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『移動式武闘最高裁ヤマザナドゥ』 作者: おにく

移動式武闘最高裁ヤマザナドゥ

作品集: 9 投稿日時: 2013/11/01 16:11:47 更新日時: 2013/11/02 01:11:47 評価: 8/10 POINT: 860 Rate: 16.09
二人の成人女性と、一人の小学生程度の少女が、黄金比を帯びた三角形を保ちながら夜の空を飛行していた。
月明かりと星のまたたきのみが支配する静謐な夜空の中、三人は血肉と脂肪にまみれた両手を隠すこともせず、
ひけらかしているのではないかと思えるほど堂々としながら、その平穏な空間を侵略していた。
四季映姫ヤマザナドゥ、上白沢慧音、聖白蓮。うちもっともちんまい裁判長が、血糊の付いた書類に目を通している。

「次の被告人は誰でしたか?」
「霧雨魔理沙さんです」
「あの手癖の悪い方ですね。まだお若いのに」

聖は指先を口元に当てながら、くすくすと上品な笑みを漏らした。風を切りながら飛び続ける。
ちょうど聖の強化視力の視野にターゲットの自宅が視界に入ったところだった。家の明かりはまだついている。

「お二人とも、念のためもう一度、書類に目を通しておいて下さい。私達は法的根拠を持って、犯罪者に鉄槌を下す義務があります」

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     武闘裁判許可書
           是非曲直庁武闘裁判委員会

武闘裁判委員会は、是非曲直庁最高裁判所捜査局の申請を厳正に審査し、委員長以下全会一致の議決をもって、
是非曲直庁最高裁判所長官兼武闘最高裁判所首席裁判官である四季映姫ヤマザナドゥ、人里第一寺子屋校長兼
武闘裁判所検事である上白沢慧音、命蓮寺住職兼武闘裁判所上級武官である聖白蓮の三名が、武闘裁判所法、
武闘裁判所手続法および関連法規の定めにより、以下の被告人の即時の武闘裁判および判決に従っての極刑を
含むあらゆる即時の処罰を行うことを認める。

・被告人
氏名:霧雨魔理沙
種族:人間 年齢:14 職業:無職
住所:幻想郷魔法の森北部ニ丁目五番地七

・罪状
変態抑止法第十七条に定められる少女変態罪

・予定求刑
死刑

・発効年月日
平成二十五年十一月二日

[判子] 是非曲直庁武闘裁判委員会委員長 四季映姫ヤマザナドゥ
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霧雨邸の入り口が見えてくる。もはやノックをして馬鹿丁寧に家の中へと上げてもらう必要もなかった。
武闘裁判所の被告人となった人間が有罪になる確率は100%、そして有罪にさえなれば、あらゆる暴力行為が正当化される。
聖白蓮は全身を黄金色のオーラで包むと、飛行の速度をまるごと活かしながら木製の扉に体当たりをした。
乗用車が激突したのと同程度の衝撃を受け、爆発的な音を立てつつバラバラな木片の固まりと化す。
そして全く挨拶もなく三人は霧雨邸に飛び込み、魔理沙が生活している一室に土足で乗り込んできた。

「ちょっ、まっ……!!」

魔理沙は椅子から立ち上がり、急いでドロワースを腰まで上げた。指先はうっすらと濡れている。
そして机の上には何かを拭くために用意された布切れと、何枚もの鮮明かつ肌色の多い写真があった。
被写体は霊夢やアリスなど魔理沙の知り合いが殆どだったが、なぜか腋やふとももが派手に露出する際どいものが多かった。

「ノックしてから入ってこいよ! 思春期の乙女心を理解しろよ!」
「あっ……お取り込み中の所、申し訳ありませんでした」

聖は頬を染めながら軽く頭を下げた。

「なに恥ずかしがる必要はない。自慰は自然なことだからな。同性愛も徐々に認められてきてるし、結婚が合法化された国もある。私だって妹紅と……」
「私は職業柄、自慰はあまり好ましくないと思ってしまいますが」
「とりあえず違法性はありませんね」
「うるさい! じっ、自慰なんてしてないからなっっ!」

と言いつつ、耳まで真っ赤になって、魔理沙は指先のぬるぬるした液体を机の上の布で素早く拭った。

「何の用事だよ! 扉まで壊しやがって、しっかり弁償を……」
「その必要はありません。……いえ、決めつけるのは早計でしょうか。とりあえず、現状話し合うべき事柄ではありません」

映姫は先ほどの武闘裁判許可証を魔理沙に手渡す。魔理沙はそのひねくれた文をいったりきたりする。、
文章の意味は分からないではないまでも、正直な所、意味不明であることには変わりはなかった。
ただ一つ分かったことは、事態は想定以上に悪いということ。この三人は、霧雨魔理沙を殺そうとしているということ。
よく見れば、三人の手は乾ききった血糊で汚れており、スカートの裾にも不穏極まりない赤黒いシミが
ところどころべったりとへばりついているのである。この部屋にいる四人の間に、ピリピリとした殺気が漂い始めた。

「どういう、ことだ?」
「あなたは幻想郷の法を犯しました。変態抑止法第十七条、少女変態罪」

映姫はぶかぶかな帽子の中から幻想郷六法全書平成二十五年度改訂版を取り出し、付箋の貼ってある該当ページを見せつけた。

『第十七条 未成年女子としての魅力を以って、不特定多数の人間又は妖怪又は神又はそれに類する生命体、思念体、概念体並びに
 それに準ずる存在をロリコン等の変態にならしめた者は、死刑に処する。 2 過失により変態にならしめた者も、死刑に処する』

魔理沙はますます困惑の色を強める。このような荒唐無稽な法律で幻想郷が動いているなんて、今の今まで知らなかったのだ。

「外の世界で変態じみたスレッドが立つとき、見かけるのはいつも貴女の名前でした。いじめスレや産廃でも、ゴミクズちゃんと呼ばれ、
 様々な変態的な文章やイラストの中心を飾っていました。ふたばちゃんねるにおける金髪の子かわいそうネタも忘れてはなりません。
 ピクシブにおいても、あなたを題材にした不健全な作品は、印刷すればビルの高さにいたるほど存在します。それにコミケでも……」
「え、ええと、まず聞きたいんだが、産廃とかふたばとか、何のことだが全然わからないぞ。まずはそこから」
「言い訳無用! それに、仮に貴女に自覚がなくとも、あなたが一般人を変態予備群に、変態予備群を変態に変えていることに変わりありません」
「ああ、その通りだ。お前がいなければ魔理沙ちゃん葬式オフも開かれなかっただろう」
「知らず知らずのうちに、あなたは幻想郷と外の世界の風紀を乱していたのです」
「訳わからん。……付き合ってられないな」

魔理沙は一歩後ずさる。もうこれ以上の交渉は意味を成さない。それは明らかであった。
ポケットの中に左手を入れ、汗ばんだ指先でミニ八卦炉を握りしめる。

「これ以上うちに居座るなら、ただじゃ済まないぜ」
「あらあらあらまあ、暴力はいけませんよ」

そして聖が一歩前へ。魔理沙の汗が、眉間から鼻の横へ、そして小さな顎へとゆっくりゆっくり流れてゆくのを感じる。
聖の体はまた黄金色のオーラに包まれていた。分厚い法衣の下、しっとりと上品な脂肪につつまれた手足、胸、全身……。
そこかしこがオーラの影響を受けて炎のような熱を帯び、脈動し、盛り上がる。法衣がぱつんぱつんに伸びきると、
とうとう内側からの膨張に耐え切れずビリビリと裂けていってしまった。

「あぁ、なんて、快感……」

僧衣を脱ぐとき。上半身が完全に露出する。ビリー・ヘリントンも真っ青な筋肉質の肉体。
その胸部では、女性であることを主張するかのような二玉の巨乳スイカップ(萃香ップに非ず)がたゆんたゆんと愉快に上下していた。

「なっ、なんだこれ!?」
「ふぅ……、いつ見ても素晴らしい肉体美だな」
「じっと見られると恥ずかしいですよ……」
「いや、眼福眼福」

聖は慧音から目をそらすと、ボクシングのファイティングポーズを取って魔理沙を対峙しながら、じりじりと間合いを詰め始めた。

「潔く武闘裁判を受けるなら良し。さもなくば力づくで押さえつけて証拠を収集することになります」
「……」
「ポケットの中の物を捨てて、大人しくして下さいますか?」

魔理沙はなおも三者を睨みながら、ゆっくりゆっくりと後ずさる。降伏する様子はない。
そして徐々に壁際の方へと追い詰められる。聖☆肉体美☆白蓮は、法力による筋力強化により2メートルを超すボブサップのような大女となっていた。
140cm強がせいぜいの魔理沙からすれば巨人も同然、聖の二の腕の太さは、魔理沙の真っ白な少女ふとももを優に超えている。
近接戦になれば勝ち目はない。だが、遠距離戦ならいくぶん条件は良くなる。聖は、武闘家であると同時に魔法使いでもあるため、
距離をとれば勝てるとは言い切れないのだが、それでも離れることができれば、魔理沙にだって勝ち目ぐらいは出来る。
それに、魔理沙の勝利条件は相手方の妥当ではない。安全な場所――博麗神社のような――にまで逃げきることだった。分は悪くない。

これしかないと、魔理沙は決断した。

生活の拠点であるため、部屋の構造は完全に把握している。ゆっくりとゆっくりと後退りしながら、気付かれないように窓際へと移動する。
魔理沙の作戦は単純だ。窓際に辿り着いたら、マスタースパークで目眩ましをして逃げる。夜の森の闇に溶けて、博麗神社まで飛ぶ。
霊夢の所にまで行けば、こいつらだって不当な手出しはできないだろう。霊夢なら守ってくれる。信頼関係がある。また一歩さがった。
だが、いまだ戦闘に至っていないにもかかわらず、魔理沙はどんどん不利な地位へと押しやられていくんど絵ある。

「……く」

二人はいまだに衝突していないが、近接線での力量差はますます明らかになった。
聖は長年の戦闘経験を活かし切っている。まったくの隙をみせずに、間合いはどんどんと削られてゆく。
もうすぐ聖のストレートが届く間合いになる。呼吸が変わった。魔理沙に焦りが生まれる。まだ窓際は遠い。
汗を流しながらまた一歩後ずさりする。少しだけ歩幅を大きくして――それがいけなかった。
失策に気付き、魔理沙は反射的にミニ八卦炉を構えようとする。だが、遅すぎた。

「えいっ」
「いぎぁ!?」

一瞬で間合いは0になる。ミニ八卦炉は奪われ、右手は捻り上げられる。
焦りが不安定な動作へとつながり、大きな隙が生まれた。そこを見逃すほど、聖の反射神経は鈍くなかった。

「痛い痛い痛い!! この、離せよぉ……っ!!」
「ごめんなさい。幻想郷の秩序のため、裁判を受けてもらわなくてはならないのです」

聖の腕が丸太なら、魔理沙の腕はか細い枝にすぎない。その腕に入る力がわずかに強まった。魔理沙が苦痛の声を上げる。

「いだだだあっ……くっそぉ……っ!!」
「魔理沙さん、チクっとしますけど我慢して下さいね。いきます……南無三!」
「!? や、止めろ!」

聖は一瞬、哀れみの表情を見せた。そして魔理沙の枝のような二の腕を右手で抑え、左手で手首を掴む。
左手をレバーを倒すように動かす。すると魔理沙の二の腕の骨が、折れて潰れるようなくしゃりという音をたてながら、ばらばらに砕けてしまった。

「あ゛あ゛ああああああぁぁっぁぁあああああああ!!!!!」

聖が手を話すと、魔理沙は折れた二の腕を抑えながら、床に倒れて絶叫した。物凄い激痛だった。
魔理沙の全身から脂汗が吹き出し、あまりの痛みに酷いめまいがして、嘔吐しそうになる。ドロワースは少量の小水でほんのり黄色く汚れていた
足をばたつかせ、叫び声とうめき声の中間のような声をあげつつ、苦痛のあまりの涙を流した。

「慧音さん。今のうちに武器になりそうなものを取り上げて、魔力を封印して下さい」
「分かった。裁判長、武闘裁判開始の宣言をお願いします」
「ええ。有罪か無罪か<ギルティ・オワ・ノットギルティ>……最高裁判長ヤマザナドゥ、白黒はっきりつけましょう!!」

悔悟棒を高々と掲げた。ここに、霧雨魔理沙の死刑をかけた即時の武闘裁判が開廷したのである。
武闘裁判とは、裁判の開始や進行のため、被告人への暴行・脅迫・傷害・殺害等の違法行為が例外的に許容される特殊な裁判形態である。
是非曲直庁の武闘裁判委員会が発行する許可書さえあれば、裁判長の一存でどこでも開廷できる。裁判所でも、被告の自宅でも。
そして証拠の採用、法規の解釈、無罪から有罪、死刑を含む量刑の決定と執行、全てが裁判長の一存で決定されるのである。
幻想郷には厄介な能力を持つ人妖が多く、また不可思議な現象が続発するため、いくら閻魔でも通常の制度ではもはや悪党を捌き切れない。
ゆえに、一見独裁的かつ非人道的な裁判形態が、幻想郷の秩序を守るため、本年度より導入されたのである。
現在、試験運用中。武闘裁判官は今のところ映姫ただ一人、委員会委員長も兼任している。

「被告人の有罪はもはや確定的に明らかですが……、一応要件ごとに確認しておきましょうか」

1.未成年であること
2.女子であること
3.魅力的であること
4.3の魅力をもって、不特定多数の人妖等を変態にならしめたこと

「検事の上白沢慧音さん。被告人の犯罪について、説明をお願いします」

慧音はすでに魔理沙のポケットを全て裏返しにして持ち物を没収していた。背中には御札を貼り、いかなる魔法も使えない状態である。
もはやまな板の上の鯉だ。唯一残された衣服も、聖と慧音の二人に脱がされてゆく。

「ぐす、ううぅ……ひっ、や、やめろよぉ……、なんで脱がす必要が……」
「被告人の異議は認められません」

武闘裁判では、被告人に弁護士をつける権利はなく、自己弁護さえ裁判長の裁量の下でしか許されていない。
慧音は用意した書類を映姫に手渡しながら説明を始めた。

「人里の戸籍によれば、被告人はまだ14歳。妖怪でもありませんから、未成年として宜しいかと、そして……」
「そんな、止めろぉ……っ!! うぅ……!!」

慧音が魔理沙のスカートをたくしあげると、聖が黄ばんだドロワースを奪い取ってしまった。

「あらあら、おもらしなんて。ごめんなさい、余程痛かったのですね……」
「被告人の性器はこのようになっています」

魔理沙は涙を流しながらその陵辱的行為に耐えようとしている。

「陰毛が殆どありませんね」
「綺麗なアソコです」
「このように、肉体面から見ても、被告人は間違いなく未成年であるといえます。更に、女子であることも証明されました」

映姫はまだ尿で汚れている膣を触り、開いたり閉じたりして入念に確認した。裁判長自ら証拠を確認する、判決を下すものとして当然だった。
仮に女性器が偽物で、実は男の娘であったなどということがあれば、冤罪事件になるおそれもある。
法に従わぬ悪は罰せられなければならないが、冤罪のような悲劇は絶対に起こさないという心構えはやはり裁判官の資質として不可欠であった。

「ヴァギナは認められますが、ペニスはどこにもありませんね。分かりました。慧音さんの言うとおり、被告人は未成年の女子です」
「ひっぐ、ぐす、うぅ、ぞんなの、ここまでしなくてもわかるだろぉがぁ……!!」
「被告人の異議は認められません」
「念のため写真を取っておきますね」

シャッターが切られてゆく。魔理沙の膣の存在が、動かぬ証拠としてフィルムに焼き付けられていった。

「さて、次は魅力的であることの証明ですか。私は同性愛者ではないので、被告人の性的魅力について正確な判断は下せませんが……」
「この点についても十分な証拠があります」
「ほう」

魔理沙は涙で床をぐしょぐしょにしながら、レイプされた後のいたいけな少女のような顔をして、うつろにどこかを見つめていた。

「こいつら、頭おかしい……」

慧音は丸い円盤のような物体と、何枚かの書類を証拠として提示する。

「こちらは?」
「東方永夜抄と東方地霊殿です。被告はこの二作の中で自機キャラクターとして出演し、アリス・マーガトロイド、
 パチュリー・ノーレッジ、河城にとりの三人の女性と深い関係を持っています」
「ほう、なかなか広い肉体関係をお持ちのようですね」
「人気投票でも高い順位をキープしています。東方wikiの第九回では5位に転落しましたが、ニコ童祭では3位に返り咲いています」
「ほう、ほうほうほう……」

映姫は口元を悔悟棒で隠す。

「いいですね、人気キャラクターは。出番もあって。……厳しい罰を与える必要がありそうです!」
「なんで怒ってるんですか」
「……コホン」

閑話休題。

「ともかく、3は証明されたも同然でしょう」
「はい。ついでに言えば、私は妹紅のような大人になりきれない少女の体にも個人的に興味が有るのですが」

慧音は半妖の腕力で魔理沙のエプロンドレスをビリビリと破く。もはや大した抵抗もない。
慎ましやかな胸部が顕になり、少女特有のおとなしくも艶かしいボディラインが何の遮蔽物もなく晒されてしまった。
剥ぎ取られたドロワース、破られた衣服、そして白く、ところどころ性的に桃色がかったぶぶんもある魔理沙の体は、
その少年のような口調とは裏腹に、柔らかい少女の魅力をいっぱいに湛えていた。

「被告人の体、しんぼうたまりませんね」
「ぅ……」

魔理沙の体が強張る。いままでとは別方向からの身の危険を感じていた。

「なるほど。いえ、私だって負けていないつもりですが」

映姫がうなずく。もはや議論の余地はない。

「4の変態を沢山生み出してしまったことについては、先ほど私自身が言及してしまいましたからね」
「それでは……」

聖が映姫を見る。すでに盛り上がった筋肉は収まり、聖の体もとの女性の丸みに満ちた体に戻っていた。
二玉のスイカップは相変わらずで、上半身の僧衣も破れてしまったままなのであるが。これでは露出狂である。
だが、今は問題ない。武闘裁判ではあらゆる違法行為が正当化されるのだ。

「判決を言い渡します。被告人、そこに正座なさい」

もはや魔理沙に立ち上がる気力はなかった。骨折し、服を剥ぎ取られ、性器まで観察されてしまった。
乙女心はマシンガンで穴だらけにされたごとくボロボロである。仕方ないので聖と慧音が両脇から抱え、床に正座させた。

「あなたは未成年の女子という立場に無自覚のまま、魅力をふりまき、変態を量産してしまいました。これは幻想郷の秩序に対する挑戦です。
 そして――あなたを生かしておけば、やがて倫理は腐り落ち、モラルと呼ぶべきものは全て消え去ってしまうでしょう。情状酌量の余地は
 もはやありません」

怯えた、うつろな目で映姫の顔を見上げる。映姫は悔悟棒を再び天高く掲げていた。

「被告人に死刑を言い渡します! 地獄の底で自らの罪を悔いなさい! これがあなたの――最後の審判<ラスト・ジャッジメント>です!!!」

悔悟棒の先が魔理沙の鼻先につきつけられる。魔理沙の顔が凍りついた。そして、魔理沙の家の地面が割れる。
魔理沙の贖罪のための舞台が、彼岸の是非曲直庁から地上の幻想郷にせりあがってきているのである。

「いっ、嫌、いやぁぁ!!」

こいつらは本気だ。すでにあれだけのことをやったのだ。本気で私を死刑にするつもりだ。あんな馬鹿げた理由で。
怖い。怖い。意味がわからない。そんな混乱した脳内のまま、魔理沙は全身を使って、這ってでも逃げ出そうとした。
しかしもはや満身創痍の魔理沙である。魔力も封じられて飛ぶこともできないのであれば、逃げられる道理はなかった。
地面から縄のようなものが触手のように伸び、そして魔理沙の体をからめとる。

「嫌ああああああああああああ!!!!!」

縄は生きているかのように全身にからみつき、地面を割って現れた十字架に魔理沙をくくりつけてしまった。
まさにキリストの磔である。十字架はどんどん高く伸び、天井を割ってもまだ伸びた。
それと時を同じくして、是非曲直庁の最高裁判所が、裁判長席からなにからなにまで、
魔理沙の家を破壊しながら地面から次々現れるのである。数分もする頃には、もはや魔理沙の家のあった面影はどこにもなかった。

「わぁ、いつ見ても凄いですね」
「すさまじい迫力だ」

慧音は高くのぼる十字架を見上げ関心する。聖は拍手しながら目を輝かせている。映姫はそんな声を聞きながら、得意気に裁判長の席に座った。
地蔵を退職してから数百年、座り慣れたという言葉では言い表し来てないほど、染み付いてしまった感触。
最終的に裁判長席の映姫と磔になった魔理沙が一対一で対峙するような構図となった。

「う、嘘だよな、死刑なんて、冗談だよな?」

縋るように声を絞り出した。映姫は首を左右に振る。

「私が冗談を言うような人間に見えますか」
「そんな、わ、私は被害者だぜ? 変態妄想されたって、そんなこと私は頼んでないし、むしろ気持ち悪いし、
 ……そんなことされたいなんて一度も思わなかったんだぜ? 私が、無理やりそんな性欲の捌け口にされてるだけだろ!
 だっ、だから! おかしいんだよ! 私じゃなくて、変態どもを処罰すればすむ話だろ……!!」
「そうかもしれません」
「だ、だったら!」
「しかし私は裁判長、法律に死刑とあれば、死刑にするのが役割です」
「や、やだ、嫌だああ!! 離せ、降ろせ! 誰か、誰かあああ!! アリス! 霊夢! パチュリー! 誰でもいい、誰か、助けてえええ!!」

映姫は筆を取り、悔悟棒に文字を書き込んでゆく。悔悟棒に罪状を書き込めば、罪の重さにと罰の属性に応じて、いかようにも変形するのだ。

「被告人、霧雨魔理沙。あなたの職業は魔法使いです。魔法使いに相応しいのは、炎による死です。
 暗黒の中世の罰、盲目の中の横暴、十字架に縛り付けての火刑です!」

思い切り振りかぶって悔悟棒を投げる。すると悔悟棒は炎に包まれ、やがて燃え盛る鉄のペニスとなった。
そして燃え盛るペニスは、魔理沙のまだ幼い膣に向けて真っ直ぐに飛んでいったのである。
魔女裁判では、被告人が魔女と判断されて処刑される際、処女であれば器具等でそれを奪ってから焼き殺すのが通例であった。
それに倣う。鉄のペニスは魔理沙の膣に到達すると、表面の皮や内部のヒダを焼きながら、ゴリゴリと膣の奥へと侵入し始める。

「あ゛あ゛ああああああああ!! 熱い熱い熱いあづいあづいいいいいいい!!!!!!!」

魔理沙は苦痛に叫びながら、顔を左右に振って縛めから逃れようとする。だが、どうにもならない。
縄はなんらかの魔法がかけられているのか、ペニスから炎が燃え移ることもなければ、焼き切れてしまうこともなかった。
魔理沙の破瓜の血液は、すぐに1000度の炎に焼かれ、しゅうしゅうと音を立てつつ煙になって消えてゆく。
脂が焼ける音を立てながら魔理沙の性器は壊れてゆく。敏感な部分だけに痛覚神経も集中していて、
一瞬で頭がパンクしそうなぐらいに痛みの情報が流れ込んでくる。

「あっ、あ、あぁぁぁ……いだい、いだいよぉ、おとうさん……」

破れてひっついていた服に燃え移り、全身が炎に侵略されてゆく。蹂躙だった。炎による強姦であった。
魔理沙の美しい髪は先端から灰になり、足の皮膚はもはや焼け焦げて黒ずんでいる。

「あ゛っ、ぁぁ……っ!!!」

泡を吹いて気絶した。皮膚中から魔理沙の脂肪がぷくぷくと泡をたてていた。十字架が焼けて真っ黒い煙が立ち上っている。
やがて窒息死するだろう。あるいは激痛からショック死してしまうのだろうか。魔理沙の皮膚から血液が漏れ、赤く煙を立てる。
そしてピクリとも動かなくなった魔理沙。左足首が炭化してそこから下が地面に落ちてくる。
そこで火の手が消えた。悔悟棒はふわりと浮かんで、映姫の手元に帰ってくる。焦げも脂もない、まっさらな状態に戻って。

「どうしたんだ?」
「生者を悔悟棒で罰した場合、死とともに効力を失い、手元に戻ってきます。あとは地獄の鬼が被告人への罰を続けてくれるでしょう。100万年ほど」

魔理沙――魔理沙だった死体――は人形のように力を失い、ただ縄によって十字架に留められている。
下半身はほとんど真っ黒、膣など見る影もないほどにボロボロに炭化していたが、胸より上、肩や顔などは、
大きな火傷はあるもののまだ原型を保っていた。

「火刑って結構むごいですね。……こういう死体を見ると、封印されるだけで済んで良かったとつくづく思いますね」
「だが、これも幻想郷の秩序のためだからな、可哀相だが仕方があるまい」
「被告人の死体は人里に一日晒した上、人肉に恵まれない妖怪の子供たちに寄付することとします」

翌日の人里、武闘裁判で処刑された十数人の人妖が棒にくくりつけられ、中央部の広場で晒し者となった。
中でも注目を集めたのが魔理沙である。窃盗被害にあった人間はそのおぞましい死に様で溜飲を下げ、変態は涙に汚れた顔をおかずに三度づつ抜いた。
新聞のネタを集めていた天狗はこぞって魔理沙の火傷まみれの全裸死体を撮影し、幻想郷中にばら撒いた。
写真にも撮られる。指をさして笑われる。死体は恵まれない妖怪に寄付される予定であったが、
時間を追うごとに少しづつ盗まれ、3時間後には両手足が全てなくなり、5時間後には首が切断されていた。
胴だけになったあとも人気は高く、半日たったころには棒に炭化した肉片がこびりついているような光景に取って代わられていた。
薬用の人肉として盗まれたのか、食料として妖怪が奪っていったのか、はたまたカニバリストの仕業か、ネクロフィリアか、それはもはや闇の中。

こうして魔理沙の一生は無残にも終わりを告げた。

所変わって博麗神社。朝食は白米と白菜だけの味噌汁、そこにきゅうりのおしんこがついているという程度のささやかなものである。
霊夢は沸かしたばかりの茶を淹れて、すすりながら届いたばかりの新聞に目を通した。新聞代は半額に値切っている。
一面、武闘裁判について。霊夢はどうでもいいと思って次の紙面へ。そしてページをめくると、
磔にされた魔理沙の無残な死体がでかでかとページの1/6を占領していた。

【霧雨魔理沙死去。変態抑止法違反により昨夜即日処刑さる】
昨夜11時ごろ、魔法の森に住む霧雨魔理沙さん(享年14歳)が武闘裁判で死刑判決を受け処刑されていたことが是非曲直庁の声明により明らかになった。
武闘最高裁判長四季映姫ヤマザナドゥ氏とその非常勤の部下二名が、昨夜10:30ごろ霧雨魔理沙さんの自宅に押し入り、自宅内で即席の裁判を始めた。
判決は即日下り、執行猶予なしの死刑となった。魔法使いであることを考慮し、十字架での火刑に処され、11:02ごろ裁判長により死亡が確認された。
罪状は少女変態罪。変態抑止法に定められた罪で故意か過失があれば死刑を宣告されることもある。近年、罪袋を始めとする変態が幻想郷内外に
頻繁に出没するようになり、治安及び秩序の悪化が問題視されている中での判決となった。是非曲直庁最高裁判長の四季映姫ヤマザナドゥ氏
(年齢不詳)はこの処刑に対し「未来ある少女を処刑するのは忍びなかったが、善悪と法律に従い厳正に対処するのが我々の役目。安易に例外を作っては
いけないという気持ちで死刑を宣告した」とコメントしている。この件について神霊廟の豊聡耳神子氏(約1400歳)は「あいつ(同行者の聖白蓮氏)が
やるのは馬鹿げたことばかり。娘にも悪い影響がある。娘はのびのびとした子に育ってもらいたい」としている。この事件に関し、幻想郷縁起の
著者である稗田阿求氏(15歳)は「全く前例のない事で驚いているが、出来るだけ中立的な記述を心がけたい」とこの事件の収録を検討していること
を明らかにした。

「魔理沙死んじゃったのね」

熱いお茶をすすりながら、別の記事へと視線をそらす。

「ま、どうでもいいけど」

いけいけ頑張れヤマザナドゥ。幻想郷に秩序が取り戻される日は近い。
魔理沙ちゃんを滅茶苦茶にするのは楽しいと思いました。

【よだん】
現在、Eratohoを参考にした、幻想少女にエロいことをしたりスカトロいことをしたりグロいことをしたりする
テキストベースのゲームを製作しています(膨大なデータ入力が面倒で停滞中のため公開日未定)。
Eratohoシリーズではなかなか出来ない酷いことを思う存分できるゲームというのがコンセプトです。
刺したり燃やしたりうんこを食べさせたり殺した後にレイプしたりして攻略するゲームです。

★開発の参考にしたいので、何かやってみたいプレイや、取り入れて欲しいシチュエーションがあればついでに教えて下さると嬉しいです★

以上のお願いは強制ではないので、特になければ普通に感想をかいていただければと思います。
おにく
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2013/11/01 16:11:47
更新日時:
2013/11/02 01:11:47
評価:
8/10
POINT:
860
Rate:
16.09
分類
魔理沙
映姫
慧音
リョナ
エログロ
理不尽
処刑
ひどい
簡易匿名評価
投稿パスワード
POINT
0. 60点 匿名評価 投稿数: 2
1. 100 名無し ■2013/11/02 01:28:49
相変わらずのクオリティ魔利沙はさばかれて当然!慧音検事対パチェ弁護士対決みたい。

★室温が光のあたってるとこは60℃で影はマイナス60℃になっている。
2. 100 NutsIn先任曹長 ■2013/11/02 04:42:58
アルティメット・魔女裁判♪
悪法の走狗(ケルベロス)には、情け無用。逃走無駄。抵抗無意味。

無駄に長く小難しい文面を全て読み、霊夢と同じ感想を抱きました。
万が一、博麗神社まで逃げても、他の種族魔女に助けを求められても、魔理沙の死刑は阻止不能ですね。こりゃ。



この哀しい話で得られた教訓――。

『魔理沙だから、しょうがないか♪』



★少女の四肢を拘束して、獣の精液便所!!
3. 100 名無し ■2013/11/02 08:28:17
>>『第十七条 未成年女子としての魅力を以って、不特定多数の人間又は妖怪又は神又はそれに類する生命体、思念体、概念体並びに
 それに準ずる存在をロリコン等の変態にならしめた者は、死刑に処する。 2 過失により変態にならしめた者も、死刑に処する』
これ、貴方方三人含めて東方キャラ全員に当てはまるじゃないですか、ヤダー!(神主曰く、登場キャラはみんな『少女』らしい)

で、ゲームの方ですが、eratohoを原作にするのなら御高作『東方家畜録 少女大量屠殺中』をシナリオにするのはどうでしょうか。
好感度(調教度)が高ければ屠殺時の抵抗が少ないので丸焼きなどに使える綺麗な状態で高く売れ、低ければ抵抗が激しくて挽肉にしか使えないクズ肉になり売値が安くなる、というシステムで。
4. 100 名無し ■2013/11/02 08:33:13
この裁判は世論と変態抑止の効果の疑問によって、本格施行が頓挫しそうですね。
随所に散りばめられたネタと理不尽なまでの暴力、非常に楽しませてもらいました。
特に聖の肉体が爆裂した所ですね。

★監禁レイプ→妊娠虐待→流産胎児食い→飢餓からの四肢食い
5. 100 県警巡査長 ■2013/11/02 19:14:10
やっぱり魔理沙はゴミクズ扱いされるのに限りますね。最高でした。

★幻想入りした外来人たち(主に公的な人間)に輪姦される
6. 100 名無し ■2013/11/03 01:38:56
ゴミクズ魔理沙可愛いよ

★死ぬ寸前までくすぐる
7. 100 日向の吸血鬼 ■2013/11/03 10:08:10
魔理沙が可愛いのは罪というお話。

......その通りだ!
でも霊夢とか真っ先にoutですよね?その理屈だと

★上から下まで触手で貫かれたのを鉄板でおいしく焼けましたー、というのはどうでしょう。
8. 100 ギョウヘルインニ ■2013/11/03 12:06:58
納得できる結果でよかったです。


★料理を作らせるが何も食べさせない。
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