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『Blue Day』 作者: イル・プリンチベ

Blue Day

作品集: 2 投稿日時: 2012/02/12 02:01:49 更新日時: 2012/02/12 11:01:49 評価: 5/5 POINT: 480 Rate: 16.83
―1― 警備中の犬走椛





 「今日も異常なし。このまま何も起こらなければいいんだけどなぁ…」


 いつものように妖怪の山に侵入してくる輩が来るかどうか見張っているのは、天狗の中で最も下っ端にすぎない白狼天狗の犬走椛である。


 「ああ、今日はさっさと家に帰って休みたいなぁ」


 椛のひとりごとの様子から見るとどうも体調が芳しくない事が窺えるのだが、それでも十分すぎるぐらい動きが素早いのは、下級天狗といえども一応天狗という妖怪にカテゴライズされているということがよくわかる。


 「もうすぐ出勤務時間が終わりだ。やっと大天狗様のセクハラから解放されると思うと、どうしても気が緩んでしまうが、そこはもう少しの辛抱だ」


 ―白楼天狗勤務中―


 あれからずっと椛は休みを取らすに山の周辺を見回りしているが、不用意な侵入者はだれ一人いなかったので、自分が仕事を多少サボっても問題ないと考えてしまった。空を見ると日が暮れ始めたので、昼勤である自分の仕事時間は終わりだとわかっていてもどうしても緊張を解かずにはいられない椛である。


 「さっさとタイムカード打ってしまおう。下手に長引くと、大天狗様のセクハラ攻撃が容赦なく襲いかかってくるからな」


 業務時間が終わった椛は天狗の里にある事務所に入ると、同僚たちが先を争ってタイムカートを打っているではないか。運がいいことにセクハラ大王の大天狗もいない事だから、素早くタイムカードを打ってしまいたい心境だった。


 「よし、今日はこれで終わり。さっさと家に帰って早く休もう」


 大天狗のセクハラ攻撃が襲いかかる前に運良くタイムカードを打てた椛は、職員用のトイレに急いで駆け込んでしまったではないか。


 「最近大天狗様のセクハラが酷いような気がする…、私なんて特別美人でもなければこれといってスタイルも良くないのに、油断をしたら肩や腰を撫でまわすだけでなく胸やお尻まで触ってくるんだから、一体何を考えているのか私にはさっぱりわからないわ」


 小声で大天狗のセクハラ行為がエスカレートしている事に椛は苛立っており、自分の事を特別美人でもなくスタイルもいいわけではないと自覚しているのだが、椛の身長は160センチと同世代の少女の中で割と高い部類にあり、体重は48キロとこれまた標準を保っているも、スリーサイズはB88(Eカップ)W61H88と脂肪がついて望ましい部分についているためにいい意味でムチムチした体型でなおかつ顔も健康的でふっくらしているのだから、大天狗のようなオッサンだったらどうしてもセクハラせざるを得ないぐらい魅力的だということに椛自身が気づいていない事が哀れでならない。


 ギイィィィッ!


 椛はトイレの扉を開けてから個室の中に入り込むと、


 バタンッ!


 ガチャッ!


 扉を閉じてからすぐに備え付けられていた鍵を掛けてしまった。


 椛の職場のトイレは、河童のエネルギー産業革命の恩恵を受けているために、和式の組み取りではなく洋式で水洗化されているために非常に衛生的で、便座に暖房が取り付けられているだけでなく性器や肛門の汚れを洗浄するシャワーが備えられているので女の子にとって非常にありがたみを感じるものであった。


 「ふぅ…」


 椛は便座に腰掛ける前にため息をつくと、愛用の鞄を一度水洗タンクの上に乗せそこからピンク色のポーチを取り出してから、チャックを開けて何やら白いビニールに包まれた布切れらしき物を取り出してからそれをスカートについているポケットの中に入れてから再びチャックを閉めると、ピンク色のポーチを鞄の中に入れてから鞄を閉じるのであった。


 一度便座から立ち上がりスカートの中に手を入れると、純白のドロワーズを足の付け根まで引き下ろしてから再び便座に座りこむ。


 (毎月くると解っていても、嫌なものは嫌だなぁ…。どうせなら、寿命の短い人間に生まれたかったような気がするよ)


 小声で月に一度必ず来る習慣に妬みを感じてから自分の性器がある股間を覗きこむと、信じられない事に椛のアソコには白い紐がぶら下がっているではないか!


 (人間の女だと長くてもだいたい30年ぐらいで済みそうなんだが、妖怪である私はあと1000年以上もこれに耐え続けなきゃいけないと思うと気が遠くなってしまうよ)


 半ばうんざりした表情をした椛は、備え付けのトイレットペーパーを何枚か取り出して太ももの上に乗せてから大切なアソコにぶら下がっている紐を引き抜いてしまうと、なんと赤く染まった棒状のものが姿を現してしまったのだ!


 (うわぁ、気持ち悪いなぁ…。男の人たちは何かと可愛い女の子の事をもてはやすけど、まさかこんな気持ち悪いものが体内から排出されているとは思ってもいないだろうよ)


 おそらくそれは3時間もの長い間ずっと椛の子宮に挿入されていたことを示すために、そこから引き抜かれたそれは真紅に染めあげられた事が窺えるのだが、この有様が何を意味するかというと今の彼女は生理中である事を意味している。そして“ナプキン”派であるか“タンポン”派であるかは別として、椛は仕事中ずっと“タンポン”を使って自分が生理であることをひたすら押し隠していたのであった。


 (こんなグロテスクなものを見たら自分でもウンザリするんだから、仮に他の人が見たらトラウマになってしまうだろうさ)


 慣れた手つきをしていると共にどこかバツの悪い顔を浮かべると、自分の経血を吸収しきったタンポンを先ほど太ももにおいた塵紙で包みこんでおいてからトイレの後ろ側に付けられているサニタリーボックスに入れてしまうのである。


 (そういえばさっきもここのトイレを使ってタンポンを交換したんだけど、私の記憶が間違いなければサニタリーボックスに私が使ったタンポンが3本あったはずだが、一本もなかったんだよな…)


 (誰かが掃除した痕跡も見当たらないし、まさかこんな事は考えたくもないのだがセクハラマスターの大天狗様が私の使ったタンポンを盗んだとは思いたくないが、絶対にないとは言い切れないのが悲しい現実だろうな)


 スカートのポケットに入れていた白いビニール袋に包まれている布切れらしきものを出してから、ビニール袋を閉じているテープを引き剥がすと“河童のエネルギー産業革命の恩恵”ともいえる白い布切れらしき物体が姿を現したのである。


 (さっきまで使っていたタンポンも悪くはないが、今まで布ナプキンをずっと使っていた私にとってこの使い捨てのナプキンの方が落ち着くんだよな)


 椛は膝下まで引き下げたドロワーズのクロッチに、“河童のエネルギー産業革命”の恩恵ともいえる“使い捨ての生理用ナプキン(羽なし)”を取り付けたではないか。


 (守屋神社の神様万歳ってところだね!この使い捨てナプキンは今までずっと使ってきた布ナプキンと違って、繰り返し使う為に洗濯という煩わしい作業をしなくていいんだから!)


 “使い捨ての生理用ナプキン(羽なし)”が付けられたドロワーズを再び穿き直すと、椛は身だしなみを整えるためにスカートの皺を手アイロンで取り除くのであった。


 (しかもナプキンの裏に粘着テープがついてるから、羽がなくても下着に固定するから横漏れがしないっていう事が素晴らしいんだよね!)


 椛はナプキンを包んでいたビニールをサニタリーボックスの中に捨ててから、「ふぅ…」と一息ついてから今まで保っていた緊張を完全に忘れようとする。


 (それにナプキンに血がついても最低でも2時間ぐらいはサラサラな状態を維持してくれるから、ついつい生理であることを忘れさせてくれるぐらい快適に過ごせるっていうのが素晴らしいんだ)


 生理の処理を済ませた椛は、用は済んだのだから長居は無用だと言わんばかりにカバンを肩にかけると、セクハラ大王の大天狗の魔の手が届かない場所に避難することを試みたのである。


 (一度この感触を覚えたら、あの忌々しい感触しか残らない布ナプキンなんて使えた代物じゃないさ)


 
 ガチャッ!


 ギイィィィッ!


 バタンッ!


 椛はトイレの扉の鍵を解いてから扉を開けると、慌ただしく個室から出てしまうなり大天狗のセクハラ攻撃の対象外となるために脱兎の如くトイレから去ってしまうのだった。変質者の巣窟ともいえるこの職場を一度出てしまえば、後は大人しく自宅で生理用品の交換をすればいいわけであり、今日の夜に椛の部署で行われる飲み会はあらかじめキャンセルしたので、変態セクハラ上司と下ネタ大好きな同僚たちに絡まれることがないという安堵感を始めて覚える椛であった。






―2― 泥棒娘のヘビーで横漏れが酷い生理痛について






 「うわっ、最悪だ!またやらかしちまったぜ…」


 魔法の森には外の世界の名残ともいえるガラクタらしき落し物や、人間の里のどこかからか盗んできたと思われる珍品や、妖怪社会の文化の名残らしき物があちこち散らかっている小汚い一軒家がある。そこはいうまでもなくモラルの欠片が一切ないと思われる霧雨魔理沙という人間の少女の住み家なのだが、家主の霧雨魔理沙は何をしているかというと、まだ朝になったばかりだというのに2階にある寝室のベッドに潜り込んでいるではないか。


 「痛ててててっ、」


 気だるそうにベッドから起きあがった魔理沙は、クローゼットの一番下の段から“布ナプキンの多い日用”を取り出してから、ネクリジェをたくし上げてから純白のドロワーズを膝下まで引き下ろす。


 「ううっ、こうなるとは解っていても、見たくないものは見たくはないぜ」


 魔理沙は純白のドロワーズのクロッチを見ると、昨日寝た後に生理が始まってしまったためにクロッチは経血で赤く染めあげられているのを見ると、苦々しい表情を浮かべてからため息をついてしまった。


 「おいおい勘弁してくれよ…。洗濯の量が増えて嫌になっちまうぜ」


 純白のドロワーズはクロッチを赤く染めてしまっただけでなく、経血が横漏れしたことによってドロワーズの太もものあたりも血で汚してしまったので、選択する衣類の量が増えた事に対してうんざりした表情を浮かべた魔理沙は、今穿いている横漏れした経血の汚れが付いているドロワーズを脱ぎ捨てると、洗濯済みの生理用ドロワーズのクロッチに“布ナプキンの多い日用”を取り付けてから穿いたのだが、通常のドロワーズと違うのは、生理用ドロワーズはクロッチに僅かな隙間があり、そこに生理用ナプキンの羽を挿入して固定する事が出来る機能を持っているのである。


 「霊夢じゃないけど、この紅白の組み合わせはどうしても好きにはなれないぜ…」


 真っ赤な経血が付いた純白のドロワーズのカラーリングは友人の博麗霊夢を思わせる紅白ものだが、真紅というよりはやや黒ずんだ赤ということもあってかどうしても生理的に目を背けてしまいたくなる代物だったので、一刻も早く洗濯籠の中に包み込んでしまいたくなった。


 「こんな体調じゃアリスんとこや紅魔館に遊びにも行けないし、今日のところは大人しくしておくとするか」


 経血が横漏れしているドロワーズを洗濯籠に入れた魔理沙は、ネグリジェを脱ぎ捨ててすぐさまその中に入れてから再びクローゼットを開くと、衣類が入っている引き出しから最近膨らみ始めた乳房につける純白のファーストブラとおそろいの純白のキャミソールとおなじみの洗濯済みの白黒のエプロンドレスを取り出す。ちなみに魔理沙の言う“遊び”が何を意味するかというと、相手の所持品を白昼堂々盗むという最低な行為である。


 「もっと胸が大きくなればいいのにな。胸が貧相で嫌になっちまうぜ」


 魔理沙がブラジャーをつけ始めたのは約2年前であるが、たまたま霊夢と弾幕ごっこで遊んでいる時に空を飛んで移動していた時に胸のあたりに違和感があったので、その日の晩に風呂に入った時に乳房が膨らみ始めていた事に気づかされたので、慌てて人里のランジェリーショップに自分に合うサイズのブラジャーを買いに行くことになり、店員のお姉さんにアンダーバストとトップバストを測ってもらった際にファーストブラをつけることを勧められたので、それ以降この手のファーストブラをつけているのだ。


 「霊夢の奴はAカップまで成長したというのに、私はまだAAカップのファーストブラしかつけれないじゃないか。まったくあいつとは同い年だというのに、私だけが取り残された感じがして悲しくなるったらありゃしないし、このままだとその差が大きくなってしまう危険性があるから何とかして対策を立てないといけないぜ」


 2年の月日が魔理沙にもたらしたものは何かというと、友人の博麗霊夢は魔理沙より大柄で発育が良いためにAカップのブラジャーをつけることになったのに対して、自分に至ってはあれ以降胸の膨らみが大きくならないというために、一緒に温泉に入るたびに弾幕ごっこでも女のとしての色気でも負けているというコンプレックスを嫌でも植え付けられてしまうのだ。


 「私みたいな子供っぽい女が好きな男なんている筈がないよな。アリスみたいに美人でスタイルもいいわけじゃないし、早苗や咲夜みたいに胸が大きいわけじゃないからな」


 ちなみに魔理沙の身長は146センチで同世代の少女と比較すると小柄な部類に入り、体重も38キログラムとそれなりに軽く、スリーサイズもB74(AAカップ)W54H75でやや華奢にみえるも、子供から大人に変わる第二次成長期を迎えている証拠として胸のふくらみとお尻も丸みが帯びてきているのがエプロンドレス越しでも十分わかることが窺えるではないか。


 ―魔理沙着替え中―


 「自分の身体を見るたびにウンザリして仕方ないんだが、今日は生理中なんだから今まで読んでいなかった本を読んで新しいスペルカードの研究に勤しむことにするか」


 着替えを終えた魔理沙はいつも通りの白黒の魔法使いの格好になっているのだが、今日一日はおそらく生理痛が重いために外出を控えることにして、変わりにやる事は家の中に閉じこもって新たなスペルカードに研究に時間を費やす事に決める事にしたのである。


 「その前に身支度をしてから朝飯を食わないと始まらないぜ!」


 朝起きたばかりに生理の対応をしたので、洗顔と身支度を整えていなかったので、朝食を取る前に洗面所に行くことにする魔理沙であった。何しろ今日は最も重い2日目で、生理痛による腹痛と腰痛と肩こりが酷いのだから、弾幕ごっこに関しては大人しく生理休暇を使っておいて生理が終わった後に挑めばいいだから。


 (生理があるってことは、子供っぽくて色気のない私ですら赤ちゃんが埋めるってことなんだよな!これって、すごくいいことなんだよな!)


 (私のバージンは香霖の奴に捧げたいし、何よりも私の子供は香霖の血を半分引いてほしいんだ!だって私は女だから、好きな人のお嫁さんになって、その人の子供を産みたいんだからな!)


 「うふふふふっ、うふふふふふっ!!!!!」


 魔理沙は自分なりの幸せ家族計画を想像してしまうと、どうしても人間離れした魔女を思わせる怪しい笑い声を出してしまったではないか。この様子からして近いうちに捨食の法を習得して人間から魔法使いへと変貌を遂げてしまいそうなのだが、当の魔理沙自身はそれに気づくことがなかったのである。






―3― 霊夢ちゃんのヘビーローテーション 






 「お腹が痛い…、腰が痛い、肩の凝りが酷い、便秘が酷い、とにもかくにも全身がだるくて仕方ないわ」


 博麗神社の巫女である博麗霊夢は母屋で横になって身体を休めているのだが、いつもであれば妖怪退治に勤しんで金品の類を略奪している筈なのに、この日に限って珍しく神社にいるではないか。


 「私の周りの8割以上は確実に厄介で出来ているわ。本当どうにかならないかしら?」


 「私に襲いかかってくるのは妖怪だけで十分なのに、どうして月に一度この厄介極まりないこれが襲いかかってくると考えるだけでウンザリするのよね。こんなものなければいいのに!」


 霊夢はこのように気だるそうな表情を浮かべているのだが、妖怪退治を売りにしているのに退治する妖怪達に何かと絡まれるのだけでも嫌になるのに、女の子であれば必ず月に一度迎えるあの習慣が容赦なく襲いかかってることに苛立っているのだが、生物状において女の役割は子供を産む機能があり、人間や人型の姿をする妖怪にとって生理があるという事は子供を産めるサインを表すので、それがあるということは子供から大人の身体に成長するということなので大変喜ばしいことであるも、悲しい事に性教育の勉強をしていない霊夢にとってこの習慣は、自分に絡んでくる妖怪達よりも達の悪い敵という認識をしている。


 「ここ数年で胸が大きくなって揺れが酷いから、移動するときや妖怪退治をする時だと邪魔で仕方ないわ」


 「胸をさらしで絞めても動きにくいことに変わりはないから、魔理沙は私の胸が大きくて羨ましいって言うけど、こんなものがない魔理沙の方がずっと楽でいいじゃないの」


 霊夢にとって生理と同様に重大な悩みが何かというと、乳房がここ数年で著しく膨らみが目立ち始めた事で、本気でこんなものがなければいいと真剣に考えているのだ。ちなみに霊夢の身長は154センチで同世代の少女と比較すると標準的な部類に入り、体重も43キログラムとごくごく普通で、スリーサイズはB77(Aカップ)W56H78と同世代の魔理沙と比較すると若干ではあるが大人びて見えてしまう。


 最後にナプキンを交換したのが1時間しかたっていないにも関わらず、何とも言えないぐらいの気持ち悪さを感じてしまった霊夢は、押入れから“布ナプキンの多い日用”を取り出してから慌ただしくトイレに向かってしまった。


 霊夢はトイレの個室に入ると、スカートをたくし上げてから純白のドロワーズを膝下まで引き下ろすと、先程までつけていたナプキンは“布ナプキンの多い日用”であるにもかかわらず、経血の吸収量が限界に達していたとともに、“経血レバー”というみたくもないおまけが付いている有様だった。


 「ううっ、こんな紅白見たくもないわ!」


 それはそうだろう。いつも愛用している紅白の巫女服ならいざ知らず、白地の“布ナプキンの多い日用”に鉄分が含まれた事によってやや黒ずんでしまった経血によって構成されたカラーリングをした霊夢の使用済みナプキンは思わず目を逸らさずにはいられないほど生理的な気持ち悪さを感じてしまうからであり、幻想郷で最も可愛い美少女であることを自称している霊夢にとって“経血レバー”というグロテスク極まりないものを輩出しているとファンに知られたら、今まで築き上げた絶対夢的で可憐な美少女と言うイメージダウンを増長させてしまうのではないか気になって仕方ないのである。


 霊夢は自分の事を幻想郷で最も可愛い美少女でなおかつ妖怪退治が売りの由緒正しき博麗の巫女であると認識しているのだが、他の幻想郷の住人達は霊夢をアイドルとして扱っているわけでなく、むしろ冷やかしの対象として絡んでいる事に当の本人は気付いていない。


 「こんな重い生理がずっと続くなんて耐えられないじゃない!もう2度と生理が来ない日がいいかげん来ないのかしら」


 経血で真紅に染まった“布ナプキンの多い日用”を純白のドロワーズから取り外すと、それを急いで黒いビニール袋に入れた後に、新品の“布ナプキンの多い日用”を取り付けたドロワーズを再び穿きなおす霊夢であった。


 「どうせなら男として生まれたかったなぁ。もし私が男だったら、こんな困った習慣に悩まされなくてもいいのにね」


 霊夢が面識を持っている男とくれば香霖堂の店主である森近霖之助なので、霖之助のような男の身であればこんな忌々しい習慣に悩まされずに済んで羨ましいと思っている。


 “布ナプキンの多い日用”を交換し終えた霊夢は再び母屋の方に向かうのだが、凄まじく重い生理痛によって明らかに体調が良くないので、足元がおぼつかない感じに見えなくもないだろう。


 霊夢がこのように思い生理痛に苦しめられている理由としてあげられるのは、妖怪退治を売りとして博麗神社の信仰を集めてきたことによって、数多の妖怪を問答無用に退治してその命と金目の物を奪ってきた代償を支払わされていると考えても良い。


 なぜなら、初潮が始まった時はそれほど重くなかったのだが、霊夢が妖怪の命を奪うたび生理がより重く辛いものになっていき、それによって溜まったストレスを妖怪退治で発散していくことで、生理痛がより酷いものへとなっていくことに気づかないのであった。

 




―4― 時を止めたらすぐにナプキンの交換をする咲夜さん






 紅魔館のメイド長である十六夜咲夜は休む暇がないほど忙しいので、いつも何らかの形で仕事に追われている。


 「咲夜、早くお茶をよこしなさい!」


 いつものように紅魔館の当主である500年そこそこ吸血鬼をやっているレミリア・スカーレットが、普通の人だったら絶対に過労死してしまうペースで仕事をしている咲夜に対し紅茶をよこすよう煽りだせば、


 「咲夜様申し訳ございません、またお嬢様の愛用しているお皿を割ってしまいました」


 掃除をしている役立たずの妖精メイドがさらに仕事を増やしてくれれば、


 「ゴホゴホッ!ゴホゴホッ!さ、咲夜。喘息止めの薬を用意してっ!」


 100年ほど魔法使いをやっていて、あまりの虚弱体質で紫もやしと揶揄されているパチュリー・ノーレッジが喘息止めの薬を持ってくるように命令してくると、


 「咲夜。うんちを漏らしちゃったから、着替えの用意と汚物の処理をしてよ」


 495年も吸血鬼として生きているフランドール・スカーレットが汚物の処理を要求し始めてしまったではないか。


 (ああ、今日も紅魔館は平和ですわ。でも、こういう時に限ってそれは辞めてほしいです…)


 「はいお嬢様。お茶とお菓子の用意が出来ましたので、ごゆっくりお過ごしくださいませ」


 咲夜がレミリアにお茶とお菓子のセットを手渡してから疾風の如く去ってしまった後は、


 「ああ、もう仕方ないわねぇ…。それより怪我はない!?割れたお皿は素手で触っちゃダメよ」


 「ありがとうございました。このようなポカをしないように気をつけて仕事をします」


 慌てふためいている役立たずの妖精メイドを慰めレミリアの愛用の皿の亡骸を処理してから、


 「パチュリー様。喘息止めのお薬を用意いたしましたので、これでしばらくの間は発作に苦しむことはないでしょう」


 「ありがとう咲夜。あなたがいなかったら、私はとうの昔に死んでいるかも」


 喘息の発作を起こしているパチュリーに薬を飲ませてから、


 「妹様。着替えと汚物の処理は済みましたが、トイレに行くなら漏れるギリギリではなくなるべく早めに言ってくださいね」


 疾風の如くフランドールの部屋に姿を現した咲夜は、フランドールが盛大に漏らしたうんことおしっこを素早く処理してから、汚物で汚れた部分を清めてからずくにあらかじめ持ってきたキャミソールとドロワーズといつもの赤いワンピースを着せてから、汚物で汚れた衣類一式をバケツの中に入れてからトイレに向かうのであった。


 (ふぅ、やっと落ち着いた。後で美鈴が居眠りをしていないかチェックをしなきゃいけないわね)


 咲夜はトイレの個室に入ると、ポーチの中から黒いビニール袋と白い布切れらしき物体を取り出すなり、純白のショートドロワーズ(カボチャパンツ)を膝下まで引き下げてしまったではないか。


 (やっとナプキンを変えれると思うとホッとするわ)


 ドロワーズのクロッチにあらかじめ取り付けられた何かを取り出すと、それは白い布切れらしきものはどこか赤い染みが付いているではないか。咲夜は赤い染みが付いた布切れらしき物体を黒いビニール袋をポーチの中に再び中にいれると、先程取り出したばかりの白い布切れをドロワーズのクロッチに取りつけるのだ。


 (生理休暇を取りたい心境だけど、絶対お嬢様は生理になっても休ませてくれないだろうなぁ…)


 「ふぅ…」


 この様子からして咲夜は生理であることが窺えるのだが、我々外界と違って幻想郷は使い捨てのナプキンを使う習慣がない変わりに何度も繰り返し使える布ナプキンを使っており、自分の経血を吸収しきったナプキンを自分の手で洗って綺麗になったものを再び使うエコロジーな慣習がある。


 (お嬢様と妹様に生理が来ればまた状況が変わってくるんでしょうけど、初めて出会った時から見た目の中身も変わっていないから、私がメイド長とやっている時代にお嬢様と妹様が初潮を迎えることはたぶんないでしょう)


 (洗濯をしてわかるのですが、お嬢様と妹様はドロワーズのクロッチにオリモノらしきものがなく、おしっこの黄ばんだ染みと茶色いウンスジのベットリした染みが非常に目立つので、用を足した後にアソコとお尻の穴をちゃんと塵紙で拭いているのか非常に気になるところですね)


 咲夜が使えている吸血鬼のレミリア・スカーレットとフランドール・スカーレットの姉妹は、揃って見た目も中身もまだまだお子様なので第二次成長期を迎えていない事が予測される。


 (ナプキンも交換した事だし、今日も盛大なパーティをするとお嬢様が言ってたから、私はいつものように準備に取り掛からなくてはいけないのよね)


 申し訳程度の生理休暇を取った咲夜は、お嬢様の我儘に応えなくてはならないためにトイレの個室から飛び出してからメイド長業務を再開するのであった。最初にやる仕事は、隙があればいつも昼寝をしている門番を叩き起こす仕事だ。パーティの準備はそれからだろう。


 見た目が10代後半の少女でなかなか可愛らしい咲夜の身長とスリーサイズをあげるとすれば、身長は162センチで同世代の少女と比較すると割と大柄な部類に入り、体重も49キログラムとごくごく普通だが、最も知りたいと考えられるスリーサイズはB86(Dカップ)W62H88と非常に大人っぽく色気づいている事がわかる。


 「あー、だるい。でも、寝てるであろう美鈴を叩き起こさないとすべてが始まらないのよね」
 

 紅魔館のメイド長の仕事は非常に過酷で時を止めながら仕事をしないと成り立たないということもあってか、他の幻想郷の少女達が当たり前に『生理休暇』を取っているのに対して、咲夜は紅魔館でメイド長に就任してから今まで一度も『生理休暇』を取った事がないのである。






―5― アブノーマルな小悪魔とパチュリーのパープルデイ






 「むきゅ〜」


 ある晴れた昼下がりに、紅魔館のヴアル魔法図書館にパラサイトしているパチュリー・ノーレッジは、喘息の発作を起こしていないのに本を読まずに机に突っ伏したまま身体を休めているではないか。


 「だるくてお腹が痛い…」


 パチュリーの外見は非常に小柄でガリガリに痩せているために、余計な体脂肪を持っていない代わりに女性としての色気があまり感じられないのだが、スカーレット姉妹と決定的に違うのはとりあえず二次成長を迎えている事もあって若干乳房が膨らみを帯びていることがわかるように、身長は145センチで体重は36キログラムと非常に華奢に見えてしまい、スリーサイズはB70(AAAカップ)W58H70と魔理沙より若干幼く見えてしまうのだ。


 「ううっ、今日は絶対に何があろうとも動きたくないわ…」


 その身体能力は一般的な人間の水準にはるかに劣り、いつも喘息の発作を起こした挙げ句の果てに喀血をするので、幻想郷の愉快な仲間達は虚弱体質を表す“紫もやし”という通称で呼ばれている。吸血鬼のスカーレット姉妹ほどではないが、太陽の光をかなり嫌がる傾向にあり外出を控え、いつも黴臭い臭いがするヴアル魔法図書館に引きこもる事によってさらに虚弱体質になってしまうのである。


 「お願いだから、ここ数日の間でいいから魔理沙に来て欲しくないわ。最近、勝手に本を盗むことがなくなったけど、魔理沙のことだからいつ何をしでかすかわからないから、絶対に警戒を怠っちゃいけないわね」


 いつものように体調が悪いパチュリーは魔道書を盗む霧雨魔理沙が来ない事を祈っているが、何かを察するなりあんまり役に立たない使い魔の小悪魔を呼び付けたではないか。


 「小悪魔。トイレに行くから、例のアレを持ってきて頂戴!」


 虚弱体質のパチュリーは普段から自分の足で歩くことをせず、魔力を使ってスーッと流れるようにして飛びながら移動をするのだが、使い魔でヴアル魔法図書館の司書を任せている小悪魔を呼んで何かを持ってこさせるのであった。


 「かしこまりましたパチュリー様。今日になって私がパチュリー様をトイレに連れていくのはこれで5回目になりますが、もしかして今日はあの日を迎えているんじゃないですかね?けへへへへへっ」


 小悪魔はパチュリーのそばに寄るなり自分の背中におぶさるように促したのだが、悪魔の中でも凡庸極まりない下級悪魔でしかない小悪魔でも一応悪魔のはしくれという事もあってか性格は悪いブルに該当するので、眼を細めてニヤニヤした笑みを浮かべながら気持ち悪い笑うとパチュリーがあの日を迎えているのではないかと指摘したのである。


 「うるさい小悪魔。余計なことは詮索しなくてもいいから、例のアレを持ってきたでしょう?」


 パチュリーは小悪魔に例のアレを持ってきたかどうかを確認したのだが、


 「パチュリー様と私は運命共同体ですので、その点に関してぬかりはありませんぜ。ひっひっひっひっひっ!」


 「くんくんくんくん。いつもだったらパチュリー様の体臭はお香の臭いがしますが、ここ2〜3日黴の臭いがいつも以上にきついですから、間違いなくあの日を迎えているんでしょうねぇ、けへへへへへっ!」


 気色悪い笑い声を出す小悪魔であるが、一応パチュリーに言われたとおり例のアレを手渡してからさらにセクハラ発言をしてきたではないか。


 「はぁ…、なんで私はこんな奴を使い魔にしたのかしら?」


 何故自分はこんな奴を使い魔にしたのだろうか?小悪魔のセクハラ発言に絡まされていては身がもたないので、パチュリーは“例のアレ”=“紫色のポーチ”を持ちながら小悪魔と使い魔の契約をしたことに関して激しく後悔してしまったのである。


 「パチュリー様、トイレにつきましたよ!」


 「紫色の経血がついたナプキンを交換するんですよね?」


 小悪魔はパチュリーにトイレにつくなり、おんぶさせていたパチュリーを立たせてから生理であることを指摘してすると、紫色の経血を吸収しきったナプキンを洗濯済みの布ナプキンに変えるのではないかと推測してしまった。


 「うるさいっ、あっち行け、この変態っ!」


 「きゃあああああああっ!!!!!!!!」


 変態的すぎる対応をした小悪魔に対しキレてしまったパチュリーは、風属性の弾幕を放ち小悪魔を遠くに吹き飛ばしてからトイレの個室に引きこもるのである。


 「ふぅ…」


 トイレの個室に入ったパチュリーはため息をつくなり、すぐに紫色のポーチから黒いビニール袋と白い布切れを取り出してからそれらを水洗タンクの上にのせると、紫と白の縦縞のロングスカートをたくし上げてから顎で固定してから純白のドロワーズを膝下まで引き下げるのであった。


 (どうして小悪魔は私の体臭を嗅ぐなり生理であることを当てたのかしら?気持ち悪すぎてどう対応していいのかわからなくなるわ!)


 パチュリーがドロワーズを眺めると渋い表情を浮かべてしまったのだが、それもその筈、ドロワーズのクロッチには生理用の布ナプキンが取り付けられていて、当然のように経血の染みが付いているのは当たり前だとしても、驚くことにパチュリーの経血は鉄分を含んだことによりやや黒ずんだ赤ではなく、彼女自身の髪の毛の色と同じ紫色であり余計なオマケとして“紫色の経血レバー”がついているからだ。


 (嫌だわ…。どうしてナプキンの血の色は紫なのかしら?一体何が原因だっていうのよ!わけがわからないわ!体調が悪い時に血を吐くことはあっても、普通の人間みたいに赤い筈なのに、生理だけはどうして紫色になるのよっ!?)


 ドロワーズのクロッチから“紫色の経血”がついた布ナプキンを取り外すと、あわただしくそれを黒のビニール袋に入れてからすぐに、前の経血の染みが若干ではあるが付いている洗濯済みの布ナプキンをドロワーズに取り付けてから再びドロワーズを穿き直すパチュリーであった。


 (生理って本当に面倒臭いわ…。慢性喘息だけでも十分すぎるぐらい辛いのに、月に一度容赦なく襲いかかってくるのはいい加減勘弁してほしいのよね)


 紫色のポーチに使用済みのナプキンの入った黒いビニール袋を入れるのだが、自分の経血の臭いがどのようなものか気になったパチュリーは袋に顔を突っ込んで臭いを嗅ぎ始めてしまった。


 (く、臭いっ!何これ、信じられないわっ!絶対にこの世に存在してはいけないほど酷い臭いだけど、凄まじく黴臭いから小悪魔の言ってた事は本当だったのね!もしかして、ひょっとすると、これってヤバくない!?っていうかマジ最悪なんだけど)


 紫色の経血はどういうわけか凄まじく黴臭いので、パチュリーは経血が染み込んだ布ナプキンが入っている黒いビニール袋から思わず顔を背けてしまったのだが、ドロワーズにナプキンを取り付けているだけで蒸れてしまったことによって、ここまで酷い臭いを放つことになるのである。かといって、下着にナプキンやタンポンをつけないで経血をそのまま垂れ流しにすればこんな酷い臭いがしないのではないかという考えも無きにしも非ずだが、こうしてしまうと彼女が生理であるという事が相手に知られてしまうだけでなく衣類を血で派手に汚してしまうので、何らかの手段で経血を塞いでおく必要があるから今日のような対策を取ったと考えられる。


 (こんなものは絶対に誰にも見られたくないから、さっさと片付けてしまうのが一番ね。今あったことは黒歴史にしておきましょう)


 パチュリーは使用済みの布ナプキンが入っている“黴臭い”臭いがする“黒いビニール袋”を何もなかったと言わんばかりに“紫色のポーチ”に入れておくが、使用済みの布ナプキンの洗濯をするのは小悪魔ではなくメイド長の咲夜なので、パチュリーの経血の色が紫で凄まじく黴臭い臭いがするという事がすでに知られているのだ。


 「パチュリー様。ナプキンの交換が終わったんですよね?その紫色のポーチの中にはウルトラスーパーなレアアイテムが入っているんですよね!?」


 「使用済みのナプキンの処理は私がしておきますから、パチュリー様はブルーデーを快適に過ごしてくださいな。キヒヒヒヒヒヒッ!」


 トイレのドアを開けたパチュリーを待ち受けていたのは、目を爛々と輝かせていた異常な性癖を持つ小悪魔であり、早速パチュリーが持つ使用済みの布ナプキンが入っている紫色のポーチを渡すようにけしかけてきたのである。



 「くんくんくんくん。くんくんくんくん。やっぱりパチュリー様は生理で黴臭い経血をナプキンに染み込ませていたんです!」


 「ああ、この臭いが嗅げる私はこの世の誰よりも幸せなんでしょうね!ああ、今すぐ死んだとしても悔いはないです。はい」


 何を考えているのかは定かではないが、小悪魔はパチュリーの股間に顔を押し付けてからいきなり臭いを嗅ぎだすなり、香と黴が混じったパチュリーの経血の臭いを感じてしまったために恍惚とした表情を浮かべてしまったではないか。 

 
 「はぁ、仕方ないわねぇ…。そんなにこれが欲しいんだったらあげるわ。だから、私の身体から離れなさい」


 変態の相手をしていたら身がもたない。パチュリーはウザったい変態である小悪魔を体から離すために、“紫色の経血”がたっぷり染み込んだ“使用済みの布ナプキン”が入っていて“凄まじく黴臭い臭い”がするであろう“紫色のポーチ”を仕方なく手渡した。


 「ヒャッハー!」

 
 「これがあれば、私はパチュリー様のぬくもりを感じていられる!(キリッ)」


 「パチュリー様は私の物だから、誰にも渡さない!(キリッ)」


 パチュリーから“お宝”を貰った小悪魔はあまりの嬉しさに狂喜乱舞してから、疾風の如く自分の部屋へと飛び去っていく姿を見たパチュリーは、


 「やっぱりこんな奴を使い魔として契約するんじゃなかった…」


 なにが悲しくてこんな変態に絡まれ続けなくてはならないのだろうか。真剣にそう考えたパチュリーは泥棒を撃退しきれる力がなくていいから、せめて良識を持った使い魔を探し出し契約をするべきだったと激しく後悔するのであった。今頃小悪魔はパチュリーの経血が染み込んだ布ナプキンの臭いを嗅いでオナニーしている事を想像すると、思わず頭を抱えてからため息をついてしまうパチュリーなのでした。






―6― 人形遣いのセブンカラーデイ






 「あ〜あ、やっぱりうまくいかないわ。これ以上やっても時間の無駄だから、今日のところは休むことにするわ」


 魔法の森にあるこぢんまりとした洋館にアリス・マーガトロイドという魔法使いの少女が住んでいて、魔法の糸を使って人形を操つり時には連携を取った動きをみせる魔法を得意としているのだが、アリス自身も顔立ちも可愛らしさと美しさを兼ね備えていてなおかつ非常にスレンダーな体型をしているために、西洋人形そのものの容姿をしているので見た目は非常に麗しく多くの異性を引き付ける魅力があるのだが、当のアリス自身が自分の意思で動く自立人形の研究以外関心がないのが現実である。


 余談であるが、このようにアリスの身長は162センチと割と高い部類にあり、体重は43キログラムと身長の割には割と軽めで、スリーサイズはB77(Aカップ)W55H77と非常にスレンダーで魅力的に見えてしまうので、アリスを見たら男だったら人妖問わず失敗すると解っていてもナンパを試みるものが後を絶たない。


 (今日は生理痛がひどくてお腹が痛いうえにダルイから、いつも以上に自立人形の実験が上手くいかないわね)


 アリスは修業をしたことによって人間から魔女へと変貌を遂げたのだが、魔法使いの中でもまだ新米だという事もあってか、人間だった頃と変わらず1日3度の食事と8時間以上の睡眠をとる生活サイクルを取っている。


 (はぁ…。魔法使いになったというのに、同じで月に一度必ず襲いかかってくるから嫌になっちゃうわ)


 そして年若くして魔法使いになったアリスであっても、月に一度必ず容赦なく襲いかかってくるあの忌々しいサイクルも人間だった頃の生活サイクル同様変わることなく訪れるのだ。


 (女の子って面倒臭いわ。男の子は女の子になりたいって言うけれど、女の子は女の子なりに辛いものがあるのよ!何よりも生理という厄介な生活習慣を味わえば、男の子は女の子になりたいと言わなくなるもの)


 アリスは研究所兼寝室にあるクローゼットを開けてから、引き出しから申し訳程度に赤い染みが付いている白い布切れと黒いビニール袋を取り出してからトイレに向かうではないか。


 (今日で生理3日目。あ〜あ、早く終わらないかしら)


 トイレの個室に入ったアリスは水洗タンクの上に白い布切れと黒いビニール袋を置いてから、水色のロングスカートをたくし上げてから純白のドロワーズを膝下まで引き下げると、純白のドロワーズのクロッチには白い布切れらしきものが複雑に変色しながら染めあげられているではないか。


 (ううっ、自分の身体から出た物だと解っていても、気持ち悪いものは気持ち悪いことに変わりはないのよね)


 アリスは生理用のドロワーズから複雑に変色している布ナプキンを取り外すのだが、普通であれば経血は赤い筈なのにアリスに限って、赤、橙、黄色、緑、青、藍、紫の順番に繰り返し変色していくのだ。アリスの経血はまさに“七色”の変色を見せているので、好奇心のあまり見たいという者がいれば、あまりのおぞましさに見たくないという者がいると考えられる。


 (さっさと終わらせて部屋で休みたい気分だわ)
 

 “七色”に変色している布ナプキンを黒いビニール袋に入れてから純白のドロワーズのクロッチに洗濯済みのナプキンを取り付けてから再びドロワーズを穿き直すと、アリスは先程までたくし上げていたスカートを降ろしてから皺を取り払った。


 (今日のところは研究はやめにして、お茶を飲みながら魔道書を読むことにしよう)


 生理の時は軽い運動をしても構わないのだが、アリスは腹痛と肩こりが酷いと思ったのでお茶を飲みながら魔道書を読んでこの忌々しい習慣を凌ぎきることにしたのである。


 (痛いわ…。お尻とアソコの周りがかぶれるから、思うように動けなくてイライラしちゃうわ!ただでもダルくてしんどいっていうのに、お肌までこうもかぶれちゃやってられないわよっ!)


 アリスに取って深刻な問題の一つとして、下着とナプキンと経血よる蒸れが発生するために肌がかぶれることによって又擦れを起こしてしまう為に、部屋に戻ってからベビーパウダーを太ももとお尻と性器と肛門のあたりにつけておいて肌のかぶれを少しでも緩和したいと考えるのは、生理用の下着や生理用品のなど類の技術が向上している外界と比較すると、縫製技術に劣る幻想郷の衣類ではどうしても肌がかぶれる可能性が著しく高くなっててしまうからだ。


 (こんな習慣なくていいのに!こんなのがあるから、いつも余計な力を出さなきゃいけなくなるじゃないの!)


 また2〜3時間後に布ナプキンを交換する必要があると解っていても、洗濯済みのナプキンを使っていればしばらくの間はそれなりに快適に過ごせるのだが、どうしても下着とナプキンと経血のせいで肌がかぶれしまうせいで又擦れを起こすので、もう二度と生理が来ないことを切に願うアリスであった。


 若い女性にとって生理という習慣は自分の健康状態を把握するために必要不可欠なものであり、アリスは魔界にいたころから一般教養と魔法の勉強をしてきたので相手に対し非常に頭が良い印象を与えるも、性教育に関してはまったく勉強してこなかったので男に触れられただけで妊娠してしまうという誤った解釈で理解しているのだが、これはアリス以外の妖怪少女も同じ考えをしているために、基本的に女の子同士がつるんで共通の時間を過ごす傾向にあるのだ。


 人間より寿命の長い魔法使いの身体であれば肉体年齢が若い時期が非常に長いので、アリスを悩ますと思われる生理という習慣はまだまだ続くのである。まだ生まれて100年も生きていない若い妖怪にカテゴライズされるアリスであれば、大まかな見積もりを立てるとあと900年前後は月に一度生理を迎えるためにイライラしながら過ごさなければならないだろう。我々が住む外界のように生理用品の製造技術や衣類の縫製技術が進歩しない限り、アリスは肌のかぶれと又擦れに悩まされ続けるのである。





 
―7― 花は一度萎んでも再び開きだす






 ここは太陽の畑。あたり一面が向日葵の花で咲き乱れているのだが、ここを根城にする妖怪といえば泣く子も黙るあのいじめっ子の風見幽香が生息する場所として有名なのだ。幻想郷縁記による風見幽香に関して何が書かれているかといえば、危険度は極めて高く人間友好度は最も悪いと称されているので、普通の人間であれば絶対に関わりたくない相手であることに間違いないだろう。
 

 友好度が極めて低く危険度が極めて高い幽香に絡もうとする輩は、下級妖怪の退治に飽きた強力な力を持つ人間か、幽香と同じかそれ以上のレベルに達している妖怪か、はたまた幽香に苛められたいという希望を持つ重度のマゾヒストの性癖をもった変わり者ぐらいだろうか。


 幽香はあふれんばかりの素敵な笑顔と割と大柄で豊満な体型をしており、身長は165センチと割と大柄で、体重は50キロあるも余計な脂肪がなく筋肉で引き締まっているので肥満ではなく、スリーサイズはB85(Cカップ)W58H86となかなかスタイルがいいので、男だったらこれほど魅力的な彼女ないしは妻がいればどうしても圧倒的な優越感に浸れるのだが、自然の権化ともいえる妖力を持っている彼女の相手を絶対にしてはいけない。



 コンコンコン。コンコンコン。


 「すいませーん。風見さんはいませんかー?」


 そこにある一軒家の扉をたたいて幽香を呼び出している愚か者は、これから自分の身に起こる事に何かを期待しているためにどこか嬉しそうな顔をしているではないか。


 ドンドンドンドン!ドンドンドンドン!


 「幽香さん、私ですよ!いつものように、遠慮なくフルボッコにしてくださいよ!」
 

 その愚か者は扉を激しくノックするなり幽香を呼び出そうとするが、何を考えているのか定かではないがいつものように痛めつけられたいと思っているようだ。


 「はぁ…………、今日は体調が悪いっていうのに、またあいつと絡まされなきゃいけないなんて考えると、どうしても気分が滅入ってきちゃうじゃないの」


 家中に響き渡るノックの音はあいつが鳴らしていると考えると、どうしても嫌な気分にさせられることに苛立ちを感じてしまう幽香であった。自然の権化といわれる強さを持つ幽香をある意味で萎えさせてしまう奴は、幻想郷においてあいつ以外考えられない。なんたって、“ありとあらゆる痛みを絶大な快楽にする程度の能力”に目覚めたあいつを苛めても楽しいどころか逆に陰鬱な気分にさせられてしまうからだ。


 「どうしてだろう?お腹が痛いし、全身がだるいし、なんかいいようの知れない気持ち悪さを感じてしまうし、それに凄く憂鬱な気分だから、ベッドに入ってゆっくり休みたいわ」


 「でもその前に、迷惑極まりないあいつを追い払わないといけないわね」


 こんな症状が起きたのはいつ以来だったのかを考えるのだが、いくら幽香が思い出そうとしてもどうしても思い出せなかったので、とりあえず真っ先にやらなければならない事が何かを考えると、体を休ませるために一刻も早くベッドに入りたいという目的を妨害する扉の前に居やがるウザったいこと極まりないあいつを追い払うことにした。


 いつも愛用している日傘を閉ざしたまま玄関の扉を開けると、幽香を待ち受けていたのは予測していた通りウザったいこと極まりないあいつが扉の前で恍惚とした表情を浮かべていたではないか。


 「幽香さん、私を殴って!」


 幽香に殴られることを望んでいるために扉の前で立っているのは、青い髪の毛を長く伸ばし、青と白を基調としたワンピースに胸に赤いリボンをつけていて、アクセサリーに桃をつけた紺色の帽子をかぶっている天人くずれの比那名居天子であった。


 自分の存在に気付かせるエゴの為に、幻想郷の大地に要石をブチ込んで博麗神社の周辺に大地震を起こしただけでなく、周辺の天候を異常にさせたために収穫が見込める農作物を不作に追い込んだ張本人で、博麗神社の巫女やスキマ妖怪の八雲紫にフルボッコにされた際に痛めつけられる事で快楽を得る程度の能力に目覚めてしまったために、幻想郷でいじめっ子として名高い風見幽香のもとに訪れてひたすら痛めつけてもらう日々を送っているのである。
 

 「その日傘で私のお尻を引っ叩いてくださいっ!」


 天子は桃のようなお尻を日傘で叩かれたいと望んでいるので、幽香の顔に尻を差し出してきたではないか!


 「さあ、遠慮なく思い切り引っ叩いてくださいっ!」


 幽香に対し尻からにじり寄ってくる天子は自分の尻を引っ叩くように煽りだしてくるのだが、惨めに命乞いをする奴や自分の強さに圧倒的な自信を持った奴を地べたに這いつくばしたいと思っている幽香にとって、自分の性癖を満たす欲望を持った天子の相手をしても面白くとも可笑しくどころか逆にドン引きしてしまうのだ。


 「もう二度と来るな、この変態っ!」


 それでも天子を追い払わないと体調の悪い身体を休ませることが出来ないので、望み通りを言わんばかりにたたんだ日傘で天子の尻の割れ目に向かってスイングをするのを試みるのだが、苛めることが目的ではなく追い返すことが目的なので狙いを天界に定める幽香であった。


 バシッ!!!!!!!!!!!!!!


 「あああああああああ〜ん!!!!!!!!!!!!いっ、イクぅ〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 幽香が愛用の日傘で天子の尻の割れ目をゴルフボールのように引っ叩いた音と、天子が御城の割れ目を叩かれた事によってアクメに達したアエギ声は太陽の畑一帯に響き渡ってしまい、そこで遊んでいる妖精たちや幽霊たちは驚きのあまりに一瞬身動きが取れなくなってしまったのである。もちろんみんな揃って太陽の畑の主は風見幽香だという事を改めて思い知らされたという事は言うまでもない。


 「これでよし」


 天子が遙か彼方まで飛び去っていたのを確認すると、幽香は家の中に入ってゆっくり体を休めることにしたのである。

 
 ギイィィィッ!


 バタンッ!


 ガチャッ!


 害をあたえる天人くずれを追い払った幽香はすぐさま家に入ると、不埒な侵入者を受け付けないために全ての扉と窓の鍵を掛けておくのであった。


 「お腹が痛いわ、トイレに行こうかしら」


 幽香は便意をらしきものを感じ取ったためにトイレに駆け込み出してしまう始末であった。


 ギイィィィッ!


 幽香ははトイレの扉を開けてから個室の中に入り込むと、


 バタンッ!


 ガチャッ!


 扉の鍵をかけてからすぐにスカートをたくし上げると、純白のドロワーズを膝下まで脱がしてから最近新しく変えた洋式の便座に座りこんでしまう幽香であった。もちろん、河童のエネルギー産業革命の恩恵を受けているので、今までのような汲み取り式で和式の便座ではなく完全に水洗化されていると共にシャワーや温風が備え付けられているのである。


 「んんんんんんっ!んんんんんんんんんん!」


 体内にある毒素ともいうべき大便を排泄することを試みる幽香であったが、いくら息んでも茶褐色の便が出ることがないのでいつまでたっても腹痛が解決されない事に苛立ちを感じてしまった。


 トイレに引き篭って30分余りいたのに、便が出ない事に不思議に思った幽香は仕方なく便座から立ち上がり純白のトロワーズを穿き直そうとしたのだが、ドロワーズのクロッチにやや赤茶色の染みが目についてしまった。


 「何これ?」


 幽香はドロワーズのクロッチについた染みが何なのかを調べるために顔をドロワーズの間近に近づけてみると、血液に似た臭いがしたために何かを感じ取ってしまうのであった。


 「ああ、まさかとは思うけど、やっぱり生理だったのね!」


 「頭やお腹が痛くて、妙に全身がだるくて、なんかやる気が起きにくかったのは、生理痛だったのね!」


 ドロワーズのクロッチにやや赤茶色の経血が付着しているのを確認した幽香は、ここ最近体調が悪かったのは生理になっていた事が原因だと知ったので、妙な安堵感を覚えてしまったのである。


 「この間あがったと思ったのに、またこうして始まったと思うとなんだか不思議な気分ね」


 「それとも、ただの生理不順かしら?まぁ、どっちでもいいわ。上手くは言えないけど、私もまだまだ現役バリバリでいけるって感じ?」


 「花の命は結構長いっていうし、生理が終わって体調がよくなったら久々に巫女や泥棒や風祝でもいじめに行ってみることにするわ」


 だいぶ前に生理があがったと思っていたのだが、こうやって再び生理が始まった事を知った幽香は、結構長く生きてきた妖怪の性質として活動的でなくなったとしても、年若い妖怪に負けてなるものかという思いがあったので、久々に紅白の巫女と白黒の泥棒と青白の風祝を思う存分苛めてやろうかなと思った。妖怪に対し好戦的な人間どもを苛める限り苛め尽くして完膚なきまでにフルボッコにしたりされたりするのは、自分から進んで殴るように要求する天人の相手をするよりずっと楽しいのだから。






―EX― 僕の褌が悲惨なことになっている!






 「うっ、まただ!」


 香霖堂の店主である森近霖之助が布団から起き上がろうとした際に、褌に滑り毛のある冷たい感触を覚えたためにもう一度布団に入り直してしまった。


 「こんなのを魔理沙に見られたら、間違いなく僕は馬鹿にされそうだね」


 霖之助はバツの悪そうな表情しながら寝間着と褌を脱ぎ捨ててから、褌の先端を見れば白く濁ったネバついた液体が大量に付着しているのを確認すると、それを洗濯籠の中に放り投げてから、洗濯済みの褌を戸棚から引き出すなりそれを穿いてから、枕元に置いてあったいつもの服を着るのであった。


 香霖堂を開店する前に家事と洗濯をする霖之助であるが、


 「はぁ…、どうして僕はいつもこんな事をしなきゃいけないんだろう?」


 店内に洗濯機はあるものの、電力の供給がない幻想郷において家電製品はその実力を発揮することがまずないので、霖之助はたらいに水を入れてから洗濯板で褌と寝間着についた染みに洗濯糊をつけてゴシゴシ取っている姿は、親元を離れ独立した一人暮らしをしている男性に取って共感を覚えるだろう。


 「おい香霖、洗濯なんて柄に合わない事をやってるじゃないか!どれ、私がお前に変わってあげるからその分ツケは減らしてくれよな」


 「ま、魔理沙!いつの間にここに入ってきたんだい!?」


 霖之助が洗濯に夢中になっているために、いきなり後ろから姿を現した魔理沙に気づくことがなかったので驚きを隠せなかったのだが、魔理沙は洗濯の報酬を今まで溜まっているツケの返済に回るようにけしかけてくるではないか。


 「気にするな。将来のお婿さんの下着を洗濯できると思うと、女として嬉しくてしかたないんだぜ」


 ほんのり顔を赤らめた魔理沙だったが、好きな男に尽くしたいと真剣に考えているので、下着や肌着を洗う事など全く苦にしていないようであり、むしろその様子からして霖之助の衣類を洗濯することが嬉しくてたまらない事が窺えるではないか。


 「待ってくれ、魔理沙っ!それだけは勘弁してくれっ」


 霖之助は恥ずかしい汚れが付いた褌と寝間着は自分の手でやるから、魔理沙はこの場においては何もしなくてもいいと言ったのだが、


 「嫌いな奴だったら勘弁願いたいところだが、私はお前の妻になることを真剣に希望しているから、これぐらいどうってことはないぜ」


 魔理沙は霖之助をヒップアタックで退かすと、たらいの前に座り込むなり勝手に洗濯を始めてしまったではないか!


 「男の一人暮らしは何かとズボラなものがあるから、女がちゃんと面倒を見てやらんといけないんだぜ」


 霖之助の恥ずかしい染みと汚れが付いている褌を愛おしそうに洗濯をする魔理沙は、褌についているザーメンを取り始めてしまうが、汚れと匂いが取りきれているかどうかを確認するために臭いを嗅ぎだしてしまうのであった。


 (紅魔館のヴアル魔法図書館に性教育に関した本があって、恥ずかしくて一人じゃ読めなかったからあの時私とアリスとパチュリーと小悪魔と一緒に読んで、男の人の精子って奴は白くて粘り気があって独特の臭いがするんだよな!)


 (香霖の褌はまだ汚れてて臭いも残っているから、この私が頑張って洗濯をしてやるとするか!でもこの仕事は私だけの物だから、他の誰にも譲るつもりはないぜ!)


 「家をゴミまみれにしている君に言われたくないから、褌の選択は僕がやるから君は店の中でゆっくりしておくれ」


 “片付けられない女”でもある魔理沙にだけはズボラだと言われたくない霖之助であるが、自分のザーメンがついた褌を他人に洗濯をさせるのは絶対にされたくないので、魔理沙を香霖堂の店内に行ってゆっくりするように促すも岩のように動くことがなかった。


 「香霖。お前は男の生理である夢精をしたんだし、霊夢だったらお前の事をひやかすかもしれんが別に気にすることじゃないと私は思うぜ」


 「それにお前の精子で汚した褌だって、太陽が乾かしてくれるからな。こうなるのはごくごく自然で当たり前なんだから、恥ずかしがったり悩んだりする必要はないはずだぜ」


 魔理沙がまるで母親のように慰めてきた事に驚かされる霖之助だが、今までの魔理沙であれば思いやりがあるとは思えない性格をしていて、おてんばすぎて自分のやりたい事を思う存分やりたい放題してきた駄々っ子がここまで変わる事にただ呆然と立ち尽くすしかなかったのである。


 「実は私も生理でな。今日で5日目だからたぶん明日に終わる予定で、この生理って奴が思った以上にしんどくて以前は人ごとだと思っていたが、腹は痛くなるし肩こりは酷くなるし血の付いたナプキンの処理は面倒だし、いざ自分がその身になると笑うに笑えなくなってしまったんだ」


 「いや、よくよく考えると私もずいぶん子供じみた言動をしてきたな。これからは自分の事を顧みないといけないし、人に迷惑をかければそれはいつか自分に返ってくることがわかったから、もう二度とあんな愚かじみた事はするつもりはないぜ」


 「それに今まで溜まりに溜まったツケの一部を返済するから安心しろ」


 魔理沙は今自分が生理中であると霖之助に告白し、生理痛になった時の辛さを思うと自分が子供から大人へと変わってきた事を理解したので、それに伴い今までやってきた言動が酷く恥じているようだ。その証拠として、魔理沙は霖之助にツケの一部を現金として支払ったのである。


 「魔理沙、君は変わったね」


 霖之助は精神的に成長を遂げた魔理沙の変貌をあえて変わっただけだと言ったのだが、その瞳を見て人間として大人になった事を悟ったのだ。


 「よせやい。照れくさいじゃないか」


 このようなリアクションを取られるとは思ってなかった魔理沙は照れくさそうに顔を赤らめてしまうのであるが、肉体の変化が精神の変化をもたらすように生理を迎えた事によって身体共に子供から大人へと変わっていくのが人間としてごくごく普通で当たり前のことであり、これにより一人の人間として大人への階段を確実にのぼって行き、やがて将来の伴侶と結ばれることによって子供を産み育てていき、子供が大人になるにつれて自らは年を取りやがて死んでいくことで輪廻転生を繰り返す生き方をするのが人間である。


 妖怪は人間よりはるかに長い寿命を持つために世代交代が非常に遅いので、子孫を増やしていくという概念が希薄なこともあってか、母親として子供のために母性本能を見せたり父親として家族を養うために働いたりすることがないために、肉体が大人でも精神は酷く幼く子供じみていることも珍しくないのだ。


 
―あとがき―




 今回のSSは幻想郷の少女たちの生理を取り扱ってみました。これぞ変態SS作家であるイル・プリンチベが投稿する作品の原点であるエロを題材にしていますが、そこは一般的にウケがよさそうなものではなく、あえて一部のマニア層向けではないかと思われる方向にするのは作者の方針であり仕様でありますし、出来れば女性の読者様にこのSSの感想をして頂けたら有難いのですが、東方ファンでなおかつ女性のハイスイカーの方はおそらくほとんどいないと思うので、たぶん感想を書いてもらうのは無理なんだろうなと割り切っています。

 
 幻想郷の少女たちは事あるたびに問題を弾幕ごっこで解決する傾向にありますが、霊夢ちゃんが生理二日目で最もしんどい時に魔理沙ちゃんに弾幕ごっこを無理やりやられて負けてしまった時に、「霊夢どうしたんだ?いつもと違って動きが鈍いぜ?」と言われても、「悪かったわね!今日は生理中なのよっ!なんか文句ある!?」と言い訳しそうな気がしないでもないですが、「そうかそうか。悪かったな、実は私も生理2日目なんだがな」と魔理沙ちゃんに言われたらどんな顔をするんだろうなと思うとどうしても気になって仕方ないですね。


 東方キャラの身長と体重とスリーサイズは個人的な私個人の推測に過ぎませんし、EXの霖之助さんの夢精に関しては完全にお遊びでネタですが、男性の読者様であれば一度は体験していると思われますし、夢精や遺精は男の生理でもあるのであえてこのSSで取り上げることにしました。皆さん、霖之助さんの事を笑ってはいけませんよ!男であれば、一度は通る道なのですから…
イル・プリンチベ
作品情報
作品集:
2
投稿日時:
2012/02/12 02:01:49
更新日時:
2012/02/12 11:01:49
評価:
5/5
POINT:
480
Rate:
16.83
分類
幻想郷の少女たち
経血ナプキン
経血レバー
身長と体重と3サイズ
簡易匿名評価
投稿パスワード
POINT
1. 100 NutsIn先任曹長 ■2012/02/12 12:06:12
大容量で記された、幻想郷少女達の月に一度の周期で迎える日の対処と過ごし方を読ませていただきました。

私は男性ゆえ、女性の悩みにいまいち共感はできませんでしたが、この作品は女性の秘匿したい事案を緻密に描写されていますね。
作者様は入念なリサーチをされたのでしょうか。
多少誤字を見受けられましたが、それを差し引いても高評価を致します。

魔法使いって、属性の色が出るのか!? 己の魂を分け与える子供を設ける箇所のモノだからか?
種族魔法使いになったら魔理沙のは、墨のような漆黒になるのだろうか。

エクストラステージのお話の、愛しいヒトの恥ずべき穢れを洗ってくれる乙女。
少女から大人の女性へのステップアップ。
体型はともかく、いずれは素敵なレディになるでしょうね。
2. 100 名無し ■2012/02/12 17:54:13
随分考えさせられる話しですね。
妙に現実染みていますが知っておくべき事が事細かに描写されていると思いました。
エクストラなどは特に人の成長という素晴らしい事象が表現されていますね。
3. 100 エタール ■2012/02/12 22:11:08
皆様の“あの日”、静かに読ませて頂きました。
それぞれ、とても感心しました。
命は、何時も誰にでも実感出来る!
ありがとう御座いました!
4. 80 名無し ■2012/02/13 11:14:24
幻想少女の現実を垣間見せられましたが、
はっきりと描写してくれると却って現実味を感じます。体調の変化がないと夢物語ですよね。七色とかは思いっきり夢物語ですけど……。
グロ好きそうなお燐や、生理の知識ない無知キャラの次回作を期待します。

>>男の生理
え、一度も来てない…
5. 100 んh ■2012/02/13 18:43:57
やったゆうかりん復活したぞっ!
ポッチャリーじゃなくてペチャリー好きとしてはAAAサイズはガッツポーズでした。

もう何度も言ってる気がしますけど、霊夢は幻想郷一重たい女だといいですね
アリスは生理不順で
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