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『尊敬する人、家族です』 作者: 和多

尊敬する人、家族です

作品集: 3 投稿日時: 2012/04/08 14:11:05 更新日時: 2012/04/09 01:30:54 評価: 5/13 POINT: 570 Rate: 10.82
「諏訪子ってたいしたことないんだな! 早苗なあ!」
「何言ってるんですか? 諏訪子様は、すごいですよ」

 魔理沙と早苗は道で出会った。田舎道で他に誰も居ない、二人とも自分の用事があってそれが終わって帰るところで出会った。特に二人は仲が良くも悪くも無いが、これからやることもないのでお互い足を止めて話していた。

 話の中で早苗が諏訪子の自慢話をした。神なのに参拝に訪れた庶民に親しく接したり、家族の早苗たちのために色々と家事をこなしてくれるといったことだった。

「は? お前何言ってるんだ? どう考えたって諏訪子はたいしたことないだろ?」
「……言って良いことと、悪いことがあるんですよ!」

 二人の考えには違うことがあった。魔理沙は信仰を集めるために人に媚びている奴だと思った。それとは違い早苗は、庶民や家族に近い考えを持った偉い神だと思っていた。

「可笑しいなそれは、今私は何か悪いことを言ったか? あ? あ! 言ったか!」
「……なんですか? ……魔理沙さん脅さないで下さい」

 魔理沙は大きな声を出して高圧的に早苗に接した。自分の言ったことが全て正しいと魔理沙は思っている。だから、それを否定する早苗が気に食わなかった。

「脅してる? いつ? いつ私が脅した? お前の考えが間違っているだけだろ?」
「……うぅ。本当に、……諏訪子様はすごいんです」

 魔理沙はすぐにでも手を出しそうな感じですごんだ。魔理沙は箒を持っているのでこれで殴ってきそうで早苗は恐かった。話ながら箒ばかり見ていた。

「お前! 話ながらちらちら他のところ見ていてなんなんだ? それで、お前の主張が通ると思っているのか? まあ、どちらにしろ諏訪子はたいしたこと無いけどな!」
「でも、でも、諏訪子様はすごいんです」

 魔理沙は早苗が箒を見ていることに気付いていた。わかっていたから、わざと箒を握る手に力を込めて見せたりして脅していた。何かしら箒で動作をすると早苗が反応するので少し面白かった。

「おい! 本当にそう思っているのならば私の目を見て話せるだろう?」
「……! 諏訪子様はすごいんです!」

 魔理沙がからかっていると、早苗は急にはっきりと言った。偉大なる神、親愛なる家族を馬鹿にされた早苗は勇気を出して言ったのだった。その瞬間だった。

 シュン! 風を切る音がした。

 怒った魔理沙が箒を振り上げた。振り上げられた箒はすぐさま振り下ろされ早苗の頭上に迫る。

 ガン! 箒は早苗の頭に命中した。その瞬間、一瞬何も見えなくなる。そして、激しい痛みが顔を中心に襲った。


「お前が余計なことを言うから箒が怒ってこういうことになったんだぞ!」
「違う! それでも私は間違っていない!」

 それでも、早苗は叩かれ大きく切れた顔から血を流しながらも言った。今おかれた状況を分かっていたたぶん今受けた顔の怪我は多分一生残る。絶対に後で後悔するだろう。

 しかし、魔理沙は間違っているのだ。だから今は勇気を出して言った。

 ガン! もう一度魔理沙は殴った。生意気な早苗の生意気な発言が許せなかった。今度は口の中が切れた。

「黙れ! 諏訪子はたいしたこと無いんだ!」
「いがう! ……違う!」

 早苗の顔を傷だらけ、もう誰にも見せられない。それでも、魔理沙の言うことに屈しなかった。

「うるさい! お前は間違っている」
「間違っていない!」

 ものすごい形相で早苗は言った。もはや、傷の痛みなど無く、後で後悔することなど忘れた。今は馬鹿にされた家族の名誉を守ることしか考えていなかった。

「うざいぜ!」
「あああああ、あああああああああああ!」


 ドカ!

「ああああああああ!」


 ドカ! 

「すごいんだ!」


 ドカ!

「ああああああああああ!」

 魔理沙は既に奇声を上げるだけの早苗を何度も箒で殴り続けた。

「もう黙れよお前!」
「ああああああああああああああ」

 ドカ! ドカ! ドカ! ドカ! ドカ!


 魔理沙は早苗が何も言えなくなるまで殴り続けた。

「文句あるか?」

 既に何も言わない何もできない早苗に魔理沙は話しかけ何も返答が無いことに、満足して帰路に着いた。


 その後魔理沙が歩いていると、諏訪子と神奈子に出会った。二人は、早苗の帰りが遅くて探しに来たのだった。魔理沙は特にやることも無いので二人に話しかけた。

「何で早苗なんかたいしたこと無いのに、巫女なんかさせているんだ?」
数日後、道に落ちていた折れた箒の柄を朝顔の支柱に使う美鈴は清々しい笑顔で、夏満開になる花を想像して楽しんでいた。
和多
作品情報
作品集:
3
投稿日時:
2012/04/08 14:11:05
更新日時:
2012/04/09 01:30:54
評価:
5/13
POINT:
570
Rate:
10.82
分類
早苗
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0. 70点 匿名評価 投稿数: 5
1. フリーレス ニコル ■2012/04/08 23:42:50
産廃読んでて初めて早苗さんに生きていて欲しいと思いました。

ある意味この作品は家族のあり方みたいなものが含まれていて、短いながらも考えさせる作品でした。
2. フリーレス ニコル ■2012/04/08 23:42:51
産廃読んでて初めて早苗さんに生きていて欲しいと思いました。

ある意味この作品は家族のあり方みたいなものが含まれていて、短いながらも考えさせる作品でした。
3. 100 名無し ■2012/04/08 23:43:01
早苗さんは良い子……、魔理沙は師を馬鹿にされても同じ事が出来るのだろうか?
4. 100 ニコル ■2012/04/08 23:47:22
すみません。点数いれ忘れ連投してしまいました。1、2、です。
5. 100 NutsIn先任曹長 ■2012/04/09 00:33:34
美しき哉、家族愛。

ところで……、守矢神社の面子って、大したことないんですか?
6. 100 名無し ■2012/04/13 19:37:40
魔理沙ぇ・・・自業自得です
8. フリーレス 名無し ■2012/04/22 12:32:27
1.2.4>>なんとなく、早苗さんの地位向上みたいな感覚で書きました。

3>>魔理沙はきっと、便乗して言いたいことをいいそうです。

5>>どうなんでしょう。他にも神様とかいる幻想郷では、一番ではない感じです。

6>>早苗さんに勝ってもいつもの魔理沙でした。

7>>匿名評価ありがとうございます。
13. 100 レベル0 ■2014/07/18 17:42:35
バチがあたったな。
恐怖に屈しない早苗は強い子だよ
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