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『れーせんさんのせなかのきず』 作者: dan
「みょん…どうしてでしょう…。」
妖夢には懸念があった。
れは付き合ってる鈴仙が肌を見せてくれないこと。
れーせんさんとはちゅーもいっぱいするしえっちだって…
でも私がお洋服を脱がせようとするとれーせんさんはいつも慌てていやいやをします。
お風呂にも一緒に入った事はありません。
どうしてなんだろう…??
れーせんさんとお風呂、入りたいなあ…
そこで私はサプライズを考えました。
れーせんさんがお風呂に入ってるところに後から入っちゃうのです
作戦は今夜決行!
どっき、どっき…。
ぴんぽーん
あっ、来た!
「はいはーい!れーせんさん、待ってました!」
「こんにちはよーむ!会いたかったよー!むぎゅー」
会うときと帰るときは必ずむぎゅってする。
れーせんさんとのお約束です!
「みょわふう…」
れーせんさんいいにおい…
はっ、いけないいけない
れーせんさんがあんまりいいにおいするからぼーっとしちゃった。
「さ、あがってください!」
「おっじゃましまーっす」
明るいうちはれーせんさんと一緒に小説や詩を読んだりしました。
そしてとうとう夕暮れ時、お風呂の時間です。
「れーせんさん、お先にどーぞ!」
「じゃあお言葉に甘えて…ふふ」
れーせんさんがお風呂場へ消えていきしばらくするとシャワーの音が聞こえてきました。
ではそろそろ…
私は服を脱いで音を立てないように気を付けながら風呂場のドアの前に立ちました。
そして…
「みょん!ついてきちゃいました〜!れーせんさん、一緒にはい…り…?」
その瞬間、私が目にしたのは
驚きと失望の混じった眼で私を見つめるれーせんさん。
そして
湯気の中に浮かび立つ白く美しい肢体に隙間なく刻まれた
罵詈雑言の数々でした。
「あ…あ…あ…れーせんさん…その…」
「…帰る。」
言葉を失っている私の横を通りれーせんさんは身体を拭いて服を着、玄関へ早足で歩いて行きます。
「みょん、途中までお見送りしま…」
「いらない」
私の言葉を遮るようにそう言い放ち門を出ていったれーせんさん。
「…最低」
その言葉だけを残してれーせんさんは私の視界から消えていきました。
初めてでした。
さよならのぎゅーのない別れ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
その晩、私は一人お風呂で物思いに耽ります。
れーせんさんの背中には沢山のひどい言葉が書いてありました
「死ね」「役立たず」「クズ」「落ちこぼれ」「クソビッチ」「兎の恥」
そして何かで抉られたり焼かれたりしたような痕も…
思い出すだけで胸が苦しくなります
どうしてこんなことになっちゃったんだろう
私はただれーせんさんと一緒にお風呂に入りたかっただけなのに…
もう、会えないのかな…
いつの間にか私の目からは涙がぽろぽろとこぼれ落ちていました。
「れーせんさん…れーせんさん…えぐっ…うわあああああああああん!!!」
私が湯船で泣いていると不意に頭をぽんぽんと触られました。
「ふぇ…??」
「あらあら、こんなに目を真っ赤にしちゃって…妖夢の可愛い顔が台無しよ?」
恐らく私の泣き声を聞きつけて来てくれたのでしょう
「ゆゆこさま…」
そこには私の主の姿がありました。
「外まで聞こえてたわよ。何があったのか私にお話ししてごらんなさいな。」
私は幽々子様の豊満な胸に抱かれながら全てを話しました。
「そう…それは辛かったわね。」
幽々子様のぎゅーのお陰で大分落ち着くことが出来ました。
でもやっぱり気持ちは沈んだままなのです。
そんな私を見かねたのか、幽々子様は助け船を出してくださいました
「ねえ妖夢?」
「はい、なんでしょうか」
「きっとあの娘だって悲しくて怖いのよ。あんな姿大好きな人に見られてふられるんじゃないかって」
「確かに妖夢はあの娘を傷付けたかもしれないけど、今本当にあの娘のそばにいてあげられるのは妖夢だけなのよ?」
「だから、ね?行ってらっしゃいな」
そうだ
私行かなきゃ
れーせんさんのそばに
私はお風呂からざんぶと立ち上がると脱ぎ捨てられくたびれた洋服で身体を拭き、下ろしたての新しい洋服を身に纏い脱兎の如く満月の下へ飛び出しました。
待ってて、れーせんさん!
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よーむに身体を見られ、私はとぼとぼと永遠亭へと歩を進めました。
見られた
見られた見られた見られた見られた見られた見られた
よーむにはずっと秘密にしておきたかった、私の過去。
きっと嫌われた。
だって私の背中はこんなに惨めで、汚くて、弱くて。
…自分を責めるのは気持ちいい。
身体がぞくぞくして頭がぼーっとしてきて何も考えられなくなります。
そのふわふわした快感に抱かれながら私の中を言葉のナイフが傷つけていきます。
とっても気持ちいい。
月から逃げ出して以来、私は忘れかけていた自傷行為の快感を久々に思い出して、それに溺れました。
ごめんなさい私はクズなんです兎の中でも特別に出来損なった生まれちゃいけない役立たずなんですだれかころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころしてころして
いつの間にか私は泣いていました。
今までの自分を思い出すと涙が止まりません。
どうして私ってこんなにだめなんだろう
もはや歩く気力も失せて足から力が抜けその場にへたりこみました。
「ぐすっ…えぐっ…よーむ…よーむたすけて…」
私はどうしていいかわからず、ただ赤子のように泣きじゃくることしか出来ませんでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はあっ…はあっ…れーせんさん!れーせんさーん!」
満月の下、名前を叫びながら走ります。
あのときれーせんさんが向かったのは迷いの竹林の方角…
飛んで行ったならともかく歩きならまだ永遠亭には到着していないはず。
速く、速く、速く!
もっと速く!
れーせんさんのそばに行かなきゃ
月明かりに照らされた竹林を、これ以上ないスピードで。
そしてたどり着いた二股の分かれ道、そこにれーせんさんはいました。
「れーせんさん!」
れーせんさんは一瞬びくっと身体を跳ねさせて振り返りました。その眼はいつもより赤く充血していました。
「よーむ…むぎゅ」
「れーせんさん…だいじょうぶですよ。私はなにがあっても、どんなれーせんさんでも、ずうーっと、ずうーっとれーせんさんのそばにいますから。」
私はれーせんさんを抱きしめました。ぎゅーってされるのは安心する。
れーせんさんが教えてくれたんですよ。
「よーむ…よーむぅ…うわーん!」
私は泣きじゃくるれーせんさんの頭をなでなでしながら石の上に座りました。
なでなで
なでなで
なでなで…
「よーむ…わたしね、くずでのろまでやくたたずでみんなにきらわれてたの…!だからよーむもわたしのこときらいになっちゃうかとおもったの…」
「だいじょうぶです。わたしはれーせんさんにどんなむかしがあってもずぅーっとずぅーっとだいすきですから」
「…ほんとに??」
「あたりまえです!」
「ほんとにほんと?」
「ほんとにほんとです!」
「ありがとう。じゃあ話してもいいかな、私の昔話。よーむには私の全部をしっててほしいの」
そういうとれーせんさんはぽつりぽつりと話し始めました
吐くまで無理やりおもちを食べさせられたこと
うさみみに火をつけられたこと
そして、背中に無理やりひどい言葉を彫られたこと
「そんなことまでさせるなんて…でもそれなら…」
れーせんさんが話の中でいじめられるたびに心がちくちく痛みます
「もうこのきずは二度ときえないって師匠にいわれたの。だからわすれられないんだ。」
「…私ならけせますよ。」
私のその一言にれーせんさんは伏せていた目をふっとあげました。
「えっ…でも師匠は…」
「だいじょうぶです!さ、せなかをだしてください!」
「…はい」
れーせんさんはすこし不安そうな顔で諸肌をぬぎました
「だいじょうぶですから」
そういって私は腰の刀に手をかけました
そしてそれでもってれーせんさんのゆきのようなせなかに字をかいていきます
れーせんさんのはなしをきいてるうちにおもいついたやりかたです
「…!?いたい…!」
それでもれーせんさんはうごかずがまんしてくれてます
わたしは手をとめずにどんどんとほりすすめていきました
そして…
「できました!!さ、れーせんさん、みてください!」
血を拭き取った二本の刀で合わせ鏡をつくってれーせんさんのせなかをうつします。
「わあ…すごい…よーむ…」
ひどい言葉の上にから彫られたおおきい「れーせんさんだいすき!」の文字
「ね、きえたでしょう?」
「うん!」
れーせんさんのとびっきりのにぱってした顔
つられて私もにぱっとなりました
「じゃあれーせんさん、続き…しましょう?」
「つづき?」
「はい!いっしょにおふろです!」
れーせんさんはそのときになっておふろから駆け出したことをおもいだしたようでした
「うん!」
そういってれーせんさんは白玉楼の方角へ走り出しました
月明かりがれーせんさんの血に反射してとってもきれいです
「あっ、待ってください!」
ぴょんぴょんはねるれーせんさんを追いかけます
やっぱりれーせんさんだいすきっ!!
おわり
書きかけのが出てきたのでちゃちゃっと完成させました
今までほのぼのばっかなのでそのうちグロテスクでいかにも排水口なSSも書いてみたいです
dan
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2013/12/12 05:10:30
更新日時:
2013/12/12 14:10:30
評価:
4/4
POINT:
400
Rate:
17.00
分類
妖夢
鈴仙
幽々子
でも、二人のラブラブが進展するならば、良しとするしかないネ☆
うどみょんに幸あれ!!
文章が可愛いのに、これは良い産廃クオリティ。