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『理由』 作者: ヘルニア
魔理沙は特に理由も無く、捕まっていた。
硬いベットに魔理沙は手足を縛り付けられている。
「何で、何で私は捕まっているんだ?」
「魔理沙を捕まえるのに理由なんてひつようなの?」
「霊夢が犯人なのか?」
「ん? 犯人は貴女でしょ?」
何の犯人?
そんなことは知ったことではない。
「私は何もしてないぜ」
「そんなにアンタはこれからされることに理由が欲しいの?」
「これからされることってなんだよ。霊夢、私に何かしようって言うなら許さないぜ」
歯を剥き出しにして、魔理沙は吼えた。しかし、霊夢は特にそれについて何か感じた様子はない。
縛りつけられて何の脅威も無い魔理沙に恐怖等感じる理由が無い。
「ごめんね。語弊があったわ。もうされているんだった」
「されて居るってなんだよ?」
「身体の中にね。怖いのが入っているわ」
「怖いのって、何だよ。やめろよ。そういうの」
怖いのは、何だか分からない。でも理由も無くこわいもの。
「やめる?」
「そうだ。やめろ!」
「やめてもいいけど」
「それが心臓の近くに居るから。やめると6割くらいの確立で魔理沙も死ぬわよ」
魔理沙は頭を上げて自分の胸を見た。
特に変った様子はない。
「ふざけるなよ。何にもなっていないじゃないか」
「だから、身体の中って言ってるでしょ」
「なあ、これは、悪戯なんだろ? ちょっと、悪趣味だぜ」
「あのねぇ。悪戯で貴女にこんなことする暇は無いわ」
霊夢だって、そんなに暇じゃない。こういう、理由の無い事だって魔理沙に悪戯する暇はない。
「なあなあ、だったらなんだって言うんだ? 少し自分がやっていることを考えようぜ。私も一緒に考えてやるからさ」
「厚かましいわ。何その上から目線」
「別に上から目線ってわけじゃないぜ」
何だか、魔理沙の発言に理由も無く霊夢は酷くご立腹だ。
別に特に魔理沙は上から目線で言ったつもりはないし、今の体勢から考えれば下から目線がただしい。
「じゃあ、私の思い過ごしなのね」
「そうだぜ、もう少し落ち着こうぜ」
「……別に落ち着くとかはそんなに重要なことじゃないわ。ようは貴女は何かされている。それをやめて欲しいだけでしょ? 何でそんなにやめて欲しいの?」
「分かっているなら。こういうことはやめてくれ」
「やめる理由が無いわ」
始める理由が無いのに始まってしまったこと、今度はやめる理由が無いから止まることは無い。
魔理沙の身体では何か怖いものが心臓に進んでいた。
あるいわ。それが心臓に到達すればやめる理由になるかもしれない。
- 作品情報
- 作品集:
- 8
- 投稿日時:
- 2013/08/25 14:05:25
- 更新日時:
- 2013/08/25 23:05:25
- 評価:
- 4/4
- POINT:
- 380
- Rate:
- 16.20
- 分類
- 魔理沙
- 霊夢
始まろうが止めようが、どのみち魔理沙がくたばるのは確定か。
言い知れぬ不安を感じる