」

少し気が緩んだ瞬間、重くなる瞼。襲い来る睡魔に抗いもせず、妹紅は瞼を閉じようとして。

「藤原殿!! 居るか!!」

扉を叩く音とともに意識を覚醒させられた。身を起こし、扉を開ける妹紅。

「どうかしたかい? 今回は半鐘は聞こえなかったけど」

またぞろ火事でも起きたか。からかいを含んだ妹紅の言葉に、しかし外に居た里人はクスリとも笑わなかった。そして彼は衝撃的な言葉を発する。

「会合所が襲われた」

その言葉に先程までの空気は何処へやら、外へと飛び出す妹紅。すぐさま追従する里人。里の中を駆け抜けつつ彼が行った内容はこうだ。
最初こそ異常は無かった。
しかし会合終了時間を過ぎても誰一人出てこない。酒でも持ち込んで眠り扱けているのではないか、と付き添いの一人が中を確認しようとした時、叫び声が聞こえたらしい。
しかし数度聞こえた声はすぐに聞こえなくなった。
これは只事ではないと扉へと手を掛ける里人達。しかし扉はうんともすんとも言わない。
外からの呼びかけも一切反応無し。扉を打ち壊そうにも人手が足りない。
そこで数人が手分けして人を呼びに走り、今に到る。
里人の話を妹紅が聞き終えた頃には、松明を持った数人が会合所の周りで右往左往している丁度光景が目に入った。

「何してる!? 皆は!? 慧音は無事なのか!?」
「そ、それが扉が開かないんだ!! 中から閂か何か掛けられてる!!」

開かない扉に鍬や鋤を叩きつける里人。しかし頑丈な素材で出来た扉は木片を飛び散らせこそすれ、砕ける様子は一切無い。

「どけ!!」

彼らを押しのけ弾幕を放つ妹紅。爆発の影響で破片が自分に飛び散るのも構わず、開いた穴から瓦礫を押しのけ踏み込む妹紅。と、同時に妹紅の視覚と嗅覚を、強烈な色と臭いが襲った。
あたり一面に飛び散る血。それは床のみに限らず壁やはては天井まで届いている。
はたしてここで何が行われたのか、咽帰る様な鉄錆の臭いに顔を顰めながらも妹紅は誰か生存者は居ないかと辺りを見渡して。

「……こう」
「!?」
「……けて」

か細い声を聞いた。その声の方角に顔を向ければ壁を背を預けてへたり込む慧音の姿。そして暗闇の中で尚、彼女の腹部がドス黒く染まっていることに妹紅は気づいた。

「慧音!? ぁぁあ、こんな、な、何でこんなことに!? そ、そんなことより、は、はやく手当て、手当てをしないと!?」

当たって欲しくないと願った。しかし実際はどうだ、集まっていた里人達は全滅し、慧音も息も絶え絶えの状態。あまりの事態に頭の中が真っ白になる妹紅。

「こ、これは……」

そこへ遅れて飛び込んでくる里人。彼らは凄惨な光景に口元を押させて蹲るが、それでも気丈な数人が妹紅達に声を掛けた。

「あなたは早く上白沢殿を永遠亭へ!!」

その言葉が真っ白になっていた妹紅の頭に滑り込んだ。そうだ、こんな所で慌てている場合じゃない。
未だじくじくと出血を続ける慧音の腹部に、乱暴に止血を施すとその身体を抱え上げ妹紅は空へと舞った。



それから数週間永遠亭に入院した慧音。
永遠亭の医師―――八意永琳が渋い顔をしていたが、妹紅はその間ずっと慧音に傍に付き添っていた。
絶対安静を突きつけられた慧音の為に食事を手伝い、身体を拭い、彼女が熱で魘されれば落ち着くまでずっとその手を握る。その献身的な介護もあってか、慧音は予定より早く退院できる運びとなった。
そして彼女達は今、数週間空けていた慧音の家に戻っている。いくら人里にあるとは言え、元は女独り身の家。結果として手入れをしてくれる人の居なかった家の中はうっすらと埃が積もる有様だった。
掃除にかかった二人がようやく一段落着いたときには既に夜の帳が下りていた。
もう遅い、今日は泊まっていくといい。慧音の言葉に頷く妹紅。
やがてどちらがともなく酌を始め、月が中天に輝くほど時間が経ったころ。
ふと妹紅が口を開いた。

「……あいつ、まだ見つからないね」

妹紅が言うのは慧音を襲い、会合所で虐殺を行った犯人のこと。あれから数週間が立つ今でも、捕縛どころか手掛かり一つ見つかっていない。

「もし今私の目の前に立ってたら、一切躊躇わず焼き殺してやるのに」

持っていた杯が軋むほどの力をこめる妹紅。それほどまでに彼女は、慧音を傷つけた相手に憤っているのだ。

「……妹紅は優しいな」

そんな彼女を見つめ、慧音がぼそりと言い放った。へ? と頓狂な声を上げる妹紅に、慧音は言葉を続ける。

「この数週間ずっと私や里に尽くしてくれた。しかも今も私や里人のことを気に掛けてくれている。本当に、お前は優しいよ」

静かに見つめる妹紅を見つめる慧音の目。その視線には僅かではあるが熱が込められていた。
じぃっと見つめられていた妹紅は急に気恥ずかしさを感じたのだろう、あわててそっぽを向くと空気を振り払うように勢いよく杯を煽る。

「へへ……慧音にそこまで褒められるなんて何だかこそばゆいね」
「本心だぞ」

慧音の言葉に照れるように頬を掻く妹紅。そして逸らした視線の先で。

「……ん?」

何かが光ったことに気づいた。それは土間にある竈の中から見えていた。
まさか火の不始末か。
場所が場所だけに確認しておいたほうがいいか、と妹紅は身体を持ち上げ近づく。灰やら燃えカスやらが残ったそこを穿り返そうと火掻き棒を刺し込んで。

「ん?」

カツンッ、と奇妙な感触が彼女の手を打った。燃え残った材木や竈の内部ではない。もっと硬質な何か、だった。
薪の中に何か混ざってたのかな。
そんなことを考えながら奇妙な感触の正体を引きずり出す。最初見えたのは黒くこげた木製の何か、だった。

「なんだ、ただの燃えカス……」

湿気ていた所為で燃え残ったのか。そう考えた妹紅。
しかしそれも。

「……じゃない」

その木製の何かに続いて出てきた物を見るまでだった。
それは焼け焦げて尚鈍く光り続ける包丁だった。妹紅が最初燃えカスだと思ったのは包丁の柄だったのだ。
何故包丁がこんな所に。しかもよくよく見ればその包丁は焦げて尚、刃の部分にべっとりと炭化した何かが付着している。
妹紅に竈に包丁を放り込むような趣味も記憶も無い。となると自動的にもう一人の家人―――慧音の仕業となるが、その理由が理解できない。
仕えなくなった包丁を処理するにしても竈に放り込むなどおかしすぎる。そう、まるで処理するというよりは隠したいという意図があるように感じる。
顔を顰めた妹紅がふと考え込んだその時。

「見つかってしまったか」

妹紅の背後から慧音が声を掛けた。

「え? これって慧音がやったの?」
「うん」

妹紅の疑問に、慧音はあっさりと頷く。そして彼女は言葉を続ける。

「本当なら捨てるはずだったんだが、どうにも持ち出す機会が無くてな。どうせ火付けはお前の妖術があるし、竈の中なんてそんなに注視することはないと思ったんだが……」
「どうして捨てるの?」

見つかったか、と至極軽く言い放つ慧音。その軽さに違和感を覚えながら妹紅はそこに到った理由を聞いた。それに応えたのは。

「だって、自分の血が付いた包丁なんて使いたくないだろう?」

あっけらかんと言い放つ慧音だった。

「…………え?」

何てこと無いように紡がれた慧音の言葉。妹紅がその言葉を理解するには、数秒の時間が必要だった。そして理解して尚、妹紅は信じられなかった。

「けい、ね? 今、なん、何て?」
「ん? 自分の腹を切り裂いた包丁なんて汚くて使いたくないと言ったんだ」

まるで天気の話しでもするかのような気軽さで慧音の口から吐き出される言葉。しかしそのどれもが妹紅には理解できなかった。

「……ははっ、慧音にしちゃ随分と性質の悪い冗談じゃないか」

そう思い込み必死で笑おうとする妹紅。しかし彼女の努力もむなしくその笑顔はどう見ても引き攣っていた。
そしてその引き攣った笑顔を肯定するように。

「冗談なんかじゃないぞ。流石にあれは痛かったけどな」

あっけらかんと言い放ち、腹部を摩る慧音。それはまるで子供の頃にした怪我を思い出話にしているような気軽さ。
もっとも、その怪我を自分からしたとなれば話は全く変わってくる。

「……そ……そんな訳、ない、よね……?」

現に理解することを放棄した妹紅が発した言葉は否定だった。

「だって、だって、大怪我だったんだよ!? その傷だって下手したら死んでたんだ!! そんなこと自分で出来るわけない!! 万が一出来たとしてもわざわざ自分で自分を傷つける意味が無いよ!!」

百歩、いや千歩、一万歩譲って慧音が自傷行為を行ったとしよう。しかし、その上で自分に死に掛けるほどの傷をつける意味が分からない。自傷行為は重症化しない範囲での無言の主張なのだから。
頭を振る妹紅、しかし彼女に慧音が吐いた言葉は。

「だって、大怪我したらお前に看病してもらえるじゃないか」

あまりにも軽いものだった。

「……なに……それ……」

あまりにも下らない理由に妹紅も言葉が続かない。しかし呆然となる頭の何処かで今までの出来事が一本の線で繫がった。
慧音を襲ったという暴漢の話、そして放火、殺人。その全てに慧音は『巻き込まれていた』。そして全てにおいて妹紅による看病が必要なほどの怪我を負っていた。

「慧音、まさか……」

まさか全ては。
到りたくない結論に到った妹紅。彼女の愕然とした表情で察したのだろう。慧音の唇が。

「ようやく分かってくれたか」

にたり、と歪んだ。

「なぁ、妹紅。私が始めて火傷したときのこと覚えてるか? あの時お前は私以上に私の身体を心配してくれた。それがとても嬉しかった。そして同時に気づいたんだ、私は心のどこかでお前に構って欲しいと思っていたことに」

歪んだ笑みで妹紅を見つめる慧音。彼女の口から朗々と紡がれる告白に妹紅は口を挟めない。

「だから傷つけた。お前に傍にいてもらうために。お前に看病してもらうために。お前に……構ってもらうために。だからな、妹紅」

そっと妹紅の手をとる慧音。彼女の瞳は熱病にかかっているかのように潤んでいた。

「自分で腕を斬った時みたいに、放火した火事で火傷した時みたいに、殺しまくって最後に自分の腹を刺した時みたいに、私を助けてくれ、私を手伝ってくれ、私に構ってくれ、身体を支えて、料理を作って、一緒に寝て、一緒に行動して、一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に一緒に」

壊れた機械のように繰り返される言葉。自身を見つめてくる異常者の目。妹紅は気づいた。
一連の事件は、全て慧音の狂言だったということに。そしてそれを行った理由が、『ただ妹紅に構って欲しい』という子供じみた感情だったことに。
あまりの事態に腰を抜かした妹紅。しかし動こうにも、逃げようにも、全く身体は動かない。
ただガタガタと震えながら慧音を見上げる。

「……ああ、そうか。悪いな、妹紅。怪我もしてないのに、これじゃお前が看病できないな」

そんな彼女を見下ろすのは酷く寂しそうな慧音の視線。
だから彼女は妹紅の握ったままだった包丁を掴むと。

「……これで、足りるかな?」

呆然とする妹紅の手を導いて、自身の眼球へと突き立てた。

「!! ぎぃぁっ、ぐっ、げぁっ……!!」

ブチブチと伝わってくる感触が何なのか、妹紅は考えたくも無かった。目の前の異常な光景にもはや言葉も無く、嫌々と子供のように首を振り、ただガタガタと震えるだけ。
やがてブチュリ、と嫌な音を立て包丁が抜き去られる。その音に妹紅が掠れたような悲鳴を上げる。
そしてそんな彼女を空ろとなった眼窩からぼたぼたと血を垂れ流しながら慧音が見つめた。

「……なぁ、妹紅……今度は……右目……怪我して……また包帯…巻いてくれるよな? ……ほら……血もこんなに出て……」
「ひぃぃっ!?」

その光景に耐えられなくなった妹紅が小さな悲鳴を上げた。力の入らない身体を何とか動かそうともがく。
だが。

「頼む、妹紅。私を看病して、私を助けて、私に構って、私に付き添って、私に私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私に私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に私を私を私に私を私を私を私に私を私に私を私を私を私を私を私に妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅っ……!!」

だんだん大きくなる声とともに身体が捉まれた。

「ぃ、ぃいやぁぁあああああああっ!!」

声は誰にも届かない。
手が出せずひたすらに慧音の言いなりか、もしくは恐怖に負けて慧音殺害か。
やったね、もこたん!! どう転んでもバッドエンドだよ!!

まずはここまでお読み頂き有難うございます。筆者の穀潰しです。
今回は単純に『好きな人に構ってもらいたい』と『慧音だって壊れたっていいじゃない、産廃だもの』です。なお、分類にある『ほら吹き男爵』の意味が分からない方は『ミュンヒハウゼン』で検索してみてください。
しかし普段真面目な人の箍が外れるとろくなことにならないのは何処でも一緒ですね。
あとマキャベリシリーズですが、基本スタンスは『手段を選ばない』です。
それでは、皆様に少しでもお楽しみ頂ければ幸いです。

>ポリ様
よし、少し冷静になりましょう。そんなにがっつかなくても獲物は逃げません。

>先任曹長殿
被疑者射殺なんてそれハッピーエンドになっちゃうじゃないですか。
あと私の作品では姫の出番はございませんので引っ込んでてください。

>4様
ほう……どうやら貴方も同好の士のようですね。

>5様
精神病の使い勝手は異常ですからね。それと貴方様の作品は何時ですか?
穀潰し
作品情報
作品集:
1
投稿日時:
2011/09/29 15:48:46
更新日時:
2011/10/05 01:06:48
評価:
5/7
POINT:
560
Rate:
14.63
分類
上白沢慧音
藤原妹紅
マキャベリシリーズ
『ほら吹き男爵』
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投稿パスワード
POINT
0. 60点 匿名評価 投稿数: 2
1. 100 ポリ ■2011/09/30 01:38:00
紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅妹紅
2. 100 NutsIn先任曹長 ■2011/09/30 02:21:03
けけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけっけえけっけけええええええええええええええいいいいいいねえええええええええ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

こいつあ、とんだかまってちゃんだっ!!

あわやというところで、数少ない物証から真相に辿り着いた自警団のSWATが踏み込んできて、
もこたんに迫るけ〜ねにMP5を一斉射撃!!
被疑者死亡で事件は幕引き、と。





「『自分に素直になる薬』、ここまでの効果があるとは……」
「ふふっ、妹紅の泣きっ面も拝めたし、良い暇つぶしになったわ」
4. 100 名無し ■2011/10/01 02:08:18
なんて私得
5. 100 名無し ■2011/10/03 11:52:20
ああ、ミュンヒハウゼンネタいつかやりたいと思ってたんだけど、これは見事にやられた
7. 100 名無し ■2012/03/04 23:36:30
オチはわかってたのにそれでも引き込まれる話っていいよね
ばれたからって歴史改訂に頼ったりしないでどうどうとかまって欲しいという慧音が恐ろしい
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