Deprecated: Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/imta/req/util.php on line 270
『医療ミス』 作者: box

医療ミス

作品集: 5 投稿日時: 2012/10/28 08:12:12 更新日時: 2012/10/29 06:32:17 評価: 6/9 POINT: 590 Rate: 12.30
「師匠」

 黒革で出来た硬い椅子の上で、永淋は沈みかけていた意識を引き上げた。
 たとえ日輪が休もうとも、医者たる永淋に休みはない。永遠亭から漏れる光だけが、柔らかな夕闇の中で映えている。

 しかし、声が求めるのが、ただの覚醒とは違った色を含んでることに、永淋は気づいた。

「・・・話してみなさい、優曇華」

 ほんの、僅か。
 触れただけで、崩れてしまいそうな。
 形を失いかけた表情を浮かべ、鈴仙は小さく口を動かした。

「死んでいたんです、患者が」

 永淋は動かない。

「何時間か前に、師匠から任された方々です。その内の一人が・・・」

 永淋は、鉛色の体を、椅子から持ち上げた。
 白の質量を持った腕を、鈴仙の肩と、その空気にまわす。

「最初は寝てると思ったんです・・・でも、脈も、鼓動も、息も、無くて・・・・」
「・・・・・・・・、」

 震える肩を、上に塗られた表情を、永淋は意図して見なかった。
 代わりに、強く、頑なに鈴仙を包む。

「自分を責めるのは止めなさい、優曇華」
「でも・・・」
「そもそも、私達の賢しい知恵で、命をどうにかしようとするのが間違ってるのよ」


 直後、湿った声が、強かに永淋を叩いた。


「なら、医者は何のために、誰のためにいるんですか」

 永淋は何も言わなかった。
 言えなかった。



 弟子の水浸しの表情に、ようやくの乾きが見えた頃になって、思い出したように永淋は口を開いた。

「患者を霊安室に運びましょう」
「・・・はい、師匠」

 鈴仙は、何かが滴った跡を拭わないまま、部屋の番号を告げた。







 永淋は、『西行寺幽々子』と書かれたカルテを、弟子の額に叩きつけた。

 
わかりにくい駄文短文失礼しました・・・
穴を掘って寝てます・・・
box
http://boxgarden108.blog.fc2.com/
作品情報
作品集:
5
投稿日時:
2012/10/28 08:12:12
更新日時:
2012/10/29 06:32:17
評価:
6/9
POINT:
590
Rate:
12.30
分類
八意永琳
簡易匿名評価
投稿パスワード
POINT
0. 90点 匿名評価 投稿数: 3
2. 70 名無し ■2012/10/28 18:33:06
駄目じゃないかちゃんと患者が何か診断しないと。
3. 70 名無し ■2012/10/28 18:48:15
流石は永琳さん。
この師あってのこの弟子ですね。
5. 70 NutsIn先任曹長 ■2012/10/28 23:39:19
『死んでいたいたんです』……? 死んで痛い痰です?

絵に描いたような人的ミス……。
この患者、何で入院したんだ?
6. 90 名無し ■2012/10/31 05:36:27
コントだこれー!
7. 100 名無し ■2012/11/02 03:40:10
シリアスな話かと思ったら最後笑ってしまったwww
9. 100 レベル0 ■2014/07/13 01:47:14
あぁ、なるほど。
ヤハリソウイウコトカ
名前 メール
評価 パスワード
投稿パスワード
<< 作品集に戻る
作品の編集 コメントの削除
番号 パスワード