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『DATEΨ318 第二試合。』 作者: 霧ヶ崎
〜前回のあらすじ〜
白玉楼の亡霊、西行寺幽々子は唐突に闘いを見たくなった。
それも己の意地と望みを賭けた本当の真剣勝負を。
『幻想郷天下一武闘会』は開かれ、司会の射命丸 文と観客が見守る中、第一試合は霍 青娥の勝利で幕を閉じる。
しかし、河童の科学と風祝の奇跡の結晶"ぬりかべ"の圧倒的な強さに青娥は右腕を失うという痛手を負った。
主催者の西行寺幽々子の真の思惑、闘技場に潜む影。
時は進み、第二試合が開始されようとしていた!
『さて、第一試合は観客の皆さんも非常に興奮する試合でしたね!ぬりかべの攻め!そしてSEG…おっと青娥さんの身のこなし!どちらも見ごたえがありました!
そうでしょう、皆さぁん!?』
うぉぉぉぉぉぉおぉおおお!!!
何かに火がついた文のアナウンスに会場も大きく盛り上がる。
「次だ!次の試合を見せろ!!」などの声も。
放送席の文はすっかりハイになって意気揚々とくじ箱を側に寄せるとマイクのスイッチを入れた。
『さぁて、続いての試合は………。
小野塚小町 対 覆面S.E.Y.です!凝ったリングネームですが誰なんでしょうか!?」
アナウンスを聞きパキパキと指を鳴らしたのは死神、小町。
「誰であろうとあたいのボーナスが掛かってるんだ、負けやしないよ」
そしてお気に入りの業物を背負ったまま、石のステージへ上がる。
そこには既に、真っ黒いビニール袋を被り、両腕を組んだ相手が居た。
顔は全く見えなかったが、背の小さい事は分かる。
目の穴しか無い黒ビニールお化け的な何か。
小町は相手を見てそう思った。
『それでは、試合開始です!!!』
ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!!
開始早々動いたのは覆面。
組んでいた左手で「………(くぃくぃ)」と挑発した。
(こ…こいつ……!?いいよ、ノシてやる!!)
小町も顔には出さないまでも、拳をぎゅっと握り締めて覆面目掛けて駆け出す。対する覆面は腕を組み直したまま。
小町がトタタタタッと距離を詰めて来ても、覆面は微動だにしない。
そういう態度もあってか、小町は叫んだ。
「あたいをナメんなぁぁぁっ!!」
思い切り右腕を引きながら、ジャンプして覆面の喉に狙いをつけて、拳を突き出す。
「てぇぇぇぇぇえいッ!」
死神 小町の渾身の一撃。
大ダメージを与えるとまではいかなくても、腕の骨は折れる拳。
それを。
バシィィッ!!
覆面は右手一本でその威力を殺した。
そして、覆面は痛がる素振りも見せずに左手を人差し指だけ伸ばした状態で出し、ちっちっちっとやると、小町の手をすっと放す。
(こんにゃろう……)
このスキを小町は見逃さない。
放された右手で即座に背中の鎌の柄を掴み、振りかぶる。
K.O.狙いがダメなら殺す気で。小町はそう判断した。
「調子に乗るんじゃ………ないよ!!」
ブンッと風を切り、三日月の刄が覆面を襲いかかる。
が、それでも。
覆面は咄嗟に腕を引っ込めると、ビニールから紅い刄を覗かせ鎌を受け止めていた。
「…!? あんた……天界の…」
紅い刃=緋想の剣 と思い浮かべ、小町がそう言うと覆面は刄を振り上げて鎌をそらし、小町と距離を置いた。
小町に向けてナガモノを構え直した今、全貌が見える。
「…!! その刀は………ッ」
紅い刄、木製の鍔。紫の花の異変の時に見た、刀。
他でも無い、是非曲直庁の刀だった。
「まさかとは思いますけど…………映姫さま?」
思わず小町が尋ねると覆面はそうだと言わんばかりにバッと身を覆っていたビニール袋を投げ捨てる。
部下に間違われてカチンときたのか少々荒っぽく。
現れたのは、特徴的な帽子を被った少女。 それも……。
「ノッ……ノォブラだとぉぉぉぉぉおおお!!!」
「あちゃ……いくら小さいからって映姫さま、そりゃ…」
某サイトの学生、霧ヶ崎も見た事の無い見事な絶壁。
そう、上半身裸の四季 映姫 さまだった。
力を入れすぎた余りうっかり上の服ごと投げ捨ててしまっていたのだ。
『なっなんという光景でしょう!!どうです、解説の霖之助氏!!』
『……素晴らしい。こんなトップとアンダーの差が全く無さそうな絶壁は見た事が無い。最高の壁ですよ!
まずですね、乳………』
いつのまにか放送席には霖之助が居り、眼鏡を光らせ熱く語り出した。
「黙りなさぁぁぁぁぁぁぁい!!!
だいたい着けなくて何が悪いんですか!!
サイズ合わないとワイヤーが痛いんですよ!!」
裁判長 映姫は顔を真っ赤にして叫び、服を着直す。
そして、野太く黄色い(?)声援を浴びながら小町の方へ向き直った。
「小町………。私が何故、此処に居るのか分かりますか?」
「へ??」
いきなりの質問に小町は面食らった。けれど、相手は上司。
いつもの癖でえーとを何度か呟き、少し考えるフリをする。
ま、でも本当は考えなくても分かっちゃァいるのだ。
なにせ表しようが無い寒気が背中を這って居るのだから。
映姫ははぁ…と溜息をつくと、小町の方に悔悟棒を向ける。
「……怠惰な貴女に制裁を下す為ですよ」
同時に映姫から黒いオーラが吹き出し、目がギラギラ光る。
ゴゴゴと効果音が付きそうな、いわゆる『リミッター解除』状態。
時折、大罪人に見せる本気のバージョンである。
勿論、この映姫に無策で立ち向かう程小町は愚かでは無い。
「うわ………三十六計逃げるに如かず…っと」
小町は咄嗟に自分の前で鎌を振ると、能力を発動した。
刹那、大地がぐらりと揺れ、小町と映姫の間はぐんぐん離れてゆく。
「まっ待ちなさい!!」
映姫は離されまいと駆け出した。
が、距離を自由に操れる小町の前ではどれだけ本気のスピードで飛んでも、走っても同じ事。
映姫の姿は小町からぐんぐん離れてゆく。
すっかり安心してサボりモードの小町は、ぐだ〜っと鎌に寄りかかって、映姫の走る様を眺める事にした。
顔を真っ赤にさせて走っても、ランニングマシンの上にいるかの様に映姫の身体は進まない。
そんな上司の姿に小町は仕切りに笑いを堪えた。
観客からは何やってんだ、と映姫へブーイングを飛ばす。
ぐだぐだな試合を見たくないのは勿論の事。
その上能力圏外の観客席から見ると、二人の間合いは三メートル程で映姫が本気で飛んで居るのに全然前進しない、という様に見えるのだ。
可哀想な映姫さん。
裸を晒した上、怒鳴られてしまった。
そんな状況に耐えかねたのか、映姫は小町に叫ぶ。
「私にケガを負わせたら部位ごとにボーナスをあげます!」
ピクリと耳を動かし、小町はもたれるのを辞める。
「……本当ですか?」
「勿論…!!」
臨時収入! 臨時収入!
小町の脳内でそんな文字が踊り、自然と笑みが零れた。
「……行きますよ、映姫さま」
能力を解除するとともに、ステージの端へと飛びすさる。
映姫の方も身を翻し、小町との間合いを取った。
始めと同じ、睨み合い。
しかし、今の小町を支配して居るのは欲望。
小町は思いついた策を直ぐに実行に移した。
すぅ…と息を吸い、自らの胸へ右手の親指を向けて一言。
「映姫ざまぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
「なっ……/////」
小町の予想通り、映姫は赤い顔をさらに赤くさせて怒る。
「スキあり……♪」
そして鎌を振りかぶりつつ、能力を使って一気に距離を縮める。
「……!?小町ッ!!」
「右腕、頂きますね♪」
そう、上司の顔に微笑んでから鎌を振り下ろした。
ブシャァァァァァァァァッ
映姫の右肘から間欠泉の如く、血が吹き出す。
「うっ………小町ッ! 貴女という人は!!」
痛みに耐えながら先の無い肘を左手で押さえ、映姫は怒鳴りつけた。
しかし、小町は悪びれる事なく笑う。
「あっちゃ〜。切れちゃいましたね、右腕。
でも大丈夫です。あたいが代わりにいますから。
じゃ、次は左ですよ?その次は足を頂きますね。
心配は無用です。あたいがずぅぅと運んであげますよ。
ふふふ、ふふふ……あはははは」
そう言って何度も何度も鎌を振り下ろしてゆく。
飛び散る返り血をにこやかに浴びて。
鎌を止めた頃には場は映姫の四肢が散らばる血の海となり、
所々筋繊維や太い血管などが浮いていた。
小町の服も血で汚れ、腸の切れ端がべたっ…と張り付いていた。
「あはは…。映姫さま、上半身だけになっちゃいましたね。
これって、幾らぐらい貰えるんですかね??」
小町は死にかけの映姫を抱き上げると、落ちてくる血液を物ともせず笑う。
「もう、映姫さまったら死んだフリが上手いんですから〜。
ほら、これからはずぅっと、あたいが面倒を見てあ……」
「へぇ……。その肉塊が私ですか。
肉人形を介護とは全くもっておめでたいですね、小町」
突然、小町の肩に腕がおかれる。
ゆっくりと視線を降ろすと、小さく、重みのある手。
「……!? 嘘……」
それは小町が初めに切断した筈の、映姫の右腕だった。
続く!! 」
此処まで書き終えると私はふぅ…と息をつき、筆を放った。
山の天狗に頼まれて始めた、とある雑誌の小説の執筆。
勿論、秋以外は仕事のなかった私は喜んで引き受けた。
けれど、私は秋神であって作家じゃない。
野山を紅く染めることは出来ても、言の葉は綺麗に並べる事すら出来ない。
書く内容を考える事からつまづき、一週間掛けて作った小説でさえテンポの悪いダメな小説。
それでも、報酬として雀の涙程のお金は貰えたのでありがたかった。
穣子は此処にはいない。
ちょうど二ヶ月前喧嘩して、診療所に送られてそれきり。
原因は、私が振り下ろしたビール瓶。
辺りどころが悪かった様で目が覚めないって。
あの子がいけないのよ。
私を指すなり、「葉を染める事しか能がない」なんて。
確かに、私は穣子と違って人の食欲を満たす事は出来ない。
でも、でも、でも!!
……なんて言い訳しても駄目ね。
酒に酔って遂に妹に手を掛けたのは私。
穣子のお陰で食い繋いで来たのも忘れて……ね。
今月の、今になってやっと気がついたの。
食べ物を得るには、お金がいる。穣子を治すのにも。
執筆以外にも、色々な事をやったわ。
新聞配達、牛乳配達、河童の手伝い、掃除代行…etc。
身体を売った事もあった。
卑しい男に身体中の穴という穴を弄ばれて、精を注がれて。
心が折れるくらいの屈辱を受けたのにも関わらず、貰えたのはたったの十六文。
だいたい蕎麦が一人分食べられるだけの額よ。ありえない。
そんな事もあって、身売りはやめた。
だから、出来るだけちゃんとした仕事をする事にした。
けれど何処でどう知れ渡ったのか、噂をある事ない事流されて、私の出来る仕事は殆どなくなってしまった。
ホイホイと身体を売る女にやる仕事はない。稼いでんだろ?
って。
今やっている執筆の仕事も天狗の慈善事業なのだろう。
いつ解約させられるかもわからない。
お金も無い。食べ物も無い。
お願い穣子。お姉ちゃん謝るから。
許してとは言えないけれど、謝るから。
だから、だから。
お願い穣子。 目を覚まして。
☆★アトガキ★☆
こんばんは。霧ヶ崎です〜。
今回は前作の続きに悩み、かつ体調により遅くなってしまいました。 またまた読みにくい文書ですがごめんなさい…。
ホントお腹が痛いとダメなんです。
考えが湧かなくなるというか、何と言うか……。
くっ月の使者め……。
私をこんなに痛めつけて何が面白いの……ッ!
(ジョジョファンなので。)
因みに、続く!! 」 のカッコは、前作の一番上の『 と繋がっています。分かりにくかったらごめんなさい…。
来週からはあちらの作品を完成為せないといけないので、投稿はお休みします。
余談ですが、映姫さんブラトップつければ良いのに。
因みに小町さんはFと想像しています。 ……羨ましい。
それでは、またお会いしましょう…♪
☆★コメントお返ししました♪ 3/29朝★☆
NutsIn先任曹長様>
いえいえ、打ち切りは「計画通りッ」なのですよ〜♪
前回も今回の上の方も静葉さんの下りがやりたかっただけなのデス☆
とはいえ、小説の中の小説とはいえ読みづらいですね。
こういう所は直して行きたいと思います。
たまに、考えて出てきた副産物は此方に投稿しますので、また直ぐにお目にかかるとは思いますけれど、ちょっとの間お別れです……。 ご感想ありがとうございました。
ギョウヘルインニ様>
えっ……サザエさん風ですねッ!?
でも来週じゃないかもです……。再来週かも……。
と、とにかくちょっと今話の真ん中程の所で行き詰まっているので何とも言えないですけれども!!
次回は叩かれない様に上手〜く綺麗にまとめるつもりなので
待ってて欲しいです! よろしくです
名無し3様>
あっ、すみません。
ガードする腕というつもりで書いてしまいました。
気をつけます……。
因みに、私は女神ではないので(顔は月並み…のハズ)転生はしませんよ〜♪
基本、どんでん返しは大好きですけれどね。
ご指摘ありがとうございました。
名無し 4様>
そうですね、まず妖怪の山のログハウスを探しましょう!
それから、そっと手をとって優しくエスコート。
こういうロマンチックな出会いに一度は憧れるものなので、
きっと手を握ってくれますよ♪
霧ヶ崎
作品情報
作品集:
7
投稿日時:
2013/03/27 14:04:40
更新日時:
2013/03/29 09:12:59
評価:
6/7
POINT:
600
Rate:
17.86
分類
今回は必ずコメントをお返しします!!
静葉
小町
映姫
本当に打ち切りになりやがった……。
それでは、いつの日にかビッグになった貴方にお会いするのを楽しみにしています。
楽しみにしています。
喉を殴りにいってるのに↑なので、てっきり小町の腕が折れるのかと。
まさかの打ち切り。というか第一話も紫がゲロった所から武闘会になってましたし、今後も打ち切り転生を繰り返すのでしょうか…?
これから、色々な人が続きを書いていきそうだ。