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『輝夜やってから後悔』 作者: ギョウヘルインニ

輝夜やってから後悔

作品集: 3 投稿日時: 2012/03/19 01:41:43 更新日時: 2012/03/19 10:42:23 評価: 6/8 POINT: 660 Rate: 15.22
「私は鈴仙に酷いことしたくない」
「いいから、殴りなさいこの馬鹿」
「嫌、私は酷いことしたくない私にそんなことさせる輝夜は嫌い」
「あのね、代わりにてゐが殴られるほうでもいいのよ」

  永琳が仕事でお出かけ中なので今日は普段できない遊びふつうの、拷問ごっこです。輝夜が偶々思いついた遊びです。いじめとか、優曇華が嫌いというわけではありませんが、変化の無い日常にちょっとした刺激が欲しくなったのです。優曇華を柱に縛り付けてやり、てゐに鉈を持たせて殴らせてあげる遊びです。

 それなのに、てゐはぜんぜん殴ろうとしません。普段陰口叩いてるくせに、嫌がって殴ろうとしません。それどころか、輝夜を批判しました。また、てゐは文句を言い出しました。

「鉈で殴ったら、中身が出ちゃうから嫌」
「鉈だって、立派な鈍器殴りなさい。馬鹿」
「嫌、中身が出たら鈴仙死んじゃう」
「誰がそんなこと言ったの? 気にしないで殴りなさい」
「カナヅチは、くぎ抜きが付いているから使いたくない。そもそも、この遊び嫌」
 何故か、他にも鈍器ばかりある永遠亭でした。
「……昔、月で遭難したときにね、食料が無くなったの、そしたらうさぎがね私の前に現れたの。私は持っていたピッケルを投げたの。そしたらね、うさぎに刺さって食料になってくれたの。だからねあれから私は、カナヅチを買うときは、同じような形をしているくぎ抜き付きのやつを選ぶようにしているの」
「それでも、殴るのも嫌い、中身が出るのも嫌い。血の色も嫌い。全部嫌いなの」
「……私だって、殴る遊びは嫌よ。でも、見るのは結構好きなの」
 
 いちいち、使いたくない鈍器を持ってコメント、向かいで早くやれとせかす輝夜の前に突き出して言いました。

 始めのうちは、受け答えをしていた輝夜でしたが、途中から無視して遊びを続けさせると決め込みました。

「私、ピコピコハンマーで殴るから」
「あっそ、好きにすればピコピコハンマーも炸薬を仕込んだものしかないから」  
「輝夜のいじわる。性悪姫、輝夜なんかりんごのヘタになっちゃえ」
「注意するわ、そろそろ怒るぞ馬鹿」
「さっきから、私のことを馬鹿馬鹿言うけど、こんな遊び考える輝夜が馬鹿なんじゃないの?」

 言うだけ言って、輝夜と優曇華を放置したまま遊びに行ってしまいました。


「私も出かけるるかな」







 てゐが竹林で蟻の巣を眺めて遊んでいると、ふいに一箇所だけ節が光る竹を発見しました。これって、もしかして例の害虫なのかと思ってその竹を切ってみることにしました。中に例の害虫が居ることを踏まえて光る節の中央のところを切りました。中には、ミニサイズで知り合いの輝夜が居ました。血まみれで真っ二つです。

「あら、見つかっちゃった」

 顔面蒼白、口からドバドバ血を流しなら話します。でも、死なない事にたかを括って結構余裕なのです。

「輝夜今度はなにしているの?」
「ハンティング」
「輝夜は何を狙っているの? 妹紅?」
「しー......獲物のあなたが逃げるから静かにして」
「え」

 ハンティングと言いながら、手には釣竿とパソコンを持っていて、フィッシングしていたのでしょう。永遠亭は病気で苦しむ患者のうめき声でうるさいのでフィッシングに集中できないのです。輝夜は竹の節から出てきました。出てきた途端傷も治っていつものサイズに戻りました。蓬莱人にこんな機能があるのかは不明です。

「ここから、見ていたのだけれどもてゐもなかなか一人遊びがお上手ね」
「蟻は、黒いの。眺めて居るだけで遊びになってしまう不思議な遊びなの」 
「……もしかして、まださっきのこと気にしているの?」

 てゐが竹林で蟻の巣を眺めて遊んでいるときは、嫌なことがあって気を誤魔化している事が多かったのです。輝夜はてゐがさっきのことで永遠亭に不信感を抱いていることに気付いていました。
  
「よくわかったね、最近の永遠亭はおかしい。私は、こんな生活は嫌なの」
「確かに、永遠亭はおかしい。でも、そんなの今に始まったことじゃないわ」
「輝夜は、輝夜はいつもやりたい放題じゃない」
「当然ねそれが、姫様の特権なのよ。それと、あなたが放置したからあの子縛られたままよ」

 てゐはやりたい放題の輝夜が嫌いでした。行動だけではなくだけでは無く、輝夜の我がままは基本的に迷惑だからです。

「どうしよう、このまま永琳が帰って来たら鈴仙が遊ばれちゃう」
「確かにまずいわね、永琳はそういう遊びが大好きだった」

 二人はどうしたら鈴仙が遊ばれないで済むか考えました。帰って普通に開放すればいいのですが、嫌い嫌い言いながら、ちょっと見てみたい気もあるのでその辺の考えは浮かんでも二人とも言い出したり、行動したりしません。

 そこに、仕事から帰ってきた永琳が通りがかりました。二人に永琳は気づいて話しかけて来ました。

「あら、姫様とてゐどうしたのこんなところで? 雰囲気からして何か考えごとしているようだけど」
「永琳なんでもないよ、鈴仙を縛ったまま放置して来たりしてない。本当だよ!」
「……なんですって、鈴仙を縛ったまま放置して来たりしてないそれは本当?」

 永琳はてゐの見え透いた嘘に、乗っている振りをする永琳なのですが、当然気付いているのでした。永琳はひどい事ができそうでうきうきわくわくなのです。

「本当だよ、鈴仙は今縛られてなんかいないよ。いまごろ夕飯のカレーでも作っているよ」
「あなた、わざと言っているでしょう。酷いウサギね」

 てゐの露骨にわざとらしい言い訳に輝夜が、少し引きながら答えました。

「カレー? ふふふ、いいじゃないそれ! すぐに帰りましょう」

 永琳はとにかく刺激的な事が大好きで早く帰りたくなりました。

「ちょっと、待ってよ永琳」
「姫様いったい何を待つのですか? 私は早く帰りたいのですが」

 永琳は輝夜の目を見ながらワクワクした表情で言いました。輝夜はビクッとして目を見る永琳と目をそらしました。

「永琳まだ駄目よ、きっと鈴仙はカレーを作ってる最中だから邪魔にるわ」
「そうですか? しょうがないですね」

 輝夜はてゐの出まかせを信じて貰おうとしました。永琳は見え透いた嘘にあえて納得することにしたのです。いちおう、主従関係ですから。

「姫様、優曇華が作っているカレーは何カレーですか? いくら、弟子といっても不味いカレーを作って姫様のお口を汚すならば排除の対象です」

 永琳はちょっとうれしそうに話しました。それを聞いた輝夜は焦りました。本気で自分が許可したらやりそうだったからです。

「待って、そういうことはしないわ」
「そうだよあいつが、居ないと永遠亭のお手伝いさんいなくなるよ」
「二人がそういうならしかたありませんね」

 永琳は露骨にカマをかけてきたのでした。

「そうだ、カレーが出来るまで外で暇をつぶしましょう。早く帰りたいと思うけど、永琳の好きなところに行くと言ったら納得してくれる?」
「姫様がそう言うのならば、そうしましょう」
「輝夜、それじゃあ落ちが読めるけどいいのそれで?」
「このまま、鈴仙がひどい目に遭うよりかましよ」

 自分で始めておいて、結局残酷に成りきれなかった輝夜の意見が通り、3人は暇を潰しに行くことにしました。抜本的に優曇華は柱に縛り付けられたままなので、何の解決にもなっていません。 





 
 それから2人は永琳に案内されてお店に来ました。店内に入ると、蝋とじゃ香の香りがします。2人はもう確定した嫌な予感がしました。

 一度入ってしまったため、いまさら外に出るわけにも行きません。2人はわずかに残る可能性、おさわり禁止の店に賭けました。

 カウンターに通されて、フィリピィン人風の店員に注文を聞かれました。

 
「お客さまは、叩くのが好きですか? 叩かれるのが好きですか?」
「私、ここの三角木馬に座らせるの好きなんですよ」

 永琳に連れてこられたお店はSM専門店だったのです。 
そのころの永遠亭で優曇華は縛られたまま、背中を蚊に刺されかゆくてしかたありませんでした。







自分の作品を改変してみました。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
3
投稿日時:
2012/03/19 01:41:43
更新日時:
2012/03/19 10:42:23
評価:
6/8
POINT:
660
Rate:
15.22
分類
永遠亭
改変
簡易匿名評価
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POINT
0. 60点 匿名評価 投稿数: 2
1. 100 名無し ■2012/03/19 11:17:40
出落ちでしたがそれが面白かった。
輝夜の雰囲気すきだな。
2. 100 NutsIn先任曹長 ■2012/03/19 13:18:42
昼食のカレーを急いで食べた私になんちゅーもん読ませるんですか!?
結局、ほのぼのとした永遠亭で良かった。
カレー、良いですね。SM、良いですね。
5. 100 名無し ■2012/03/22 08:35:16
実に良い
6. 100 名無し ■2012/03/25 21:28:09
カレーのお話がどうしてこうなった?
7. 100 名無し ■2012/04/16 04:08:01
いや、誰も不幸にならなくてよかったよー
8. 100 ふすま ■2014/06/10 13:52:14
相変わらず鈴仙は苦労が絶えないなぁ
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