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『お金の無心』 作者: 和多
「よう、さとり! 金貸してくれ!」
「わざわざ、地霊殿まで来て、お金の無心って」
地上の住人というのがそうなのか、それとも魔理沙がそうなのかわからない。
何の連絡もなく魔理沙は突然現れて、さとりに金を貸りにきたのだった。
「いいだろ、こんな豪華なところに住んでるんだ。たった10万だ貸してくれ」
「10万でもなんで私が、あんたにお金を貸さなければならないの?」
10万円、それは、さとりの朝ご飯と同じ価値だった。一食分の価値しかない10万円でも、なぜ魔理沙にお金を貸さなければならないのだろうと思った。地底は鉱物資源が豊富で、鬼などの労働者がたくさん居て潤っている。
さとりは魔理沙が正直のところ嫌いだった。今日のように、ずうずうしいところが嫌いなのである。
「な、な、いいだろう? ちゃんと返すから」
「死んだら返すんでしょう? そう思っているようだけれど」
お金は使ってしまうのだから、死んだときには残っていないだろうとさとりは思う。
「そうだぜ、死んだらついでに倍にして返してやるぜ」
「そうなの? だったら、別の人に貸してもらえばいいんじゃない?」
さとりは、お金を貸すことよりも、魔理沙と話すのが嫌になってきた。初めて、皆から嫌われていた方がこんな奴に関わらなく済むからいいと思った。
「べつのやつ? だめだぜ、紅魔館は破産しているし、命蓮寺は中に入れてもらえないからな」
「ああ、それで私のところに来たの?」
どうやら、魔理沙はそういうことで、さとりのところに来たようだ。心を読んでみてもどうやら本当のことを言っているらしい。
10万円、地底にわざわざ来るなら、働いて稼げばいいのにとさとりは思う。ここに来るために、結構大変な苦労をしているはずだと思う。
ついでに最近は、妖怪には余り影響が無いといわれているが、ガイガーカウンターがジージー言うところがあると聞いている。
「おいおい、何悩んでるんだぜ? たった十万なんだぜ」
「答えは出てるんだけどね」
さとりは、お金を貸す気はまったくない。だから、どうやって魔理沙帰ってもらうか考えているのである。
むげに追い出したりすると、たとえば最近地上に進出している同胞達にとんでもない報復されるかわかったものではない。
「さとり、早く金よこせよ」
「あんたは、どうしてそうやってすぐにおどすの?」
さっきまで、魔理沙なりに気を使っていたようだ。しかし、今はむき出しになった感情を外にも内にも出していた。
おそらく盗品の装飾されたナイフを取り出して威嚇まで始めている。
「私にこれを使わせなかったら、有り金全部出せ!」
「あんたっていう人間は、どうかしている。これじゃあ、強盗じゃない」
さとりは分かっていない魔理沙は産まれたときから強盗だ。また、魔理沙は物を盗むことを悪いことと思っていないから悪意が読み取れなかった。
さとりの心を読む能力は一流だ。しかし、読むことができても複雑な人間の感情を理解することはできない。例えば、人間が赤と認識しているものが虫から見れば別の色に見えるようなものだ。
「私に逆らうんじゃないぜ!」
「いや、来ないで!」
さとりが考えてると、魔理沙が襲ってきた。短気を起こしたのである。凶悪なその表情をさとりは知らなかった。さとりは嫌われたことしかなかったなかったから、殺されるようなことはしたことが無かったから。
さとりはサードアイごと心臓を一突きされて生き絶えた。魔理沙はその亡骸から金になりそうな物を探す。ところが、何も見つからなかった。
魔理沙はがっかりしたものの、亡骸を蹴り飛ばしたり酷いことはしなかった。ただ、服の端でさとりを刺したナイフに付いた血を拭いただけだった。
それよりも、金だった。近くを捜索してみると幾らかの金目のものが見つかった。幾らかでもしばらく遊んで暮らせるだろう。
魔理沙は満足して地霊殿を出て帰ることにした。
地上に戻るまでの道のりは険しい。また、鬼とかと戦わなければならないかもしれない。
それでも、魔理沙は満足だった。
さとりの亡骸を燐が見つけて悲しむことを知らず。話を聞いたおりんが復讐に燃えることしらない。
結局、何もないまま魔理沙は地上付近まで戻ってきた。後少しでそとに出る時に気付いた。
地底の入り口、つまり出口が無くなっていた。
魔理沙は地上で忌み嫌われる存在、魔理沙が地底に行くと知った者が地底の入り口に蓋をしたのだった。
- 作品情報
- 作品集:
- 4
- 投稿日時:
- 2012/08/15 16:17:18
- 更新日時:
- 2012/08/16 01:22:19
- 評価:
- 11/13
- POINT:
- 1000
- Rate:
- 14.64
- 分類
- さとり
この落とし前、つける日は近い。
だが、借りた物を返してもらう日は、可能な限り引き伸ばされるだろう。
そう簡単に、楽にさせてやるかよ。
魔理沙が全く反省してないとこが良い。
しかしいくら忌み嫌われる者たちの集まる地底だからと魔理沙を放り込むのはいくらなんでも地底面子が可哀想すぎですね。おりんりんには早急に対処して頂きたい