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『心を読めることの受難』 作者: ぐう
「お姉ちゃん、早く早くー!」
「こいしったら、そんなに急かさないの。転んじゃうわよ」
日が傾きかけた幻想郷の空の下、風に揺れる草原を歩く二人の少女。
一人は桃色の髪にヘアバンドをつけ、もう一人は薄い緑色の髪に帽子を被っている。
何よりも特徴的なのは、二人の服などから伸びる数本の管、そしてその先の目玉だった。
「大丈夫だいじょ・・・きゃんっ!」
「んもう、言わんこっちゃない」
二人は地底の覚妖怪の姉妹、さとりとこいしである。
さとりの注意を聞かないこいしは、注意がきて早々に草むらに転んでしまった。
「えへへ、大丈夫だよ。それより早く早くー!」
「あっ、こいし! 本当に落ち着きのない子ね」
さとりが起こして服やスカートについた草を掃うと、こいしはすぐさま走り出した。
元気がいいというか落ち着きがないというか…。無邪気と活気にあふれた妹の後を、さとりは歩いて追っていった。
「わー、すごい人だねー」
「みなさん勤めが終わる頃だから、買い物をして帰る人が多いのよ。こいし、メモはちゃんと持ってる?」
「もちろんあるよ、ほらっ」
人間の里は主に仕事帰りや買い物に出かける人で賑わっており、中には妖怪や妖精など人間以外の種族の者も混じっている。
それもあってか、二人が里に立ち入っても驚く人はほとんどいなかった。
(あーあ、早く帰ってひとっ風呂浴びたいぜ)
(今日の夕ごはんは何にしようかしら)
(おっ、あの二人組の子は妖怪か? 何か知らんがかわいいな)
サードアイを通し、さとりには行き交う人々の心の中の声が次々と聞こえてくる。
ちなみに最後の人のいう二人組とは、さとりとこいしのことである。
「お姉ちゃんどうしたの?」
「いえ、みなさんいろんなことを考えて行き来してるんだって思ってね、ただそれだけよ」
「そっかぁ。それより早くお買い物しようよ」
「そうね」
こいしに差し出されたメモを見て、本来の目的を思い出したさとり。
メモに書かれたものを買いに、目的の商店へと向かった。
二人がやってきた商店は、外の世界でいうスーパーの小型版のようなもの。
食料から日用雑貨まで、多種多様な物品がコーナー毎に分けられて並んでいた。
「えーっと、まずは・・・」
「あっ、あれ何だろ?」
「こいし、あまり勝手にうろうろしちゃダメよ」
さとりがメモを見てる隙に、こいしは気になるもののほうへふらふらと歩き出した。
無意識を操る能力を持つだけあって、普段からもこうして無意識に動く放浪癖があった。もっともこの場合は、無意識ではなく興味を惹かれているだけだが。
「新発売のジュース、おひとついかがですか?」
「わぁ、これすごくおいしい」
さとりの監視が追いつかないくらいまで移動し、こいしは新しく発売されたジュースの試飲コーナーまで来ていた。
勧められて断るはずもなく、早速ジュースを一杯口にしたこいしは、その味を大変気に入った。
「このジュース買っていこっと。お姉ちゃんどこ行ったかな?」
「毎度ありがとうございます」
こいしは試飲したジュースと、試飲用のジュースが入った紙コップを持って歩いていった。
「んー、なかなかいい味してますね」
「今なら平日よりお求め価格で販売いたしております」
その頃、さとりはメモに書いてある物品を買い物籠に入れて回っていた。
足を止めたのは生肉(せいにく)コーナーで、そこで試食を行っていた。
「これ二ついただけますか?」
「はい、ありがとうございます」
既にいくつか食べ歩いており、しっかりしてそうで意外と抜け目がない点を持つさとり。
もっとも試食したものはどれも気に入ったのもあって、すべて籠に収めていた。
「お姉ちゃーん」
「こいし、またどこ行ってき…って何それ?」
「何それってジュースだよ? おいしかったから買ってきたの。ほらお姉ちゃんの分もあるよ」
こいしはジュースを籠に入れ、試飲用の分をさとりに手渡した。
「(あら、意外といけるわ)」
こいしが勧めるのは伊達ではなく、ジュースの味はさとりも気に入った。
「でもこいし、あんまり勝手に試食ばっかりしたりそれを持ってきたりしたらダメ。今回だけは特別よ」
「はーい」
聞いてるのか聞いてないのか、くったくのない笑顔で答えるこいし。
しかし今回に至っては、自分のことを棚に上げているさとりが言えたことではないだろう。
「これで全部あるの?」
「ええ、メモに書いてあるものはちゃんと揃ってるわ」
大方の買い出しを終え、後は清算のためレジに並ぶのみ。
二人は台の上に籠を置き、清算が終わるまで待つことにした。
「(や、やだ・・・こんな時に・・・)」
その時、さとりは身体の奥からじわりと湧き上がる何かを感じた。
顔がほのかに赤くなる辺り、とても人に平然と言えないことなのは確かだった。
「(お・・・おしっこ行きたい・・・)」
それがさとりが感じたものの原因で、意識したのもあって尿意がじわじわと強くなってくる。
行けるものならすぐにでも行きたいが、今は清算の最中だった。
とはいえさとりも年頃の女の子、生理現象の我慢には抵抗があってもそうもいかない。そこで・・・
「ちょっとこいし・・・」
「ん?」
こいしの肩をポンポンと叩き、さとりはそのまま耳元でささやいた。
幸い店員や他の客には聞こえていないようだ。
「お姉ちゃんちょっとトイレに行ってくるから、お金払うの任せるわ。くれぐれも財布なくさないでよ」
「うん、大丈夫だよ。私に任せといて」
さとりのささやきにこいしはうなずき、こいしに財布を渡すとさとりはすぐさまその場を後にした。
(あの子、急にどうしたんだろ?)
(買い忘れでもあったのか?)
(もしかして、お手洗いかしら)
人々は口にしないだけで、思考だけはしっかりと働かせていた。
最後の考えはまさに図星で、さとりは顔を赤くしながらスカートを押さえて急いだ。
「んんっ!? そんな・・・こっちまで・・・」
トイレに向かう最中、さとりは尿意とは別のものを感じた。
今度はお尻のほうから湧き上がり、同時にお腹にも痛みを伴った。
「あうっ・・・お腹がごろごろいって痛い・・・」
こいしが持ってきたジュース以外にも、さとりは様々なものを試食していた。
それがお腹に溜まってきたことにより、尿意を先に起こし、遅れて便意も引き起こしたのだろう。
「とにかく、早くトイレに・・・」
幸いトイレの入り口は数十メートル先に見えており、そこに入って用を足せばいいだけのこと。
深く物事を考えず、さとりは女子トイレに向かった。
「!?」
しかし、トイレに入ってさとりは言葉を失った。
個室は全部で五つあるのだが、その全部に鍵がかかって閉ざされており、更に四つに先客の女性が一人ずつ並んでいた。
さとりは已むをえず、残り一つの個室の前に並んだ。
(何あの丸いの? もしかして目?)
(妖怪の子かしら)
(あの様子、相当切羽詰まってるのね)
さとりの様子を見て、女性たちの思考がすぐさまサードアイを通して飛んできた。
妖怪なのはともかくとして、切羽詰ることだけは指摘されたくなかった。しかし我慢しているのは事実なのだから仕方なかった。
ごろっぐりゅぐりゅぎゅるるるる・・・
「んんあっ・・・ああ・・・あううう・・・」
だがさとりが並んでいる個室はなかなか開かず、大きくなるお腹の音が増幅する便意と尿意を物語っていた。
それは並んだり既にトイレに入った女性たちも気づき…
(かわいそうね、早く出てあげないかしら)
(見てるこっちまで何だか待ってられなくなるわ)
(早く楽になりたいのね)
我慢していることは見られているだけで筒抜けなのだが、心の中を読めるとなると「やめて!」と思うくらいのダメージがより大きくなる。
もちろん女性たちは、彼女が覚妖怪であることも心を読めることも知らなかった。
「(お願い早くしてください・・・もう私我慢できない・・・)」
前と後ろをスカートの上から押さえているさとりには、見た目云々などどうでもいい。
たとえ大小ともに我慢していることが丸わかりでも、一刻でも早く目の前の個室が開き、トイレに入れればよかった。
ジャアアアア・・・・・・
「!」
その時、さとりの前の個室から水が流れる音が聞こえ、ドアが開いて女性が申し訳なさそうにさとりの顔を見て去っていった。
女性は詫びの言葉を考え、それはサードアイを通してさとりにも感じられた。だが今は個室に入って用を足すのが先、一目散にトイレへと駆け込んだ。
バタンッ! ガチャッ!
さとりがトイレに駆け込んでからドアを閉め、鍵をかけるまではわずか3秒。
それに関しては驚異的なスピードだったが・・・
「あっ!?」
思わず声が漏れたさとり。だが漏れたのは声に留まらず、彼女の足をレモンに近い黄色の液体が流れ落ちる。
「(そんな・・・あとちょっとだったのに・・・私おしっこを・・・)」
さとりの身体はわなわなと震え、黄色の液体は音を立てずに彼女の足を垂れ流れてゆく。
大半が靴下や靴にまで入り、ちょっとした温もりからすぐに冷えた感触に変化してしまう。
・・・ブビッ!
「(しっ・・・しまった!)」
おしっこを漏らしたことにショックを受け、その拍子に知らずのうちに緩む肛門。
他人に聞かれたくない音とともに、下着とお尻に小さな塊が挟まれる。
ブスッブリッブリブリブリュブリュブリュ
「ああ・・・はあああん・・・(もうだめ・・・うんちまで出てきちゃってる)」
後は便座に腰かけ、下着を脱いで用を足すだけ。漏らしかけているとはいえ、それは今からでも十分できることだった。
しかしさとりは大小ともに漏らしたという事実が胸に刺さり、身体を僅かに動かすことさえままならなかった。
ブブッブリブリブリリ・・・
「はぁっ・・・あああ・・・(まだ出ちゃう・・・パンツにうんちもっと出ちゃう・・・)」
さとりの足は全体がおしっこに濡れ、下着の中には茶色の塊がみるみる生み出されていびつな形に変化させてゆく。
便による下着の膨張は止まらず、他の女性の様々な思考を受けながらさとりは立ち尽くすしかなかった。
「んもーお姉ちゃん遅いなー、もしかして迷子になっちゃったのかな」
その頃こいしは買い物籠を持ち、しかめっ面で商店の入り口でさとりを待ち続けていた。
姉の遅い理由など知る由もなく・・・
pixivで割と評価が良く、個人的にもお気に入りの作品を転載しました。
今回は一年以上出番が空いてしまったさとりんです。
常に心を読めるということは、時に辛いものですが、羞恥に震えながら感じるさとりんかわいいです。
ぐう
- 作品情報
- 作品集:
- 3
- 投稿日時:
- 2012/04/11 14:15:09
- 更新日時:
- 2012/04/11 23:15:09
- 評価:
- 2/3
- POINT:
- 200
- Rate:
- 15.00
- 分類
- 古明地さとり
- スカトロ
- お漏らし
もう便想郷では何も口にするな!!
心が読めるというのも辛いものですね。非難されるのではなく哀れまれるというのも斬新。
どんなに急いでも、どうせ、やっぱり、案の定、トイレには間に合わないのですね。
さとりがどう窮地を逃れたのか!? そして、こいしは大丈夫か!? まあ、よろしくやったでしょうが。
今回は転載ですか。産廃オリジナルもシリーズ物も楽しみにしています。
食べ物=スカフラグ。他に式はありませんw
心を読むのを逆手に取ったこのネタは、実はスカ合同誌から引用しています。
>名無し(2)さん
さとりんのかわいさは地底一です。