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『幽谷の響子』 作者: 戸隠
「霊夢、その後ろ手に隠してるのはなんだい?」
「お、おばさんなんでもないわ!! 私は何も隠していない」
「いいから、お見せ」
「本当に何も持っていないの」
「いいから、出すんだよ!!」
「嫌だ! 嫌だ!」
「くだらないことに、使ってる時間は無いんだよ!!!」
おばさんは、霊夢の襟首を片手で掴み持ち上げた。首が絞まり顔が茹蛸のように真っ赤になる霊夢はそれでも背中に何かを隠したままだった。
「いつまで、堪えるんだい? 霊夢!! こんな事に意味なんて無いんだよ!!!」
霊夢は、口からまるで蟹のように泡吹いて意識を失ってしまった。そして、折角隠していた小さな橙が意識を失い力を失った手から落ちてしまった。
バシン! バシン! バシン! おばさんはもう片方の手で霊夢の頬を何度か平手打ちして言った。
「起きるんだよ! 霊夢!!! この餓鬼はなんだい? こんな、小さな橙でも、持っていたら藍が来ちまうだろ!!!」
ドガ! おばさんは、怒って霊夢を地面に投げつけた。霊夢は、叩きつけられてようやく意識が戻った。口からまるで幼児のように情けなく涎をたらして、眼は充血しきっていた。
出てきてしまった、橙はおばさんに捕まえられて、手足をばたつかせているもののまるで効果が無かった。
「お、さん、ご、なさい!!」
「今更謝ったって!!! おそいんだよ!!」
「ぐええ」
おばさんは、地面に倒れこんでいる霊夢の腹を思い切り足で踏み潰した。たった一回でも、多くの内臓を破壊するほどの威力で衝撃は肋骨にも達して、1、2本は折れてしまった。
「お前は、とんでもない事をした。どうするんだい? 藍が着たらこんな郷全滅だよ」
「おば、ぶう、ぶう」
霊夢は、まるで豚のような情けない声を出しながら血べと吐いているのにも関わらず。おばさんの足にすがって慈悲を乞いていた。
「あああもう、とにかく橙をぶっ殺して、埋めちまうしかないね!」
おばさんは、橙を地面に叩きつけて殺そうした時だった。
「藍〜藍、藍らら、藍、藍ん」
あのなつかしのフレーズを歌う、ボーカル、カソダニが歌いながら現れた。
「ぉおお、あのカソダニだよ」
なんと、おばさんはカソダニの大ファンだった。
「らららら、藍藍らら」
怒り狂っていた、おばさんは表情を緩めた。まるで、鬼のように書かれるヌルハチに似ているその表情は、韓流好きのおばさんのように、表情筋を緩ませてしまっている。
「あの、おばさんがあんな表情をするなんて!」
霊夢は、余りにもすごい光景を目の当たりにして痛みなど忘れてしまった。
「藍、らら」
カソダニは歌いきった。ソウルを全声、全身に込めて歌いきった。
「……霊夢、私が悪かったよ」
「お、ばさん」
おばさんは、倒れている霊夢に謝った。それは、おばさんに初めて出会って7年と5ヶ月はじめての光景だった。
「おばさんは、いつまでも私のおばさんこんなの似合わないわ、顔を上げて」
「悪かったね」
おばさんがそういって顔を上げて、見た眼前の光景は、群れを成して大量に押し寄せる藍だった。
藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍藍orz
戸隠
- 作品情報
- 作品集:
- 3
- 投稿日時:
- 2012/05/26 15:13:49
- 更新日時:
- 2012/05/27 00:16:39
- 評価:
- 5/30
- POINT:
- 770
- Rate:
- 5.30
- 分類
- モナスァッガ