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『産廃創想話例大祭A『真理沙「食パンを買ってきたんだよ」』』 作者: 汁馬
「あっつ・・・・・・」
ぼやきながら霊夢は体を起こす。
汗ばんだ肌に湿った寝間着が張り付き、不快な気分を味わいながらの起床だった。
梅雨は明けたが湿気はおさまらず、気温は日ごとに上がっている。
木陰が多く風通しも悪くない博麗神社だが室内の温度はどうにも出来ないのだ。
「朝ごはん作るの面倒だなあ・・・・・・」
布団もたたまず寝巻きのまま台所へ向かう。台所にあるのはお櫃に入った茶碗一杯に満たないご飯と漬物くらいである。
マッチをこするのも面倒なのか、傍にあった術札で火を着けお湯を沸かす。そして茶碗によそった黄ばみかけの米と漬物、少々の味噌に沸騰したお湯を注いだ。
食卓に溶けた味噌の匂いが広がり、食欲を刺激し暑さを忘れさせる。
箸を手に取りふぅふぅと息で熱を冷ましながら茶碗に口をつける。
食卓にはずるずると米と汁を書き込む音、時々聞こえる漬物の咀嚼音以外には蝉の鳴き声しか聞こえない。
「博麗の巫女の朝食は中々質素なんだね。そんなんでは発育が止まってしまうよ」
「いちいち毎食作るのが面倒なのと金が無いのよ。放っておいてちょうだいナズーリン」
庭の方からの声に驚きもせず応える。
特徴的な大きく丸い耳と長い尻尾がゆらゆらと揺れている。
「そうかい、だが君が栄養失調で倒れても困るしね。瓜と鮎の干物を持ってきた、後で食べてくれ」
そう言って靴を脱ぎ、ちゃぶ台に向かい合わせで座った。
「また宝塔探しの手伝いのお願い?今日は暑くて何もしたくないんだけど・・・」
時折、ナズーリンは霊夢に宝塔探しの手伝いを依頼している。
強い力を持つ妖怪の手に宝塔が渡ってしまった場合や他の用があるときなどに、お賽銭とちょっとした食料や酒で気分良く仕事をしてくれる彼女は良い協力関係だった。
「それもあるんだけどね。なんだか妙な反応がこの辺に向かっているみたいだから先回りしてみたんだ。」
「妙な反応?」
「ああ、結構なスピードでこちらに向かっている。・・・そろそろここに着くよ」
それを聞くや否や棚に仕舞ってあった対魔針とお札を手に取り庭に出て臨戦態勢になる。
ナズーリン自身も霊夢への援護や逃げ出すルートを頭の中で思い浮かべながらロッドを構えた。
十秒もしないうちに庭に黒い人影が降り立った。
「よう、どうした霊夢。物騒なもんを持ち出して」
庭に降りたのは魔理沙だった。手には紙袋を持っている。
「なんだ魔理沙か・・・何の用?」
「友人の家に遊びに来ただけさ」
「帰りなさい。あんたが来ると家のものが散らかるし、勝手に食べ物を食べる奴にあげる物はないわ」
「おいおいそんな事言っていいのか?今日はきちんと手土産持ってきてんだよ」
そう言って魔理沙は手に持っていた紙袋を見せた。
どうやらパン屋の紙袋のようだ。
「へえ、珍しいわね。どういう風の吹き回し?」
「ただ友達と美味しいパンを食べたくなっただけさ。そこのネズミ妖怪もどうだ?」
「私も良いのかい?ならご相伴に預からせてもらうよ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
やはりあの朝食では足りなかったのか、パンの入った紙袋を目を輝かせながら見ている。
「お待たせした。勝手に台所を使って済まないね。だが美味しい紅茶を入れられたよ」
台所から運んだティーポットから香りが広がる。ナズがカップに注いでいる間に霊夢が魔理沙に訪ねた。
「袋を見ればパンってのはわかるけど何のパンを買ってきたの?」
「食パンを買ってきたんだよ」
「ええ?バターとかジャムがないと食べられないじゃない。ここにそんなものないわよ」
「そのままでも美味しく食える食パンなのさ。噛み締めれば甘みが広がり滑らかな生地はクリームでも食べてるみたいだぜ」
ごくり、と霊夢の喉が鳴る。ナズーリンもそれほどのものなのかと期待の目で袋を眺めている。
「魔理沙、待ちきれない!早く食べましょう!」
「まあそうあせんなって。ほら霊夢のパンツだ」
「え?」
差し出されたのはパンツだった。
シルク生地で艶があり、履き心地はとても良さそうである。
「・・・ギャグ?面白くないから早くパンを食べさせなさいよ」
「洒落にしてはあまり面白くないな」
霊夢が不満を言う。ナズーリンもしょうもない駄洒落に苦笑していた。
「それともあんた、本気でコレを食べさせようとしたの?ならまずあんたが食べなさいよね!」
「おいおい。何言ってんだお前ら。まあいいや食べないなら私が全部いただくよ。後から欲しいって言ってもあげないからな」
魔理沙は手に持ったパンツにかぶりついた。あっという間に口の中にパンツが収まった。
いくらやわらかい生地でも、人間の顎の力で布を口内で噛み千切ることなど不可能である。
案の定口の中で溢れた唾液が垂れ、床を汚している。部屋には魔理沙のぐちゃぐちゃという咀嚼音が響いている。
「ま、魔理沙!私が悪かった、ごめんなさい!だから吐き出して!危ないから!」
「おい喉に詰まるから早く吐き出すんだ!」
二人の言葉が聞こえないのか咀嚼を続ける魔理沙。そしてついに大きく喉を鳴らし口の中のパンツを飲み込んだ。
喉が大きく膨らみ、下へ下へと膨らみが落ちていく様は卵を飲む蛇を思わせた。
「ふううぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・・・・」
大きく息を吐き笑顔を見せる魔理沙。しかし目は笑っていない。
「ひいっ!」
小さく悲鳴を上げる霊夢。息を呑み、呆然としているナズーリン。未知の恐怖が二人を支配していた。
「どうした霊夢にネズミ妖怪。こんな美味しいものを独り占めしている私を羨ましく思ったか?」
「違う!何やってんのよ魔理沙!」
「でもコレはもう渡さないぞ!全部私のものだ!ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ!」
魔理沙は狂ったようにパンツを頬張り続けた。血走った目で紙袋ごとむしゃむしゃと口の中に入れ続けている。おそらくもう霊夢たちの声は届かないだろう。
「逃げるわよナズ!何かおかしなことが起きてる!」
「ああ、たしかにここにいたら頭がどうにかなりそうだ。」
霊夢たちは走った。空を飛べればよかったのだが、そこらへんにいる空を飛んでいる妖精達がお互いのパンツを脱がせあい食べていた。
巻き込まれてこちらまであのような状態になりたくない一心で人里へ続く山道を走り続けた。とにかく人のいる場所へ行こうと思っていた。
「里に着くわ!」
里の建物が見えてきた。見慣れた建物に見慣れた人々。しかし見慣れない行為が行われていた。
「んんーーーーーっ!!んーーーーーーーーーーーーっ!!!」
悪質な妖怪が入ってこないよう見張りをしているはずの青年がひも状のものを口に咥えていた。
紐パンだった。
「美味しい美味しいおいしいおいしいいいいいいいい!!!」
大声で叫びながらパンツをかじっている妖怪がいた。
「聖ぃいいいいいいいいいいいい!!!」
毘沙門天代理が黒いガーターベルトつきのパンツを口に咥えて走り回っている。
「んおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
五歳くらいだろうか。幼い少年が妙齢の女性の穿いているパンツに噛み付いている。
そのパンツに噛み付かれている女性も誰かのパンツを齧っている。
人間妖怪、老若男女問わず霊夢とナズーリン以外の全てのものがパンツを齧っていた。
「どういう・・・事だ・・・」
ナズーリンがつぶやく。しかし霊夢も何が起きているのかわからない。
どうすれば良いのか、どこに行けば良いのか、どこに行ってもこうなのか。
体も脳もあまりの出来事に麻痺してしまっているのかまるで働かない。
「あらあナズーリンに霊夢さん。どうしたんですかあ?」
後ろからまともな言葉でしゃべる声が聞こえた。
やっとまともな人間に出会えた!二人は振り向くが即座に後悔した。
「ああ、やだわたしったらこんな格好で・・・」
聖白蓮がそこにいた。
しかしいつもの服装ではなく身に纏っているのはパンツのみである。
いや、パンツを身に纏っていた。
上から下まで、帽子も上着もスカートもシャツもブラジャーも全てパンツだった。
正確にはパンツをただ貼り付けたりかぶっていたりしているだけである。
恍惚の表情を浮かべ、股から愛液をだらだらと流すその姿はいつもの聖人君子のような彼女の姿と大きくかけ離れていた。
「逃げるわよナズ」
「ああ」
「逃がさないわ」
身の危険を感じた霊夢とナズは逃げようとするがナズーリンは聖に腕をつかまれ逃げられなかった。
「ナズ!!」
「良いから逃げろ!これは異変だ!異変を解決するんだ!!早く!!!」
「まずは美味しいパンツを食べさせてあげるわぁ」
霊夢は振り返らずに走った。ナズーリンの叫び声だけが耳から離れなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はぁはぁ・・・」
人気のない森へ逃げることができたが、ここから先どうすればいいのかわからない。
異変を解決するにしてもあんなわけのわからない連中とまともに戦えそうもないし、忘れていたが巫女装束ではなく寝間着のまま外に飛び出していたのだ。武器もほとんどない状態で如何すればいいのだろうか。
「パンツを食べればいいのよ」
「誰っ!?」
「私よ、八雲紫」
「紫、貴女も・・・」
「パンツは美味しいの。汗や尿、糞や血まで混ざった貴女のパンツはとっても美味しいわ」
霊夢は自分の股がいつの間にか涼しくなっている事に気が付いた。
今、紫がしゃぶっているパンツは先ほどまで穿いていたものだろう。
逃げなくては。
「もう逃げられないわ」
走り出そうとした瞬間に両手足がスキマで固定されてしまった。
これでは逃げられない!
「私はわかってる。貴女が今までパンツを食べなかったのは理由があったんでしょ」
今までの変態に比べればはるかに理性的な言葉遣いだ。
霊夢は僅かな希望にかけた。紫が私のことを分かってくれることを。紫がこの状況を正確に理解し自分に味方してくれることを。紫が自分とこの異変を解決してくれることを!
「私のパンツを最初に食べたかったからよね」
何もわかってなかった。
そして異臭がした。
紫のパンツがいつの間にか口につめられていたのだ。
瞬間、霊夢の意識は闇の中へと沈んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はっ!」
「ああ、お目覚めかい。うなされていたけど大丈夫かい?」
「ここは・・・。あっナズ!!あなた大丈夫だったの!?」
「どうしたいきなり。悪い夢でも見たのかい」
「夢・・・?そうね夢だわ。あんなこと現実で起こるわけないわ」
「さっき魔理沙が来てね、パンを買ってきたらしいよ」
「えっ」
「おー霊夢、汗でびっちょりだな」
「魔理沙、その紙袋は」
「ああ、これか」
「食パンを買ってきたんだよ」
久しぶりに投稿します。
食パン→食用パンツとかいうしょーもなくて分かりにくいネタ。
紫ちゃんのパンツはきっとフローラル。妖夢は多分汗くさい。
創想話例大祭Aに間に合っていないっぽいですが大丈夫かな大丈夫じゃなかったらどうしようまあいいか
二日くらい徹夜だったので変なテンションで書き上げました。誤字脱字訂正は明日くらいにやります。
他の作者様の作品を読むのも明日以降で。申し訳ないです。
汁馬
作品情報
作品集:
8
投稿日時:
2013/07/07 14:59:48
更新日時:
2013/07/08 00:18:58
評価:
9/10
POINT:
720
Rate:
13.55
分類
産廃創想話例大祭A
食パン
霊夢
ナズーリン
ナズーリンのパンツしゃぶりたい
好きなあの子にさり気なくパンツを求める事も出来ますね。
特に必然性が無いのにナズーリンが主要キャラとして登場してタグにもあるのは、作者様の『愛』ですね。
紫のパンツなら、霊夢はまず、口でくわえて脱がしますよ。
ババアのpンツはいらね