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『臭い』 作者: 和多
ぷぅううぅう〜〜
風鈴が、風に……
「おい、なんだ、霊夢臭いぜ! こんなとこで屁ぇこくなよ」
「……何言ってるの? ……アンタがしたんでしょ?」
ここには、魔理沙と霊夢二人しか居ない部屋のことだった。そして今、明らかにおならの音がして、臭いにおいがする。
魔理沙は嘘を言っていない、臭いにおいが嫌で明らかに犯人の霊夢に抗議したのだった。
「ふざけるなよ! 霊夢がしたんだろ?」
「し、知らないわ!」
明らかに霊夢は動揺していた。赤面した表情はとても可愛くて、それでいて格好の良いものでは無かった。
「隠すなよ! 屁ぐらい誰でもするだろ?」
「わ、私はしないは、素敵な巫女だもの」
必死に霊夢は首を振って否定する。とても可愛い、きっとどんな男でも虜にしてしまうだろう。でも残念なことに、ここには魔理沙しかいない。
「おい、ふざけるなよ! こんなクッセェ屁するのはお前だけだぜ! ああ臭いぜ!」
「ほ、本当に違うのよ! 私じゃないの」
嘘を付いているのは霊夢で悪いのも霊夢、全部悪い嘘つき、虚言癖全部霊夢だ。でもね、可愛い女の子はえとしてそんなものなのだ。そして、魔理沙の言っていることは正しい、でも、それは正解ではないのだ。
「くせ! ああくっせえ」
「……ぐすん」
いよいよ、魔理沙の責めで霊夢は泣き出した。おならをしてしまった自分、それを責める魔理沙が嫌だった。
「泣けばいいと、思ってるんじゃねえぜ!」
「……ぐすん、ぐすん、それ以上は言わないで、ぐすん」
ぐすん、ぐすんと、自分でも普段おかしく、嘘無泣きだと思う霊夢だったが、こうなるとなんでグスン、グスンと泣くのかがわかった。
「っ! どうしたんですか何かあったんですか? 泣き声が聞こえましたが!」
「くっせぇだろ! こいつ、屁ぇこきやがったんだ」
霊夢があんまり泣くもので、騒ぎを聞きつけた永琳が何事かと病室に駆け込んで来た。
魔理沙の話を聞いて、永琳はおかしな意味では無く嬉しそうな表情で鼻をかいで見る。そして、確かに臭いことを確認した。
そして、そういう意味も無く嬉しそうな顔をして言った。
「なんだ、霊夢、恥ずかしがってないで早く言って下さいよ。今日であなた退院ですよ」
「や、やだぁ、べ、別に恥ずかしくて誤魔化してたんじゃないからね」
そういって、何だか赤面して霊夢は荷物をまとめて退院していった。この間、急性盲腸で入院した霊夢は術後順調に回復したのだった。永琳からは、おならが出たら言うように言われていたが恥ずかしくていえなかった。
そして、そんな生活が続いて一週間一人で居る部屋、看護婦の優曇華が屁が出たかと聞いて来たが、実際出ていたのに恥ずかしくて言えなかった。執刀医の永琳が心配して聞いてきても答えられ無かった。
そんな生活が続いて、三日前のことだった。魔理沙も盲腸で、同室に入院してきたのだった。さらに、皆になんでも言ってしまう魔理沙が恥ずかしくて、霊夢は今まで何とか、すかしっぺとか、外に行っておならをしていたのだが、今日病院食で出された芋のせいで急にお腹が、あれになってしまい、耐えられなくなって出してしまったのだした。
「おめでとう! 霊夢! ……それにしてもおかしいわね、何で魔理沙はおならが出ないのでしょう?」
「おかしい? 出ない? どういうことだ? お前は医者なんだろ?」
永琳は、首をかしげてなんか考えた。よ〜く考えた。そして、一つの結論にたどり着いた。
「……もしかして、医療ミス?」
「なんだよそれ! おい!」
それから、永琳は困った表情を浮かべた。そして、魔理沙のシャツについている、大きな紫檀で出来たボタンを下から外してみる。
そして、下から三つ目に来たとき、永琳は外したボタンを元に戻したのだった。
「おい! なんだよ?」
「……ごめんね、医療には犠牲がつき物なのよ」
赤紫になったそこの光景は、一種の芸術のようなものだった。
と、思う。そして、まあこれから今日は、お花に水でも上げようと思う永琳だった。
- 作品情報
- 作品集:
- 3
- 投稿日時:
- 2012/05/24 17:58:31
- 更新日時:
- 2012/05/25 03:19:26
- 評価:
- 5/11
- POINT:
- 560
- Rate:
- 9.75
- 分類
- 霊夢
- 永琳
- 入る出る
これヤバイは、なんだかか!
魔理沙がちょっかい出したくなる気持ちも分かります。
魔理沙……、生きろ。
だがしかし、短編ながらも病室盲腸オチがあったのが良