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『オオガミ様』 作者: 穀潰し
ある若い大工に普請の仕事が入った。
何でも山の中にある『オオガミ様』とかいう神を祀った古神社の修繕らしい。
大工は、今こそ自身の力を見せ付けるべきと勇んで現場へと乗り込んだ。
場所は山奥、続く道は獣道とすら呼べないような物。
だが大工はむしろ奮い立ち、なにくそと兄弟子の力も借りて数日かけ道具と材料を運んだ。
そして現場を目にした宮大工、彼の眼に映ったのはもはや小屋とも言えるような神社だった。
いや、小屋と言うよりあばら屋と呼んだほうが正しいほど小さく、状態も酷い物だった。
床や天井は腐って抜けており、建てつけも歪んでいる。装飾など風雨に曝され残っているものの方が少ない。
だがそんな現状を大工はむしろ楽しんでいた。やるならとことん出来る方がいい、と。
前向きな大工であった。
彼は事前に山の巫女から習っていた儀式を行うと作業に掛かった。親方から預かった図面を神社を睨めっこし、修復していく。
ただ一人孤軍奮闘する彼を、鳥居両脇にある狼の灯篭がじっと見詰めていた。
数週間が経過し、神社の修復もそれなりに進んで来た。
一度監督に来た親方にお褒めの言葉を貰ったのが効いたのか、大工は寝食も忘れ作業へとのめり込んでいった。
自身の手で見違えていく神社が、楽しくて仕方なかったのだ。
そんな彼を、狼の灯篭がじっと見詰めていた。
ある日、内部の施工に執心していた大工。
ふと気付くと、辺り一面暗闇となっていた。
これはまいった。夕刻には帰宅する予定だったため、宵越しの準備など何一つしていない。かと言って提灯も無しに獣道を下るなど自殺行為に等しい。
仕方無しに彼は神社の一角を借りることを居るのかわからない神に挨拶すると、すきっ腹を騙し騙し、そのまま萱に包まり眠り込んでしまった。
どれぐらい眠ったのだろうか。若大工はふと眩しさに目を覚ました。
日の光にしては柔らかすぎるそれが、行灯の光だと気付くのに彼は随分と時間を有した。
ぼんやりとしている彼に声が掛かる。
「大工様、日々のご普請、まことにご苦労様です」
声の方角に目をやれば、白髪の少女が正座をしていた。巫女服を纏い、姿勢良く正座している少女。
はて、このような所に人間の、ましてや少女が居るはずもない。なにより、少女の頭頂部からは狼のような耳が一対のぞき、感じる気配も人の物とは違っていた。
すわ化生の類かと大工道具を引き寄せる若大工を視線で制し、少女は口を開く。
「主様より、本日は大工様がお社でお休みになられているのでお世話するよう申し付けられております。まずはささやかではございますが、酒肴など用意させて頂きました」
そう言って少女は、大工の前に膳を差し出す。少女の一挙一足とともに、短く切り揃えられた白髪がさらりとゆれた。
よくよく見れば少女は随分と整った顔をしていた。涼やかな目元、ふっくらとした頬、蕾のような唇と程よい高さの鼻。大人と言うには後一歩及ばないが、十二分に見目麗しい少女であった。
訝しがりながらも若大工は首を捻る。
獲物の為に、わざわざ食事など用意するだろうか。何せ大工は先程まで眠りこけていたのだから、彼を殺す機会など幾らでもあった筈。
ふと気が緩んだ瞬間に、空腹が緊張に勝ったのだろうか、途端に大工の腹がぐうぐうと鳴り出した。
その音が聞こえたのだろう、少女はくすり、と涼やかな笑みを浮かべる。その笑みに大工は胸を高鳴らせた。
「さ、ご遠慮なさらずに」
差し出される徳利。少女でありながら、動きの一つ一つが妙な色香を纏っている。
しばし少女と徳利を見比べ、やがて若大工はままよと猪口を取った。今までの疑心を誤魔化すかのように、勢い良く突き出された猪口に少女は酒を注ぐ。
くっ、と空けると、これが人肌ほどの熱燗で、甘く濃厚な米の味がした。
「うまい」
思わず若大工は唸る。これほどの酒、里の酒造でもお目にかかれるかどうか。
大工の言葉に少女は表情を綻ばせ、それはようございました、と告げる。
一口物を口に含んでしまえば、あとはまま。
大工は先程までの警戒心も何処へやら、次々と膳へと箸をつける。大盛りの白飯へ、山菜の味噌汁へ、川魚の焼き物へ、野菜の煮物へ、箸休めの漬物へ。
これまた絶妙のタイミングでお酌をしてくる少女も相まって、若大工はあっという間に膳を片付けてしまった。
「いや、ご馳走だった」
「お粗末さまで」
大工の言葉が嬉しかったのだろうか、頭頂部にある耳がぴこぴこと揺れる。狼のような耳を目にして、大工はこの神社の紳使が狼だったことを思い出した。
「貴女様はオオガミ様なる方の使いであろうか」
「ふふ、そのようなものです」
少女に煎れてもらった食後のお茶を啜りつつ、若大工が零す。それに少女は笑みを返しながら応えた。
「大工様には御勤めは常日頃から目にさせて頂いておりました。主様も大変に喜んでおります」
「持ち主からそう言われるのは、冥利に尽きる」
「ただ、大工様は少々根を詰められております。このような場所で一泊されてはお体にも障りますし、ご家族も気を揉まれますが」
「恥ずかしながら男寡でな、家に戻ったところで一人寂しい身よ」
酒が回ってきたのか、大工は随分と饒舌になった。ぼんやりとした頭でべらべらと身の上を話す。
それを黙って聞いていた少女が、唐突に立ち上がった。
「それは大変でございましょう。私でよろしければ、お相手させて頂きます」
「は?」
間の抜けた声を若大工が上げると、少女はそれに応えるよう、しゅるり、と衣擦れの音を残して、あれよあれよと産まれたままの姿となった。
「な、何を……」
「申し上げたとおりです。お世話をさせて頂く、と」
瞳を潤ませ、少女が大工へと圧し掛かる。そのまま、硬直している大工の片手を取ると、自身の乳房へと押し当てた。柔らかな感触の裏から早鐘のような鼓動が伝わる。
「お察しくださいませ。仕方無しであれば、これほど心の臓が脈打ちましょうか」
熱を帯びた瞳で大工を見詰める少女。蕩けた表情が大工の理性を打ち壊す。
よくよく見れば、大人まで後一歩という面影とは裏腹に、少女の体は充分に熟れていた。
柔らかさと艶さを残す首筋から肩の線、大人の手でも余ろうかと言う大きさながら、形良く整った乳房とその頂点で控えめに自己主張する桃色の乳首、細く縊れた腰とむっちりとした尻、そして若大工の目の前にある股間には茂み。僅かに開かれた太股を伝う水滴は、汗でないことは明白であった。
行灯の仄かな光に照らされ、それはそれは美しく、妖艶なものであった。
「……はぁ……」
思わず手に篭った力によって、少女の乳房が形を変える。それに少女が悩ましげな声を上げた。
その声がごくり、と生唾を飲み込む若大工の脳を揺さぶり、正常な思考をかき消した。
気付けば若大工は少女を押し倒していた。赤子のようにその乳房に吸い付き、両手で揉みしだく。その頂点の突起は既に堅く屹立しており、少女自身火照っているのは明白だった。
「ふふ、そのように赤子のように吸い付いて……」
ちゅぱちゅぱと音を立てて乳房を味わう大工の頭を優しく撫でる少女。全てを許容するその態度に、何処か人恋しかった大工は、もはや歯止めが利かなくなった。
勢いのまま大工が手を伸し、むっちりとした、手に吸い付くような太股をなで上げる。そのまま付け根へと指を差し込めば、そこは既に汗以外の汁で濡れそぼっていた。
「ぁあっ……」
少女が一つ声を上げるたびに、大工は理性を失う。すでに蜜壷となったそこをかき回し、少女の嬌声を楽しんだ。
「やっ……そ、その様に、ひぃ、あっ……あっ、ぁあっ!!」
やがて、一際高い声を上げたかと思うと、少女が腰を震わせ、そして脱力する。だらしなく開いた股座から愛液を噴出しつつ、少女は体を痙攣させ、余韻にひたっていた。
一方大工は痴態を目にし、痛いほどの屹立した己の物を少女の秘裂へと宛がった。
「んひぃっ!!」
遠慮もなく、じゅぷり、と卑猥な音を立てて、大工は一息に少女を貫いた。達した直後の敏感な秘所を抉られ、少女が声を上げる。
そんな彼女に構わず、大工は蜜壷へと差し込んだ一物を激しく前後させる。その度に少女は声をあげ、きゅうきゅうと大工を締め付けてくる。ふたりの結合部はぐちょぐちょと卑猥な音を立て、床へシミを作る。
「っぁあ゛、あ゛っ!! ぁああ゛っ!! あ゛っ!!」
ごりごりと少女の内壁を抉る。少女は少女で舌を突き出し、ただ嬌声を上げるだけであった。
随分と日照りの続いていた大工に、生物とも言える少女の秘所を絶えるなど不可能であった。
少女のことなど考えられないほど、もはや犬畜生のように腰を打ち据え、抉り、味わう。そして一際大きく打ち据えると、腰を密着させ震わせた。
と、同時に大工の一物から、白濁液が吐き出される。
「はひぃっ!!」
子宮を精液に叩かれた少女も舌を突き出し再び達した。男はひたすらに少女の中に精を残そうと、少女は最後の一滴まで男から搾り取ろうと、もはや営みなどという優しいものではなく、純粋な生殖行為を行った。
やがて出し尽くしたのか、男が少女から一物をひきぬく。ぬぽりっ、と卑猥な音を立てて引き抜かれたそれを追う様に、秘所からは黄ばんだ白濁液が零れた。
「……ふふっ」
よほど消耗したのか、床にへたり込み肩で息をする大工を見て、少女が口元を緩めると立ち上がった。
収まりきらなかった精液がぼたぼたと少女の股間から滴り落ちる。その姿に、大工の股間は再び力を取り戻す。
「とても、美味しそうです」
そう呟くと、少女は大工の股間に顔を埋め、彼の逸物を口に含むと。
ぶぢゅりっ、と。
噛み千切った。
大工の絶叫が響く。壊れたポンプのように血液を噴出す股間を抑える彼を見下ろしながら、少女は口の中の肉塊をぐちょぐちょと咀嚼する。
「ああ、美味しい」
口元を真っ赤に染め、妖艶に微笑む少女。口の中の物を存分に味わうと、ごくりと、それを嚥下した。それを呆然と見詰める大工を見返すと、口元から鋭い犬歯を覗かせ呟く。
「もっと食べたい」
「早苗、さっき白狼天狗が巫女服返しに来たけど何かあったの?」
「ええ。何でも趣味と実益を兼ねたお仕事だそうで」
「……ああなるほどね。まぁた運の悪い奴が釣られたか」
「まぁ、私としてもここ以外の神社なんて無くても困りませんし、なにより……」
「なにより?」
「犬を躾けるのは餌を与えるのが一番早いですから」
にたり。
オオガミ=大神=狼=大噛
まずはここまでお読み頂き有難うございます。筆者の穀潰しです。
本来なら早苗さんの仕事のはずでしたが、唐突に椛とイチャイチャしたくなってこうなりました。
題名自体は言葉遊びです。
では、少しでもお暇潰しになれば幸いです。
>NutsIn先任曹長殿
定番ゆえに外れの無いオチ。
因みに題名を思いついたとき、日本語の豊かさに驚きました。
>2氏
ほら、昆虫とか生殖行為が終るとたいてい雄が栄養に成るじゃないですか。
それと同じように。
>3氏
正直こんなこと言われたら相手が妖怪でもくらりと来てしまうと思うのですよ。
もみじもみもみ。
>んh氏
青蛾娘娘が アップを はじめました。
妖怪を無理やりやるのも好きです。
>ギョウヘルインニ氏
あちらの巫女も、こちらの妖怪も、本質は似たり、ですね。
>海氏
有難うございます。巫女椛は完璧自身の趣味です。
>まいん氏
大神神社は現実でも結構あるので頑張ってください。
確かに普段の服装の椛も素敵です。ですがたまには味付けを変えたくなる。そういう自由があってもいいと思うんだ。
穀潰し
- 作品情報
- 作品集:
- 5
- 投稿日時:
- 2012/12/19 01:10:20
- 更新日時:
- 2012/12/26 15:32:17
- 評価:
- 7/7
- POINT:
- 700
- Rate:
- 18.13
- 分類
- 犬走椛
- モブキャラ
- 12/26返信
説明でより面白くなりました。
それはともかくとして、短いけど琴線に触れるいい誘い言葉ですね、椛の。
こうやって妖怪に色仕掛けで食われてみたいわー
巫女椛とは、まさに新世界。
それと、巫女装束よりも
普段の服か香霖堂の天狗装束の方が似合っていると進言させて頂きたい。