魂体吸霊霊度法による種族の生体強度値の決定
報告者:河城にとり
提出日:2013/02/25
1.目的
幻想郷に生息する様々な種族の個体の生体強度値を魂体吸霊霊度法で測定し、種族ごとの生体強度値を決定する。
2.原理
個体としての生体強度値は時間(年齢)や環境などに依存する変数であり、生体の強さの指標などに用いられる。それに対して種族としての生体強度値は個体の生体強度値とは異なり時間や環境に依存しない固有の値である。
個体の生体強度値を種族の生体強度値で割った値を生体有効度という。生体有効度Pは0<P≦1の範囲をとる。
槌屋の法則が魂体吸霊霊度法の基礎である。強さE
0の霊波が生体の身体を通過したとき、霊波の一部が吸収されて強さEの霊波となったとすると、通過後の吸霊度Aは次の式で表される。
A=log(E
0/E)
個体の生体強度値Iは種族の生体強度値Sを用いて次の式で表される。
I=PS
よってSは次の式で表される。
S=I/P
生体の身体が生身であるときPを直接測定することはできないが、生体の身体が魂体であるときPはAと等しくなり4.3×10
-4という定数として扱える。
1)
これにより個体の生体強度値を測定することで種族の生体強度値を求めることができる。
3.実験方法
人間、先天性妖怪、後天性妖怪(元人間)、幽霊、鬼、妖精、毛玉、吸血鬼、仙人、天人、月人、河童、魔女、悪魔、神、死神をそれぞれ1名ずつ用意し、地獄にて実験体の身体を魂体に変え、生体強度計(製作:ニトリ)でそれぞれの生体強度値を測定した。測定日は初閻魔である2011/01/16、2012/01/16、2013/01/16で、計3度の測定を行った。
4.実験結果
実験結果を以下の表にまとめた。生データは添付したxlsxファイルに記載した。
表1.種族ごとの生体強度値
―――――――――――――――――――
種族 種族の生体強度値
―――――――――――――――――――
幽霊 8.0×104
人間 8.0×104
後天性妖怪 8.0×104
仙人 8.0×104
天人 8.0×104
月人 8.0×104
魔女 8.0×104
先天性妖怪 9.6×104
毛玉 9.6×104
妖精 9.6×104
河童 9.6×104
鬼 9.6×104
悪魔 9.6×104
吸血鬼 9.6×104
神 1.2×105
死神 1.2×105
―――――――――――――――――――
なお、天魔から提供された資料によれば天狗の生体強度値は3.6×10
5である。
5.考察
天狗という種は何よりも優れている。強さ、気高さ、美しさ。これほど素晴らしい種族は他所を探しても見つからない。幻想郷を支配する種は天狗を置いて他になく、他の種は天狗に支配されるべきである。
2)
天狗を妖怪に区分してはならない。世に語られている天狗像が正しい理解の元にないことは明白であるにもかかわらず、その事実は世に明らかでない。天狗に遅れを取る種が天狗を理解した気でいるのはまことに嘆かわしいことである。
3)
神など聳え立つ糞でありその糞に群がる屑なる種は蛆である。彼の地に神社を建て我が物顔で居座り続けるペニス奴隷の寄生虫共は地獄の苦しみを受けなければならない。
4)
白狼天狗は鴉天狗に対する批判を口にしてはならない。白狼天狗は鴉天狗により認められた物以外を口にしてはならない。白狼天狗は天狗ではあるが立場を弁えなければならず、決してその立場を度外した行動を取ってはならない。
5)
「1.目的 我が身体を歯車に変えて天狗様様様方の捻じ曲がりなさったありがたきご威光を愚民に伝える」
6)
「給料が減っているのに労働時間が増えている」「サービス残業もな」
7)
「あなたの今日のラッキーアイテムは“文々。新聞”です」
8)
「ひたすら眠くて悲しいのに泣けず下り坂を走り続けるが止まりたくても止まれないので夢であってくれと願った直後に目覚めたが結局はそれも夢だった」
9)
「やっぱ天狗は金持ってるよな。上等の機器に地獄での実験許可、実験体の面々」
10)
「ボーナスが無くなった」「おれは職無しだ。嘘でしたって誰か言ってくれねえかなあ」
11)
「今月は無償労働月間です」
12)
「生まれてはじめて自分の尿を飲んだ」「おれなんて尿すら出ないぜ」
13)
「天狗の生体強度値は3.6×10
5と載せろだって。そんなことできるか。妖怪と一緒に決まってるじゃないか。誰が信じるんだ、神の3倍って。ほんと無茶苦茶だよ。てかさ、生身の生体有効度って0.01から0.1なんだよね普通は。雑魚とか食料とか天才とか化け物扱いされるような奴らだってこの中に収まるのがほとんどだ。だから天狗は神より優れた種族だなんていうよりも天狗の個体の生体有効度の平均が0.1を超えているっていう結論のほうがずっとましと思うんだけどな。種族の生体強度値なんて調べればばれるんだからさ。まあ河童ごときが天狗のやり方に口出しはしませんがね」
14)
「今年は鴉天狗にとって素晴らしい年となりました」
15)
「今年も鴉天狗にとって素晴らしい年となりますように」
16)
「殺さなきゃ死ぬ」「クーデターだ」
17)
「姫海棠はたてー、天魔様のものまねやりまーす。えー、わたしはー、天魔だー。天狗でない者は―、死刑だー。守谷一派はー、晒し首だー。生意気な白狼天狗共はー。生かさず殺すなー。そこのお前ー、わたしに酒を注げー」
18)
「馬鹿馬鹿しい。こんなものにわたしの言葉を使えるか」
19)
「先生、お願いします」「うむ」
20)
「おい。お前ら記事にす」
21)
「これは夢だ。きっと夢。夢だよ。そうだ夢だよ。だってさこれが夢でなくてなんなの。夢だから。夢」
22)
「糞鴉糞天狗の糞羽を毟り取れ」「一人残らず一本残らずだ」
23)
「ぎゃっ」「わああああああ」「許して」「嘘ですよね」「大馬鹿者め」
24)
「山がうるさいな。こちとら締め切りぎりぎりだってのに」
25)
「酒だ」「肉だ」
26)
「あーあ、天魔が変わったせいで全部パーだよ。お手上げだよ。全くタイミングの悪い。確かにこれは鴉天狗の意思が入りまくった屑紙になってただろうけどさあ、元から屑ってわけじゃないんだよ。次の天魔は白狼天狗だけどどうせ天狗は何も分かってくれないよな。幽霊、人間、仙人、天人、月人、魔女は系統樹的には単一の種族でさ、じゃあ何がこれらを分けてるかっていうと生体有効度なんだよ。そりゃ毛玉と鬼じゃ強さが全然違うよね。でさ元人間の妖怪は種族の生体強度値こそ人間らと同じだけど個体の生体強度値はむしろ先天性妖怪に近い。そしたら妖怪への変化の過程とか追いかけてみたくなるよね当然。他にも半人半妖が神になったらとかさ、環境や時間を固定した場合の生体強度値の変化とったりとかさ。今の理論じゃ生体有効度はブラックボックスなんだけど解析が進めばもっと」
27)
「みんな来なくなったなあ」
28)
「げっ」「えっ」
29)
「えっ」
30)
6.結論
幻想郷において河童、そして天狗は確かに優れた種族であった。これほどまでに素晴らしい種族はもはや何処を探しても見つからないだろう。
31)
7.参考文献
1).槌屋鉄彦、天狗でも分かる科学入門 上、第4版、金銀出版、p77〜79
2).作為捏造、目覚めよ!、第6版、統一社、p9
3).大河偽作、The Last Judgement、第15版、幸福館、p143
4).池多害吉、天狗革命、第17版、聖教書房、p55
5).朝原鷺士、鴉天狗宣言、第21版、鸚鵡文庫、p72
6).河城にとり、報告書、2011/01/01、デスクトップ ごみ箱
7).犬走椛・国松嘉斎、愚痴、2011/03/03、妖怪の山 飲み屋
8).射命丸文、文々。新聞“今日は”、第76914号
9).姫海棠はたて、初夢、2012/01/01、はたて宅
10).河城にとり、報告書、2012/01/16、デスクトップ ごみ箱
11).犬走椛・国松嘉斎、お先真っ暗、2012/04/01、妖怪の山 飲み屋
12).射命丸文、文々。新聞“今月は”、第77288号
13).犬走椛・国松嘉斎、死地、2012/11/23、妖怪の山 ごみ捨て場
14).河城にとり、報告書、2012/12/25、デスクトップ ごみ箱
15).射命丸文、文々。新聞“今年は”、第77777号
16).姫海棠はたて、初詣、2013/01/01、妖怪の山 天狗神社
17).犬走椛・国松嘉斎、決起、2013/02/14、妖怪の山 ごみ捨て場
18).姫海棠はたて、一発芸、2013/02/25、妖怪の山 宴会場
19).河城にとり、報告書、2013/02/25、デスクトップ ごみ箱
20).犬走椛・山本無一、出撃前、2013/02/25、妖怪の山 ごみ捨て場
21).射命丸文、最期の言葉、2013/02/25、妖怪の山 宴会場
22).姫海棠はたて、最期の言葉、2013/02/25、妖怪の山 宴会場
23).犬走椛・国松嘉斎、鬨の声、2013/02/25、妖怪の山 宴会場
24).作為捏造・大河偽作・池多害吉・朝原鷺士・天魔、最期の言葉、2013/02/25、妖怪の山 宴会場
25).河城にとり、推敲、2013/02/25、にとり宅
26).犬走椛・国松嘉斎、勝利の宴、2013/02/25、妖怪の山 宴会場
27).河城にとり、報告書、2013/02/26、にとり宅 ごみ箱
28).柳酒盃、経営難、2013/02/26、妖怪の山 飲み屋
29).河城にとり・槌屋鉄彦、爆発事故の瞬間、2013/02/26、妖怪の山 工房
30).秋静葉・秋穣子・鍵山雛・犬走椛・国松嘉斎・山本無一・柳酒盃・天魔(白狼天狗)・東風谷早苗・八坂神奈子・洩矢諏訪子、最後の言葉、2013/02/26、妖怪の山
31).聖白蓮、“二・二六事故”慰霊碑 碑文、2013/04/01、妖怪の山
参考文献が、出来事の羅列になってる……。
最後は全滅かな?
この容量でここまでユーモアを詰められるって、素晴らしい
リンクやレポートの形式等が凝っていてよく出来ていました。
オチが良い意味でひどい。
オチも酷いし、文献じゃないけど参考になる参考文型のネタも酷い。
参考文献に怪しいのが多すぎるw
後半はwikipediaの事件記事や史実なんかを読んでる時の一種の興奮と同じようなものを感じられました。
発想も構成も素晴らしい。