悪い美鈴

　

「聖水に私のおしっこ入れてあげたわ。これで、私にはこの聖水は効かない」
「私にとっては、この方が聖水ですよ」
「そうね、……それは良かったわね」


　　今日も元気に、美鈴は紅魔館の中で壁に寄り掛かって門番をしていた。すると、壁の向こう側から声が聞こえてきた。


「十字架に私のウンチ塗ってあげたわ」
「ようやくこれで、検便検査に提出できますね」
「どうして、……いつも再検査なの？」


　美鈴は思った。レミリアと咲夜はいつからおかしくなってしまったのだろう。


「こないだ、大きな胆石がパチュリーから出てきたの見る？」
「興味ありません」
「興味ない。咲夜ならこういうの好きそうだったからとって置いたのに」


　このあいだパチュリーは、お腹が痛いので手術を受けた。そうしたら、大きな石が出てきた。


「フランが咲夜の絵を描いたの見る？」
「燃やしてしまいましょう。そんなもの」
「ちゃんと、火の始末をするのよ」


　最近フランは、小悪魔から貰った鉛筆でよく絵を描くようになった。美鈴も描いて貰ったことがあった。ゲル○カみたいな絵だった。うれしい気持ちいっぱいの美鈴は、その場でフランを埋める遊びごっこなる遊びを考えてフランを埋めて遊んだ。
　ところが畜生あの餓鬼、埋められて三日後に地下室に戻ってやがった。五メートルも埋めてやったのに、、、、



「さて、合言葉を言え！」
「まだ間に合う！」
「スクルージ！」

　
　お二人さんそんなことでは、クリスマス商戦は生き残れませんぜ。鹵獲したばかりの魔理沙にはサンタ役は無理ですぜ。


「ところで、美鈴は最近どうなの？」
「……え？　美鈴様ですか？　お嬢様」
「ええ、美鈴」


　レミリアの餓鬼が、私のことを呼び捨てにしやがって。前から思っていたがあの餓鬼が何でお嬢様なんだ？
　咲夜は、ようやく解かってきたみたいだな。


「こたえなさい」
「……最近は、門番ごっこを良くやっておられます」
「なんですって！　美鈴が門番ごっこ！　チャンスよ！」


　お？反乱か？この幻想郷の火薬壷と言われたいわたしに？


「作戦考えたわ。美鈴をこれから倒す」
「良くぞ！　良くぞ！やる気になってくださいました」
「そうと決まれば、突撃！」


　……二人は部屋の中から出てくるようだ。私に反乱なんて、八億年早い。

「美鈴覚悟！」
「あああ待って下さいお嬢様！」
「え？　何？　があぁああ」


　咲夜は気がついたが手遅れだった。美鈴が部屋の中に入ってきてレミリアの頭を掴んで千切った。