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『産廃10KB 「ナズーリンがもぐもぐしてるだけ」』 作者: 汁馬
人里が既に寝静まった時間。
本来は無縁塚に居を構えているナズーリンが珍しく命蓮寺の一室に泊まっていた。
部屋のちゃぶ台にはこれでもかと言わんばかりにさまざまな料理が置いてある。
ちゃぶ台だけではない。部屋の中にも大皿に乗った大量の料理が所狭しと置いてある。
「では、『後』は任せましたよナズーリン。よろしくお願いしますね」
「わかりました。後はお任せください」
彼女が出て行くと部屋はしんと静まり返る。
ナズーリンは箸を取り黙々と料理を食べ続けた。静まり返った部屋にかちゃかちゃと食器が擦れる音とナズーリンの咀嚼音が響く。
この部屋中に敷き詰められた料理を全て食べなくてはならないのだ。
到底一人では食べきれないであろう量だがその箸の運びには迷いはなく、その口には笑みが浮かんでいた。
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幻想郷では新たな戦いが始まっていた。互いに信仰や人気を集めるための戦いである。
命蓮寺もそれに参戦し、戦えるものは日夜信仰を集めるために幻想郷を駆け巡っている。
戦いは幻想郷の様々な場所で行われ、時には大勢の観衆が見守る中で行われる。
それを利用し、ポン菓子、水飴、おにぎり、焼きとうもろこし、そばなどの屋台や店が出店し始めた。
戦闘の行われている場所では連日、所狭しと軒を連ね品物を売っている。
そんな中、戦闘向きの力を持たないナズーリンは命蓮寺のために屋台に参入し、弁当屋を始めていた。
命蓮寺所属である以上肉や魚の料理はできないので野菜をふんだんに使った精進料理弁当である。
お弁当そのものの味や見た目の華麗さなどは代わり映えはしないがナズーリン監修の元、命蓮寺のメンバー全員が協力し朝早くから作っている。美しい女性達が作った弁当として人里の男達から人気を博していた。
だが、それ以外の理由でも弁当は売れていた。
食べると元気になる弁当。
その弁当は一部ではそう呼ばれている。
単なる噂やデマの類ではない。きちんとした実体験が合ってからそう呼ばれているのだ。
―――――これを食べたら妖怪も簡単に殺せるようになりました!(K,Sさん 職業:巫女)
―――――同居してる彼女といつもよりアツアツの夜を過ごせました(K,Kさん 職業:教師)
―――――このお弁当を縁に良い人とめぐり会えて今度結婚します!(N,Iさん 職業:竜宮の使い)
・・・・・・と、嘘か本当かこのような手紙が命蓮寺へと寄せられてきているのだ。
噂が噂を呼び、今では数百もの数を作っても数分経てばみんな売れてしまう。
この弁当を目的に来る者もいるくらいであった。
信仰を集める勝負ではどの勢力も互角の力で均衡を保っていたが、それ以外での信仰集めでは命蓮寺が抜きん出て信仰を集めていた。そう、弁当一つでそのまま決着が付いてしまうほどに・・・。
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「いやーしかし弁当作って売るなんて聞いたときには大して効果ないとは思ってたけどねえ。まさかこんなすごいことになっちゃうなんてね」
「普通に戦ってた私がなんかバカみたいね・・・」
「あなたもよくがんばりました。ありがとう一輪、雲山」
「そうそう、普通ああいう搦め手で信仰をもぎ取ろうなんて思わないよ。まさかあそこまで人気になるなんて思わなかったし」
「うんうん。気にする必要なんてないない」
「ありがとうムラサ、ぬえ・・・」
「でも材料は普通だしいつも食べてるものなのに何であんなに売れたんだろう?聖は知ってる?」
「・・・・・・いえ。でもつまみ食いはしてはいけませんよ?ぬえ」
「わかってるよう。なんでこんな売れたかだけ気になってたんだよ」
「いたずらで変な種を植え付けても駄目ですよ?」
「わかってるって」
「まあ、精進料理なんて普通の人は普段から口にすることはありませんからね。物珍しさに大売れしたんでしょう」
「そんなもんかねえ」
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人はパンのみに生きるにあらず、とは誰が言ったのだったか。
よく思い出せないがきっと徳のあるお偉い方が仰ったのだろう。
その身に神の力を宿した彼女の体液を分け、この料理を作った。
最初は半信半疑だった彼女もこの効果を見れば納得したようだった。
当然だ。代理とはいえ神の一部を食わせて力が湧き出てこない奴なんていない。
最初からこれが目的だった。
彼女の毛、彼女の涎、彼女の涙、彼女の皮、彼女の爪、彼女の垢、彼女の血、彼女の彼女の彼女の―――。
全て私が平らげてもいいのだ。
「ご主人。今の気分はどうだい」
「・・・・・・」
料理が敷き詰められた部屋のほんの隅っこにうずくまる様にして全裸の星がいた。
部屋の隅に料理によって追い詰められたかのようになっている。
現に追い詰められているのかもしれない。彼女の体液を使って作ったそれらの料理は星に嫌悪感を感じさせるだろう。
しかし、ナズーリンは気にせずに食事を進める。すでにちゃぶ台の大皿に乗った星の涎ソースと足の皮入り野菜炒めは消えてなくなった。
次に手を伸ばしたのは揚げ豆腐だ。それにも星の体液が使われている。しかも痴垢と大根おろしと混ぜてかけてある、ナズーリンの至高の一品である。
「どうして」
「うん?」
「どうしてこんな事をするんですか・・・!異常です!汚い!狂ってます!聖もどうしてこんな事を・・・!」
「別に汚くなんてないよご主人の体の一部じゃないか。本当は他の人間にあげるのは嫌だったくらいなのに」
「どうしてこんな事をするかと聞いているんです・・・!」
「愛しているからだよ。聖から聞いたよ?ご主人も私のことを愛してくれているんだって?両想いだね」
「私は・・・。私は・・・!」
星は混乱した。自分の体液や恥ずかしいものをパクパクと食べている彼女が本当に私の愛したナズーリンなのか?
「私はあなたのナズーリンさ。だから、あなたから出たものは愛する私が全部食べてあげるんだ」
揚げ豆腐の入っていた器を置いた。
その顔は満足そうに笑っている。
「一生をかけて食べてあげるよ、ご主人。」
ギリギリ5kbでした
タイトルがナズなのに星ちゃん愛
どっちも大好きだけど
タイトルとかミスってちょこちょこ直してしまいました
すいません
2月26日
コメ返しは終わってからですかね?
MSさんではなくてKSさんに直しました
大変申し訳ありませんでした
何で守矢って思い込んだのか・・・
汁馬
作品情報
作品集:
6
投稿日時:
2013/02/24 17:28:29
更新日時:
2013/02/26 12:12:16
評価:
15/16
POINT:
1160
Rate:
13.94
分類
産廃10KB
星
ナズーリン
2月26日アホなミスを修正
ところでM,Sさんって……?
あれ? 『いつも食べている』って……!? 命蓮寺の面子は、毎日こんなご馳走を食べているのか!?
蛇足だけど、巫女は『M,S』じゃなくて『K,S』じゃない?
それはそうと、"あなたのナズーリン"と言いましたね?
寅ちゃんからの逆襲は回避不能ですよ。 最もそれさえも受け入れてしまいそうですが。
あっさりしていますが流れがはっきりしていて読みやすかったです。
星ちゃんも役立ってるんだから文句言わないよーにね
さりげなくロリぬえちゃんが可愛い所もポイント高いです。描写は一切ないけどきっとこのぬえはロリ