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『優雅に遊ぶ早苗さん』 作者: ギョウヘルインニ
「早苗調子に乗ります!」
とある朝のひと時、早苗さんが手榴弾を持って諏訪子と神奈子がいる部屋に投げこんだ。その手榴弾は美しい放物線を描いて、二人の前に落ちた。突然の出来事に何も理解できない二人、あっという間に15秒が過ぎてしまった。早苗さんは二人がどんな風に挽肉になるのか想像すると、とても楽しいひと時だった。
育てて貰った恩義、守屋の巫女として幻想郷で過ごした日々、そのすべてが早苗さんにとってかけがえのない日々だった。
しかし、それも今日で終わる。手榴弾は美しくも儚く炸裂したのである。二柱は無数の肉片になった。
「早苗ばいばい」
「ばいばい早苗」
炸裂する瞬間かその後に、早苗さんの都合のいい耳には確かにそう聞こえた。それは、二人の最後の言葉だったのかもしれない。もしくは、早苗さんが散っていく二人の顔を想像しながら自分で作り出した幻聴だったのかもしれない。でも、それは確かに聞こえた。
「いままで、ありがとうございました!」
爆煙が燻る中、飛び散った肉片に向かい早苗さんは一礼をして神社を出て行った。僅かにも残らないその気持ちを抑える気持ちは無く、金に成りそうな物を持ち出した。悲しくもそれでいて新しい発見がありそうな旅立ちだった。早苗さんは神社の外まで来るとを最後になろう景色を一瞥する。そして、美しくもその口からカーッとタンを吐いた。タンは、石畳を汚した。それは、神社との決別を意味する物だった。最後にもう一度一礼して神社を出た。
山はいつもの風景だった。変わったのは、早苗さんと神社だけだった。澄み切った空気を、全身で感じながらこれからどうしようかとも考えない。唯、楽しいと思ったことをするのみなのである。
二柱の庇護を失い奇跡は起こせなくなった。巫女として成熟しきった早苗さんには、むしろその力を阻害する足枷になっていたのである。
早苗さんは歩き始めた。やることが決まっていないが止まる気など毛頭ない。
しばらく、優雅な足取りで山を歩いていると、厄を集める鍵山の殿がいたのでからかって見ることにした。
「鍵山殿こんにちは」
鍵山の殿は私を見て、優雅に回転しながらお辞儀した。さて、からかおうか。早苗さんは、優雅に回転する鍵山の殿に、新品のガムテープを端をつけてみた。ガムテープは、恐ろしい勢いで剥がし出され鍵山の殿に巻かれていった。
黒、赤、緑といった塗装だった鍵山の殿は、見る見るうちに茶色に成っていった。特別仕様で長いガムテープでそのうちにミイラのようになっていった。
「鍵山殿いつまで持つかここで私が見ていて、あげますね」
さらに回転し続ける。優雅だったその動作が、いくらか散漫になり始めた。既に全身茶色いミイラだ。
「私は、いつか復活するために眠りにつきますわ」
いつの間にか、ガムテープがなくなった。身動きが取れなくなった鍵山の殿が崩れ落ちる時に、言ったように聞こえた。確かに、早苗の耳には絶対聞こえた。
「かんばってくださいね」
早苗さんはガムテープの芯を美しい動作で捨てた。後の動作は流れるような動作で、灯油缶から灯油を茶色いミイラにかけて火を点け逃げ出した。まさに明鏡止水の如くの動作だった。
逃げていく早苗さんの背後で、焔となって燃える鍵山の殿は最後にありあえないぐらい伸びた。
逃げ出した早苗さんは、郷まで下りてきた。郷もやはりいつもの風景、ここ数年過疎の影響を受けて売り地ばかりが目立ち、商店街はシャッターが下りているほうが多い。
「相変わらず。汚い郷ですね、長崎の山から見た100万ドルの夜景が恋しいです」
砂塵が舞う郷を歩いていると、元聖職者の慧音先生が健気に青空教育していた。寺小屋は家賃が高いので追い出されてしまっている。悪い奴等のせいで、慧音は頭がおかしくなってしまっていて殺した少年少女の首を広場に彼女しかわからない比率で置いて、熱心に教育していた。
少年少女の親が怒らないのは、少年少女の親達も一緒に授業を受けているからである。今日の設定は、授業参観なのだ。おかしくなっていても気高い彼女は、激しい腐臭の中良く通る美しい声で授業していた。
その様子を見た早苗さんは、慈悲深い心の持ち主だった。ここでは、何もしないでおいてあげよう。してはいけない。
「早苗君、次の問題は?」
去っていく早苗さんに、慧音は問いかけて居た。いつかまた、寺小屋で授業ができるといいね先生......
郷でも特に治安の悪い貧民町に差し掛かると、辺りは薄暗くなってきた。いつの間にか空は曇天、気圧が下がったせいなのだろうかここにきて止まらない気持ちが、減ってきた。
危険地帯のこの辺りは、特にこの時間はやばい。かつて命蓮寺という、寺で布教活動していた輩が跋扈している。現在では博霊神社先頭で廃仏毀釈を進めたせいで、命蓮寺の連中は犯罪者に成り果てていた。
早苗さんは、わざと目立つように歩いた。無意味に大音量で道中音を流して回った。そうでもしていないと、やる気が完全に無くなってしまいそうだったから。
完全に辺りが暗くなって来た。暗がりから曲がって壊れたダウジングロッドで食べ物を捜す聖様が現れた。聖様は死んでしまったナズーリンの形見で食べ物を捜していたのである。
「こんばんは、早苗さん。あなたはレア度0の人間ですが、巫女なので食べられそうですよ」
聖様は既に聖人ではなくなっていた。太陽に近づきすぎたイカロスの羽が溶けてしまったように、聖様もまたその深すぎる慈悲のせいでおかしくなってしまった。
ある日から、突然日の光を恐れるようになり夜のみ行動するようになった。そして、有機物なら人間以外何でも際限なく食べるようになっていた。最近では、人間も食べているらしいが。
「聖様じゃないですか? 奇遇ですねこんなところで何をしているんですか? ……念仏なら寺でして居てください」
早苗さんは、挑発するようにしゃべりながら親指を下にした。新しい獲物が遊びに来てくれた。今度の獲物は少し遊びがいがありそうだった。
「……寺など関係ありません。私の居るところが、寺! 聖域! 私と一緒になることが全ての有機物にとって幸せなのです」
「じゃあ、有機物なら何でも食べるんですか? 大丈夫です。糞を食べろとは、言いません」
落ちた聖人聖様は、ちょっと、素に戻って考えた。ここで、落ちてる糞でも食べて見せたほうがお話的に美味しいか。それとも、うやむやにして襲い掛かるほうがいいか考えた。
「それより、これを見てください」
聖様は、懐からトンファーを取り出した。全てうやむやにすために戦うことにしたのだ。トンファーをグルグルまわして臨戦態勢だ。
「琉球古武術ですか? いいでしょう相手してあげます」
かつて琉球王朝時代、自衛の為に石臼から挽き棒を利用したというちょっと意味不明な武術であった。
早苗さんは、空気を読んで素手で戦う振りだけはしてあげるつもりになった。
聖様の激しい突き、払い、叩き攻撃、流線全てが無駄が無く隙が無かった。流石の早苗さんも2、3攻撃をもらって仕舞った。当たったところの骨は砕けてしまった。
「なんだですか? 思ったよりも巫女さんは弱いんですね?」
体格で勝る聖様は調子に乗って体当たり、早苗さんは突き飛ばされてしまった。
「……よくも」
早苗さんの脳内では、痛みと怒りによりアドレナリンが大量に放出されていた。
怒った早苗さんは、グルカナイフを取り出して投げた。
グルカナイフは聖様の腕に刺さった。聖様は刺さったグルカナイフをみた。
「ひへへ! 良くぞ人間の分際でこの私に手傷を負わせました!」
聖様は笑い、グルカナイフが刺さったまま拍手した。”シュン”風が吹きぬける音、拍手する手が突然無くなった。
「馬鹿ですね。戦ってる途中に油断なんて」
早苗さんが素手で、聖様の手をもぎ取っていた。いまさらだが、既に早苗さんは巫女以外にもたくさんの資格を持っている。今使ったのは、吸血鬼の資格だった。
腕を失った聖様は石化してしまった。早苗さんの攻撃効果で時々石化が付いていたせいだった。
「随分中途半端な戦いでしたね」
石化する寸前、聖様が泣きながら訴えていた。
別れの言葉にしては、悲しすぎる。早苗さんはそう思った。
早苗さんは怪我の治療の為、房中術に挑戦することにした。
たちまち変装して男になって村娘を襲うことにした。
郷の繁華街までくると、阿求がいて夜の郷を記録に残していた。カメラで写真を撮っていると背後から早苗さに襲われた。
「きゃ!」
突然早苗さんに襲われて、悲鳴を上げようとした阿求は口を塞がれてしまった。
「これは、これは、上玉ですね」
早苗さんは、傷の痛みなど既に忘れていた。興奮してさらに脳内麻薬がドバドバ出ていたのである。
”ビリビリ”服を破く、あらわになる下着”びりびりり”下着も破られる。成人しているはずなのにまだ未発達の双丘と恥丘が、宵闇の中で曝された。
早苗さんに恐怖と畏れを感じた、阿求はまったく抵抗しなかった。
早苗さんは、抵抗しないをいいことに全裸にした。まずは、全身をソフトに舐めまわした。阿求の薄い甘美な味が早苗さんの口内に広がった。舐められて居る間ずっと阿求は震えていた。初めてがこんな体験になるなんてとても悲しいことだった。
全身を舐め回すと、今度は胸を揉み始めた。それは、揉むというよりかつぶすといった表現が似合っていた。小さな胸が歪な形に変わった。痛みが阿求を襲った。痛みで苦悶の表情になった阿求それを見た早苗さんはさらに興奮した。
何度も何度も胸を揉む、いつしか鬱血し始めている。早苗さんは、その色が好きだった。そして、さっき生えてきた男根を阿求の手に無理矢理握らせてしごかせた。すべりが悪いので阿求の手首を切って噴出した血を潤滑剤にして楽しんだ。
何回か早苗さんは、その行為で果てた。いくらか満足してきていた。しかし、これは房中術、やっぱり最後は膣でということで滴る阿求の血を未発達の割れ目にかけて男根を挿入した。
満足しかけたところにまた新しい反応、再び早苗さんは興奮した。挿れられている阿求は出血で虫の息だった。さらに、初めて男根を受け入れる所から新しい出血できた。青白い顔になってショック症状が起き始めていた。
やはり何度も何度も腰を振り、先ほど受けた傷の毒を精巣に集める。集めた毒は刺激により精道を通り阿求に放出された。男根も切り外され、早苗さんは元の女にもどった。
”早苗さんが果てるとき、阿求は力尽きてしまった。”
使用済みには、使用済みの末路があった。阿求のおかげ怪我が癒えた早苗さんは、遅めの夕飯を食べることにした。
末路の阿求は、転生するためなのか何処かに消えてしまった。そこは早苗さんが一番知っていて、一度も見たことの無いところだった。
”また再び出会うときまでさよなら阿求”
いつのまにか、夜は明けていた。
永遠亭の一室で早苗さんが美しい寝息を立てて寝ていた。
早苗さんは、悪夢を見ていた。
幻想郷にある湖にはアリスが作った海賊団が日夜跋扈し無法の湖となっている。
「よーさー! 魔理沙副船長! あそこに居るのは、東幻想郷(ひがしげんそうきょう)チルノ貿易会社の商船じゃないか?」
我等が船長アリスが、目視で商船を見つけた。ちなみに、両足が義足なのは基本だった。
「はは! そうだな! 略奪か? 殺戮か?」
我等が副船長魔理沙は今日も元気だった。ちなみに両手がフックになっている。
「それは無理、奴等はあれで装甲艦こちらは木造船勝ち目がないわ」
ここで戦力の説明、我等がアリス海賊団の船は手漕ぎボート級木造船だった。対するチルノ貿易会社側はアヒルさんボート級装甲戦艦だった。我等がアリス海賊団の主兵装は火矢で、チルノ貿易会社は20ポンド砲がアヒルさんの口に二門搭載されている。
やばいやばいやばいやばい!見つかったらむしろこちらがやられる。逃げないと、まずい。
「大妖精艦長、6時の方向に馬鹿がいますが?」
「ああ、あれ? 気にしなくていいから」
「アイ、了解しました。まあそうだろなと思いました」
逃げて出した海賊団は、次の獲物を見つけた。
「よーさー! 魔理沙副船長! あそこで溺れているのは、早苗じゃない」
我等が船長アリスが、藁にしがみついて漂流している早苗を見つけた。
……酷い夢だった。気分が悪かった。昨日阿求と分かれた後永遠亭を襲った。
死なない蓬莱人は液体窒素の中、ウサギは皮を剥いで布団にしようとしたが足りなかった。
流石に疲れてそのままベットがあったので寝てしまった。
眠りから覚めた早苗さん今日は何をして遊ぼうか考えなかった。考えられなかった。
「早苗君、次の問題は?」
壊れた慧音先生が新しい生徒を見つけて、斧をベットに振り落としただけだった。
後日
慧音の授業を受ける早苗さんは、体育時間自分の首でサッカーしていた。
まじめに書いて脱線してしまいます。
優雅という言葉が大好きです。
今年も産廃は優雅に舞ってほしいです。
コメントの返信
1、名無しさんへ
ほのぼの一本では、この先は生き残れそうもないので新しい言葉の開拓に乗り出すことにしました。
やっぱり、脱線するのが僕ですね。
3、名無しさんへ
そうなんですよね、意味不明はあるんですが。
4、NutsIn先任曹長さんへ
夢の話は、落ちの付け所に困って考えた話なんです。
5、名無しさんへ
なかなか、アレッぽい話から脱却しようとしてしまいこれです。
早苗さんの特技は、オーバーヘッドシュートなのですが今の状態で成立するのでしょうか?
6、名無しさんへ
面白かったですか。ありがとうございます。分類にも納得していただきありがとうございます。
7、んhさんへ
もしかして、作者が九州在住じゃないことがばれていますか?
グラバー庭も良いですよ。
8、名無しさんへ
真面目と認めて貰いありがとうございます。ワールドカップで活躍してもらいたいものです。
9、名無しさんへ
今年は”優雅”来ますかね?
10、名無しさんへ
気に入りました。教育問題とかその辺りとかですね。
11、ローゼンメタルさんへ
あの実を食べて、アリスは魔法使いになったのかもしれません。
匿名評価をくれた方ありがとうございます。
失意の作者2月1日返信
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
2
投稿日時:
2012/01/19 17:35:12
更新日時:
2012/02/01 19:13:38
評価:
11/18
POINT:
1140
Rate:
14.56
分類
不明
僕はエログロだと思う。
コメントは優雅に返信されました。
しかし展開のアレっぷりに反して文章は割と真面目なので分類に困りますね…
ちゃんとスプレーで落書きしたのかな?
早苗さんには次のワールドカップのナデシコの一員になれる様がんばって欲しい。
これ夢オチだったんですか?
読解力が無いのでよく分かりません。
それにしても早苗さん…なんて罰当たりな…。
何か嫌なことでもあったのか…。