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『三姉妹が居てその宴会は盛り上がった』 作者: 和多
「お前らなんで宴会に居るんだ?」
「……?」
「……?」
「……?」
楽しい神社の宴会、その宴会をさらに盛り上げるために魔理沙にお前らと言われたプリズムリバー3姉妹は演奏していた。
実際に奏でられる楽器の音色は、酒を美味しくしてツマミを旨くしていた。
なのに宴会の隅で度の強い酒をチビチビしていた魔理沙には騒音にしか聞こえていなかった。
だから、無駄におおきな大声を上げて台無しにしてしまった。酔って居たせいじゃ無い。元来空気が読めない魔理沙だった。
「うるさいぜ!」
「……」
「……」
「……」
宴会の暖かい空気は氷付いてしまう。宴会で集まった人々はギョッとした眼で、魔理沙と3姉妹を相互に見回した。
「何か言えよ。私はお前らのせいで不愉快になったんだぜ」
「い、言いがかりじゃない?」
「そうよ、リリカのいうとおりよ。ねえ、姉さん」
「気にしないで二人とも、無視して続けましょう」
3姉妹は演奏を一度中止して、魔理沙の問いかけに答え再会し始めた。凍っていた空気は再び暖かくなり始めた。
演奏の中で、盛り上がるときに一気飲みして周りを盛り上げる。陽気な者や静かな奏でのときに近頃のことや恋話等と楽しく話す者とそれぞれ宴会を再び楽しみ始めた。
あくまでも、騒音、騒霊の奏でる音楽が場を盛り上げる。酒場の場所でのことなのだ。それは、たしかに普段ならそうなのかもしれないが間違っていないのだった。
「……ああ何だ? 私の言うこと聞いているのか? うるさいって言ってるんだ!」
「……」
「……」
「……」
3姉妹は騒霊と云われるのだから本当は魔理沙の言っていることは正しいのかも知れない。
が、今宴会に参加している者たちはそんなことはどうでも良い。この音も良い酒の肴になっていたのだった。
魔理沙の野次は本質はあっているが、間違っていた。
「無視するなよ! うるさいって言っているんだ!」
「……はあ」
「……え」
「……何?」
魔理沙がまた噛み付くものだから、仕方無く三姉妹は演奏を止めてしまった。
さっきまで、心地よい喧騒だった宴会の空気がまた冷える。そんなことはどうでも良い音楽でも、耳に溶けていたのだった。
「おい! うるさいのは、魔理沙だ!」
「何だ? 今のは誰が言ったんだ!」
ついに誰かが、魔理沙に対して怒りの言を向けたのだった。さらに宴会の空気は下がり氷付き始めた。
魔理沙は結局誰に言われたのか分からずその場で、地団駄踏んで怒り始める。
「あああああ。あああああああ! あああああ!」
「……リリカ、姉さん始めるよ!」
「そうね」
「そうしましょう」
その空気が嫌で中で、メルランが促しププペーとトランペットの音で音楽を再開しようとした。
メルランなりの宴会をもう一度楽しい方向に持っていこうとした行為だった。
「何だ! お前! 三姉妹のトランペット!」
「ごめん、続けるね」
「うん! 続ける」
「ん? 姉さん。馬鹿なんかどうでもいいから!」
三姉妹の心はいつもとある理由からいつもひとつだ。引っかかる理由も姉妹の生い立ちを考えれば仕方ない。そして、そんなこと小さなこと宴会には皆が楽しむには何も関係ない。
三姉妹からしても、たしかにそんな根底から来ることはある。だけど、今は宴会を盛り上げること、それが最上級の願望であり望だった。
「ダカラ! 煩いって言ってるんだ! 何なんだ!」
「……」
「……」
「……」
まるで、沈んでいく船に残った音楽団のように迫り来るやくさいを無視して演奏を続けつける三姉妹だ。
和みと喧騒が同居したような宴会が再び再開したときだった。
ついに、魔理沙は三姉妹が演奏する壇上に躍り出た。
そいて、演奏を再開し始めたメルランに近付いて行った。
「うるさいってんだ!」
「……!」
「メルラン!」
「姉さん!」
構わず、臆せずに演奏を続けたのが仇だった。
無防備だった腹部に、魔理沙の容赦がない、鉄拳が突き刺さった。
人間などの、攻撃には普段は霊なので気にすること無い。なのだが、今は全身全霊を持って演奏中のメルランのその拳は突き刺さった。
プペペペー!
余りにも激痛思わず、息を思いきり吐き出して仕舞い大音量を放てしまった。
「ぐうえええ? 何しやがる!」
「ンンンンン!」
「姉さん!」
「メルラン!」
近すぎた魔理沙の耳元にそれが襲い掛かる。
耳を押さえる魔理沙の顔その後には?の表情が滲み出た。
そして、その場で魔理沙は崩れ堕ちた。そして、死んだように、その場で、気絶してしまった。
後日、の診断の結果で魔理沙は耳の鼓膜が破れて、音が聞こえなくなってしまったことが判明した。
そして、今この宴会のときにトランペットの奏者メルランは人間に被害を与えてしまったことで退治されるのではないかと慄き霊夢を見た。
やれやれと宴会のはじのはじのほうで八雲の三人と飲んでいた霊夢が、その様子を見てメルランのほうに向かって来た。その表情は無表情で、まるで辺りのことは関係ない気にしないように思え見えた。
この表情をメルランは知っている。あのときの異変のように自分は退治されるんだと思い身構える。
だがそれは間違いだった。
パチ
パチパチ
パチパチパチ
霊夢は、拍手し始めた。
パチパチパチパチパチパチワァー!
他の参加者達もそれに続いた。
それに誰かの喝采までまじった。
「魔理沙なんかどうでもいいわ!」
霊夢の発言にあっけにとられるメルラン、メルランに危害が及ぶならそれこそ一連托生と身構えた姉と妹もつられた。三人揃ってあっけにとられてしまった。
すると、霊夢はそんなさん姉妹にたいして話しかけた。
「何やっているの? さあ、早く演奏の続きをして頂戴」
しばしの、沈黙があった。三姉妹の次女トランペット奏者メルランは意図を理解し、すぐに演奏を再開した。
騒霊といわれる姉妹、でも霊夢や宴会に参加している者達はその演奏が好きだった。
「姉さん?」
「うん!」
「リリカ!」
「続けるよ!」
こうして、プリズムリバー三姉妹の演奏は再開して宴会は楽しく過ぎていくのだった。
耳鼻科に通う魔理沙は難癖付けられて耳の奥まで掃除されましたとさ。
和多
作品情報
作品集:
7
投稿日時:
2013/05/02 16:48:43
更新日時:
2013/05/03 01:50:10
評価:
9/11
POINT:
930
Rate:
15.92
分類
プリズムリバー三姉妹
主にメルラン
魔理沙のプリズムリバー三姉妹に対する不満も、
他の宴会参加者達の不満も、
目出度く解決。
良かった良かった。
面白かった。
俺はプリズムリバー3姉妹の中ではルナサが1番好きです