Deprecated : Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/imta/req/util.php on line 270
『産廃創想話例大祭 『新しき幻想郷』』 作者: box&変ズ
[0]
6月。
幻想郷は、夏に触れるか触れないか。
花の色は変わらずとも、風が変わり始める頃合いだった。
が、変わる、とは言うものの、今年の風は酷く気まぐれで、夏のような炎天下と、どこかやるせない雨、入れ替わり立ち替わりを繰り返していた。
幸い、今夜の風は妙に機嫌が良かった。まとわりつくような湿気はどこかに隠れて、昼間の炎熱が嘘のように、風はさわやかに吹いた。そしてそれらが草木と共に奏でる音は、聞く物に一層涼しさを感じさせた。
しかし。
そんなものを、感じる余裕すらない者が、一人。
「・・・・それで、話、とは・・・?」
八雲紫である。
紫は、自分の口調が自然と小さな物になるのを感じずにはいられなかった。
正直、目の前の人物は苦手なのである。
紫自身は曖昧であることを好むのに、その真反対を地で行くような人物と仲良くできるわけがない。
が、そんなことには気づいてないのか、それとも関係なしとしているのか、黒衣に身を包んだ、小柄な女性―――四季映姫は、固く改まった口調で話始めた。
「新しく通して欲しい法律が有って、ここにきました。」
いよいよ紫は、心の中で頭を抱え始めた。この人物がこんなことをいうときは、大抵ろくな事になった試しがない。
頑固なせいで、提案が通るまでまず帰らないのだ。適当に先延ばしにしようとしても、白黒つけたがるから逃げ切れるわけがない。弾幕勝負に持ち込もうとしようものなら、「話し合いに暴力を持ち込んで良いのですか!」などと、新しい説教を始まらせてしまう。
あまり変なことを言わないで欲しい物だ。
半ば諦めながらも、紫はそう願った。
「・・・それは、どういった法律で?」
「はい、それは―――――」
さて、話に入る前に、我らが幻想郷の賢者、八雲紫の名誉のために、書き記さねばならないことがある。
紫は普段、かなりものぐさな性格である。
面倒な案件は全て式神の藍か霊夢に任せるし、一日のうちの大半はちょっかいとセクハラで過ごしている。
そんな紫が、映姫相手に一と半週粘り続けた。
飲み食いや眠ることも忘れ、大妖怪としての頭脳、経験、力の限りを尽くしたのだ。
最後には精も根も尽き果てて、映姫の言葉に頷いたあと、気絶して倒れてしまった。
どうか、彼女を責めないで欲しい。
その先に待つ世界が、どんなに酷い物だった、としても――――
[1]
「号外!号外です!」
時刻はまだ、日が上り始めたばかりだった。
霊夢は、新聞を配るブン屋の怒声に、軽く殺意を覚えながら、体を起こした。
普段ならここで二度寝を決め込む物だが、何しろ幻想郷は、初夏に入ったばかりだった。
湿気と熱気にやられては、寝たい物も寝れない。
「っ・・・・何なのよ、もぅ」
霊夢は呟きながら、朦朧とする頭で今日は何かあったろうかと考えた。
が、今日も特に予定は無い。事実だけを言えば、彼女は暇だった。
しょうもない内容だったら、本当に殺してやろうかしら。
朝食意外にやることもない霊夢は、暇つぶしになれば、と境内に落ちた新聞の一つを手にとった。
次の瞬間。
霊夢の手から、数本の退魔針が飛んだ。
対象の妖怪、射命丸文までは少なくとも40m程は離れていたが、腐っても霊夢は博麗の巫女。
針は外れることなく、境内に悲鳴を響かせた。
「な、何をするんですか!霊夢さん!」
のろのろと近づいてく霊夢に、起き上がりながら文は罵声を浴びせた。
さすがに殺傷能力は無い針ではあったが、何しろ妖怪には痛い。文にとっては立派な営業妨害である。
と、霊夢は、文に向けて拾った新聞を突き出した。
「こんな嘘デタラメを書かれてちゃ、誰が信じるっていうの、とっとと発禁にしなさい」
心底気だるそうに霊夢は言い放つ。
しかし。
「嘘なものですか!それが!霊夢さんは何も聞いてないんですか!?」
文の凄まじい剣幕に、霊夢はまゆを潜めた。
「は?だって、こんなのが・・・」
「すでに幻想郷の有力な勢力には、紫さんの検印付きで通達が来てるんです」
普段プライドが高く、お高くとまってる文が、こんな必死に?
訝しんだ霊夢は、神社の前に置かれたポストを除いた。
はたしてそれはあった。
さすがの霊夢も目を見開き、紫の検印と署名のなされた封筒を開けた。
そして―――――
「・・・・嘘、」
霊夢は、その紙切れを手から落とした。
紙切れは、風に揉まれて二、三と宙返ったあと、静かに地面とランデブーを果たした。
それには、こう書かれてた。
『今後、この幻想郷において、性的、または卑猥とされる行為または発言の一切を禁止し、それを犯したものは幻想郷追放に処す』
「・・・・どういうことなの、紫」
力なく、そして呆れながら霊夢は呟く。
だが、答える者はいなかった。
まだ、一部をのぞいては、誰も気づいてなかった。
ことの重大性に。
[2]
「ふう・・・」
ようやく今日分の家事の全てをこなした咲夜は、椅子に腰を下ろし、一息をついた。
と、書いたものの、ほとんどを時間を止めて行なったため、大して時間はたっていない。咲夜が朝食摂ってから未だ小一時間しかたってなく、また、次の仕事である昼食の仕込みまでも、数時間の間があるほどである。最も数分だろうが、数時間だろうが、時を止める咲夜には関係無かったが。
さて、ここまで書き連ねたが、詰まるところ咲夜は暇だった。
幻想郷の住民など、だいたいこんなものである。彼ら彼女らは、総じて暇だ。
「さて・・・何をしようかしら」
咲夜は一人呟く。優秀なメイドであるので、個室を与えてもらうくらい朝飯前なのだ。無論、誰も聴く者はいない
が、呟いたものの、それらの言葉に意味などない。咲夜の頭の中で、予定はほとんど決まっているのだ。
「昨日はパチュリー様、一昨日は妹様だったわね・・・」
それを皮切りに、呟くを通り越して、咲夜はブツブツと独り言を発し始める。
「ならお嬢様で・・・でも今日は出かける予定があるし・・・・今日は、何ていうか、小悪魔って気分じゃないし・・・・」
と、咲夜は独りごとを言うのを止めて、立ち上がる。
そして、胸のポケットから、なれた手つきで銀の時計を手に取る。
咲夜が、スイッチを押し――――――
風が足を止める。
光から柔らかさが失われる。
世界が、時が止まる。
咲夜は満足そうになんども頷くと、口元を笑みに歪めて呟いた。
「今日は美鈴ね」
何を隠そうこの人物、真性のレズであった。と同時に、極度の快楽中毒者でもある。そしてそんな咲夜が、時を止められる。となれば、やることは一つしかない。
自慰、もといオナニーである。
無論、端から見れば、能力の無駄遣い以外の何物でもない。が、ここが娯楽の少ない幻想郷であるのだから、ある意味仕方ないとも言える。
そして、咲夜にとっては、幼女体型のレミリアから、グラマラスな美鈴まで揃った紅魔館は、狩場、もとい楽園であるのだ。
今日もまた、紅魔館の住民たちは、知らないうちに咲夜のオナネタにされていく。
と、咲夜は、踏み出そうとした右足を止めた。
朝、レミリアから言われた事を思い出したのだ。
『八雲紫の命令だわ、これから卑猥な行為、発言は禁止よ!』
が、それらはすぐに咲夜の頭から消え去った。
時を止めてする行為に、介入できる存在はいない。
そう考えると、咲夜は改めて自分の力の素晴らしさを思い、また呟くのだった。
「さて、オナニーしに行こうかしら」
と、咲夜は足を踏み出した。
踏み出そうとした。
そして気づいた。
自分の手足が、奇妙な空間に拘束されてることに。
「・・・・ぁ・・!?」
窓から吹いた風が、咲夜の髪を撫でることに。
暖かい日差しが、咲夜の肌を包むことに。
時が止まってない事に。
「嫌あああ゛あ゛あぁぁぁぁーーーっっ!!」
「どうしたの、咲夜っ!!」
出かける準備をしていたレミリアが、悲鳴を聞きつけて飛んでくる。
そして見た。
スキマに拘束され、身動き一つできない、従者の姿を。
「っ――――八雲紫ぃっ!!」
吼えるレミリアに反応し、咲夜の隣から新たなスキマが生まれる。出てくるのは、考えるまでもない。レミリアが呼ぶその人、八雲紫だった。
「どういうことなんだ、説明しろっっっ!」
烈火のような表情を浮かべるレミリア。それとは対照的に、紫はどこか物憂げな表情のまま、抑揚のない声でそれに答えた。
「そこのメイドは『ルールを犯した』・・・ただそれだけですわ」
紫は、淡々と続ける。
「結界を弄ったのよ・・・・幻想郷のどこにいようと・・・・何をしていようと・・・私の意思とは関係なくスキマが発動し、『ルールを犯した』者を捕らえる」
「咲夜は!?咲夜はこれからどうなるの!?」
「強制収容所で、死ぬまで強制労働ですわ」
「!!」
紫の言葉を耳にし、咲夜は何かを叫ぼうとした。が、それが音として形を作る前に、彼女はスキマの向こう側へ消えていった。
「咲夜ああああーーーー!!」
代わりに、従者を失った吸血鬼の絶叫が、辺りに響いた。
紫は、何も言わなかった。
言えなかった。
そのままの物憂げな表情のまま、彼女もまた音もなくスキマの向こう側へと消えていった。
[3]
新しい法律は、その日中に、幻想郷全土を駆け回った。
知らせを聞いた大妖怪の面々は、口々にこういった。
「取るに足らず、聞くもバカバカしい知らせである」
と。
だが、真にそう思っている者など、一人もいなかった。
数百年、あるいは数千年の暇をもて余す妖怪たちにとって、夜伽や自慰は、あまりにも大きく、偉大な支えであった。一人でも行えるそれは、どんな孤独に直面しようと、行う者の心を錆びつかせなかった。また、二人、あるいはそれ以上で行うそれは、永い永い時間の中で、お互いの絆を深め、愛する者との思い出として、深く心に刻まれるものだった。人間に例えるならば、『今日から水も食事も抜きだ』と宣告されるのに等しい。
とはいうものの、それに対して声高々に批判するわけにも行かなかった。まさか世間に向かって、『セックスもオナニーもできないなんてあんまりだ、やらせろ』叫ぶ訳にもいかない。
そんなわけで、冒頭で反対していた紫以外、反対意見をいう者は一人もいなかった。未だに、これが重大な危機であることに、誰も気が付いて無かった。
が、いつまでも事態はそうもいかなかった。三日と経たないうちに、続々と幻想郷から追放される者が出始めた。
と、は言う物の、さすがに思うことだろう。
「三日程度の禁欲程度でくじけるやつなど、そうそういないだろう。」
そんなわけがない、と。
確かに、精神的に弱く、三日間のオナ禁に耐えられなかった者もいた。
が、それらは極々少数である。
なんと真っ先に捕まったのは、ある程度力を持った妖怪、あるいは人間たちだった。
具体的に上げるなら、古明地こいしや、ルーミア等。
能力を使えば、監視の目など、と舐めてかかった末路である。
先ほど犠牲になった咲夜を見れば分かると思うが、結界そのものに介入してるため、どう隠そうとしても無駄以外の何物でも無い。
そして次に捕まっていったのは、無邪気な妖精たちであった。
そもそも文字を理解出来ない者。
禁止されると聞いて、喧嘩を売って自爆する者。
同じく禁止されると聞いて、興味が湧き、実行に移しだしてしまう者。
知っていたし、理解もできていたが、すっかり忘れていた者。
と言うか、話を聞いて無かった者。
理由は色々あったが、ほとんどの妖精がいずれかの理由で姿を消した。
霧の湖からは、笑い声が消えた。
そして、以上の二つに平行するように被害にあったのが、宴会を好んで行なった者たちだった。
オナニーもセックスも禁止されても、酒があるじゃないか。
そう思い立った者たちが、盛んに宴会を行なったのだ。
が、これは、言うまでもなく失敗でしかなかった。
ぐでんぐでんに酔いつぶれていようが、見逃してくれる筈もない。
陽気に踊り、歌った者たちは、その場の勢いで行為を始めたり、卑猥な言葉を口走り、スキマの向こう側に消えていった。
オナニーはだめ。セックスもだめ。口走るのもだめなら、酒もだめ。幻想郷の住民たちは、初めて気づいた。これは危機である、と。
だが。
それを行動に移す者は、誰もいなかった。
それが幻想郷特有の平和ボケなのか、それとも目先にとらわれる人の愚かさなのか。
考える者も、そしてそれに答えられる者もまた、誰もいなかった。
[4]
「あああああああ!さとりさまあああああ!!」
霊鳥路空は、愛する主君の名を叫びながら、スキマに飲まれていった。
そしてスキマが空を飲み込んだ後には、何も残らない。
「・・・・・・・・」
だが、その様子を見ていた古明地さとりが、何かを返すことは無かった。
虚ろな目のまま、さとりは呟いた。
「これで、独り・・・・」
その言葉が、がらんとした地霊殿に木霊して、乾いた空気を震わせる。
無論、それに答える者は、一人もいなかった。
なぜなら。
さとりの言葉通り、さとり以外の人物は、全員幻想郷を追放されてしまっていた。
最初は、さとりの妹、こいしだった。無意識を操る程度の能力を過信し、法律の発効早々、スキマの向こうに消えていったのだ。
さとりは泣いた。プライドもへったくれも無く、床に突っ伏して泣いた。かけがえのない妹を、突然永遠に失ってしまったのだから。そしてそのあとさとりの胸に去来したのは、後悔の嵐。自分がきつく止めていれば、こいしが逝ってしまうことは無かったのではないか。
―――――そもそも、自分が、こいしにサードアイを閉じさせていなければ。
そこからのさとりは、まさに抜け殻と言うのにふさわしかった。
その眼差しは虚ろで、毎日、同じような動作を繰り返すだけ。
何を食べても味がしない。何をしても、何も感じない。
感じられない。
ただ、意味の無い時間だけが、ドロドロと流れていく。
やがて、少しづつ、さとりのペットたちが姿を消していった。
しかし、考えて見て欲しい。彼ら彼女らは妖精のように特別馬鹿でもないし、さとりの言うことには絶対の忠実を誓う。地霊殿の奥底にいて酒も飲まないペットたちが、スキマの向こうに消えてしまう要因が、どこにあるだろうか。
だが。
ところがどっこい、あったのである。
『発情期』と言う名の、地獄が。
こうなっては、だれも、本能に潜む悪魔の囁きには勝てない。
日が過ぎていくごとに、ペットたちは絶叫と共に、姿を消す。
無論、ペットたちは、主人であるさとりに、助けを求めた。
しかし。
さとりは、何もしなかった。
その気になれば、ペットたちを鎖で幽閉するなりできたが、やると言って、最後の最後になっても何もしなかった。
さとりが望んでいたのは、ある種の一家心中であった。
「・・・・こいし」
と、さとりは呟くと、大広間の席のうちの一つに、優しく手をかけた。
ついこの間まで、いつもこいしが使っていた席であった。
――――――今、そっちに行くね。
心の中で行われた、呼びかけ。世界への別れ。
その後、さとりはぼそぼそと何かを呟いた。
すると、言い終えたさとりが口を閉じる前に、さとりの姿は消えた。
地霊殿には、もはや誰もいない。重く寂しげな沈黙だけが、立ち上がる気配も見せずに、鎮座してるのみであった。
[5]
「くそ・・・・相変わらず邪魔くさい竹藪だな・・・・・」
いっそのこと、一本残らず燃やし尽くしてやろうか。
冗談交じりにそう思いながら、妹紅は竹藪の中を、切り開くように進んでいった。
いつもこのへんを彷徨いてることの多い妹紅だが、このあたりで、明確に進みにいくような目的地は、一つしか無かった。
幻想郷唯一の医療現場、永遠亭である。
そしてそこでやることもまた、一つしか無い。・・・・・訳でもない。
昔は宿敵の輝夜との殺し合いくらいしか無かったが、最近では至極平和にお茶を飲んでることの方が多いくらいである。
なんとなく、輝夜とそうしてる方が、妹紅には楽しく感じられたのだ。
輝夜の顔、早くみたいな。
ついそう思ってしまった妹紅は一人、顔を赤面させながら首を乱暴に振った。
そして、最近顔を合わせてないからだ、ということにして、自分を納得させた。
と、竹のかたまりが、段々と離れていき、開いていく。
しかし、妹紅は永遠亭に入ろうとして、忙しなく動かしていたその足を止めた。
「・・・・・?」
そして、妹紅は言葉なく、首をかしげる。
少なくとも彼女から見た永遠亭は、『異常』と称するには十分な呈を様していた。
永遠亭の立派な門は固く閉ざされていて、その前には、数え切れぬような人数の人妖が入り混じり、居座っていた。
とは言っても、その様子は、人それぞれである。
枯れ木のような手足を動かすことも無く、座り込んでいる老人。
杖をつきながら、片足でびっこを引いてる若者。
体中に包帯を巻いた、尻尾を生やした妖怪。
明らかに顔色の悪い子供。そして、それを抱えながら右往左往する母親。
だが、無学な妹紅にもわかったのは。
そのいずれもが、この世の終りのような表情をしていたことである。
「おい、お前!」
なにやら、ただ事ではない。
嫌な予感がする。
妹紅は、眼帯をしながらうろついていた少年の首根っこを掴むと、脅すような、いや、実際に脅す口調で話しかけた。
「ここにいるこいつらは何だ?今永遠亭はどうなってる!?」
少年はすぐに逃げようとしたが、少しもがいて逃げられないと知ると、恐る恐る口を開いた。
「永遠亭は・・・・・」
「閉まりました」
「は?」
思わず声が出ていた。妹紅は数秒の間、考えることを忘れていた。そして我に返ると脅すどころかそのまま殺しかねない勢いで叫んだ。
「嘘言ってんじゃねえぞおおおーーーっ!どういうことだっ、小僧っ!」
だが、しかし。
妹紅がどれだけ叫び、喚こうが、それが真実であることには変わりなかった。
永遠亭は、非常に良心的な値段で治療を行うことで、様々な界隈から好まれた場所だった。大所帯を持った大妖怪ならまだしも、力を持たない人間や下級妖怪にとっては、その日一日一日が生きるのに精一杯である。当然、ワクチンなどもうってる訳もないし、衛生的な観念が江戸末期から進歩していない幻想郷では、病気にかかりやすいのも事実であった。
だが、そんな二束三文で治療を行なっていては、赤字になるのは当たり前である。
無論、月の頭脳が、それらの問題を解消する方法を考えてないわけもなかった。
上級の妖怪たちへ向けた、娯楽用の薬品の販売である。
具体的に言うならば、強い効果の媚薬、事後にも対応可能な避妊薬、ある程度の中毒性を持った睡眠薬の胡蝶夢丸と、その強化版である胡蝶夢丸ナイトメア。
これらは、ある程度経済的にも力にも余裕のある妖怪が暇つぶしのために買っていくので、多少値段を釣り上げても飛ぶように売れるのであった。
ある種の裏取引物とはいえ、赤字確実の永遠亭の財政を確かに支えていたのである。
だが。
避妊薬や媚薬を売る事さえ取り締まられ、胡蝶夢丸は使用者の寝言でスキマ送りにされる事故が相次ぎ、販売中止になる始末。
生命線を断たれ、大量の借金を抱えた永遠亭。
彼女たちに残された手は、夜逃げしかなかった。
狭苦しい幻想郷ではない。
彼女たちの故郷、月へ―――――
だが、以上のやむを得ない事情を、妹紅が知ってる筈もない。無論、見捨てられた患者たちとて、知らない。
妹紅は自分の問いに少年が答えられないとわかると、彼を突き飛ばすなり、人飛びで塀を越え永遠亭の中に侵入した。
そして襖や障子を蹴り開けながら、叫び続ける。
「輝夜っ!どこだっ、輝夜ぁ!」
妹紅は診療所の方に誰もいないとわかると、今度は居住空間に侵入する。
だが、いくら駆けずり回ろうとも、悲しいかな、誰もいない。いるはずもない。
「くそっ!ビビってんじゃねえぞ!出てこい、輝夜っ!」
妹紅は叫ぶ。叫び続ける。息は切れ切れとなり、喉に鋭い痛みを感じても、妹紅は獣のように叫び続ける。嘘だと思うように。自分を、誤魔化すために。
「そこかぁ!」
ついに、妹紅は最後の障子を蹴破った。
見えない何かの悪戯か、それともただの偶然か。妹紅は輝夜の部屋に入った。
「っ・・・・ぇ・・・」
そして。
妹紅は何か、言葉にならない言葉を呟くと、ゆっくりと力なく膝をついた。
古今東西のあらゆる名品、珍品の飾られていた、輝夜の部屋。
妹紅や永琳でさえ、易易とは触らせてももらえなかった、輝夜の最も大切なコレクション。
それらは今、妹紅の視界のどこにも無かった。
「・・・・・嘘、だろ」
嘘でも何でもない。輝夜があれらを置いて、どこかへ行くわけがないのだ。それでも妹紅は、嘘だと言いたかった。
「嘘、だ・・・・・」
妹紅の意思とは関係無く、涙が彼女の頬を伝う。意識が、思考がドロドロの沼のように溶けて、自我がそこに沈んでいく。
そして――――――
「嘘だああああああぁぁぁーーーーッッ!!」
突如として妹紅は、雄叫びを上げながら立ち上がった。
全てを飲み込まんと、赤々と輝く炎を身にまとって。
炎は、妹紅の思念に呼応するように爆発すると、周りに燃え移り、木造の永遠亭を容赦無く焼いてく。その勢いは自然の炎では到底ありえない。何かを灰にしては、別の場所へ移り、またその何かを灰にする。永遠亭に集まってた人々が煙に気づいた頃には、火は竹藪にさえ燃え移り始めていた。こうなっては、もう遅い。それを見た人々は一斉に逃げ始めたが、いずれも病院を頼りにしに来るような病人、または怪我人である。大半が炎から逃げ切れず、逃げ始めた直後には灰になり始めていた。無論、まともに動けるような者も混じっていたが、何しろただでさえ通りにくい竹藪である。結局、一人残らず炎とランデブーした。
一方妹紅と言えば。
「嘘だっ!」
「嘘だぁ!」
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁーーーーっ!!」
炎の中で、叫び続ける。
無論、彼女が感情のままに出した炎は、彼女自身すら焼いてく。
灰になり、再生し、また灰になる。生と死の連鎖。
だが。
痛みが、熱が、激情が、全てを忘れさせる。
それを知ってか、知らずか、妹紅は、炎の中で狂い踊り続けた。
数日が経った。
竹林の全てを焼き尽くした火災は、幾晩を経てようやく消し止められた。
永遠亭も、患者たちも、竹林も、残ったのは何も無く、ただ灰と炭が鎮座している。
だが、元凶である、自ら狂う事を望んだ蓬莱人だけは、ついに見つかることは無かった。
[6]
一ヶ月が経った。
もはや、誰が見ても明らかに。
幻想郷は、崩壊していた。
半数以上の勢力が法律の影響で崩壊、消滅し、その後釜に座ろうとする者同士で各地で内乱が起こり始めた。もはや立派な戦国時代である。
通常であれば中立勢力が介入するところだが、博麗の巫女も若い小娘である。とっくのとうに幻想郷から姿を消していた。
と同時に、性欲を発散出来ない苛立ちと戦いから各地で治安が悪化し、凶悪犯罪は増加の一途をたどっていく。現存する勢力が仲裁を図ろうにも、内部の治安と内乱を収めるので精一杯で、どこにもそんな余裕は無かった。
人里からは、性欲、そして体力のある若者が消え、老人と子供ばかりが、今日を生きる糧を求めてさまようのみである。
楽園だったはずが、一転して地獄と化した、幻想郷。そんな場所で希望を求めろという方がおかしく、自分から卑猥な行為に走りスキマ送りにされる者、あるいは一生を強制労働で過ごすなら、と自殺を図る者すら出始める始末。現に、俗に言われる『大人のおもちゃ』を作っていた河童たちが集団自殺を実行し、妖怪の山には大量の首吊り死体が転がった。同業者である永遠亭は月に逃げたが、彼らの逃げる場所はあの世しか無かった。
そんな中、妖怪の山では緊急指令が出された。
まず、所属する妖怪全てに貞操帯の装着を強制し、その鍵は厳重に管理され、極限られた者に握られた。
そして、治安統制のために妖怪の山と外部との境界線の警備をさらに強化し、山に入ろうと、または山から出ようとする者は問答無用で切って捨てられた。経済の混乱を防ぐために、食事も配給性である。
さらに、労働力の保持のために、自らスキマの向こうに行こうとする者、自殺した者の家族は公開処刑にし、晒し首とした。
最後に、山の各地に上層部直属の憲兵団を派遣し、一般兵と不穏分子の監視を行わせる。無論、新聞も全て検閲対象となり、情報統制のため多くの新聞が発禁処分となった。
それらの指令は迅速かつ正確に伝達され、発令から半日足らずで速やかに実行された。流石、妖怪の山の階級統制、とも言うべきか。
ともかく、このように統制された妖怪の山は、他の勢力、地域に比べればはるかに平穏であった。
・・・・・わけも無い。
これでは現実世界にも存在した、某社会主義国とほぼ同じ。完全なディストピアである。確かに、今の状況にとっては最善の判断であった。しかし悲しいかな、そう言った事に理解を示さず、示そうとも思わないのが民衆の常であり、また、あまりにも愚かで、凶暴で、脆いのも民衆の常であった。
そして、それを逃さない勢力が、一つ。
守谷神社である。
軍神の八坂神奈子は、過半数の民衆の不満を煽りに煽り自らの信者に加えると、妖怪の山の上層部に強襲をかけたのである。が、ここで神奈子は一つ計り間違えてしまっていた。電撃作戦で一気に占拠しようとしたが、思いのほか敵の動きが早く、籠城戦に持ち込まれたのである。事前に憲兵を潜り込まされて察知されていたのだが、それは加奈子の知るところではない。
さて、長期戦に持ち込まれた戦いは激化し、双方大量の死者を出した。が、結局数で上回っていた守谷が勝利し、妖怪の山の覇権を握った。
・・・・・当たり前のことだが、あえて言わせてもらう。
双方が戦いをしてる間、山に出された緊急指令は全て機能していない。
当然、守谷が頂点に立ったのも束の間、妖怪の山は治安、組織の両面から崩壊を起こした。
大量の死者を出し、数の少なくなった守谷にそれを収められる筈も無く、勝手に空中分解を起こした。
ただ、春の夜の夢の如し。
[7]
「四季映姫、ただいま戻りました」
そう言いながら、映姫は裁判所の扉を開けた。
彼女はたった今、現世への長い出張から帰ってきたばかりなのである。
学ぶことも多かったが、普段あまり裁判所から出ない映姫には、少々疲労も多い出張であった。
が、彼女が真っ先にしようとしたのは、その疲れを癒すことでは無かった。
「小町!」
まず呼んだのは、最も愛する部下の名だった。
いや、『部下』というのは、映姫にとっては語弊があるだろう。
一方的な片思いでも、例え女同士でも、映姫は小町を愛していた。自分には無い奔放さを持った彼女が、たまらなく愛おしかった。
この時間なら、小町はここにいる。
良かった。
後ろめたく無く、会いに行ける。
映姫は小町ことで胸を一杯にしながら、裁判所を早歩きで駆けていった。
と、いうものの、映姫は極度の完璧主義者である。何事もというわけではないが、少なくとも道徳的な面では潔癖症と言っても差し支えない程度である。
考えてみて欲しい。
そんな人物が、例え想う人がいてもオナニーするだろうか。
無論、するわけも無かった。
が、映姫に性欲が無いのか。
やはり無論、そんな訳も無かった。
映姫は日々小町と話したり、小町にさりげ無く触れたりして、『我慢』してたのである。
そして、大事なのは『我慢』と言う部分だ。
映姫にとっては、一日一回以上小町と過ごさなければ溢れてしまうのである。
映姫自身の汚い部分が。
自らの欲望が。
実は映姫の白い部分は、あまりにも脆いのであった。
例えるなら、錆びた鎖に繋がれた犬である。
さて、そんな映姫が数ヶ月に及ぶ出張に耐えられるわけが無い。
ここで出てくるのが、今回の悪法である。
おそらく、出張のだけ法律を敷いて、自分を戒めようとしたのだろう。事実、そうであった。
幻想郷の全てを巻き込んだ悪法も、蓋を開ければ個人の職権乱用であった。
と、映姫は足を止めた。
そして、息を切らせながら、気づいた。
裁判所は基本的に人気が少ない。
だが。
無人であることがあるだろうか。
「!!」
気づいた映姫は、息も戻らぬうちに駆け出した。
目指すは、エントランス。
そこの奥の連絡板に、何か書いてあるかもしれない。
そこはかとない不安に足をもつれさせながら、ついに辿りついた。
「ぁ!」
確かに、そこには書いてあった。
映姫への、罪状が――――
「映姫様
申し訳ありませんが、裁判官、死神共々全員、自分の欲に勝てませんでした。
映姫様はどうか、頑張ってください 小町」
[8]
暗い。
冷たい。
悲しい。
ああ、もし死を感じるならば、ちょうどこんな感じなのだろうか。
紫は、スキマの中を進みながら、そう思った。
自分の能力ではあるが、改めて入ってみれば、悪寒を感じるほど気味が悪いのだ。
とは言っても、紫はここから自分の意思では出れない。
紫は、自らここに来る道を選んだのだ。
境界を操る程度の能力。
それを使って性欲を弄れば、幻想郷に残り続けるのは、造作もなかった。
紫自身、だけは。
最悪の事態は避けるように努めた。
やれることはやった。
だが。
一人では、何も及ばず。
気づけば、幻想郷で生き残ってるのは、紫一人だった。
誰も守れなかった後悔、無力感。
ああ。
そろそろ、労働所だ。
そして、紫の体を光が包み――――
「―――――紫?起きなさいよ。」
と、紫は、ここが労働所であることに気づいた。
ここで、私のつぐないが、始まる。
そんな事を、紫は―――――
思わなかった。
「れ、霊夢!?」
場所は確かに労働所だった。
だが。
酒を飲んでるもの。
走り回って、遊んでる者。
カーゲームに興じる者。
「霊夢!看守は!?ここはどうなってるの!?」
霊夢は、深くため息をつくと、口を開いた。
「誰も性欲になんて勝てないわ、全員囚人の仲間入よ」
紫は、顎に手を当てて、何かを考え始めた。
そしてしばらくして、手を叩くと、あっけらかんとこう言った。
「ここを新しい幻想郷にしましょう。」
[終]
「・・・・・・・・」
多少広めな、裁判官室。
果てしなく静かで、誰もいない。
一人を除いては。
四季映姫を、除けば。
「小町・・・・・」
映姫は、呟いた。
だが。
呼んでも、彼女は現れない。
現れない。
映姫の作った、悪法のせいで。
映姫のせいで。
「・・・・こま・・・ちぃ・・・・」
呼んでも、現れない。
わかってるはずなのに。
理解しているのに。
気づけば、映姫は涙を流しながら、スカートに手をかけていた。
映姫は一瞬我に帰ったが、やめようとも思わなかった。思えなかった。もはや、道徳などどうでも良かった。
そのまま映姫はスカートを脱ぐと、続けてパンツも脱ぎ捨ててしまった。映姫の体の半身が、生まれたままの姿となる。その中央に位置する秘部は、彼女が小町を想うだけで既に十分なほど濡れそぼっていた。
「小町・・・・・」
再びその名を呟く。
そして、映姫は、細い指を秘部に――――――
「四季映姫はいるかしら?」
入らせなかった。
映姫の目の前の空間には、スキマ。
そして、中にいるのは、八雲紫その人しかありえなかった。
「看守がいないから、私が代表としてきたのだけ」
そこまで言って、紫は言葉を止めた。
流れる沈黙。
紫は、何度か瞬きをすると、小さく呟いた。
「・・・・・・・ごめんなさい」
そう言ったきり、紫はスキマの中に消えていった。
「・・・・・・・・・」
映姫は、口と目を見開いたままの表情のまま、紫と同じように何度か瞬きをした。そして、すこしづつ、肩を震わすと、
「うああああああああ!!」
赤ん坊のように泣き叫びながら、自分の秘部に指を突っ込んだ。
瞬間、スキマが映姫を飲み込み。
あとには、映姫のスカートとパンツだけが残った。
おしまい
あとがき
この話を書いて
私が発案したこの産廃創想話例体祭にお忙しい中御参加して下さった作者と読者の皆様と
私にインスピレーションを下さった全地球上のありとあらゆる生命存在と
過去現在未来全てに存在する私のアホな作品を見て批評を下さった方達と
この偉大かつ広大なる宇宙を支配する見えない何かと
私に癒やしを下さった産廃絵師の皆様と
いつも私を生暖かい目で見つめている死んだ曾祖父と曾祖母と
全てに対し平等に輝く太陽と
甘くておいしいカ○ェ・オーレと
かつて飼い始めてから3日で死んだメダカ8匹と
今使っているポンコツパソコンと
すごいようですごくないようで酒を呑んでるだけの神主と
妄想の中でいつも野外の草むらで押し倒されて叫び声を上げようとするけれど唇を唇で塞がれながらパンツを脱がされて無理やり挿入させられて最初は痛みに悶えるけど気づけば自分から腰を振って膣内射精をせがむおりんりんと
今回のためにリ○ビタンD30本を私に押し付けてきた兄と
今回編集投稿系統とタイトル発案の面倒くさい仕事を殆ど引き受けてくれて、出したプロットをほぼ無視されても何も言わず愚痴に付き合いインスピレーションを掻き立ててくれた盟友変ズに、感謝と使い古したティッシュを捧げます。
box
・・・容量稼ぎなのは秘密
追申
謝罪をする前に言っておくッ!
おれは自分のアホらしさをちょっぴりだが体験した
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
『おれは一応主催だったはずなのに企画のタイトルを間違えていた』
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも何を勘違いしていたのかわからなかった…
頭がどうにかなっていた…
見間違いだとか脳が低スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっとアホらしいものの片鱗を味わったぜ…
本当に申し訳ありませんでした。
しばらく自重します・・・
box&変ズ
作品情報
作品集:
3
投稿日時:
2012/05/02 13:52:39
更新日時:
2012/05/03 07:39:43
評価:
11/15
POINT:
890
Rate:
11.44
分類
産廃創想話例大祭
新しい
タイトル修正
この閻魔は無理だと理解できんかったのか?
さて、新しい幻想郷に到着した彼女はどんな目に遭わせられるのか。
ドンパチで死んだやつらは報われねーな
真面目に不真面目 大いに結構 大満足
静かに心中を選んださとりといつの間にか飲み込まれていた若い小娘霊夢にむらっと…危ない危ない
美しいセカイ。
誰もいない、空き家のセカイ。
これに懲りて、映姫様の説教が少しは減ればよいが……。
外界の汚さですら清すぎて住めないくらい汚い妖怪の楽園で、外界ですら一考に価しない清さを求めたって映姫様……
ギャグなのか世界崩壊ものなのか。ガチ死人多数なのがちょっとブラックというか何と言うか。産廃でブラックもクソも無いですけれど、それならそれでもっとブラックが飲みたい。
だからこそ、もっと各勢力の対応を詳細に書いて欲しかったなという惜しさを感じてしまいました。
特に禁欲ものと聞いてまずまっさきにどう動かすのか興味を持った命蓮寺・神霊廟勢が居ないのはあれ? と思ってしまいました。
山の情勢なんかも天狗と守矢っぽくてすっごい好みの話だったんですが、なんかこれだと粗筋っぽいというか、もっと具体的な狂乱風景が読みたかったなと。これなら絶対3桁kb書けますぜ。
後、「守谷」はまずいかなと思ったのでこれだけ報告しときますね。
ギャグと言えばそれまでですが、容易に悲惨な結末が予想できたにもかかわらず悪法を施行した映姫にはちょっと違和感。動機にもう少し説得力がほしかったかも。
性欲は三大欲求の一つなワケで、それはつまり衣食住に匹敵する重要なポジションですし。
隠れてやっても言っても絶対にバレるというのは、言葉狩りの何十倍も厄介ですね。
この政策をどっかの暴君がやっているというのなら、まだ対処の仕方がありますが、結界そのものが取り締まるとなっては、どうしようもありませんね。空気を相手にしているようなモノです。どう足掻いても勝ち目がありません。絶望、発狂するのも良くわかります。
少しずつ狂っていく幻想郷は、見ていて壮観であり、絶景でした。
強制労働所がどのような楽園となるのか、妄想するのが楽しいです。
最後紫に痴態を目撃された映姫様は自業自得ですね←ざまぁ
この世の地獄を見ました。
とはいえ、もう少し説得力のある動機は欲しかった様に思います。
結末は少し物足りなかった感じがします。