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『欲に溺れた結果』 作者: 黒腹
目を覚ます。
見えるのは見慣れた天井。
これだけで今、私がどこにいるかの判断が付く。
私は寝室のベッドの上で、仰向けに寝ている。
これと言って変わったことはない。
強いて言うならば体が動かないだけ、いや、動かせないだけだ。
霊糸を抜いた人形たちはこんな気分なのだろうか。
「アリスオキター」
上海の声が寝室に響く。
「「アリスオキター」」
上海の声を聞いた他の人形たちが一斉に声を上げる。
今はどの人形達にも霊糸を繋げていないのであり得ない現象。
「おはよう。人形使い。あっ元人形使いか」
聞き覚えのある声が耳元から聞こえる。この声はメディスンだ。
「ちょっとメディスン。これはあなたの仕業? 早く元に戻さないと怒るわよ」
体は動かせないが、声は出せるようだ。
「ふーん、怒れば?」
「アリスオコレバー?」
「アリスオコレバー?」」
メディスンの様に流暢に話せるわけではない私の人形達がまた一斉に声を上げる。
「メディスン、うちの子達に何したのよ?」
「何って? 何もしてないよ? ただ、スーさんの毒を別けてあげただけ」
「毒! そんなことしたら可哀そうじゃない」
「可哀そうだって?」
「そうよ」
「私はこの子達が欲しがってるから別けてあげただけで、無理矢理毒を飲ませたりなんてしてないよ」
「霊糸を接続してない人形達に感情がある訳ないじゃない」
「みんな聞いた? みんなの主はやっぱり酷い奴だ」
そう言うとメディスンはベッドの上に上がり、私に馬乗りになった。
「アリスヒドイ」
「「アリスヒドイ」」
「この子達はね、人形使いの荒い主に嫌気がさしてたんだって」
「くっ、どんな手品使ってるかわからないけど、私を怒らせて無事で済むと思わないことね」
と強がっては見たものの、未だに指一つ動かせない状況下に私はいる。
「今日はね、元人形遣いと仲良くなる為に来たんだからそんなに怒らないでよ」
「そう、それじゃまず私の上から降りなさい」
と強がってみた結果。
頬を叩く音が部屋に響く。この状況下、叩かれたのはもちろん私な訳だが。
「あんまり偉そうにしないで。せっかく喋れるようにしてあげてるんだから、もっと友好的な発言をしてね」
「……」
今度は反対側の頬を叩かれた。
「返事くらいしてよー。私寂しいな」
「アリスヘンジー」
「「アリスヘンジー」」
「くっ分かったわよ」
「お利口さんね。元人形遣い」
「アリスオリコーサン」
「「アリスオリコーサン」」
自分の作った人形達に褒められるとは。随分と貴重な体験をしてしまった気がする。
「それで、私は何をすればいいのかしら?」
「あなたは何もしなくて良いの。今日は特別に私が操ってあげるんだから」
「あなたが私を操る? どうやるのかしらね」
「ふふーん。こうやって」
メディスンが手を動かすと私の体が勝手に動く。
上半身を起こす。もちろん操られて。
「どう? 操られる気分は?」
「あまりいい気分じゃないわね。それよりどうやって?」
「毒で。まぁ、それ以上は内緒だから」
「……そう」
つまり、私の体内にはメディスンの毒が回ってるらしい。
体を痺れさせる程度の毒しか扱えないものだと思っていたけど、いつの間にかこんな芸当ができるレベルにまで成長していたなんてね。
まぁ、あの竹林の薬剤師が面白半分で入れ知恵したんだろう。
今度会ったら文句の一つでも言ってやらないと。
そんな事を思っていると膝の上に座っていたメディスンが向きを変えた。
私の胸の辺りにもたれかかる様にちょこんと座りなおした。
「何よ?」
「えへへ、私も人形だからね。たまには誰かに頭をなでなでしてもらいたいの」
「呆れた。そんな理由で私を操ってるの? 普通に頼んでくれればあんたの頭くらいいくらでも撫でてあげるわよ」
「うるさいなー。私の操り人形は大人しく私に操られてなさい」
そう言うと右手でメディスンを抱きしめ、左手で彼女の小さな頭を撫でた。と言っても操られているのだけど。
どれ位の時間、彼女の頭を撫でていたのだろうか。
彼女は上機嫌で鼻歌を歌っていた。
上手くも下手でもない鼻歌を散々聞かされ、頭を撫で続けた。
「ねぇ、元人形使い」
「なによ」
「私は寛大だから、今まで人形にした悪い事を正直に全て白状したら今日のところは許してあげるけど」
「あなたの言ってることがよく理解できないんだけど?」
「だーかーらー! あんたがあんたの人形達にした酷い事を正直に白状して、謝ったら許してあげるって言ってるの」
「謝るようなことは何一つしてないわ。私はあの子達に愛を持って接してるの。上海にでもゴリアテにでも倫敦にでも」
「ふーん。実際どうなの? 上海?」
「アリス、アリス、バッカジャネーノ」
「ちょっ! 上海」
一番愛を注いでいた筈の上海から出た一言が信じられない。
そうだ。
メディスンに操られているせいね。
「メディスン、やり口が汚いわよ。あなたが私の人形達を操っているんでしょ?」
「人形遣い、意外とバカなのね。この子達が自律できるように毒を与えたって言ったの忘れたのかしら? 私は操ってないわ」
「ちょっとあなた達! 自分の意志で話せるならメディスンに言ってやりなさい。私がどれだけあなた達を大切にしているか」
「アリスバッカジャネーノ」
「バクハツサセラレルトイタイ」
「アリスノタテイヤー」
「コウチャクライジブンデイレロ」
「アリスニクイ」
「「アリスニクイ」」
「あらあら。酷い嫌われようねぇ」
いつの間にか私の膝の上から降りて私を跨ぐ様に立つメディスンが恐ろしい笑顔を私に向ける。
「バクハツイタイ」
「ごめんなさい。でもちゃんと直してあげてるでしょ?」
「アリスヨケレルノニタテニスル。ヒドイ」
「あなたが盾になってくれているおかげで私は次の魔法を唱和できてるの。それに魔法で強化してあげてるわ」
「コウチャジブンデイレロ」
「あなたの紅茶はとっても美味しいわ」
人形がそんな事を思っていたなんて。
私は衝撃を受けた。
改心しよう。
「みんな、ごめん。私、これから気を付ける」
「大切にしてるだんて大嘘じゃない」
「そうね。気付かされたわ」
「これからは心を入れ替える。だから許して、メディスン」
「嫌」
……
「他に、酷い事された子はいないの?」
ベッドの下に集まっている私の人形達に声をかけるメディスン。
白と黒の服を着た一体の人形が他の人形達をかき分けメディスンの前に立つ。
あぁ、愛しの魔理沙人形。私の懺悔を聞きいれてくれるのね。
「アリスノカラダナメナメー」
私の期待はぶち壊された。
そ、それは。それだけは言っちゃ駄目。
「あ、あんたそんな事に人形を使ってるの?」
「ご、誤解よ!」
違うの。本当にちょっと出来心で、お願い。魔理沙人形それ以上は言わないで。
「アリスノカラダマッサージシテナメナメー」
「ナメナメって……」
「アリスノオマタナメナメー」
「ああぁぁぁ」
一先ず大声を出してみた。
メディスンが私を見る目が完全に変わった。
汚物を見るような目で私を見ている。
「あんた、サイテーね」
「うっ」
ぐさりと刺さる一言だった。
人形には性欲が無いのだろうけど、人間、元人間にはあるのだ。
元人間の私にだってある。その、たまにちょっとエスカレートし過ぎてしまうことだってあるのだ。
とは言え、私の性欲解消方法をまさか暴露されてしまうとは……
「どんな風にやったのか説明しなさい」
「無理よ!」
「それじゃあ無理矢理」
そう言うとメディスンは私を仰向けに寝かし、顔の上に座った。
「さぁ、ナメナメしなさい」
「んんー」
嫌だと返事をしたがメディスンの秘部が私の口を覆い声にならない。いや、呼吸すらままならない。
鼻で大きく息を吸うと、甘酸っぱい匂いが鼻孔に広がった。
無性にいやらしい気分にさせるような匂いだった。
気が付けば私は夢中で布越しにメディスンの秘部を舐めた。
妖怪化した人形には性感があるようで、メディスンは体をくねらせ私の顔の上で悶えている。
「はぁはぁっはぁ」
私は獣のような荒々しい呼吸をしながらメディスンを責め続けた。
「も、もう、良いわ。元人形使い。ひゃぁス、ストップ」
メディスンの声が聞こえたが止めることができなかった。
大きく口を開け、布越しに秘部から溢れてきた汁を吸う。
「あんっ」
ビクンと体を強張らせ、メディスンは絶頂を迎えたようだった。
私は気にせず続けた。
次の瞬間、右の頬を思いっきり叩かれた。
「はぁはぁ、悪い子ね」
頬を赤く染めたメディスンが私を見下ろす。
もっと、もっと吸いたい。味わいたい。
中毒性の高い毒でも含まれているのだろうか。
「もっと、もっと味わいたいわ」
「あはは、私の毒をもっと味わいたいの?」
「えぇ」
「だったらちゃんとお願いしなさい。私はあなたの操り主で、あなたは私の操り人形なのよ?」
幼い容姿からは信じられないような妖艶な表情を浮かべ私を見下すように言い放つ。
「ちゃんと言いなさい。味わいたんでしょう?私の毒を」
スカートの端を口で持ち上げ、秘部を覆ていた薄布を見せつけてくる。
「もっと味わいたいです」
悔しいだとか、憎いだとか、後悔だとか一切思わなかった。
「良く言えました」
そういうとメディスンはスカートの中に両手を伸ばし薄布を脱いだ。
あぁ、今度は直接あの蜜を味わえる。そう思うと理性が吹っ飛びそうだった。
いや、すでに飛んでいた。
メディスンの秘部が私の顔に近づくにつれて心臓は爆発しそうなほどのスピードで脈を打つ。
秘部が顔にまで届くか届かないかの距離で彼女は止まる。
あぁ、あと少しなのに。
「はぁ、はぁ、はぁ、んぁ」
荒い呼吸と共に私は舌を伸ばす。
「ほら、もっと頑張ってベロ伸ばしなさいよ」
「んんー」
「舐めたいんでしょ?」
「はい、舐めたいです」
あぁ、いつの間にか敬語を使っている。でもしょうがないわ。
「私の言うことは何でも聞く?」
「はい。聞きますから、もう一度舐めさせてください」
「良い子ね。元人形使い」
メディスンの華奢な指が眼前の秘部に向かう。
溢れ出てきた愛液を絡めると私の口の上にそっと垂らす。
あぁ、この味、この感じ、堪らない。
全身の感覚が狂ってしまう。
自身の鼓動の音がはっきり聞こえる。
今、この瞬間が夢の中の出来事の様で。今この瞬間が何十年も前から続いている様で。
「どう? 美味しい?」
「はぁ、はぁ、はい」
「それじゃあ、まずはあなたの体から少し毒を抜くわ。少し痺れるけど自分の意志で動かせるようにしてあげる」
「はい。早く、舐めさせて下さい」
左頬を叩かれた。
その痛みが気持ち良く思えた。
「がっつかない」
「はい、すいませんでした」
「血の気が多過ぎね。少し血を抜いてあげる」
そういうとメディスンは懐から小さいナイフを取り出し私の右手首を切った。
その痛みが気持ち良く、私はその場で昇天しかけてしまった。
静かに流れ出る赤い私の血。
「毒ってすごいでしょ? 痛いはずなのに気持ち良いと錯覚させてしまうの。このナイフあなたに貸してあげるから今から好きな場所を切り付けなさい」
「はい」
痺れる腕を必死に動かし、パジャマ越しに太ももを切り付ける。
「んんん、はぁっ」
薄らと広がる赤と快楽。
次は、次は、
乳房を、乳房を切り付けてみたい。
パジャマの上着のボタンをはずそうと思ったが指先が上手く動かない。
じれったく思い、力一杯に上着の開く。
露わになった乳房の先端はピンク色に濡れ固く隆起していた。
ナイフの先端で乳房を切り付け、乳首に到達すると同時に余りの気持ち良さに失禁してしまう。
「はぁ、はぁ、んんんっ」
「よくできました。それじゃあご褒美よ」
そう言うとメディスンは腰を動かし、私の顔の上に跨った。
じゅるじゅると下品な音を立てメディスンの秘部を吸う。
その溢れ出る愛液一滴も溢さぬように。
「はぁ、はぁ、んっ、元人形使い。あんたただの変態ね」
「んんーっん」
必死に肯定したのだが、口が塞がっているので上手く話せない。
「体を切り付けて、人形のアソコに吸い付いて、んっはぁ」
もっと、もっと味わっていたいのだが、メディスンが急に立ち上がる。
私は慌てて懇願するように言う。
「お願い。もっと味わせてください」
「あんたのナメナメが気持ち良くてつい目的を忘れていたわ」
「目的?」
「そ、この人形達の主人への復讐」
「復讐……」
「みんな怒ってたからねぇ。叩かれたり、刺されたりするかもね」
生唾を飲み込む。
この子達の恨みを……
叩かれたり、刺されたり。自分で切り付けてあれだけ気持ち良かったのだ。
自分の愛を込めた人形達に酷い事をされて感じない訳がない。
どうやらメディスンの毒に完全にやられてしまっているらしい。
自分の快楽の事しか考えられなくなっている。
「アリスキライ」
そう言いながら倫敦が窓辺にあった花瓶で私の頭を思い切り叩く。
花瓶の割れる音と同時に快楽の電流が体を走る。
「あぁっ」
「アリスニクイ」
上海が裁縫針を手に私の腹部へ突進してくる。
「んんっはぁっ」
「ニクイ、ニクイ」
人形達が裁縫針を手に私に群がる。
脚を、腹部を、胸部を、腕を、顔を容赦なく針を刺していく人形達。
私は声を上げる。
もちろん悲鳴ではなく快楽からくる喘ぎ声だ。
「あんっああぁっ」
窓から射す月明かりで私は目を覚ます。
右目が開かない。
そうだ、上海に懇願して瞼を縫い付けてもらったんだ。
喉が渇いた。
机に置いていたマグカップに手を伸ばす。
上手くつかめずマグカップは倒れてしまう。
そうだ、ゴリアテに懇願して指の骨を全部折ってもらったんだ。
視界に入る私の下半身。
文字通り体の下半分がベッドの下に転がっている。
そうだ。思い出した。
人形達に懇願して体を切断してもらったんだった。
「人形に殺されるなら本望か……な……」
そうして私は息を引き取った。
はじめまして。黒腹と申します。
アリスをボコボコにしてみたくて。つい。
黒腹
- 作品情報
- 作品集:
- 5
- 投稿日時:
- 2012/10/12 18:46:25
- 更新日時:
- 2012/10/18 00:21:54
- 評価:
- 3/5
- POINT:
- 360
- Rate:
- 12.83
- 分類
- アリス
- メディスン
人形達は、意思を持ったら悪魔になるのは自明の理。
アリスを操ったのはメディスンではなくて、人形遣いの本懐。
アリス、夢が叶って良かったね。
メディメインな話って少ないから貴重
誤字あったので
>>私の口を多い声にならない。