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『うつほ さ こいし とり おりん』 作者: 戸隠
お姉ちゃん大好き!
何? こいしどうしたの? 突然?
さとり様、あたいも大好きです。
お燐まで、でもうれしい。
二人は、さとりのことがとっても大好きだった。それはもう独り占めしたいくらいにだった。
「ちょっと、お燐! お姉ちゃんは私が好きなの! 誰にも上げない!」
そういって、こいしはさとりの右手を掴んだ。やさしくあたたかい、こいしの体温が手を通して伝わってくる。
「こいし様、大抵のことはさとり様の妹なので許してきました。しかし、これだけは許せません」
お燐は、さとりを取られまいと左の手を掴んだ。熱い地底では気持ちよく感じる、冷たい手だった。
「もう、二人ともどうしたのよ? うれしいけれど、これじゃ何もできない」
さとりはうれしかったけれども、言葉どうりでこれでは何もできない。それと、ちょっぴり恥ずかしかった。
「ホント、お燐離しなさい! これじゃお姉ちゃん何もできないじゃない」
「そんな、こいし様が離せば良いじゃないですか?」
大好きなものは独り占めしたい二人はさとりをはさんで口論を始めた。そして、お互い力いっぱい手を引っ張りはじめた。
「痛い! いたいから、二人とももうやめて! 離して!」
あたりまえのことなのだが、手を引っ張られてさとりは痛がった。
「ほら、お姉ちゃんが痛がってるでしょ! 早く離しなさい!」
「こいし様が離せば良いじゃないですか?」
お互い離す気はなく、相手が離せば良いと思っている。引っ張られることによってさとりは痛がり苦しむが、そんなことはまったく意に返さない。だって、離したらさとりが取られてしまうから。
さとりの白かった手はうっ血して黒紫になった。いよいよ、腕が千切れてしまいそうになる。
「やめて! やめて! 二人とも離して!」
さとりは、痛みと二人が怖くて叫んだ。
「二人とも! 何やってるの?」
そこに、うつほが現れた。さとりの叫び声を聞いて駆けつけたのだった。
「私のお姉ちゃんをお燐が取ろうとするの!」
「違うよ、あたいのさとり様をこいし様が盗もうとしてるのよ」
双方の意見聞いているのか聞いていないのかわからないが、うつほはさとりの頭を片手で突然掴んだ。
「ふざけないで、さとり様は私のものよ!」
「ぎゃ!」
うつほも、さとりが好きで誰にも取られたくなかった。だから思い切り掴んだ頭を引っ張った。
その勢いでさとりの頭が抜けてしまった。
これで、さとりの頭はうつほのものになったのだった。
頭を大事に抱えて、うつほはどこかに飛び立った。それを二人はものほしそうに見た。しかし、手を離すことはなかった。だって、離してしまったら大好きなさとりの残った部分が取られてしまうから。
「これはどういうことなの?」
「さあ」
「ふざけてるの?」
「いや」
戸隠
作品情報
作品集:
4
投稿日時:
2012/09/07 17:42:54
更新日時:
2012/09/08 14:32:40
評価:
10/14
POINT:
1040
Rate:
14.20
分類
さとり
こいし
かえんびょう
うつほ
しかしタイトルすごい
無法地帯に大岡裁きなど無かった。
じゃあ、私はさとりの心をもらおう。
さーどあいちゃん下さい
皆で仲良く分ければ問題ないね。
あなたはあなただ。
痛がるさとりかわいい