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『まりさ〜ですよ〜』 作者: 和多
「まりさですよ〜」
「まだです。まだ、心がこもっておりません」
魔理沙は人間や魔法使いとして生きることにもう疲れてしまった。
来る日も来る日も権謀術数蠢く幻想郷で人間と魔法使いは特にそうだった。
お疲れ二重苦な魔理沙は郷を彷徨った。そして、魔理沙が力尽きて倒れたところにリリーホワイトが手を差し伸べたのだった。
介抱されて回復した魔理沙はリリーホワイトに畏怖の念を抱くようになった。
そうして、魔理沙はリリーホワイトに弟子入りすることになったのだった。
「まりさ〜ですよ〜」
「……そうです。さ〜です」
こうして、魔理沙はリリーホワイトの元で妖精になる修行を始めたのだった。
一見簡単に見えるこのセリフだが、実はとても深い。全てを無にして、悟らなければならない。
「その調子で、後1000回繰り返してください」
「分かったぜ。私は頑張るぜ」
長く苦しい修行だったが、その日々には権謀術数が無く疲れた魔理沙を癒していったのだった。
「あなたは、もう一人前の魔理沙です。思う存分、人々に魔理沙の到来を告げて下さい」
「わかったぜ。今まで世話になったな、リリーホワイト」
ついにに旅立ちの時が来た。あの、死にかけだった少女は今では成人し美しく成長したのだった。
魔理沙は、あの時リリーホワイトに拾われなければ今は無かったと思い、感謝の気持ちでいっぱいだった。
魔理沙はまず、親友だと思っている霊夢に久しぶりに会ってみようと思った。
まず、この修行の成果を告げるために神社に向かったのだった。
そして、縁側であのころと変らない様子で、茶を飲んでいる霊夢を見つけたのだった。
「霊夢、久しぶりだな。魔理沙だぜ」
「……あ。えっと、魔理沙死んだんじゃなかったの?」
十年振りに魔理沙を見た霊夢は一瞬誰か思い出せなかった。正直死んだものだと思っていた。
そして、思いを告げるときが来たのだった。
「まりさ〜ですよ〜」
「うん、で? 何が言いたいの?」
霊夢は、呆れ顔でお茶を一口飲んだ。
昔の魔理沙ならここで怒り狂うところだったが、今は流水のごとく受け流すことが出来るようになっていた。
今でも魔理沙は魔理沙の季節になると、霊夢の元に現れて『まりさ〜ですよ〜』と魔理沙の季節到来を告げるのだった。
- 作品情報
- 作品集:
- 9
- 投稿日時:
- 2013/12/08 09:01:05
- 更新日時:
- 2013/12/08 18:01:05
- 評価:
- 4/7
- POINT:
- 490
- Rate:
- 12.88
- 分類
- リリーホワイト
魔理沙が魔理沙の到来を幻想郷のあちこちで告げ、魔理沙を産み、育て、そして死んでいった……。