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『狼の遠吠えが絶えてそれから』 作者: ヘルニア
チルノが土管に住み始めて、三日が過ぎていた。ドカンの中で、赤ちゃんを産むのだ。そこに、大妖精が遊びに来た。
「チルノちゃん遊ぼ」
「嫌だ断る」
臨月を迎えるお腹を、さすりながらチルノは警戒心むき出してドカンの中で警戒している。たとえ、友達でも今は駄目だ。
「遊ぼうよ」
「嫌だ」
そもそも、ドカンから出ようとしない。環境は最悪なのだが、強固な要塞なのだ。
「じゃあ、ここで遊ぼうよ」
「あっち行け」
完全に、チルノは臨戦態勢だ。お腹を守るようにドカンの中で丸まった。
「石なげちゃうよ」
「やめろ」
遊ばないチルノが悪い、死なない程度に砂利で攻撃が始まった。尖った砂利がチルノに当たる。
「どう、痛いでしょチルノちゃん」
「アタイは最強だから痛くない」
でも、チルノの丸まった背中には砂利が当たって切り傷や擦り傷ができて血が滲んでいる。
「なんで、遊んでくれないの? 馬鹿!」
「赤ちゃんが産まれそうだからよ」
そんなの、大妖精には関係ない。遊んでくれないから怒りしかわいてこない。
「赤ちゃんなんか知らないよ」
「もうやめて、帰って」
大妖精は、諦めて帰っていった。その、恨みのこもった表情は想像に耐えない表情だった。
それから、半日後、ついにチルノは産気づいた。子宮口が開いて、破水している。でも、本能とはすごいもので、誰にも教えられていないのに産み方を知っている。誰の力も借りずに一人で産むのだった。2時間ほどで足から、子供が出てきた。逆子だ。
「痛いよ〜」
このままでは、母子ともに危険な状態だ。それでも、母性本能剥き出しで産みだそうと腹に力を込める。ドカンの中は戦場だった。
「早く、赤ちゃん」
チルノの願いは、叶った。無事にチルノは赤ちゃんを産んだのだった。すぐに、赤ん坊の鼻に吸い付いて、羊水を吸出し吐き出す。更に全身を舐めて、体温を上げようとする。
みるみるうちに、赤ん坊の毛艶は良くなっていった。全身茶色い毛の赤ちゃんは、産声をあげはじめた。チルノは、それが嬉しかった。
「アタイの赤ちゃん」
臨月に入って、発達していた乳房に赤ん坊は吸い付いた。とっても、食欲旺盛な茶色い赤ん坊だった。チルノは、満ち足りた顔して、頭を撫でた。
ところで父親は誰なの?
作品情報
作品集:
5
投稿日時:
2012/10/28 09:04:26
更新日時:
2012/10/28 18:05:18
評価:
4/5
POINT:
360
Rate:
12.83
分類
チルノ
大妖精
でも、チルノちゃんはHだから、この子のパパが『何』か、わかんな〜い!!