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『あんな環境に少女が一人暮らしをしている時点で変だと思え!! ボケが!!』 作者: NutsIn先任曹長
昼なお暗い、魔法の森。
瘴気が立ち込め、意思の弱い者なら正気を奪われかねない魔性の環境。
そこを、とんがり帽子にエプロンドレスのモノトーンルックの少女が、食材の詰まった紙袋を抱えて闊歩していた。
この少女、霧雨 魔理沙は軽い足取りで森の小道を進んでいた。
浮かれ気味の彼女の後を付ける、コテコテの不審者。
薄汚れた服装。
髪の毛はボサボサ。
髭は伸び放題。
この男の動きと目つきは、危険な病気に感染した野獣のような危険で奇怪なものだった。
この怪しげな魅力漂う紳士がモノトーンの姫を見初めたのは、この日の午後だった。
路地裏で彼が人里中の酒屋から集めた、無数の空き瓶から得られた貴重な一滴をブレンドして作り出された至高の一杯を堪能している時。
ボンヤリと見上げた空を、箒に乗った黒白服の金髪少女が飛んでいたのを見かけた。
箒が食い込んだドロワーズの股に魅せられたのか、彼はションベンのほうがまだ衛生的かつ健康的な酒を飲み干すと、思ったよりしっかりした足取りで後を追い始めた。
気が付くと、彼は長い石段を登り、登りきる寸前で脇の茂みに潜んだ。
人外魔境の代名詞。
博麗神社。
その境内に、彼が追っていた少女ともう一人、彼女に負けず劣らずの美少女がいた。
紅い装束。
紅いリボン。
白い袖。
白いサラシ。
白いドロワーズ。
道端に落ちていた天狗の新聞に掲載されていた白黒写真と同じ、幼さの残る顔。
博麗の巫女だ。
境内で黒白金髪少女は、レイクだかレイコだかという名の、脇をむき出しにした紅白装束の巫女と談笑していた。
彼は潜んだ位置の関係で、二人を見上げるような体制でいた。
程なくして、少女達は境内から社殿の方に去っていった。
姿勢を楽なものにした彼は――、
脇から見えた胸の膨らみ。
服の隙間から見えた臍。
ドロワーズの裾。
――博麗の巫女の姿を思い返し、
呆けた表情を浮かべて右手で股間を擦り、
装束の染みを増やした。
その辺に生えている適当な草で劣情の残滓を処理した男。
乾いた粘液がデリケートな箇所にもたらす不快感に顔を歪ませていると、監視していた神社から箒に跨った少女が飛翔した。
彼は、まるで飛行機の玩具を追いかける子供のように、『アレを自分のものにしたい』という純真な欲望を持って、魔法使いの少女を追いかけた。
彼の天然自家製都市迷彩は完璧だった。
道行く人々は、彼を嫌悪と侮蔑を以って、いないものとして扱った。
紅いお屋敷に幽閉された妹様だって、ガラクタを高値で吹っかける河童だって、そこにいないお友達である不具の覚り妖怪だって、
彼ほどの存在感溢れる非存在を実行し得ないだろう。
少女は今、箒を肩に担いで人里を闊歩していた。
里の中心部には、幻想郷と同じ年月を商売に費やした商店街があるが、彼女は郊外のスーパーマーケットに向かっているようだ。
やはり少女は、スーパーの大きな店に入っていった。
男は、少女が出てくるまでの間に食事を済まそうと、店の裏手にある廃棄食品の捨て場に歩を進めた。
しばらくして、少女は大荷物を抱えて出てきた。
右手に箒を持った状態で、両腕で大きな紙袋を抱えていた。
袋からは野菜やパンがはみ出していた。
男にとって僥倖なのは、少女は荷物があるせいか、空を飛ばずに歩いて町外れに向かった事である。
男は少し干からびた、賞味期限切れのおにぎりをいくつか懐に捻じ込むと、尾行を再開した。
森の中の一軒家。
少女は紙袋から取り出したセロリを齧りながら郵便受けを開け、いくつかの葉書と封書を取り出した。
家の無施錠の玄関扉を開け、少女は家の中に入っていった。
「たっだいまー……って、誰もいないんだぜ〜☆」
少女の言葉は、男に重要な情報をもたらした。
この家には、少女一人だけである。
男は神に感謝した。
だが相手は魔法使い。
今襲うのは得策ではない。
人里から博麗神社、再び人里、さらに魔法の森までのウォーキングで、精神はともかく、頭脳の毒素が汗と共に排出されたのか、男は慎重だった。
幸い、この家の周りには粗大ゴミが大量に放置されていた。
ガタイの良い男が身を隠すことも容易だった。
男は発動機が失われた自動車の残骸の中に潜み、サプライズ訪問の時期を待った。
足音がした。
誰かがこの家に向かっている。
男は握り飯の硬い米を咀嚼しながら、そっと車の外を窺った。
金髪の美少女だった。
男が狙っている少女と異なり、こっちはお上品な感じがする。
どういう原理なのか、人形を周囲に浮かべた少女は、家のドアをノックした。
「魔理沙、来たわよ」
「いようアリス。入ってくれ」
少女はドアを開け、屋内へ。
家の中からは、くぐもって良く聞こえないが、二人の少女は親しげに話しているようだ。
男は再び神に感謝した。
獲物が二匹に増えました!!
美味そうな料理の香りが漂ってきた。
男はその香りをオカズに、パサついた冷や飯を食べた。
窓から、二人の少女が唇を重ねているのが見えた。
男はその光景をオカズに、白濁をぶちまけた。
家の中の明かりが全て消えた。
男はさらに待った。
周囲は、蟲の泣き声しかしない。
男はさらに待った。
家の前を、獣か妖怪らしき四足の大きな影が歩いていった。
男はさらに待った。
男は錆付いた懐中電灯の明かりの元、得物の確認をした。
錆びてはいないが、刃こぼれのした包丁。
数本のばっちい手ぬぐい。
男の計画はこうだ。
家に押し入る。
二人の少女を包丁で脅す。
手ぬぐいで手足を縛り、猿轡をする。
一人ずつ、犯す。
具合が良ければ、ワンモアセッ!!
犯し終わったら、金目の物のありかを聞き出す。
言うこと聞かなければ殴る。
金品を頂く。
二人を、殺す。
逃げる。
完璧だ。
男は玄関の前に立った。
玄関の照明に、男の両目と包丁が鈍く光った。
男は玄関ドアのノブを、ねじ切らんばかりに握り締め――。
ドアノブに内蔵された生体認証センサーが作動。
対象者の指紋、掌紋――。データベースに該当者、無し。
対象者は極度の興奮状態。
武器の所持確認。
危険度、大。
可及的速やかに、排除行動を実施。
魔力コンデンサからの回線をドアノブに接続。
魔力を高電流に変換。
放出――。
対象者、昏倒。
救命処置はキャンセル。
経過観察中……。
――対象者の死亡を確認。
無力化した対象者を指定の袋に梱包。
玄関前より移動。
所定の場所に設置。
自衛処理終了。
待機状態に移行――。
森の一軒家――霧雨魔法店に朝が来た。
「清く正しい射命丸の文ちゃんが丹精込めて書き上げた記事満載の、文々。新聞で〜す♪」
「じゃじゃーん!! おりんりんの死体回収サービスでーっす☆」
台所からは、炊飯器からの炊きたてご飯の香りと、アリスが料理するハムエッグの焼ける音。
Tシャツにドロワーズ姿の魔理沙は、眠たげに玄関の扉を開けた。
玄関前に、新聞とトイレットペーパーが置いてあった。
男の命は、ケツが拭ける分、少なくとも三流新聞よりは役に立った。
今回は、魔理沙が危険にさらされるお話です。
人気の無い場所に美少女がたった一人。
それの意味する物は、本作品のタイトルが全てです。
2013年10月27日(日):頂いたコメントにお返事いたしました。
>県警巡査長殿
マリアリはジャスティス!!
がんばれマリアリ!! 負けるなマリアリ!! 陵辱リョナ爆発は他の作者様にお任せだ!!
文々。新聞は、情報源以外の用途で結構役立っていますね。
>ギョウヘルインニ様
薄く、儚く、クソ溜めに消え逝く一生。
>4様
はっはーっ!! 残念!!
>まいん様
魔理沙は何回、男達の精液に塗れたベッドで涙を流したことだろうか……。
にとりには、モニターを務めることを条件に、タダ同然でセキュリティーシステムを設置してもらったとか。
ま、女の子達が無事に終わるお話も、たまには、ネ☆
>6様
辺境に一人暮らしをする、年端の行かぬ少女は、コレくらい強か(したたか)じゃないと、ゴミクズまっしぐらコースですぜ。
>ぽちぽちぽーち様
誰一人として、文々。新聞を情報媒体と見ていない……。
NutsIn先任曹長
http://twitter.com/McpoNutsin
作品情報
作品集:
8
投稿日時:
2013/09/22 17:31:24
更新日時:
2013/10/27 23:21:24
評価:
6/9
POINT:
660
Rate:
13.70
分類
霧雨魔理沙
博麗霊夢
アリス・マーガトロイド
マリアリ
女の子の一人暮らしは危険がいっぱい
セキュリティーシステムにひっかかったのが運の尽き。この変態男は己の欲望を果たせぬままあっけなく死んで逝きましたね。
まさにこの作品のタイトルが全てを物語っていると思います。
今回、魔理沙は助かりましたけどいつかは第二・第三のこういう輩に襲われてしまう日が来てしまうかも。
あのブン屋の新聞はどうせなら古紙回収に出すか、実験の時の下敷きにするのがいいでしょうね。
正直それしか使い道はないかと…。
”紙”
扉改造の犯人は河童だ。間違いない。
魔理沙がゴミクズにならず、アリスが爆発しないのも偶には良いですね。