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『幻想郷の夏、蒸し焼きの夏』 作者: 山田トカミル
幻想郷にも夏がやってきた
紫が遊びで大量に幻想郷に流してきたセミ達がうるさく鳴いている
そのセミの鳴き声が、夏の暑さをさらに強大なものにしていた
「春です・・・じゃなかった、夏ですねー・・・」
春の妖精もあまりの暑さにこの有様だ。左右にふらふらと飛んでいる
そもそも季節は夏なのになぜ飛んでいるのだろう
とある湖では氷の妖精が溶けかけていたり、とある山では神様姉妹がダラ〜っとしていたりと、とにかく幻想郷の夏は今年も暑いようだ
「はいはーい!いつもの文々。新聞ですよー!」
そう叫びながら、鴉天狗が新聞を空高くからばら撒く
その新聞には大きくこう書かれていた
「異変!?山の厄神と河童が行方不明!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「・・・くっ・・・はぁっ・・・」
「ひゅぃ・・・ひゅぃ・・・」
所変わって、ここはとある部屋
この部屋に、厄神の「鍵山 雛」と河童の「河城 にとり」はいた
だがどこか様子がおかしい
二人ともどこか息が荒く、じっとしていて動いていない
そして何より、額から流れる大量の汗
にとりに至っては目が虚ろで大の字に寝転んでいた
「暑いぃ・・・」
「ひゅぃ・・・ひゅぃ・・・」
雛も相当参っているようだ。にとりにいたっては少しも動いていない。やはり河童は暑さに弱いのだろうか
それもそのはず、四つの壁のうち、三つには大きな窓がついていた
窓からは太陽の光がさんさんと入ってきている。そのせいかかなり部屋が明るい
そして、にとりと雛がいる床は木材だが、なんと壁や天井はすべて鉄でできている
にとりに右手はひどく赤くなっている。どうやら壁に触って火傷したのだろう
太陽の光を浴びた鉄はまさに凶器に近い何かに生まれ変わっていた。触れればひどい火傷になるくらいの熱さになっている
そして、石油ストーブが四台、にとりと雛を囲むように置かれている
まさにこの部屋は蒸し焼きにはもってこいの部屋だろう
その時、一つだけある木製の扉がギィッと開いた
「雛とにとりー?調子はど―――うわアツッ!?」
そこから現れたのは20代くらいの男性だった。Tシャツと半ズボンというかなり涼しげな格好だった
男性は部屋を開けた時、部屋の暑さに驚いたようだ。少し飛び上がっていた
「あなた・・・うぅっ・・・」
雛は何とか立ち上がり、男に歩み寄ったが、ふらっ・・・と体制を崩した
静かに倒れた雛を男は見下ろした
「・・・あぁ、かわいいな、雛は」
「・・・・・・」
男はしゃがみこみ、雛の頭を掴んで顔を覗き込んで、そういった
雛はというと、意識が朦朧としているのか、目が虚ろで口からは少し涎を出していた
「おぉ、いただき」
男は雛の口から涎をすくい、自らの口に運んだ
少し味わい、男は満面の笑みを浮かべている
「うん、ありがとう雛。ご褒美に服を脱がせてあげる」
男はそういうと布切り鋏を取り出し、ちょきちょきと雛の服を切り裂いていった
そして、あっという間に雛は下着姿になってしまった
「これで少しは涼しいよね?」
男はそういうと雛を寝かした
雛はというと、意識がはっきりとしないのかまったく動いていない
男は次ににとりに近づいた
にとりは相変わらず、大の字で寝転んでいる
「・・・・・・」
男はそのにとりを、冷たく見つめていた
すると突然、男はにとりの頭を両手で掴み上げ
「そぉいっ」
鉄の壁に押し付けた
肉を焼くような音が出始め、にとりの顔から煙が出てきた
「ぎぃぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!あづいあづいあづいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
その瞬間、にとりは熱さで意識がはっきりしたのか、叫び声を上げた
それでも男は両手を離さない
「うん、元気になったね。反応がなかったらつまらないもんなぁー」
にとりはあまりの熱さにじたばたと暴れているが、顔だけは動かない、いや動かせない
その間にもにとりの顔は焼かれる
しばらくして、にとりは動かなくなった
男はにとりの顔を確認するため、壁からにとりに頭をはがした
壁には赤い肉のようなものがひっついていた
そして、にとりの顔は酷い有様になっていた
顔は肉が見えるせいで真っ赤になっていた。少し顎の骨が見えるレベルだ
目を瞑っていたのか、瞼がなくなり眼球が丸見えになっていた
唇などは確認できず、歯茎まで見えていた
男はにとりを床に叩きつけると、雛に近づいた
雛は意識が少しはっきりしてきたのか、今のを見てガタガタと震えていた
そんな雛の耳に男は小さく囁いた
「僕さ、そろそろ頭クラクラしてきたから、もう部屋出るね。次、10分くらいしたらまた来るから、それまでにあれ、片付けてね」
「ぇっ・・・」
「あ、いや、片付けるっていったけど食べたりとかじゃないよ?ただ全身を焼いてほしいんだ。ほら、僕が見本で見せたでしょ?あれと同じ事をにとりの体にやってほしいんだ。やってくれたら、ここから出してあげるよ」
男の最後の言葉に、雛はピクリと反応した
「ふふっ、かわいいね。じゃ、よろしくね」
男はそういうとふらふらと部屋を出て行った
どうやら男も限界だったようだ
「・・・・・・」
もう慣れてきたこの蒸し焼き状態の部屋、その部屋の床を見つけながら雛は悩んだ
友であるにとりをあのままにしとくか―――
それとも、部屋から出るためににとりを犠牲にして自分だけ・・・
「っ!何考えてるの私・・・」
雛はそういうとぶんぶんと頭を横に振る
「どうして、こんなことに・・・?」
雛はにとりと共にこの部屋に連れてこられたことを思い出した・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
目が覚めると、黒色の天井が目に入った
「・・・ここは?」
私は目を擦り、体を起こした
「あ、起きた」
「にとり・・・?」
隣ににとりが座っていた。にとりは私を見て安心したような顔をしていた
「ここはどこなの?にとり」
「私もわからない。目を覚ますとここにいたんだ」
「・・・そう」
にとりの言葉を聞き、私は部屋を見渡した
部屋は薄暗く、明かりはなし、カーテンのようなものが三つあり、扉があるだけの部屋だった
「・・・幻想郷、よね?」
「だと思う・・・」
にとりがそういった瞬間、扉が開いた
「だ、誰!?」
私は扉の方に振り向いた
そこには、人が立っていた
「やぁおはよう。雛、にとり」
男の声だった。人間だろうか・・・
そう考えていると、男は無言でカーテンをちぎり取った
眩しい光が入り、思わず目を閉じてしまった
そして、カーテンがあった方向から感じる熱い何か
これは・・・日光?
私は何とか目を開き、男の方を見た
男は私の顔を見て、にっこりと笑い
「これから君達を『蒸し焼き』にするね」
そういった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そういえばあれから何日が経ったのだろう、3週間くらいか?
その間私とにとりは日光とストーブの熱気を延々浴び続けた
気が狂いそうになるほど暑かった。苦しかった
頭痛と吐き気に襲われる毎日だった。体は炎のように熱くなり、血液が沸騰するんじゃないかと思ったほどだった
誰か助けて、ここから出してとどれだけ思っただろう・・・
でも、もしここでにとりを・・・
私はそこまで考えていた時、耳に叫び声が入った
「ぎゃああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
ハッと我に返る。そして目の前の状況を見て私も叫びそうになった
私は・・・私は・・・
いつの間にか、にとりの体を、鉄の壁に押し付けていた
思わずにとりの背中を押さえていた手をどける
にとりの体は肉が丸見えになり、ピクピクと痙攣していた
にとりはもう何もしゃべらない
「に・・・と、り・・・」
私は・・・私は・・・
その時だった
「雛〜?ちゃんとやってくれたかい?」
その声を聞き、私は振り返った
そこには、男がなにやら筒状のものをもって立っていた
「おぉ、結構いったねぇ。背中は焼けてないけど、まぁいいや」
「ねぇ・・・」
「ん?」
「なんで私達をここへ・・・?どうしてこんなことを・・・?」
私は疑問に思っていたことを男にいった
すると男は少し考えて
「うーん、君達が好きだから・・・かな」
そういった
「それに、君達が暑さに苦しむ様をただ見たかっただけ・・・でもある」
男はそういうと筒状のものの蓋を回して開けた
そして私の顔を自分の方向へ向けて、私の口にその筒を突っ込んできた
「むぐっ!?」
「ふふっ、ここまで耐えたご褒美だよ・・・」
口の中に流れてくる冷たいもの
それは私が今一番欲しかったものだ
そう、水だった。しかもとても冷えていた
私は男から筒を奪い取り、浴びるように水を飲んだ
水はすぐなくなったが、体の灼熱は少し消えた
「さぁ雛、このあっつい部屋から出よう。服とかいろいろ用意できてるから、すぐに帰れるよ」
男はそういうと私の手を引いた
そしてやっと、あの蒸し焼き部屋から出ることができた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――あれから数日経った
私はすぐにこの妖怪の山の自分の家に帰ってきた
夏の日差しが眩しかったが、不思議と暑い気がしなかった
それからは普通に、いつもどおり暮らしている
・・・少し、足りないものがあるが
あれから一度もにとりとは会っていない
男はにとりをどうしたのだろう?やはり処分したのだろうか・・・
「・・・にとりに会いたいな・・・」
私は自然とそう呟いていた
幻想郷の夏は始まったばかりだが、今年はあまり苦労せずに乗り越えられるだろう
〜終〜
どうも、トカミルです
いよいよ夏に入りましたね。幻想郷も今頃は夏なんでしょうか
てわけで、今回は夏をテーマにして書かせていただきました
登場人物に悩みましたが、自分が好きな雛とにとりを選びました
即興で書いたので、できは酷いです・・・
読み直して始めてわかる、自分の文才のなさ
では、失礼しました
【コメ返信】
NutsIn先任曹長様
コメントありがとうございます
これも愛の形ですね
なぜ脱いだし
名無し1様
コメントありがとうございます
これぞ産廃の夏ですね
名無し2様
コメントありがとうございます
飴と鞭はほんとにたまりませんね。自分で言うのもあれですが
実はですね・・・あまり自分の作品に自身がもてないというか・・・
別に防衛線を張ろうとしたわけではありませんが、張ってるように見えますね
以後気をつけます・・・
コメントありがとうございました!
山田トカミル
作品情報
作品集:
4
投稿日時:
2012/07/17 15:29:31
更新日時:
2012/07/20 00:46:05
評価:
7/8
POINT:
640
Rate:
14.78
分類
にとり
雛
オリキャラ(男)
夏
蒸し焼き
コメント返信更新
これも愛の形。
私は服を脱ぎ捨て、その下に着込んだビキニ姿になると、夏の日差しに走り出した。
あと余計なお世話かもしれませんが適当とか酷いとか毎回あまりご自分の作品を貶されないほうが……
防衛線張ってるみたいになりますし、内容はちゃんと面白いんですから卑屈になると作品がかわいそうですよ
東京中のエレベータ内で同じことが起こる