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『今日の遊び』 作者: 和多

今日の遊び

作品集: 3 投稿日時: 2012/03/25 07:45:50 更新日時: 2012/03/25 16:45:50 評価: 7/8 POINT: 700 Rate: 18.13
 冷えたオレンジジュースが満杯に入った紙コップを持ったチルノが、大妖精に近づいてきた。

 妙にふらふら歩いて今にも零しそうだ。そして妙にうれしそうな笑顔を浮かべている。

「大ちゃん! 大ちゃん! ばあ!!」
「……え? 何するのチルノちゃん!」

 チルノはワザと大妖精の服に向かって、オレンジジュースを引っ掛けた。今さっき思いついた遊びなのである。

「どう? 大ちゃん今の気分は面白でしょう?」
「え? え? どういうこと?」

 チルノは結構すかっとして面白かったが、大妖精にとっては服を汚されて大迷惑な話だった。

「あたいが考えた新しい遊びだよ」
「……酷い」

 自分の置かれた状況に気付いた大妖精は服をジュースで汚されて唯悲しかった。

 大妖精は泣きながらどこかに飛んで行ってしまった。それを見送ったチルノは他の奴にも試そうと思った。

 


 それから暫くして、紅魔館の門前にチルノは居た。

 今度は、よく冷えたコーヒーで紙コップを満たして、寝ている美鈴にかける気だった。
 
 なんだか妙に笑えて来たチルノは、何とか笑いを押し殺して美鈴近づいて行った。途中で結構ジャリジャリ歩くときに音を立てていたが美鈴は起きることは無かった。

 そして、とうとう美鈴が目の前に来たときコーヒーをぶちまけた。

 それでも、美鈴は起きることは無かった。立って寝ている美鈴の丁度、股辺りにコーヒーの染みが広がりまるでもらしているようだった。

「くくくくく! もう駄目! 美鈴がお漏らししてるみたい」

 チルノはとうとう声を出して笑ってしまった。

「……? え? あ!」

 この声で美鈴は起きた。そして、股の辺りがヒンヤリしていることに気付いた。そして、素で寝小便をしてしまったと思った。

 そこにチルノが追い討ちをかける。

「わあ、あたい見たよ美鈴がお漏らしているところ! みんなに言っちゃえ!」
「チルノ? チルノさん勘弁して下さい。そうだ、これをあげるから黙っていてください」

 美鈴は帽子の中に後で食べようと思って取って置いた、アップルパイを取り出しチルノに渡した。

「いいのこれ? それなら、あたい何も見ていないよ」
「ありがとうございます」

 チルノはアップルパイを貰うとそこから離れた。明日もこのネタでゆすろうとその場では考えたが明日になる前に今の出来事は忘れているだろう。





 アップルパイを食べ終わったチルノは、この遊びの味をしめた。自分は飲み物を引っ掛けて楽しくてしかも美味しい思いが出来てとても愉快だった。

 さて、次はどうしようかと思い歩きながら紙コップに今度は冷えたマンゴージュースを入れた。そして、次のターゲットを探した。歩いていると原っぱに開いた日傘を肩に乗せしゃがんで、地面を浅く掘って何かしている妖怪を見つけた。

 チルノはウキウキしながらその妖怪に近づいて行った。勝手に今度はあの日傘がもらえるような気になっていたのだ。  
 
 妖怪は何か真剣にやっているらしく、背後から忍び寄るチルノには気付かず細かい粒のようなものを掘った浅い穴に入れた。そして、その穴に土をかけようとした時だった。

 突然、背中の辺りが冷たくなった。妖怪は何事かとしゃがんだまま振り向いた。

「やったー! アタイの勝ちね! その日傘頂戴!」
「…………」

 ケタケタ笑いチルノはマンゴージュースを掛けられた妖怪に向かって勝ち誇り日傘を要求した。

「私の勝ちだから早く頂戴」
「ええ、あなたにあげるわ。この傘、ふふふ」

 その妖怪、というか幽香さんは妙な笑い方をして立ち上がり日傘をたたみチルノに上げることにした。

「やったー! ありがとう! グエ!」

 チルノは日傘を貰うことが出来た。ところが傘はチルノの手には渡ることは無く、頭に渡されることになった。
魔理沙がでない話でした。
和多
作品情報
作品集:
3
投稿日時:
2012/03/25 07:45:50
更新日時:
2012/03/25 16:45:50
評価:
7/8
POINT:
700
Rate:
18.13
分類
チルノ
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POINT
1. 100 糞団子 ■2012/03/25 16:59:58
調子に乗りすぎちゃったねチルノちゃん。
2. 100 名無し ■2012/03/25 17:39:59
すごい短文なのにやたら強烈な感じな話でした。
3. 100 美緒 ■2012/03/25 21:02:50
この遊び実際面白そうですね。
日本風に言えばヤクザにちょっかい出した不良みたいな感じですね。
美鈴がなんかすごく可哀想でした。
4. 100 NutsIn先任曹長 ■2012/03/25 21:28:12
この遊びのキモは、相手に引っ掛ける飲み物ですが、
どこからそんなバラエティ溢れる飲み物を持ってきたんですかね?
ドリンクバーを廃止したファミレスから撤去した飲み物サーバーセット一式が幻想入りしたんですか?
5. 100 名無し ■2012/03/26 18:57:18
掛けたら、掛けられなきゃ、チルノちゃんはそこを勘違いしたからこうなったんだよ?
まあ、妖精は死んでも生き返るから問題ないね。
6. 100 んh ■2012/03/26 22:00:30
こんなアホなことばっかやって、懲らしめてもすぐ元通りで、しかも自分らがやったこと全部忘れてんだから、妖精ってネズミやカラスよりたち悪いよね。里の人やゆうかりんも大変だろう
7. フリーレス 和多 ■2012/04/01 18:54:37
1>>調子に乗ったら産廃では碌な目にあわないのに調子に乗ってしまいました。

2>>短文しか書けない私は短文で強烈な作品を作ろうとしていたので有難いコメントです。

3>>実はあのアップルパイ腐っていたのです。美鈴は気付かないで渡してしまいました。

4>>チルノから直接出るしようになっています。苦しい言い訳です。

5>>そして、またとんでもない遊びを思いついてしまいます。

6>>妖精ホイホイとかいう妖精を生きたまま捕まえる道具が郷で発売されました。
8. 100 レベル0 ■2014/07/18 17:37:07
このチルノ最悪だな
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