咲夜の行動

咲夜は穴を掘る。

レミリアに命令されたからだ。

時間をかけて、ゆっくり掘る。

能力で時を止めて、掘ることも出来る。

でも、今日は止めない。止めたくない。



「お嬢様出来れば、土をかけて下されば有難いのですが」

穴の底から上を見上げて言った。咲夜の目には、灰色の曇った空しか見えなかった。








_________なんだかな？


　　



　　何も無い。






_________咲夜は閉じ込められていた。いや、美鈴が今度サボったとき懲罰を加えようと特注の部屋を作った。ところが、それを察知したのか美鈴はサボらなくなった。


　これでは、部屋を作った意味が無い。実に困った。そのうち、せっかく準備したのだから自分で入ろうと思い入った。それで、今に至っている。

　問題は、出口が無いことだ。一度閉めると出口自体が無くなる。密閉状態になる。余り広い部屋では無いが、中途半端な魔法が掛けてあり明るい。空気がなくなるわけではないので窒息はしない。それ以外はむき出しのコンクリートの壁が四方を囲むだけだ。

「意味も無く入ったけど、余り面白くない」と一人事を言った。

　それから考えた。そういえば、懲罰用に作ったのだから面白いはずが無い。もっと、壁に花柄の絵とかを描いて置くべきだった。ボタンを押すと、音楽が流れるようにしておけば良かったと考えた。