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『ピザ』 作者: 和多
「なあ、晩飯の時間だろ腹減った。ピザ食べたいぜ」
「……ピザは食べちゃだめよ」
昼下がり図書館の一角にある魔理沙専用ベットで、魔理沙は漫画本を読み見ながら言った。今日は久しぶりに熱々のチーズが乗ったピザが食べたくなった。
それなのに、パチュリーは駄目だと言った。いつも魔理沙の言うことは大抵聞いてくれるパチュリーが断った。
「ピザ! ピザ! 薄い生地のがいいぜ」
「……今は、ピザは無いわ。かわりに野菜スープが有るから食べて」
パチュリーは、小悪魔に命令すればいいものを自身で野菜スープが入っている容器と太いストローをお盆に乗せて持ってきた。こんな姿小悪魔には、見せたくない。
「私はピザが食べたいんだぜ!」
「……ごめんね。魔理沙ピザはまた今度にしましょうね」
バシ!
ベシャ!
魔理沙はパチュリーが持っているお盆を叩いた。お盆に乗っていた料理は、こぼれてパチュリーの服を汚した。
熱かった。少し火傷したかもしれない。パチュリーは必死で痛みに耐えながら、こぼれた料理を片付け始めた。
「ピザ! お前がピザ食べさせないからこうなったんだぜ」
「……ごめんなさい。魔理沙の言うとうりね。でも今日は別のものにしてね」
ピザを魔理沙に食べさせてあげたい。でも、食べさせるわけにはいかない。
「ピザ! 食わせろ! ピザ! 私が言ってるんだから、ピザを出さないといけないはずだろう?」
「……そうね、私はピザを出さなければならないわ。でもね、おねがい今日は我慢して」
パチュリーは、悲しそうな顔をしながら魔理沙に言った。何とかあきらめて貰いたい。それから、一通り片付けを終えたので、魔理沙の為に新しい野菜スープを盛りに行った。
もう一度、盛られてきた野菜スープを見て魔理沙は言った。
「だからー!! 私が言っているんだ用意しろよ!」
魔理沙は言うことを聞いてもらえずキレテしまった。そして読んでいた漫画本を丸めた。
バシ!
パチュリーは漫画本を顔に思い切り投げつけられた。傷は出来てはいないもののジンジンする。後で痣が出来るかもしれない。
「……痛い」
「パチュリー! 痛いのは当然の報いだろう! 言うこと聞かないお前が悪いんだ!」
我がままな魔理沙、でも私は許してあげる。アリスの元で必死に修行や勉強したのに種族魔女には成れず。年老いて歯が抜け、内臓が弱り柔らかくて消化のいいものしか食べられなった。
最近はベットから起き上がる事も出来ないでいる。修行で根を詰めすぎたせいで漫画本を魔道書だと思い、いつも読んでいる。
「……アリスはあなたを見捨てたけど私は見捨てないわ」
魔理沙の残り少ない寿命が尽きるまでね。
食い物ネタ
魔理沙パターン
やってしまいました。
誤字修正しました。
和多
- 作品情報
- 作品集:
- 2
- 投稿日時:
- 2012/01/13 11:40:04
- 更新日時:
- 2012/01/15 01:09:26
- 評価:
- 6/10
- POINT:
- 640
- Rate:
- 13.30
- 分類
- パチュリー
罪悪感も感じず、わがまま三昧。
苦しみを味わってまで、何故こんな女に尽くす、パチュリー!!
つまらない、とは思わないんだろうな。
手を変え品を変え、魔理沙を宥めても、彼女に誠意なんて通じないんだから、そうとしか思えん。
しかし、作者様、また変化球で攻めてきましたね。
ネタを見事に御馳走に変えた文才に脱帽!!
努力する普通の人の最後はこんなものかもしれないですね。
パチュリーの献身が妙に悲哀を誘います。
2>>寿命ネタは難しいです。
3>>いつもなら殺されてしまうところ、なぜ我侭が許されるのか考えた結果寿命ネタになりました。
4>>匿名による評価ありがとうございます。
5>>驚愕の事実発覚です。パチュリーならむしろしつこいくらい尽くしてくれそうなイメージで書きました。
6>>匿名の評価ありがとうございます。