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『寄生』 作者: 和多
「私はリグルが嫌いだぜ」
「え? 魔理沙なんで?」
リグルが森を歩いていると、スリッパを持った魔理沙が現れた。そのスリッパはピンクで花柄が特徴の可愛いスリッパでw.cは彼女なのかと刺繍されている。
「わからないのか?」
「ええ、わからない」
別に普段関わりのない二人、好まれることはなくても、嫌われるいわれは、リグルにはない。しかし、魔理沙は一方的にリグルのことを嫌っていた。
「そうか。わからないか、そういう。虫っぽいところが嫌いなんだ」
「……いや、そこを否定されても」
魔理沙は虫が嫌いだった。さっき嫌いになった。さっき、魔理沙が家で、昼寝をしているとゴミが散らかる部屋で大量繁殖した黒い光らない蛍が大量繁殖していて、魔理沙に噛み付いたのだった。よりにもよって、魔理沙の服に入ってきておへそを噛んで来たのだった。おへそは魔理沙の大事なチャームポイントだった。
「私は虫が嫌いなんだ! 見つけ次第、潰すことにしたんだ」
「……虫が魔理沙に何か粗相をしたのね。ごめんなさい、私の監督ができてなかった。これからは魔理沙にそそ......あ!」
パン!
虫が何かをしたのだろうと察したリグルが謝り、今後は魔理沙に粗相しないように指示を出すと、言おうした時だった。偶然近くを飛んでいた蜉蝣を魔理沙がスリッパで叩き落としたのだった。そうである、虫にとってはスリッパは凶器だ。
刹那的な瞬間が流れる。スリッパは、確実な殺傷力で蜉蝣を粉砕してしまった。
「謝罪はいらない。お前等虫は、居なくなれ」
「……何てことするの? この蜉蝣は何もしてないのにィ?」
パン!
再び、魔理沙が怒気を込めて、スリッパを使った。しかも、今度はリグルの顔に会心の一撃を加えたのだった。
「する、しないの問題じゃないんだぜ」
「……うぅ。……私に何をしても良い。虫達に酷い事しないで!」
顔を打たれたリグルは鼻血を出して、魔理沙に怯えた。でも、リグルは虫達に何かされるよりも、自分がひどいめにあうことを選んだ。
「お前が、一人二人? いや、お前等が一匹二匹犠牲になっても私の怒りは収まらないぜ」
「……いったい。魔理沙はなぜそんなに虫を恨んでいるの?」
パン!
リグルがそう聞くと、魔理沙は自分の腹をスリッパで叩いた。
「? いったい何を?」
パン!
また叩いた。
パン!パン!パン!
何度も叩く。その意図がリグルには、できない。それでも、魔理沙は自分の腹を叩き続ける。余りにも、強い力で叩くから内臓でも傷つけてしまうと思うほどだ。
実際、魔理沙は内臓を傷つけているらしく、口から血を吐き始めた。
「魔理沙? いったい、何がしたいの?」
「うぁ、がぁあぁぁぁ、リグル! こいつ等は私が全部、潰してやる。……勿論お前もな」
パン!パン!パン!パン!パン!パン!
もはや、魔理沙は理性などない自らの腹を叩き続ける。自殺する気なのかとリグルは一瞬思ったが、だったらもっと簡単に死ぬものを選ぶと思い直した。いささか、冷静を取り戻した時だった。腹を叩く先ほどまでは、ピンクで花柄が特徴の可愛いスリッパでw.cは彼女なのかと刺繍されているスリッパが青くなっていた。
それは、リグルに見覚えのあるものだった。しかも、今もそれは自分の鼻から流れている。
「魔理沙もしかして!」
「……あぁ、あああそうだぜ! お前の仲間が私の腹の中で蠢くんだ。こいつ等は、私が皆殺しにしてやる」
リグルは、嬉しくなった。そうか、魔理沙は寄生されていたんだ。今も、同胞達は魔理沙の悪手によって殺され続けている。しかし、そこは虫だ。おそらく、魔理沙の体内には幾千万もの同胞が巣くっているのだろう。虫は数で勝負なのだ。百や千死んでも仲間は増え続ける。と、思ったら顔の痛みも忘れて嬉しくなった。
「……元気な、仲間を産んでよね」
- 作品情報
- 作品集:
- 5
- 投稿日時:
- 2012/10/18 14:54:09
- 更新日時:
- 2012/10/18 23:54:09
- 評価:
- 5/7
- POINT:
- 560
- Rate:
- 14.63
- 分類
- リグル