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『楽しい楽しい苦痢棲魔巣派悪諦』 作者: NutsIn先任曹長

楽しい楽しい苦痢棲魔巣派悪諦

作品集: 5 投稿日時: 2012/12/23 15:13:21 更新日時: 2013/12/24 22:38:28 評価: 8/8 POINT: 800 Rate: 18.33
ひらり、ひらり。

青が舞う。

はらり、はらり。

美女が舞う。

しゃなり、しゃなり。

邪仙が舞う。





博麗神社で催された、聖夜の宴。

霍 青娥は妖艶な舞いを披露していた。

その美貌の笑顔は、若干引きつっていた。





上座におわすは二人の女性。

一人は少女。

楽園の素敵な巫女、博麗 霊夢。

一人は美女。

神隠しの主犯、八雲 紫。



からん。



料理を賞味していた紫の手から、箸が落ちた。

宴の喧騒がさぁぁ……っ、と静まり返った。

霊夢が立ち上がった。
その顔に、表情は無かった。

「ひ……」

青娥の顔は、恐怖に彩られた。

「ねぇ……」
「お、お待ちになって!! もう少し待っていただければ、ほら、娘々のオッパイポロリがあるかも――」
「今、私が話してんの」
「!! ……」

霊夢の一喝、いや、静かな一言で、青娥は胸をさらけ出そうとした手が、一切の動きが、停止した。



「いつになったら、入るの?」



舞台上。青娥の背後。

先程から異様な存在感を放つ、水槽。



縦横それぞれ2メートル程の正方形の水槽には、透明な液体が満たされていた。
その水槽には梯子が立てかけられており、伊吹 萃香が上って、網で液体に浮いている生き物の死骸を回収していた。
そのナマズとサンショウウオを混ぜたみたいな生き物は『酒虫』という、水を酒に変える生物である。
それが5〜6匹、死ぬまで酷使され、水が満たされた水槽を美酒の牢獄に作り変えた。
ちなみに、回収された酒虫は酒のアテに料理される。

さらに、この水槽には土嚢のような袋が一つ入っていた。
袋には様々な霊薬の材料に使われる薬草類がぎっしり詰まっている。
これで酒虫が作りだした酒は、聖なるお神酒となった。



霊夢達がさっきから待っているのは、

青娥の水槽からの脱出ショーである。





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暦は師走になり、八雲 紫が冬眠に入る日が刻一刻と迫ってきた。
紫と相思相愛の仲である霊夢は情緒不安定になり、それを心配した紫は可能な限り冬眠の時期を遅らせた。
だが、そろそろ紫は限界に近づき、眠たげな彼女を見た霊夢は自分のために苦しむ紫を見て、さらに苦しんだ。



師走も半ばを過ぎ、人里に買出しに来た霊夢は、煌びやかな商店の装飾に目を細めた。

(そうか……、もうすぐ『クリスマス』だったっけ……)

電気屋のショーウィンドウに展示された、幻想入りしたビデオやテレビゲームの表示装置に改造されたテレビ。
そこには若干のノイズと共に、冬の夜の町を並んで歩く、垢抜けた男女が映し出されていた。

二人は互いにプレゼントを渡し、感極まり、接吻へと。
キスシーンで、電気屋の前を通りかかった人妖達が一瞬歩を止めたのは御愛嬌である。



みこーん!!

霊夢は天啓にうたれた。

それだ!!

霊夢は神社に戻ると、陰陽玉の通信機能で、紫の右腕である式神の藍に連絡を取った。
呼び出された藍に、霊夢は『クリスマスパーティー』の企画を打ち明けた。
いつもの宴会と異なるのは、参加者はパーティー運営に貢献した者以外、紫のために一芸を披露する事が義務付けられていることである。
紫を喜ばせた者にはクリスマスプレゼントとして、霊夢ができることであれば何でも願いを叶える事にした。
霊夢と藍は話し合い、企画は細かい点まで詰められた。



クリスマスパーティーのお知らせは、幻想郷中に告知された。

宴会好きな幻想郷の住民達は、こぞって参加を決めた。

ある者は、単純にドンチャン騒ぎを楽しむため。

ある者は、『クリスマスプレゼント』目当てで。

ある者は、風紀の乱れを取り締まるという名目で。

年末年始は忙しくなる守矢神社や命蓮寺も、総出で来るそうだ。



クリスマスパーティー当日。

賑々しく飾り立てられた博麗神社。

霊夢やパーティー運営を志願した者達による、華やかな料理。



続々と神社にやって来た参加者達。

参加者が全員来た事を霊夢に知らせる藍。

眠たげな紫、幽々子等と談笑していた霊夢は、神社一帯を結界で封鎖した。

一部参加者はドキリとしたが、パーティーが終わったら解除される旨を知らされると、一応動揺は収まった。



全員に飲み物が行き渡ったことを確認した霊夢は、乾杯の音頭を取る前にお詫びをした。

「ごめんなさい。今宵のクリスマスパーティーの案内状に書き忘れたことがあるの」
「あらあらぁ、霊夢ったらドジッ娘ねぇ」
「てへっ」

紫の突っ込みに舌を出しておどける霊夢。
もう酒が入っている一部の参加者は爆笑した。

「こほん、えー、じゃあ、その内容を今更だけど言うわね」

笑顔で会場を見渡し、静まったことを確認した霊夢は言葉を続けた。

「皆がやる余興だけど、紫にウケたのをやった者には、私がプレゼントをあげるって事は承知しているわね」

頷く一同。

「逆に、紫を怒らせたり退屈させたヤツ。そいつは私が退治するから。その事を書き忘れてごめんなさいね」

どっと笑いが巻き起こるパーティー会場。

だが、少なくない数の者達の顔は引きつっていた。
霊夢は本気だと、細められた彼女の目が異変解決時のそれだと気付いた者達である。



「では、メリークリスマス!! 乾杯!!」

「「「「「 乾杯!!!!! 」」」」」



思ったより、参加者の乾杯の声は大きくなかった。



こうして、冬眠前の紫に捧げられた聖夜の宴は始まった。





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参加者の余興は、どれも紫に好評だった。

先程のチルノ、大妖精、ルーミア、ミスティア、リグルの五人による、お遊戯みたいな歌とダンスは、紫にバカ受けした。

彼女達の――主にチルノの願いは、『おうどん食べたい』だったので、すぐに霊夢が乾麺を茹でて作ってくれた。
さらに、余興の後に料理作りも率先して行なっているミスティアの覚えはめでたかった。
紫は直々にミスティアを呼び出し、そろそろ店を構える気はないか、と言ってくれた。
藍は人里付近の適当な空き店舗の資料をいくつか取り出し、ミスティアに渡した。
これでミスティアの幻想郷での未来は明るいものとなった。



(ふふ……、あんな児戯が高評価なら、私の芸なら一発合格ですわね)

霍 青娥は、かんざしを舐めながら妖艶に微笑んだ。

特設ステージに、青娥が使用する巨大水槽が搬入された。

「スーパーイリュージョンができるのは、露出狂の九尾だけじゃありませんわよ……」
「青娥殿、先程からどす黒い欲がだだ漏れなのだが……」

豊聡耳 神子が心配そうに話しかけてきた。

「いえいえ〜、御心配なく」
「なら良いのですが……」

青娥がすっとぼけると、神子は釈然としない顔で、布都や屠自古がいる一角に戻っていった。

「霍 青娥さん、準備をお願いします」
「はいは〜い」

紅魔館の門番を務める、華人姿の妖怪が青娥を呼んでいた。
今回紅魔館は、聖夜を祝う宴の裏方仕事を引き受けたそうだ。

舞台袖に控えた青娥は、紫にあーんさせて料理を食べさせている霊夢を見た。

(霊夢様……、褥では、どんな痴態を見せてくれるかしらね……)

青娥の希望するプレゼントは、『霊夢に実験に付き合ってもらう』である。
嘘はついていない。

ちょっと青娥の床技で蕩けてもらった後、ヤンシャオグイの母胎になってもらうだけである。

鏡台に置いた、封印の施された小瓶に入った胎児を、青娥は愛おしそうに見つめた。



『――次は、霍 青娥さんの登場です!!』

割れんばかりの拍手と歓声に包まれ、舞台に登場した青娥は周囲に愛想を振りまいた。



「御紹介に預かりました、霍 青娥でございます!!」

青娥の自己紹介と共に、彼女のキョンシーである宮古 芳香が両手に拘束具を持って現れた。

「私の演目は、『水槽からの脱出』ですわ!!」

上がる歓声。

「ここにある拘束具を纏い、水槽の水の中に沈み、溺れ死ぬ前に見事に脱出して見せましょう!!」

また歓声。

満面の笑みを浮かべ、すっかり気を良くした青娥。



「なんか、もう一捻り欲しいわね〜」



紫が杯を傾けながら、気だるげに漏らした。

途端に静まり返る会場。

「と、申しますと?」

冷や汗を流しながら、お伺いを立てる青娥。

紫は青娥には答えず、霊夢の耳打ちに頷いていた。

「萃香、ちょっと」

霊夢は、地底の連中と飲んでいた萃香を呼び出した。
霊夢は、今度は萃香に耳打ちをした。
萃香は了解すると、霊夢が一時的に開けた結界の穴から出て行き、数分で大きな甕を持って帰ってきた。

「ちょっとごめんよ」

萃香は舞台に上がると、水槽に甕の中身を入れだした。
投入されたのは、何匹もの酒虫だった。

萃香と入れ替わりに、霊夢が空を飛んできて、両手で抱えていた薬草入り大袋を水槽に放り込んだ。

「あ、あの……、何をしていらっしゃるのかしらぁ?」
「んぁ? 水槽の水をお神酒にしてんのよ」
「へ!?」
「聖なるお酒からの大脱出!! 聖夜と、ちょっと早いお正月らしくて良いでしょ」

邪仙にお神酒……。
性質の悪い冗談だとしか思えない。

さらに霊夢は水槽と拘束具に手を当ててなにやら念じていた。

「これらに結界を施したから、脱出する時は解呪を忘れないようにね」

勝手に難易度を上げられた!!

「そ、そんな!! 失敗したら死んでしまいますわ!!」
「命懸けだから面白いんじゃないの。それに、紫を退屈させたら私に退治されんだからいいじゃない」

青娥の抗議に、非道な答えを返す霊夢であった。



水槽では、萃香が竹竿で酒虫を突いて酒造りをしていた。

「まだ時間がかかるみたいだから、場つなぎに踊りでもしてて」

霊夢の言葉に、青娥は活路を見出した。

(天女の舞いと評された、この娘々の踊りで、一同を骨抜きにしてあげますわ!!)

生唾を飲み込んだ青娥は落ち着きを取り戻し、見る者を魅了する舞いを披露した。

(さあ!! いかがですか!? 霊夢様!! 紫様!! 娘々の踊りに魅了されましたか!?)

残念ながら、主賓の紫と霊夢は、互いに料理の食べさせ合いをしていて、舞台は見ていなかった。

そして他の参加者は、「あたいのダンスのほうがさいきょーよ!!」などと抜かしたチルノの即興ダンスに手拍子をしていた。

(わ、私の舞よりも、ガキンチョがジタバタしているほうが、何でウケてますの〜〜〜〜〜っ!?)

仙術を極めた筈の霍 青娥は、この時初めて、『理不尽』という言葉の意味を理解した。



「霊夢〜、準備できたよ〜」

全ての酒虫の命と引き換えに、水槽の水をお神酒に変換できたようだ。

青娥は聞こえない振りをして、ただ舞い続けた。



からん。



箸の落ちた音が、パーティー会場に響いた。





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水槽いっぱいのお神酒からの脱出を強いられた青娥。

絶体絶命の状況である。



「さあ、お着替えしましょうね」

酔いが回ったのか、若干の劣情を含んだ目をした霊夢は、青娥の服を引き裂いた。

「きゃ!? お止めになって〜!!」
「じゃあ、早く着替えなさいよ」

霊夢は下着姿に剥かれた青娥に拘束具を放り渡した。



「せーがを、いーじめーるなーっ!!」

青娥と霊夢の間に、芳香が割って入った。

「芳香……」
「あのね……、これはあんたのご主人様がグズグズしているのがいけないのよ――」
「うるさいうるさーい!! せーがを、いじめるなー!!」

芳香は青娥を守るように作られているが、今の彼女は自分の意思で判断して、青娥を守ろうとしていた。

青娥は、不覚にも、目頭が熱くなってしまった。



冷めた目をした霊夢。

「芳香……」
「なーんだーっ!?」

霊夢は、芳香の目の前に、酒虫の塩焼きを突きつけた。

「食べる?」
「たーべるー!!」

お札の下の表情を怒りから喜びに切り替えた芳香であった。

「こっちにいろんな物があるから、それも食べていいわよ」
「おー!! おまえ!! いいやつだなー!!」

塩焼きを串ごと噛み砕きながら、芳香は霊夢を絶賛した。

己の主が受けた屈辱など、腐った脳細胞はとっくに消去していた。

「芳香ぁ……、裏切りましたわねぇ……」

青娥は、先程とは違った意味で涙を流した。





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結局、青娥は霊夢と萃香に無理矢理、拘束具を装着させられた。

青娥は、豊満な胸を絞られ、股間が無骨な鎖で擦られ、両手両足に皮製の手錠、足錠がはめられ、それらを短い鎖で繋いで海老ぞり状態にされた。

止めに穴開きボールの猿轡をはめられた青娥は、会場からの、いっせーのーせっ!! の掛け声と共に、水槽に放り込まれた。



ざっぶ〜〜〜〜〜んっっっ!!!



水槽から上がる水柱、否、酒柱。

「ぶっ!? ぶごっぼほぉっ!?」

気道に度数の強い酒が入ってしまい、むせる青娥。
もがく、というよりも蠢きながら酒に没した青娥は、自由に動く頭を懸命に振った。

拘束具が擦れ、ブラジャーがめくりあがり、片方の乳房が露になった。
薄手の生地が仇となり、ショーツが破れ、股間に当たった鎖に巻き込まれた陰毛がブチブチと抜けた。

「〜〜〜〜〜っ!?!?」

酒の中で頭を振り続ける青娥。
その甲斐あって、かんざしが髪の毛から抜けた。
解けた髪の毛で視界が遮られるが、気にしている暇は無い。

水槽の底に沈んだかんざしを取るため、青娥は水面を見る体制になった。
まるでクラゲだ。
青娥は女性器が丸見えになる姿勢でかんざしを探し、何とか拾うことができた。

バチィッ!!

手首に衝撃を受けた青娥は、かんざしを落としてしまった。
霊夢が施した結界で、かんざしの壁抜け能力が弾かれたのだ。

青娥は苦痛のおかげで、酒の酔いと酸欠の朦朧さから、一時的に抜け出すことができた。
再びかんざしを探し出して掴むと、今度はてこの原理で皮ベルトを外し始めた。
片手が自由になった後は、比較的早く、他の拘束も外せた。

いよいよメインの、水槽からの脱出だ。

今度は水槽の結界を解除して、壁抜けで脱出しなければならない。
かんざしをペンのように持つと、青娥は空いたほうの手で水槽を撫でた。
すると、手の触れた箇所に術式が浮かび上がった。
霊夢が簡易的に施した結界なので、式は比較的単純だった。
青娥はかんざしを式に当てた。

バチッ!!

また手を襲う衝撃。

手元が狂ったのだ。

(力が、出ない……!?)

水槽を満たしているのは、只の酒ではない。
一応神職にある霊夢が手を加えたお神酒である。

酒に宿った霊が、青娥の邪法を阻害しているのだ。
ましてや、ここは幻想郷。
酒に愛された創造主のセカイである。
流石の青娥も『酒に呑まれた』状態では、真価を発揮できない。

こうしている間にも、青娥の身体に清い酒が浸透し、酸素は消費されていった。



(ひ……、嫌、嫌ぁ!! 娘々、逝っちゃう!! 逝きたくないですわぁぁぁぁぁっっっ!!!)



とんと御無沙汰だった死の恐怖。

青娥はパニックになりかけた。

股間付近の酒が、少し黄色く濁った。

(ふぅ〜〜〜〜〜っ、ふぅ〜〜〜〜〜っ、…………っ)

混濁する意識。
二重三重に見える視界。

青娥は恐怖で引きつった顔を水槽に近づけ、術式を凝視し、カリカリとかんざしで解除していった。

一行目、クリア!!
二行目、クリア!!
三行目……、ミス!!

顔面を襲う衝撃!!
顔を近づけていたのが災いした。

鼻血を流してのけぞる青娥。

視界が酒を漂う赤いもやで、より見えづらくなった。

痛みが鈍く感じられる。

青娥は再び水槽に顔を近づけ、術式解除を続けた。



「なかなか頑張るじゃない、あの邪仙」

舟をこぎ始めた紫の横で、グラスを傾ける霊夢に、紅魔館当主のレミリア・スカーレットが話しかけてきた。

「紫が楽しめないのなら、無意味よ」
「はぃっ!? 私、寝ちゃった?」

名前を呼ばれた気がして、紫が飛び起きた。
寝ぼけた紫は、レミリアが被った赤と緑のピカピカとんがり帽子を見て笑った。

「残念。あんたも余興に参加していたら、プレゼントがもらえたのに」
「悪魔が聖夜の贈り物なんぞ貰えないわよ。これもまた、運命よ」

レミリアは大人びた口調で答えた。



ボコンッ!!



水槽に、ポッカリと穴が開いた。



青娥と大量の酒が穴から噴き出した。

穴は、青娥が出てすぐに自然に消えた。

水槽脱出に成功したようだ。



酒に塗れ、ブルブルと震える青娥。

まるで、生まれたばかりの子馬のようだ。



「ブラボーっ!!」

紫は立ち上がると拍手をした。

遅れて、霊夢や他の参加者達も拍手をして、青娥の偉業をたたえた。



まだ意識が朦朧としている青娥の元に、拍手をしながら笑顔の霊夢がやって来た。

「おめでとう、合格よ。で、あんたの望みは?」



青娥は、欲しい『プレゼント』を口に出した。



「お医者様を……、呼んで……」

「分かったわ。えーりーんっ!! 急患よ〜!!」





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クリスマスパーティーの余興はその後も続き、結局、紫は全てを受け入れ、褒め讃えた。
霊夢は約束通り、余興を行なった者達の願いを、サンタクロースの如く叶えてあげた。
みんな欲がないのか、霊夢に無茶な要求をする者はいなかった。

ただ、一部の出し物は行なう前に紫からのダメ出しで、青娥の出し物のように難易度が上がったり、急遽内容が変更になった。

内容変更の例として、古明地 さとりは黒ストッキングを穿いて『サドり様の調教ショー』なるものをやろうとした。
だが、殺意の篭った紫の視線を受けたさとりは、心ではなく空気を読んで、ストッキングを被った銀行強盗コントに変更した。


みんな、飲んで食べて、歌って踊って、弾幕ごっこに興じ、若干名は死にかけて、聖夜の宴は賑々しく進行していった。



シメの氷菓を美味しく頂いた後、紫の眠気はピークに達した。



藍と霊夢は視線を交わし、パーティーをお開きにすることにした。



閉会の挨拶は、眠気をおして紫が行った。





「皆様、本日は私のために、こんな素晴らしい催しをしていただいて、感激の極みですわ」

紫は、今年はこれで見納めとなる、幻想郷の主要な者達を見渡した。

「私はしばしお暇を頂戴いたします。次に皆様に会えるのは、来年の春ですわね」

傍らに控える涙目の霊夢に笑顔を一瞬向けると、紫は再び正面を見た。





「これで、今宵のクリスパスパーティーを終了します。

 皆様、良いお年を!!

 そして、おやすみなさい!!」





「「「「「 おやすみなさい、紫!!!!! 」」」」」




 
メリークリスマス!!

クリスマスプレゼントぉ!?
てめぇで買ったビゾン短機関銃とRPKのリアサイトだよ!!

と、言うわけで、今回のSSは冬眠間近の紫のために霊夢が催したクリスマスパーティーの話……、に見せかけた青娥いぢめだな、これ。

タイトルは、『たのしいたのしいくりすますぱあてい』と読んでください。



2013年1月15日(火):遅ればせながら、新年、明けましておめでとうございます。
頂いたコメントに返事をさせていただきます。

>まいん様
レティじゃない黒幕キャラが霊夢においたをする作品を読むと、胃が痛くなるんですよ。
かと言ってそのキャラを毛嫌いするのもアレですから、三枚目にして親しみを持てるようにしました。

>ギョウヘルインニ様
明けましておめでとうございました。
今年もよろしく。

>3様
サークル『空道へのR』の多摩川薬莢さんの作品を参照してください(^ω^)

>4様
たまには、ね。

>5様
草が生えまくって、地球が緑に包まれますように(―_―)

>6様
掴みはオッケーだったようですね。Yeah!!


2013年12月24日(火):コメント返し追加

>県警巡査長殿
幻想郷のブルースチールは、冬の屋外に出しっぱなしの鋼鉄の如く、冷え切っていたようですね♪
警官を一人、人気の無い場所におびき出したから、プレゼントは自力で獲得してください。
NutsIn先任曹長
http://twitter.com/McpoNutsin
作品情報
作品集:
5
投稿日時:
2012/12/23 15:13:21
更新日時:
2013/12/24 22:38:28
評価:
8/8
POINT:
800
Rate:
18.33
分類
博麗霊夢
八雲紫
八雲藍
霍青娥
チルノ
その他、幻想郷の主要メンバー
ゆかれいむ
青娥いじめ
クリスマス
簡易匿名評価
投稿パスワード
POINT
1. 100 まいん ■2012/12/24 13:44:05
黒幕ぶった知的キャラが痴態をさらして慌てふためく様は最高ですね。
残酷さが低い描写はまさにいじめでした。
楽しく読ませて頂きました。
2. 100 ギョウヘルインニ ■2012/12/24 18:12:22
メリークリスマス!
今年もクリスマスがやってきましたね。
良い作品をありがとうございます。
3. 100 名無し ■2012/12/24 23:01:49
>サドり様の調教ショー
お願いしますッ!
4. 100 名無し ■2012/12/25 10:16:57
こういう話は作れるんだね
5. 100 名無し ■2012/12/25 18:54:17
www
6. 100 名無し ■2012/12/28 13:10:51
しょっぱなからクソワロタwwwww
7. 100 県警巡査長 ■2013/12/24 12:32:18
これはいい青娥いじめですね。紫も安心して冬眠できたことでしょう。

幻想郷警察の皆さんもそのクリスマスパーティに参加して日ごろ酒の席で培った芸を披露するもダダすべりして顔を制服のごとく真っ青にしているような光景が浮かびました。

僕はクリスマスプレゼントにニューナンブが欲しいなぁって思っています。(ボソリ)
8. 100 ふすま ■2014/06/17 23:20:11
青娥かわいそう。
でも青娥の痴態ならちょっと見てみたいかも
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