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『姉妹』 作者: 和多
「そうか、フランはレミリアにずっと地下室に閉じ込められていたのか」
「ええ、そうよあいつにずっと私は閉じ込められていた」
フランが魔理沙に弾幕ごっこに負けた後に二人は仲良くなってよく遊ぶようになった。
そして、今日も魔理沙と遊んでいた。今の会話は初対面の時に何故あの地下室にいたのかもう一度教えてくれと魔理沙に言われたからである。
「そうかフランはこんなに可愛いのに、閉じ込めて置くなんて酷い奴だ」
「そう、あいつは酷い」
魔理沙はフランの頭を撫でた。それから、フランの境遇を、なんだか自分のことのように感じとても怒りを感じた。当然、極悪非道なレミリアは裁かれるべきだと思った。
「よし、レミリアを殺すぜ!」
「ええ、……って! いやそこまで、しなくていいよ」
自分の中で結論を出した魔理沙は、レミリアを見つけて殺してしまおうと立ちあがった。近くにあった水道管用の鉄パイプを拾ってそれを2、3振りして握りを確かめた、これで撲殺する気なのである。実はこの鉄パイプは、出不精のフランの為にレミリアが部屋でも水道が使えるようにと、工事を業者に依頼して工事の前に送られて着た物だった。
「何言ってるんだ? お前に酷いことした奴に、罰を与えるのは当然だろう?」
「ううん、そういうことは、あいつ、……お姉さまにしなくていいよ」
フランは自分を確かに地下室に閉じ込めた、レミリアを余り好ましく思っていない。しかし、だからといって殺そうとまでは思って居なかった。ちょっと、仲の悪い姉妹程度なのである。
「そうか、可愛そうにフランお前は、レミリアになにか脅されてるんだな! 本当に可愛そうに!」
「え? 違うよ! 脅されてないよ!」
魔理沙は思った。話を聞いただけの、私がこれだけ怒りを感じるのだから。当然フラン本人はもっと、怒りを感じていて当然だ。それなのに、フランはレミリアを殺さなくていいなんて可笑しい、これは何か有ると思った。
考えられることは、やはり脅されているに違いないと思った。それすらも否定するフランを、不憫に思った。
「本当に可愛そうなフラン! 今日それを私が終わらせてやるぜ!」
「だから、しなくていいって!」
もう魔理沙は止まらない、可愛そうなフランに替わって、あの悪魔に罰を与えることしか考えていなかった。明確な殺意を込めて先ほどの鉄パイプをまた2、3振りした。その形相は復讐に燃える悪鬼のように恐ろしかった。
「フラン大丈夫だ! お前はこれから起こる残酷な報復を行為を見ないように目をつぶっていればいいぜ!」
「……分かったよ、目を潰すことにするよ。……魔理沙のね」
もうこれしか方法が無いと考えたフランは、魔理沙の目を見つけ即座に握り潰した。
その瞬間、魔理沙は粉々になって弾けとんだ。辺りには魔理沙の肉片と血液が散らばった。
「……友達はまた新しく作れば良いけど、あいつは一人しかいないのよ」
肉親と友達を天秤にかけたフランは、少し悲しかったけれども家族を守ったとても偉い子だった。
ある日、アリスがやることもなく弾幕ごっこで使う爆弾入り人形を作っていると魔理沙がやって来た。
「邪魔するぜ、特にようはないけどな外は寒いから暖まりにきたぜ」
「なんだか言い方が気に食わないわ。まあちょっと、退屈していたから話相手にでもなって」
アリスは作りかけの人形を置いてたずねてきた魔理沙と話そうと思った。少し無礼な態度はこの際目をつぶることにした。
「は? お前と話して私は何か得をするのか? それよりも、お客様が来たというのに茶も菓子も出さないのか?」
「……うぁ。…………ごめんね、気が利かなかったわ」
魔理沙はこういう奴だとアリスは湧いて来る怒りを抑えた。それから、せっせと働き蟻のように魔理沙の為に高級な紅茶と洋菓子を出した。
「いや、悪いね! 催促したみたいで」
「……え?」
催促したよねとアリスは言いかけやめた。魔理沙はすぐに不機嫌になるから余計なことは言わない方がいいと思った。
「ところで、お前今日は何やっていたんだ?」
「人形を作っていたわ」
とりあえず、魔理沙は話相手になってくれるらしい。今話題に出した、アリスは人形を持ってきて魔理沙に見せた。
「へぇ、これはまだ作りかけのようだが良くできているな!」
「そうよ、この子は弾幕ごっこに使う子で爆弾を仕込んであるのよ」
魔理沙は珍しくアリスの人形を褒めた。アリスはうれしい気分で人形の説明を始めた。
「……くだらねぇ。家に引きこもって何をしているのかと思ったら人形作り? もっと、生産的なことでもやってろよ。馬鹿らしい」
「なにそれ! 酷い魔理沙!」
魔理沙が人形を褒めた理由は中途半端に覚えた社交辞令だった。中途半端なので、褒めた後は本音を言っても良いと思っている。
アリスは、今すぐ人形を魔理沙にぶつけ爆発させたくなったがやめることのした。今ここで爆発させれば、自分も巻き添えになるからである。
「それより、茶が無くなった! 新しいのだせ、出涸らしじゃなくて新しい茶葉で入れろよ」
「……わかった入れてくるわ」
これだけ酷い扱いを受けてもアリスは堪えた。なんとか湧いて来る怒りと人形を馬鹿にされた悲しみを心の奥底にしまいこんだ。
新しい茶を淹れに行こうとした時だった。
「ワタシノ、ニンギョウ、バカニスルナ」
折角堪えたのに、潜在意識の中でアリスは上海人形を操ってしまったらしく、突然二人のいる部屋に入って来た。
そして結果はお決まりなのである。
和多
- 作品情報
- 作品集:
- 3
- 投稿日時:
- 2012/03/16 15:01:13
- 更新日時:
- 2012/03/18 13:42:52
- 評価:
- 13/18
- POINT:
- 1250
- Rate:
- 18.21
- 分類
- フランドール
- 後書きアリス
魔理沙はほっときゃまた湧いてくるでしょう。
あと、破壊された魔理沙と連動して、アリスが爆発した。いつもの事である。
なのにウザいコメントが残念
鉄パイプくらいで吸血鬼に勝てりゃ苦労しないぜ
2>> いい話とコメントもらえてうれしいです。
3>> コメントありがとうございます。このコメントで小話を思いつたので、後書きの差し替えに使わせて貰います。
4>> お話をほめて貰いありがとうございます。
後書きは後で、差し替えておきます。
5>> 閉じ込められていて、今は開放されていますが出てこない感じです。魔理沙は勝てると思っています。
6>> 丸太の杭を心臓にですね、なんだか格好いいですね。
7>> 鉄パイプでも、十字架や梵字が彫ってあったらすごそうですね。
もう百点追加したいですよ。
でも原作の魔理沙って性格ひねくれてて我侭らしいから、こういう方が正しいのかもしれませんね。
10>>私も得点が増えるとうれしいですが、コメントをもらえるだけでもうれしいです。
11>>やはり、アリスは爆発するものですね。
14>> 悪いのは環境のせいですね。
15>> 短文マスターですか? なんだかうれしいですね。
抱きしめてやりたい