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『世界を変えるということ』 作者: ラビィ・ソー
「急募 新聞配達員」
b5サイズの簡素なチラシが、霧雨邸の鶏をモチーフにした郵便受けに入っていたのを
目にしたマリサは、7年に及ぶニート生活によって培われた昼夜逆転の生活習慣に一石を投じるために、
その新聞販売店に電話した。
「はい。霧雨マリサさんですね。では明日の午後4時に面接をしますからいらしてください。」
電話が切れると、霧雨邸は元の静寂に戻った。
それにしても7年。あっという間に過ぎてしまった。時折幻想郷の異変がおこったときに、
喜び勇んで駆けつけ、弾幕ごっこに興じるのは、普段社会と隔絶して活きていることの裏返しでもある。
その証拠に東方原作の霊夢は敵との会話をまるで朝のゴミ出しですれ違った近所の人と挨拶をする程度の
テンションで行っているが、マリサのほうは、これは自分の存在価値を見せ付けるまたとないチャンスなんだ、
と意気込んでいて痛々しい。
ニートの一日は早い。あっという間に面接の時間になった。
「えーとですね。この地区の配達と集金をやってもらいます。車かバイクをお持ちですか?」
「アッ、いえ・・ないです・・。」
「カブなら貸し出せるんですけど、乗れます?」
「いえ・・乗れません・・・・(ほうきなら乗れるけど)。」
これ以降も担当者の説明は続いたが、双方がこの面接の結果は実りあるものにならないと
うすうす感づいていたので、あとは何を話したのかマリサはおぼえていない。
「急募 新聞配達員 車かバイクに乗れる爽やかな方歓迎!」
一週間後に鶏のをモチーフにした郵便受けに入っていたチラシである。
マリサは世界を変えた。
作品情報
作品集:
7
投稿日時:
2013/06/15 01:46:36
更新日時:
2013/06/15 10:46:36
評価:
5/13
POINT:
450
Rate:
13.57
いいですね、こういう前向きで小粋なショートショート。
ありがとうございます。こういうオシャレな作品の方が得意なのかもしれないですね。
30歳くらいだと思います。それが妥当な線でしょう。
何はともあれ、彼女にはこれからも頑張ってほしいですね。
快適な労働環境が幻想入りした今、幻想郷の景気は上向きです!^^
>>9
はい。皆さんもお元気そうで何よりです^0^
ホント、企業の雇用主はクソばかりだわ。