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『今年のチルノは最強なの』 作者: タイタン
「なぁ、大妖精ちょっとこい」
湖でチルノ達と遊んでいる大妖精に、魔理沙が茂みから声をかけた。他の妖精達には聞こえないように本人は小声で言っているつもりなのだが、普通に他の妖精にも聞こえていた。
「なんでしょうか? 魔理沙さん」
楽しく遊んでいたのに、もう楽しくない。仕方なく大妖精は、他の妖精をかばうような位置に移動して言葉を返した。
「お前だけに話があるんだぜ」
そう言って、大妖精の肩を持って魔理沙は茂みに引き込んだ。あっという間のことだった。
「……何するんですか?」
大妖精は、茂みに引き込まれて恐怖した。魔理沙は妖精を攫って外国に売り飛ばすという、うわさがあったのでとても怖かった。
「おい、カキ氷食べたくいないか?」
「え?」
警戒は解けないものの、攫われないようで大妖精はひとまず安心したのだった。
「なあ、食べたいだろ?」
「は、はい」
妙に気迫のあるで魔理沙はそう言った。それに気圧されて大妖精は答えてしまう。
そして、はいと答えてしまった。魔理沙は悪魔的(小悪魔とは別な凶悪なオーガの類)な笑みを浮かべてカキ氷機を取り出した。
縁日とかで見かけるレトロ風なカキ氷機の特大サイズで氷をはさむ所が特に大きく人一人ぐらいのサイズがあった。
「わかるだろ?」
「え? わかりません」
魔理沙は少しいらっときた。それでも、このとてもとても暑い日に暴れれば熱中症でも起こしてしまいそうなので堪えた。馬鹿な妖精には1から10まで説明しなかった自分に非があるとも感じたのだった。
繰り返す死と詩その間で魔理沙が唯一学んだことは、まあ特には無かった。唯この話の魔理沙は少しだけ賢かった。それだけだけである。
「だから、チルノをカキ氷にしちまおおうぜ! ちょっと、チルノ呼んできて、この削るところに頭入れさせろ」
「そんな! チルノちゃんは大事なお友達です」
お友達、魔理沙には無用な言葉だった。強い彼女は一人でも大丈夫、一人でも生きていけるのだから。大妖精のことのはなどは、届くはずも無かった。
「いいだろ? どうせ復活するんだし食っちまおうぜ」
「嫌です」
大妖精は断った。大事なお友達を食べるなどできるわけなかった。そもそも、食べるなどという発想がまったく無かった。それは、当然のことであるが魔理沙を相手に断ったことがまずかった。
断ったとたんに大妖精の首が絞められる。
とても、苦しかった。初老の魔理沙とはいえ力の差は歴然で大妖精がその小さな手で凶悪な力を振りほどこうとしても、小さな引っ掻き傷を付ける程度だった。
「まったく、使えない妖精だぜ」
「えぇ! かっぇえ!」
大妖精の首には、魔理沙の長く伸びた爪が食い込んだ。人と変わらない鮮血が滴り落ちる。その血の一部が魔理沙の腕を伝い白いシャツを赤く染めた。
魔理沙はカキ氷のことよりも、ここで大妖精を絞め殺すことに嗜虐的な快楽を覚えていた。
「苦しいだろ? 大妖精! お前の罪は私の言うこと聞かなかったから悪いんだぜ!」
口が裂けて仕舞いそうな笑顔の魔理沙、霊夢や咲夜を蹂躙して得た力で魔女になった魔理沙を止められるものは居ない。
居ない!
たった一人の妖精を除いては居ない!
「マイナスk!」
それは、チルノという小さな小さな妖精だった。お友達の大妖精が茂みに引き込まれて出てこない大妖精を心配して、着てみたら大妖精が首を絞められている。
怒ったチルノは郷のルールなど無視、知らずにスペルカードを発動した。
たちまち、辺りは極寒お世界になった。魔理沙はたちまち凍りつく、大妖精は隙を見て逃げ出した。
そして、後には魔理沙の氷像が残ったのだった。
「はぁ、はぁ、はあああ、チルノちゃんありがとう!」
「あ、あたいわね! ちょっと、カキ氷したかっただけよ!」
チルノは大妖精に礼を言われて恥ずかしくなり、近くに何故かカキ氷機があったので適当なことを言った。
「そうだね、チルノちゃん!」
この後、他の妖精達を交えて真っ赤なカキ氷をみんなで楽しんだのだった。
作品情報
作品集:
4
投稿日時:
2012/07/23 18:24:36
更新日時:
2012/07/24 03:24:36
評価:
4/5
POINT:
320
Rate:
13.80
分類
チルノ
大妖精
魔理沙
妖精達、腹壊さないといいね。
アレは煮ても焼いても食えないから。
とか記事になりそう。