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『DATEΨ318』 作者: 霧ヶ崎
※一部キャラ崩壊があります。ご注意を。
『
ある日の事。
今日も、八雲の隠れ家(其の一)では平穏な時が流れていた。
屋敷には珍しく西洋風のダイニングがあり、その台所では鼻歌交じりに料理する藍の姿があった。
「〜♪ 全く紫様ときたら。こんなに楽ならどの隠れ家もシステムキッチンにして下さると良いのに。
流石は河童の科学力。今度はユニットバスだな…。
あ、そういえば紫様の入る老人施設探さないと。
ボケてしまってからでは遅いからなぁ………。
『デイサービス河童』 なんか良さそうだったな。
設備がしっかりしているし、経費も安い。
おまけに定休日無しだったし。
よし。 今度紫様に進言してみようかな……。
……でも候補は沢山あった方がいいな。確か……」
……途中からはよくある主婦の独り言に変わっていた。
ああでもない、こうでもない…と案を練りながら藍がボウルで卵と粉をかき混ぜていると、トタトタと小気味のよい足音が迫って来た。
ガチャっと 元気良くドアを開ける小さな女の子。 橙だ。
「おはよーございます藍さま!! 朝ご飯ですか〜??」
「おお、橙か! 相変わらず早いなぁ。 ちょっと待ってろ。 もう少しで出来るからな」
最愛の式の訪問に藍は微笑み、フライパンにボウルでかき混ぜていた生地を流し込んだ。
じゅわ〜っ。
香ばしい香りが辺りに漂う。
「いい匂い〜♪ 何を作っているのですか、藍しゃま??」
「パンケーキ……という物だそうだ。紫様が教えて下さった中で、唯一食べられる物だよ」
(ゲロで作るタコ焼きとかあったからなぁ………。)
「そうなんですか?」
藍の苦笑いに、橙は小首をかしげた。
それから暫くの間、料理している藍をキッチンにもたれて
嬉しそうに橙が眺めるという微笑ましい光景が続いた。
そして、パンケーキが一枚、また一枚と出来た時。
不穏な陰がダイニングの向こうから迫っていた。
「藍しゃま、誰か来ま……って、何この匂……い」
ドアに駆け寄った橙は余りの匂いにふらふら〜っと揺らめく。
「だ、大丈夫か、橙! 橙!ちぇぇぇぇぇん!!」
藍は火を消すなり橙に駆け寄った。
「橙! しっかりしろ!」
「うひぃ〜……ら…藍しゃま〜」
呂律の回らない橙、そして特徴的な匂い。
「酒の……匂い…か?」
藍がそう呟くと、ドアがゆっくりと開き匂いの元凶が現れた。
ボサボサの金髪、着崩したままの服。
言うなればそう、妖怪酔いどれババアが姿を現した。
「……おはよう……ら……ん……」
「「ひいぃぃっ!!」」
かなり低くしゃがれた声。大きな隈、青白くやつれた顔。
余りの怖さに酔いが醒め、藍と橙が抱き合うほど恐ろしく変貌した八雲紫がそこに居た。
(これはまた あのババア共の仕業か……)
藍の脳内に御柱を担いだ女性と赤と青のナースの顔が浮かぶ。
藍は はぁ…とため息をつくと、藍しゃまぁ……と震える橙を自分の後ろへやった。
「おはようございます、紫様。朝帰りとはまた随分と呑まれましたね……。(…酒に) 朝食はお昼にしますか??」
「えぇ……。 そうして頂d おぇぇぇぇぇええっ」
「「うわぁ…………」」
あろう事か、紫は盛大に吐いた。それも、式の前で。
そして濁流はどんどん床に流れを作っていく。
どろどろどろどろ
何ということでしょう。
綺麗な木目の床が匠の手により一面極彩色のカーペットに。
吐瀉物特有の沈んだ色が見事な模様を描いており、昨日からの飲みっぷりが伺えます。
匠が手掛けたのは床だけではありません。
朝の心地良かった空気が吐き気を催すごみ捨て場のそれに早変わりです。
「……ふぅ。 あっ…吐いたらスッキリしたわ♪
藍〜〜♪ お酒ちょ〜だい!! お酒〜♪♪」
吐いて調子を取り戻した紫は、藍に抱きついた。
ん〜♡ と、頬ずりする度に藍の服が黄ばんで行く。
とてもご機嫌な主人とは裏腹に、藍の顔はどんどん青ざめていく。
ただでさえ耐えられない酒の匂いに、ゲロという最強の武器が加わったのだ。 元獣の藍に耐えられる筈も無い。
藍の我慢は既に限界に達していた。
「紫様………もう我慢でk おぇぇぇぇぇええっ……」
でろでろでろでろ〜。
「あら、藍と私のがフュージョンしたわ!!」
「ら…藍しゃまぁ……もうパンケーキいらないです……」
…暫くの間八雲宅で、"パンケーキ"は禁句となった。
』
「という話を考える程、退屈なのよ妖夢。分かったかしら」
「取り敢えずとても長い前振りでしたね。
というより、何でそんなに満足そうなんですか!
何でそんなにやり切った感溢れさせてんですか!!」
「本にしたら売れるかなぁ…って。ぜったい売れるわね♪」
「ぜったい、ぜぇーったいに売れませんよ!!!!
ただの貰いゲロの話じゃないですか!
何処に需要があると思ってるんですか!!」
「別にいいじゃない 。 だって、とっても退屈なんだもの。
ほら、紫の話ってここじゃあ上品な話が余り無いじゃない。
私が一つ作った所でバレないわよ♪ あぁ〜それにしても退屈だわ〜」
幽々子は書斎の床で暇、暇〜っと ゴロゴロする。
そんな主人の姿に、妖夢は本気で復興ボランティアの活動を勧めようと思った。物理的障害を物ともしないこの人なら現場で重宝されるだろう。
「あの〜幽々子さ」
「そうだわ!!」
天下一武闘会を開きましょう♪
「はぃ……??」
言葉を遮り、にこやかに宣言する主人を前に、妖夢は唖然とするばかりだった。
そしてなんやかんやあった翌日。
親友の八雲紫や烏天狗の協力により、『天下一武闘会』は瞬く間に知れ渡った。
優勝者には向こう十年楽に暮らせる金。
もしくは、気になるアノ子に一日好き放題出来る券。
そんな事もあってか、妖怪の山を限らず、地底や、天界からも強者達が集まった。
そして、三日と立たぬうちに冥界に某格闘マンガ(龍の玉)と同様の会場が作られた。
ここで焦ったのが、言い出しっぺの幽々子さま。
なぜなら、賞金は白玉楼からでる。と案内に書かれていたからだ。当然幽々子は、紫に問い詰めに行った。
幽々子が迷い家に行くと、紫は膝に藍を寝かせ、くつろいでいた。
「紫、賞金の件どういう事なの??」
紫は突然の来訪者に驚く事もなく、のほほんと言った。
「妖夢から聞いたわよ。私の変な小説を考えたそうじゃない」
一瞬幽々子は身をこわばらせた。
が、妖夢への怒りを露わにする事なく袖で目を覆った。
「あれは…妖夢が無理矢理……。私は、私は嫌だって言ったの。でも、ご飯を取り上げられて………。およよよ…」
「ばぁ〜かねぇ〜。私は騙されないわよ、幽々子」
紫はふぅ…と息をつくと、幽々子の頭を扇子でぺちんと軽くはたいた。
「あら、ばれちゃった?」
幽々子が袖から顔を出すと紫はふっと笑う。
「全く。何年の付き合いだと思っているのよ」
「そうね……。ずっと昔からだったかしら♪」
そう笑いながら幽々子は思った。
妖夢を出場させて賞金を取り戻させよう。と。
「胡蝶夢丸の制作資金!!!」
「太子様の屋敷の資金をば………」
「紅魔館の黒字化の為に!!!」
「こ 今度こそ魔理沙を可愛い人形のように…////」
「お酒〜♪ お酒〜♪」
……この幻想郷中の強者の、私利私欲を肥やす聖戦に。
〜試合ルール〜
@相手を命を絶ったら失格の上賠償。
Aスペルカードの使用の禁止。ただし、能力は使用可能。
B舞空術の使用、及び空を飛んではならない。
C勝負が可能であれば生物でなくても不問とする。
D相手が気絶した場合、スリーカウントしても起きなければ
立っていた者が勝利者となる。
E両者がダウンした場合、素早く立ち上がり、「勝ったどー!」と叫んだ者の勝ちとなる。
F当然、戦闘中に場外に出たら失格となる。
________________________________________________
『さぁ始まりました、『第一回天下一武闘会』!!
会場は既に大きな歓声に包まれております!
司会進行は私こと清く正しい射命丸がお送りします!』
会場に響くアナウンスに会場は更に湧いた。
『対戦はくじ引きで決定します。さて、第一試合は………。
出ました! 霍 青娥VS河童と風祝の共同兵器です!!』
会場の電光掲示板に[青娥]VS[Unknown]と表示される。
「ふふふ、誰であろうと私を倒す事は出来ませんわ」
歓声に応えるかの如く、青娥は石の床に降り立った。
しかし、"共同兵器"の姿は見えない。
『おっと! いきなり青娥の不戦勝かーっ!!!』
「違います!!」
「違うよん」
ステージ脇の早苗とにとりニヤリと笑い、リモコンを操作する。
けたたましい轟音と共に大地から現れたのは"壁"。
それも筋肉隆々の四肢を付けた、優に3mはある壁。
水木しげるが書いた様なつぶらな目をした『ぬりかべ』が、青娥の前に立ち塞がった。
「ちょっと……大きすぎませんこと…??」
「「行け!! ぬりかべ!!」」
『試合、開始です!!!』
ばぁぁぁぁぁぁぁああん!!!
青娥の呟きをよそにゴングならぬ、ドラが鳴った。
「ぬぅ〜りぃ〜か〜べ〜!!!!」
野太い声と共に、ぬりかべは青娥を潰そうと青娥の頭目掛けて拳を振り下ろしていく。
「ちょっと…! お待ちに… !… なって!!」
流石の体格差により青娥は避けに徹していた。
本来なら。一瞬の隙でもあれば。
青娥は壁抜けの術を用い、苦もなく倒せる筈である。
が、相手は疲れを知らぬ傀儡(からくり)。
かんざしを抜く暇も、休む暇さえも与えてくれない。
(このまま消耗戦は不利ですね……)などと考えていると直ぐに上から鉄の拳そのものが降ってくる。
勿論、青娥はひらりひらりと身をかわす。
「くそっ全然当たらないじゃないか!!当たれ!」
見学席の方からは操縦者の愚痴が聞こえた。
しばらくは、ぬりかべが拳を振り下ろし、青娥がよけ、にとりが呻くという似たような事が繰り返された。
しかし、青娥が逃げ回るうちに石板だった地面はデコボコに。
再び振り下ろされる拳を避けようと走ったその時だった。
崩れかけたフィールドに青娥は足を取られてしまった。
「しまっ…………」
呟いた時にはもう遅い。
奇跡と科学の粋を集めた鉄の塊が振り下ろされた。
ズドォォォォォオオン!!!
破壊音が会場に響く。
大量の砂埃が舞い、赤く染まっていった。
まるで、赤い煙幕のように。
『おぉっと!! ここで青娥、戦闘不能でしょうかっ!?』
「……まだですわ!!!!!!」
立ち込めた血霧の中うらぁぁぁぁあ!唸り声を上げながら、右肩から先のない青娥はぬりかべに迫る。
繰り出されるジャブを厄神様よろしく、体をくるりと回転させ紙一重で交わしていく。
「このっ……当たれぇぇぇえ!!!」
にとりが叫び、ぬりかべは思い切り右腕を振り抜く。
「っ………!! 右腕位で…っ!!!」
青娥は苦悶の表情を浮かべながらも、なんとか左手で受け流し反動を利用して一気に距離を縮めた。
振り返り際に左手でかんざしを抜き、ぬりかべの身体に突きつける。
「終わりですわ……」
会場に再び、爆発音が響いた。
激しい戦闘の末、フィールドに居たのは右肩から先がなく骨が剥き出しになった青娥と、ど真ん中に風穴の空いたぬりかべだった。
『ぬりかべ戦闘不能!! 霍 青娥の勝利です!!!』
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!
歓声の中で、青娥はぐらりと倒れた。
すぐさま神子たちは動き、青娥を医務室に運んでいく。
自分たちを蘇らせてくれた恩だけではなく、珍しく正々堂々と闘った青娥の勇姿にも思う所があったのだろう。
ともあれ会場は多いに盛り上がり、無事に一回戦は終了した。
さあ次は。
誰が故障するのでしょうね………??
待合室。黒いフードを被った人影が笑った。
☆★アトガキ★☆
糞に……(えー…コホン)優秀なお兄様が明日はサイヤ人の日と騒いだので一応書いてみました。
それと、ドラゴンボール(ですよね??)の映画が放映されると聞いたので……♪
半分以上が幽々子さんのすっごい長い前振りという異色の作品となってしまいましたが、どうでしたか……。
自分的には、10KBより上手く書けた気がします。
えへへ…。 初めからそうしろ…ですよね。
え? えっと、青娥さんの理由ですか??
つい最近東方wikiで青娥さんの能力はぬりかべに強いとあったので………。
22時22分に投稿したのでお許しを……(ごめんなさい!)
霧ヶ崎
- 作品情報
- 作品集:
- 7
- 投稿日時:
- 2013/03/17 13:22:14
- 更新日時:
- 2013/03/17 22:32:11
- 評価:
- 3/7
- POINT:
- 300
- Rate:
- 16.25
- 分類
- 青娥
- 幽々子
- 紫
- 藍
- 橙
「ぬぅ〜りぃ〜か〜べ〜!!!!」
ご誤字があったのですよ〜!!
沢山推敲したハズなのに、漢字のミスがあったのです!!
も、もう大丈夫ですけれどね……。
それはそうと、百点ありがとうございました!!
僕もよく誤字が有ってアレなんです。
そうなのですか! なんで誤字ってやっちゃんでしょう??
私は久々の長文だったので修正大変でした……。
それではまた。 おやすみなさい…♪
こちらこそまた。お疲れまです。
発酵少女臭の話は前フリで、実際はバトルSS!!
しかも打ち切り臭いし……。
はぁはぁ。