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『市場のほのぼの』 作者: ギョウヘルインニ
ほのぼのは死にました。
ほのぼのが死ぬとか意味がまったく分かりませんが確かに死んだと、魔理沙は思ったのです。
昨年、現人神の早苗さんがほのぼのの都を優雅に占拠してしまったため優雅が発動されて連鎖的にほのぼのは消えていったのです。
街では、ほのぼのがひき出されて優雅にいってもうかえってきませんでした。
しかし、魔理沙は諦めませんでした。優雅から逃れてひっそりと開かれている闇市では生き残ったほのぼのが売られていると思ったのです。
「霊夢、市場にいくぜ」
「市場? いいわね」
霊夢を誘いに魔理沙は神社に来ました。そして、霊夢を誘ったのです。めずらしく霊夢は、誘いを嫌がることなく一緒に行ってくれるようです。
簡単に霊夢はついてくることになったのですが、魔理沙は特に疑問に思いませんでした。
もちろん、霊夢も市場と言えば闇市ということは分かっています。
今の季節は優雅です。地球に優雅が衝突して地軸ずれた影響で常優雅に郷や街はなっていました。
「なあ霊夢、そんな格好で大丈夫か?」
魔理沙は心配しました。霊夢の格好はポンチョではありませんでした。優雅は夜になると情熱的に冷え込むのです。
ちなみに、魔理沙も普段通りの格好で別にポンチョではありません。むしろ、ポンチョはぜんぜん関係ないのです。
「市場に行くんでしょ? 更紗でも買うから大丈夫よ」
闇市はインドっぽいので更紗が結構普通に売っているのです。
しかも、闇市なのに地味な良心価格設定なのが街のやさしさなのです。
”再生不可能と謂われた妖怪製ランプの油とか骨の椅子とかが普通に売られるもしくは飾られていたりするのです。”
程なく、二人は闇市につきました。時間は優雅が真上に来ていますから、昼です。
「今日も、凄い賑わいだな」
「これで、闇市って言うのだからすごいわね」
市場、この闇市はどうどうと開かれています。市場の主催者が優雅に優雅な賄賂を渡しているともっぱらの噂でした。結局ひっそりとはぜんぜんしていないのです。
二人は市場の露店を見て回ります。魔理沙はほのぼのが無いか探し、霊夢はローリスクでハイリターンを求めました。
「ねえ、魔理沙。あそこに売っている髪飾りはほのぼのしていない?」
霊夢はいかにも高そうな、髪飾りを露店で見つけました。
その髪飾りは、ものすごく豪華で金や銀そして良く見ると宝石や隕石がちりばめられています。
露店で売っているレベルではありませんでした。でも、売っていたのです。不思議です。
値段は、良心価格の5円でした。3厘で石炭が1kg買えるので安いというが分かります。
「……髪飾りか。これは、違うなほのぼのしていない豪華だぜ。危険だぜ」
「豪華、危なかったわ」
そうです。この髪飾りは確かに価値がありましたが、優雅の下部組織、豪華の罠が仕込まれていたのです。
と勝手に魔理沙は妄想して言っているのです。霊夢は別にそこまで欲しくないのでその話に乗ることにしました。
何も無いところから有を得ようとしているのですから、高望みはしません。ついでに言うと魔理沙の年収は20円です。
まあそれに、霊夢の年収に比べればたいしたことはありません。
とにかく、髪飾りは諦めました。再び二人は市場を見てまわります。
今度はポンチョ専門店が有りました。でも、ポンチョは必要ありません。霊夢は素通りだと思いました。
しかし、魔理沙は違うようでした。ポンチョに何かほのぼの要素を感じたようでした。
「ポンチョ買って」
「なんで、お前がポンチョ売ってるんだ?」
「知らないわ。永琳がインターシップに興味をもったとか言って私を無理やり露天商にしたのよ」
そうなのです。ポンチョを売っていたのが旅の仲間輝夜でした。
「ねえ、魔理沙。ポンチョはほのぼのしてないと思う」
霊夢が思うところ、この麻っぽいポンチョには何も感じられませんでした。なんだか、コーヒー豆用の麻袋を反対にして、底のところに穴を開けただけに感じられました。
「そうだな、霊夢の言うとおりだぜ」
「待って、私もそう思うけど。売らないと永琳が家に入れてくれないの」
「自業自得だとおもうわ」
「そんなことないわ」
輝夜は嘘を言っていません。むしろ、被害者なのです。永琳は早苗さんからポイントを稼ぐためにやっているこことなのです。
「なあ、暇だなんだったら一緒にほのぼの探さないか?」
「え? さっきまでの話聞いてたの?」
些細なことは関係ありません。ほのぼの探しには、仲間が必要なのです。道具屋の店員も冒険の旅に誘うのです。
輝夜は考えました。ポンチョは内職でイナバ達が織ってくれました。大事なポンチョなのです。ポンチョが売れないとイナバ達が悲しむでしょう。
でも、輝夜はその背徳的な感覚が好きでした。
まるで国旗のようにポンチョを掲げマッチで火をつけました。
ほのぼの探しに同行することをきめた瞬間でした。こうしてポンチョの露店は火に包まれ焼け落ちました。
市場の人々は一瞬どよめきいろめき出しましたがすぐに両隣の消火の為に露店を壊してそれきりです。
そこに丁度狙ったように早苗さんが黒い馬に乗ってあらわれました。日に二回優雅な時刻になるとこうして現れるのです。
特に意味の無い巡回です。今日も特に意味も無く回っていました。しかし、運命とは奇しくも変なところで変になって居ます。
急に馬が跳ねました。ポンチョの店が燃えるのに驚いたのです。
早苗さんを振り落とし馬はどこかの露店に突っ込んでちゃっかりおいしそうな人参を咥えてどこかにいってしまいました。
「いたたた。何ですか? あの馬は帰ったら、桜にして幽々子に送りつけてあげますよ」
早苗さんは落馬しましたが、優雅に受身を取り肋骨が何本か折れるだけで事なきを得ました。もう少し、ずれていたら折れた肋骨が肺に刺さっていたかもしれません。
「よお、早苗何してるんだ?」
「あ? 魔理沙さん。優雅に視察していたところですよ」
「へえ、すぐに今日は戦わないのね」
「まあ、霊夢。これから敵対するのは分かりきっていることなんだがすぐに敵対しないぜ」
「そうですよ。ほのぼのせいにして戦線布告しないと意味がないですよ」
「何だって? 優雅のせいで戦争になるの間違いだろ?」
「考えてみれば。もう、一年以上ほのぼのがどうとか優雅がどうとか言っているのよね」
「おい、輝夜。お前は喋るな黙ってろ」
「……」
輝夜は黙ることになりました。いちいち、喋るごとに、霊夢が喋っているのか輝夜が喋っているのか分からないので、二者択一です。
輝夜は意味も無く荒縄で縛られて次の出番まで封印されました。
「それより、早苗? 優雅の外交ルートを通じてほのぼのをこっちに流せないか?」
「何を言っているのですか?」
早苗さんはいくつもの意味を込めて聞きました。優雅は動作とかそういうことだと早苗さんは理解しています。また、ほのぼのもそういうことだと知っています。だから、ほのぼのを流すなんてことは出来ません。
「じゃあ、早苗。優雅な装飾品持ってたらくれる?」
「あの、霊夢さん。便乗しようとしていますよね」
もう一年以上もほのぼのを一緒に探して居ますから、霊夢のこんたんはばれています。
「ねえ、三人ともほのぼのを探しにいくのでしょ?」
「お前に言われなくても分かっているぜ」
横合いから、輝夜が出てきて話を進展させました。このお話で輝夜はこういうポジションに落ち着いたのです。大躍進といえるでしょう。
「あの、ほのぼの探しを優雅の私が許可すると思いますか?」
「お前の意見は聞いてないぜ」
「そうね、早苗は黙っていなさい」
「霊夢さんまで優雅じゃありませんね」
それでも、早苗さんは霊夢に常に征服されているので逆らうことは出来ません。しぶしぶ、ほのぼの探しに協力することにしました。
こうして、4人は再び市場でほのぼの探しを再開しました。
しかし、そこで問題がもう発生したのです。
優雅の早苗さんが市場に来たので、露店の人々はそれぞれ鶏を取り出しました。
そして、小さな石刀を取り出して首をかっ切りました。そして、あふれ出す血を道に撒きました。
それは、早苗さんに向けられた優雅な生贄の儀式なのです。意味が分かりません。とにかく生贄はささげられたのです。
「……これ、ほのぼのしていないぜ」
「そうね。これはほのぼのしていない」
道は血に染められて優雅な風にのって鉄のにおいが辺りに充満しました。
「なんで、こんな儀式するんですか?」
実は早苗さん自身もなんでこんなことするのか理解できていません。しかも早苗さんも女の子です。顔から少し血の気が引いているようです。ちなみに輝夜は怖くて貧血で倒れました。
「とにかく、市場を見て回るぜ」
「そうね」
靴の裏に血が付いて気持ち悪いので、次は靴屋を見てみることにしました。
もしかしたら、霊夢が靴を左右間違えて履けばほのぼのしているかもしれません。
していたら、魔理沙は足首を千切ってでも足ごと靴を奪うでしょう。
程なく靴屋を見つけました。なぜか、イタリアのジェノバっぽい雰囲気のお店でした。
「おい、この靴屋で一番ほのぼのしている靴をだせ」
「お客さん意味がわからない」
イタリアのジェノバっぽい雰囲気のお店ですが、店員はインド人っぽくて更紗を着ています。ポンチョでは無いです。
「なんだ? ほのぼのもわからないのか?」
「ほのぼの? アンタ、優雅の回し者か? 優雅に売る靴は無い。あっちにいってくれ」
店員は、優雅に反感を持っていました。優雅に課せられた”思い”税のせいでした。
そうです。店員の思い込みで別に優雅に税金は払っていません。むしろ、無政府状態の幻想郷に税金とかそんな考えがあるのか不明です。
それでも、反優雅連盟というわけの分からない組織が地下で活動しているのです。ポンチョと一緒でこの話には無関係です。
靴屋ではたいしたほのぼのは見つかりませんでした。
残念な気持ちで4人が道を歩いていると、特に何でもない事件が起こりました。
市場を荒らしまわるアウトローが現れたのです。瑠璃色のポンチョを身にまとった極悪ポンチョ3人組が現れたのです。
「今私達のポンチョを汚い目でみたな! 有り金全部置いて行ってもらおうか! ……ああっと? え、嘘? そんな、いやああ! 姫様!」
ポンチョ3人組リーダー格、永琳!
そして、残りは優曇華とてゐです。
「ねえ、永琳なにやってるの?」
「姫様、見なかったことにしてください!」
「いや、そういうわけにはいかないわ」
「いやああああ、見ないで」
永琳は一番見られたくない相手にアウトローしているところを見られてしまいました。
恥ずかしいことをしている自覚は有りました。お金には別に困っていません。ただ、ポンチョを着て悪いことしたかったのです。ポンチョは関係ありません。悪いのは、全部、優曇華なのです。そう永琳は自分に言い聞かせました。
ポンチョ3人組は逃げ出しました。優曇華とてゐにはセリフすらありません。
「あ、永琳が何か落としていった」
「お、それをこっちに渡すんだぜ」
まずは魔理沙が拾ってほのぼのを確認するために輝夜を突き飛ばし、拾ったのです。
それは、100カラットのダイアでした。永琳が郷の住民から奪ったものでした。
「……霊夢、これいるか?」
ほのぼのしていないので、お約束です。魔理沙はダイアを捨てようと思いました。しかし、参考意見を聞きたかったので霊夢に聞いたのです。
霊夢は無言でそれを受け取りました。もう絶対に返しません。
それから、数店の露店を回りましたが、どれも優雅を警戒した店員が腐ったみかんを投げてくるので、困りはてました。
「で、これからどうするんですか?」
困り果てた早苗さんは、優雅に髪を触りながら携帯をいじり始めています。もう、飽きてしまっていたのです。
「待って、西の空を見て」
西の空の様子がおかしいことに輝夜は気付きました。
「何だ輝夜?」
「優雅が西に沈んでいくわ」
地震雲と一緒に優雅がゆっくり沈んでいきます。
「もうそんな時間か」
優雅が西に沈んだときに市場は終わります。
まだ明るいのですが、優雅ヶ時なので不吉で危険なのです。人々は家路を急ぎさっきまで活気のあった市場は閑散としてしまいました。
「あの、魔理沙さん。私も帰りますね」
早苗さんは優雅が迎えに来たので神社に帰ることにしました。迎えは大きな鎌を持って、漆黒のローブに身を包み顔はまるで骸骨のようです。彼等、或いは彼女等は早苗さんの従僕です。
「ねえ、魔理沙。今日もほのぼのは見つからなかったわね」
「ああそうだな」
「魔理沙の言うとおり、ほのぼのは死んだんじゃない?」
「いや、ほのぼのの現人神であるお前が生きているんだから世界のどこかにほのぼのは生き残っているはずだ」
「私は、そういう指標じゃないのだけれども」
「それは、霊夢がそう思っていないだけで、私にとってはほのぼのなんだぜ」
霊夢の気持ちなどは完全に無視して、魔理沙の頭の中では完全にそういうことになっていました。そして、まだこの世の果てで、ほのぼのが生きていると思っていました。
デフレが永遠に続かないのと一緒で、優雅も永遠に続かずいつかまたほのぼのが巡ってくると思って居るのです。
二人もこれ以上は危険として判断し今日のほのぼの探しは諦めて帰ることにしました。勇退です。
二人が帰る途中で、洞穴を見つけ中にほのぼの、霊夢の視点では財宝が眠っていると思い洞窟を探検する話はまた別の話です。鍾乳洞の石は持って帰ってはいけませんよ。
そういえば誰か忘れていませんか?
「誰か助けて! お願い助けて」
3人に忘れられて、置いてきぼりにされた輝夜は、優雅に足をすくわれ優雅に音も無く底に沈んで行きました。
優雅の底にはポンチョの悪霊がいて口を開いて、焼かれた恨みを輝夜にはらそうとしていた。
ギョウヘルインニ
作品情報
作品集:
7
投稿日時:
2013/03/19 15:01:23
更新日時:
2013/03/20 00:14:37
評価:
12/14
POINT:
1230
Rate:
17.93
分類
誰も死なない
優雅
ほのぼの
ソンブレロを被ったら、メキシコの山賊だぞ。
魔理沙は、こうやって仲間達と冒険をして過ごす時間がほのぼのだと、いつ気付くだろうか……。
ダイアのくだりが何故か爆笑ポイントです。
霊夢はほのぼの現人神
なんでメシキカンなんだろう
優雅の時代ね
輝夜の適当な扱いや優雅とは程遠い優雅さにほのぼのを感じました。
この世界は優雅が支配しているのですね。