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『KB式爆弾』 作者: ギョウヘルインニ
10kb企画始が始まったあたりの日のことです。
それが全て罠だったのです。
そう罠にアリスははまったのです。悪い犯人に捕まって爆弾を全身に巻きつけられてしまいました。
皆大好き時限爆弾なのです。
犯人は何かアリスの危機を感じた霊夢が取り押さえて封印しました。
これで、もう2次3次の被害者は出ることは無いでしょう。
しかし、このままアリスに巻きつけられた時限爆弾は10kbになると爆発してしまいます。
残念ながら霊夢がそれに気付いたのは犯人が封印してからだったのです。
だから、時限爆弾を解除するには地道に解体するしかないのです。
「……ごめんねアリス。まさか、10kbになると爆発する爆弾なんて思わなかったわ」
「気にしないで、それよりも早くこの爆弾を解体してくれる?」
「うん、分かったわ」
霊夢は妖怪退治の専門家で爆弾の解体の事に関しては素人です。産まれてきてから今日まで、実際に爆弾を見るのも初めてでした。
ただ、風景画や漫画、絵巻等で爆弾を解体しているところを見たことがあるので解体できると自信がありました。今までだって何とかやってこれたのですから今回だって大丈夫です。
「だいたい、10kbになったら爆発する爆弾なんて聞いたことないわ」
「……そうね。アリス、多分この爆弾は他にも無駄に動いたりしても爆発する仕組みになっているわ。アリスは動かないようにきを付けてね」
ほとんど無い知識でどうしようか考えます。まずは、中身を出すために外枠を外さなければならないと思いました。もちろん、これも慎重に行わなければ即爆発です。
霊夢は、慎重にドライバーを握りしめて外枠についているネジを回し始めました。少しのミスも許されないのでだんだん霊夢は緊張してきました。
全身からは嫌な脂汗がうっすら出て来ます。それでも何とか手を動かして外枠を外すことに成功したのです。まあ、外枠を外すのにそんなに周りくどいことをしてkbを消費してしまうのはもったいないのです。
日本は大量生産、大量消費の国になってしまいました。そうです。日本人が忘れかけた言葉、もったいないです。
「はあ、疲れた。まさか、外枠外すだけでこんなに疲れるなんて」
「うわあ霊夢、中にたくさんコード入ってるわ」
アリスが凄い驚いているので霊夢は外枠が外された爆弾の中身をみました。それはもう、絶望的な感じでコードがクルクルしていました。クルクルツインテールのよりもさらに凶悪なクルクルでした。
これを10kbになる前まで解体しなければならないと思うと霊夢は絶望的な気分になりました。
「この液晶に、書いてあるkbが10kbに爆発するのね」
普通の時限爆弾なら、分とか秒が表示されているところにはkbと書いてあります。そして、無情にもそれは10kbに近づき進んでいるのです。
「霊夢、そんな説明をしているとどんどんkbが増えてしまう。早く解体を再開して」
「わかったわ」
集中、集中、集中を霊夢は心の中で自分に言い聞かせます。まだ、大丈夫問題ない。まだ、kbは2kb程度だ。まだまだkbがある。霊夢は何とかそうやって自分によく言い聞かせました。
まずは関係ないと思われるコードを切ります。緑のいコードです。霊夢の考えとしては、紅と白のコードが危ないと見ています。
爆弾を作った犯人の性格やクセを考えた結果です。何か皮肉があるに違いありません。緑のコードで連想されることはあの早苗さんです。緑が本命だとは霊夢には想像できませんでした。
「まずは、緑のコードをきるわ」
「大丈夫?」
「問題ないわ。私に任せて」
躊躇無く、霊夢は何処からか取り出した鋏で緑のコードを切りました。
「…………」
「……大丈夫みたいね」
アリスは様子を見ながら安堵の息を吐き出すと共にいいました。
霊夢の予想は当たっていました。緑は本命ではありませんでした。
次はどれを切ればいいのだろうと、霊夢は推理し始めました。一つのミスが命とりになりかねません。緑が本命で無かったコード。じゃあ、山の神社では無いと霊夢は推理しました。
でも、考え直しました。この爆弾解体に山の神社は全く関係ありませんでした。思い返すと、緑のコードが早苗さんを連想させるかといって爆弾とは全く関係ありません。
霊夢は気付いてしまいました。霊夢が切りたかったのはこの爆弾のコードではなく。早苗さんだったのです。深層心理というものなのでしょうか?
そう考えると、急に自分が恥ずかしくなってきました。そうやって、嫌なことをこの緑色のコードのように切り離してしまえば良いと安直に思い実行してしまったことです。
自分はつくづく嫌な女ねとおもいました。
「……次は紅いコードを切るわ」
「紅? 赤よね? それって、普通最後の2本までとっておくものじゃない?」
霊夢は嫌な自分と決別するために紅色のコードをあえて選んだのに、それにアリスが水をさしました。
折角の決断を鈍らせました。そうです。アリスはサゲマンなのです。いいえ、霊夢は女ですからアリスはサゲウーマンなのです。
「ここは、幻想郷よ。常識は通じないわ」
「ちょっと、待ってよ。爆弾解体する巫女って時点でもう常識から外れているじゃない」
「常識から外れているから、常識から外れた行動をしたからといって正常に戻るの?」
「えっと、意味が分からないわ。もう一回言って、一言一句同じで言って」
「……常識から外れているから、常識から外れた行動をしたからといって正常に戻るの?」
「しつこいようだけど、もう一回お願い。理解できない」
「うるさいわね。えいっ」
「何を?」
アリスの妄言はもううんざりしてきた霊夢は思い切って紅いコードを切りました。
「……なんとも無かった」
「なんとも無かったじゃないわ。一歩間違っていたら爆発していたかも知れないのに」
アリスは怒りをあらわにしましたが、あまりそれで動いたりしたら爆発しかねないのでそれ以上何も出来ません。
まだまだ、コードはたくさん残っています。
「……容量の都合で、解体作業は割愛されました」
霊夢は突然そんなことを言い出し始めました。
「霊夢なにを突然言っているの?」
「魔法の言葉よ」
そうなのです。これは、呪文だったのです。まさに、起死回生を狙った究極の魔法です。
「あなたは魔法使いじゃないじゃない」
「そんなの関係ないわ。女の子なら誰でも使える魔法よ」
折角、霊夢が頑張っているのにそれをまたアリスが無駄にしてしまいました。
「そんな、魔法聞いたことが無いわ」
「今作ったのだから聞いたことあるわけ無いでしょう」
「今作ったって、魔法はそんな簡単ものじゃない」
アリスには魔法使いとしてのプライドがありました。命と引き換えにしてもそれは守らなければならないことだったのです。ただ、このときこのまま黙っていれば、解体作業は割愛されてハッピーエンドだったのですがそれには気付きませんでした。
「もういいわ。しょうがないわね。爆弾解体作業を再開すれば良いんでしょ」
「今ので、結構無駄にkbを消費したわ。霊夢急いで」
その発言、その発言で霊夢はカチンと来ました。霊夢が起死回生を狙って考えたことを無駄と言いあまつさえ急いでと言ったアリスに怒りを覚えました。
「何? 助けてもらってるのに? 私に命令するの?」
「え?」
「えじゃないわ。これ爆弾」
霊夢は指を爆弾に向かってさします。
「いつ爆発するか分からないわ。危険よね」
さらに続けて言いました。
「その危険を帰り見ないで解体しているのよ。なによ、その態度は」
「そ、そうね」
「謝ってよ」
「ごめんなさい」
霊夢のけんまくに気おされてアリスは謝りました。
「誠意がこもってないわ」
「へ?」
霊夢の怒りはおさまりません。
「そうね。私も子供じゃないからただ怒るのは大人気ないわね。そのかわり、爆弾解体後の謝礼の話を先にして置いてもらおうかしら」
「謝礼って、お金?」
「直接私に言わせる気?」
謝礼を要求しておきながら、直接言わない霊夢でした。
「お金なのね」
「……」
「10万円」
「はい? 10万円って?」
霊夢にとって10万円は大金でした。しかし、この解体作業はそれだけ危険で骨の折れそうな作業なのです。
「100万円?」
「100万で自機が買えるなら誰も苦労しないわ」
100万円大金です。それでも、まだ絞り取れると霊夢は思いました。
「……3000万円、私の全財産」
アリスは持っている物全てを売り払えばそれぐらいにはなるかなと思い言いました。もう、これ以上は払えません。それに、解体が成功してもどうやって生きていけばいいのかもう分かりません。
「……仕方無いわね。仕事だし、それで許してあげるわ」
霊夢の仕事は巫女業と異変解決であって爆弾解体ではありません。アリスはその時それには気付きませんでした。そういった霊夢自身も気付いていないのですからお相子です。何がお相子なのかは割愛です。
とりあえず解体作業は再開です。
「めんどくさ」
「え?」
それは、突然の行動でした。霊夢は何も考えず、コードを何本か切断しました。
「……いがいと大丈夫なのね」
「何てことするの!」
「ほら、私って巫女だから、こういうの運が付いてるから大丈夫なのよ」
「何が、大丈夫なのよ」
「まあまあ、いいじゃない。ね!」
今度はバッサリといきました。クルクルツインテールがサイドテールになってしまいました。酷い女の髪を切るなんて!とお思いのここから読んでいる方それは違いますよ。これはあくまで、爆弾のコードの話です。
「ひ!」
「何? アリスは気絶したの情けない」
霊夢は、アリスの頭を外箱を外した時に使ったドライバーの柄で叩きました。
「ほい?」
痛みでアリスは目を覚ましました。
「アンタが寝てる間に、爆弾の解体は半分まで来たのよ。感謝しなさい」
「ぇえ? ありがとう」
アリスは、何が起こったのか理解できませんでした。たしかに、さっきまでクルクルツインテールがサイドテールになってしまいました。
「さあて、どうしようかな?」
霊夢は突然そういうと、アリスから離れ始めました。
「待って霊夢、何処に行くの?」
「ちょっと、トイレに行って来るだけよ」
なんだかんだで結構時間が過ぎていたのだった。誰にでも起こる生理現象なのだから仕方ないのです。
「待って、一人にしないで」」
「あのね。別にその爆弾は時限爆弾じゃないのだから別に、焦らなくたっていいでしょ?」
まるで、駄々っ子をあやすように霊夢は言いました。
「そういうことじゃないわ。その、一人じゃ不安になるの」
「だから、別に大丈夫だって言っているでしょ」
「ああ、待ってよぉ」
霊夢はこれ以上堪えられないので、そのままトイレに行ってしまいました。
アリスは知っていました。霊夢のトイレは長いのです。多分今回も長いのでしょう。何より、ここから近くのトイレまでの距離は結構あります。
霊夢が帰って来るまでアリスは一人きりでこの爆弾を胸に抱いてすごさなければならないのです。
現実とはここまで無情で酷いものなのでしょうか。
そのころ霊夢はトイレに向かって進んでいました。道中には数多幾千の毛玉や名も無き妖精がいくてを阻みます。
霊夢めがけて、敵が弾幕を発射してきます。それを霊夢は必死でよけました。
トイレの正面には雛が居ました。奇しくも投稿日は3月3日です。
「ふははは、投稿日は私の日トイレには簡単行かせませんよ」
「何言ってるの? この人形!」
臨戦体勢の二人、遠くで何かが爆発する音が切欠でその戦いは始まったのでした。
- 作品情報
- 作品集:
- 6
- 投稿日時:
- 2013/03/02 17:34:35
- 更新日時:
- 2013/03/03 02:47:48
- 評価:
- 10/12
- POINT:
- 1060
- Rate:
- 16.69
- 分類
- 霊夢
- アリス
- 雛
彼女は結局はそうなるという予定調和と、シメの季節ネタがナイスでした!!
こんな爆弾なら好きになれるかも。
…何?これは産廃10KB作品ではないと?Shit!!
このアリス初めから助かる気がないだろ。
そして、最後は安心のオチである。