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『ジト』 作者: ギョウヘルインニ
その日、ジト眼する娘は捕まえてジト眼を矯正しようという法律が施行されてしまった。
「どうしよう。パチェはジト眼だからこのままじゃ捕まって眼が健康的でキラキラした少女のような眼にされてしまう」
「レミリアお嬢様、では、パチュリー様の眼を抉ってしまうのはどうでしょう」
「……咲夜。確かにそれは私も考えた」
「では、そうしましょう」
「でもね。眼を抉る過程で体力の無いパチェは力尽きてしまうかもしれない。それにそれでは二度とジト眼が出来なくなってしまう」
「それは、紅魔館にとって、幻想郷にとって大きな損害そうかも知れませんが」
二人とも、パチュリーのことが大好きだ。けして失いたくない。
それでも、法律が絶対だからジト眼しているところを誰かに見られたらお上に密告されて捕まえられてしまう。
「閉じ込めてしまおうかしら」
「いずれ秘密はばれてしまいます。それに、喘息持ちのパチュリー様が閉じ込められた部屋の澱んだ空気に堪えられるか分かりません」
「八方塞ね」
「はい」
嫌な空気、何の解決策も無い間にも時間は過ぎていきジト眼をしているパチュリーがいつ見つかるか分かったものではない。
「どうしよう」
「申し訳ありません。何の役にも立てませんね」
二人は沈んだ気持ちになってしまった。悔しくて悔しくて、対抗心、抵抗意識はあっても余りにも壁は高くて登れなくて。権力という重圧が重力に変っているようで飛べなくて。
吸血鬼という鬼にも涙が有ると人間の咲夜は知ったが血も涙も無い自分にも涙が有ると知ってそれどころではなかった。
「咲夜のせいじゃない。悪いのはこの法律を決めた輩」
「レミリアお嬢様、もしも、あいつ等に見つかってパチュリー様が捕まりそうになったら私が時間を稼ぎます」
「それは駄目! 私は吸血鬼、パチェも貴女も失いたくない我侭な性分」
このレミリアを誰が我侭だと思うのだろう。
口では我侭と言っているが、本当の気持ちは命を賭してでも友達を従者を守りたいという気持ちだった。
「たとえ、あの輩と刺し違えてでも」
「レミリアお嬢様」
「ごめん二人ともシリアスなところ悪いんだけど」
二人が結託して、パチュリーを守ると決めたときだった。
そこに意中の人、魔法使いが現れた。
「パチェ。隠れてないと駄目でしょう。そんなジト眼は今すぐやめて」
「そうですよ。パチュリー様のジト眼は余りにも目立ちすぎます」
「私のジト眼をかばって貴女達まで犠牲になることはないわ」
パチュリーはこの法律が決まった時からもう決めていた。ジト眼がそんなに悪いことなのか。
ジト眼されて、寧ろ喜ぶ輩がいるのではないか。
「パチェ。貴女はもしかして?」
「パチュリー様!」
「そうよ。私はもう決めた。ジト眼を穿つ者にジト眼のすばらしさを伝えに行こうと思う」
たとえ、それがどんな困難ことでも茨の道だったとしても。
全てのジト眼を否定する輩をすべからくジト眼好きに替えてみせる。
「……もう、パチェを止めることは出来ないのね。でもね。辛くなったらいつでも戻ってきて、図書館は清めて置くようにしておくから」
パチュリーの使い魔、小悪魔とメイド妖精全員で毎日大掃除だ。それに、美鈴だって参加させたって良い。
「この気管支拡張剤を咲夜だと思って持って行ってください」
外の世界では広く使われているもの。ただ、幻想郷では入手がほぼ不可能な物を咲夜はさしだした。
「ありがとう。二人とも私は行くわ」
こうして。パチュリーは魔女になって長い時を過ごした紅魔館を旅たったのだった。
今は、たった一人のジト眼少女パチュリーだが、幻想郷にはまだまだジト眼少女が居る。
彼女達を見つけ出し、仲間にすればあるいわ。ジト眼を矯正しようという強大な権力さえも斃すことができるかもしれない。
パチュリーが紅魔館を出ようとしたときフランが現れた。
「フラン」
「これ、持って行って」
フランは、パチュリーにビタミンAの錠剤を渡すと去っていった。
何でもない感じだったが、きっと悲しい気持ちを隠してる。
パチュリーはその気持ちを察して戦いの旅に出たのだった。
何であっちに1回投稿したのかは酔っていたからとしかいいようがありません。
ギョウヘルインニ
- 作品情報
- 作品集:
- 9
- 投稿日時:
- 2013/11/26 17:30:48
- 更新日時:
- 2013/11/27 02:30:48
- 評価:
- 8/9
- POINT:
- 830
- Rate:
- 17.10
- 分類
- パチュリー
だが、たった一人、巨大な壁に穴を穿たんとする病弱な少女を見送り、いつの日にか出迎える事はできる。
少女がいつの日にか、同志を募り、理不尽な体制に高らかに異を唱える事を祈ろうではありませんか……。
ぁあ!? 何だテメェ!! その目は!!
ここが最高に可愛い
羨ましいです