魔理沙と戸隠と農場長

戸隠がひまわり畑で働き始めて一月



戸ヶ糞が一月もつとは思わなかったねえ
幽香さん酷いっす。名前くらい覚えてほしいっす
なんだいくそったれのクセに生意気だ
ほぇええっす
それより早く種集めないところすから







「まったく、酷いやつだぜ幽香のやつ」
「魔理沙さん、その顔の痣はもしかして幽香さんにやられたっすか？」


　この二人はくず同士気があったのか、二人で居ることが多くなっていた。お互い、何かミスしたらなすりつけようとおもってる。愛情は産まれない。



　大体、二日に一回この二人のどちらかがとんでもないミスをして幽香に半殺しにされている。

　幽香は殺す殺す言うが、実際は半殺しだからやさしい。


「いつか、幽香のやつをぶっ殺すぜ！！」
「魔理沙さんやばいっすよ。魔理沙さんと幽香さんでは格が違うっす」
「うるせぇ！戸隠もついでにぶっ殺されたいか？？？」
「なんすか！いくら戸隠でも魔理沙さんには負けないっすよ」


　


　戸隠だって、作者だもん魔理沙を屠る位自分の作品の中なら簡単だ。

　オリキャラ作って餌食にしてやるんだっぺ。作者自身が屠ったら倫理的にヤバイっぺ。

　孫にみせるっぺ。

　

　


「おい、二人ともなににやってんだ」


　視察に来た幽香さんに見つかってなじられたっす。まずいっす。戸隠は、魔理沙さんと口げんかしてたんでひまわりの種拾ってなかったっす。

「げえ！　幽香！！！　私はふつうに作業してるぜ」
「あ！　それはずるいっす」

　
　魔理沙さんはずるいっす。倉庫からひまわりの種を盗んできて、自分で拾ったことにしてるっす。

「ほお、魔理沙はちゃんと仕事していたのに、戸隠は何もしていなかった」
「そうだぜ、戸が糞のやつは仕事していなかったぜ」

やばいっす。やばいっす。このままじゃ、ころされるっす。

「そんな、魔理沙さんはそれいんちきじゃないっすか？」
「ほお、魔理沙はいんちきしていたのか？」
「お前！戸が糞！！　私がいんちきしてるって言うのか？」
「そうっす。その、袋についているタグが証拠っす」
「あ、ヤベェ」
「ほぉ」

　やったっす。幽香さんの矛先が魔理沙さんにむいたっす。

　あの、地獄の底から湧いて出てきたような笑みはサドスティックのえみっす。

「戸が糞てめぇ」
「わーい、わーい、魔理沙さんの負けっすね」
「ほぉ、魔理沙は負けたのか。じゃあ、魔理沙が殺されるのか？」
「そうっす。そうっす」
「糞、てめぇ。まちぇよ、噛んだ。待てよ、戸隠だって働いていないのだから。同罪だぜ」
「そんな、酷いっす」
「ほぉ、うんこも同罪か？？」

　マズいっす、今度はこっちに矛先が向いてるっす。

「ひゃははは！　そうだぜ、戸が糞が悪いんだぜ！！！！」
「酷いっす」
「しんだな、戸が糞は確実に死んだぜ」

　魔理沙は、勝利した気になってその場で小躍りし始めたっす。

「ほぉ、どうやら今日は棺桶が二つ必要なようだな」
「おい、どういうことだ？悪いのは戸が糞だろ？？」
「もういやっす！！！」

　恐怖に引きつった魔理沙さんを尻目に戸隠は逃げ出したっす。

「ぎゃあああああ」





　魔理沙さんの断末魔が聞こえたと思うと同時に恐ろしい足音が戸隠の背後に迫っていることが分かったときにはもう遅かったっす。