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『魔理沙ちゃんが採血されるだけ』 作者: 290
「魔理沙さん、腕出してください」
「ささっと終わらせてくれよな」
どん、と診察台の上に勢いよく腕をさらす魔理沙。
いつものブレザーではなく、ナース服を身にまとった鈴仙はにこりと微笑むと、ゴムバンドを手に取った。
少女のぷにぷにした白い腕をつかみ、二の腕に手際よくゴムバンドを巻き付けていく。
「魔理沙さん細くてきれいな腕ですね、うらやましい」
「まぁ幻想郷一美少女の魔理沙様だからな、当然だぜ」
縛られたことによって浮き出た血管を鈴仙は丁寧になぞる。
「何してるんだ?」
「血管の位置の確認ですよ」
「ふぅん」
魔理沙は自分の腕に浮き出た青い血管と、それを触る鈴仙を興味深げに眺めた。
「魔理沙さんアルコールで荒れたりしませんか?」
「あぁ、大丈夫だぜ」
「少し冷たいですよー」
鈴仙は銀色の缶の蓋を開き、そこから白い脱脂綿を取り出すと、魔理沙の腕をさっと拭いた。
アルコールが乾くか乾かないかのうちに、使い捨ての注射器のパックを取り出し、パッケージを剥く。
「まだか?」
魔理沙はちらりと注射器の先の針を見、目をそらした。
いくら強がっていても注射は怖いらしい。そんな様子が微笑ましくて鈴仙はふふっと笑みを漏らす。
「今刺しますからね。チクっとしますよ」
「一思いにやってくれ」
つぷり。
ひじの内側、薄い皮膚の下に銀色の針がもぐりこむ。
その感触に魔理沙は思わず身震いした。痺れるような感覚が腕を襲う。
「んっ……」
目をぎゅっとつむり、痛みに耐える魔理沙。
注射針の刺さっていない左手はぎゅっとむすばれ、小刻みに震えていた。
「あ、あれ?」
鈴仙は小さくつぶやく。
ガラス製の注射器の中にはほとんど血が流れ込んでこない。
なんでかしらん。血管には刺さってるのに。角度が悪いのかな。
注射針をぐるりと回転させる。
「痛ッ!」
金髪の少女は鋭い声を上げた。
「あぁ、ごめんなさい。痛かったですよね、ちょっと待ってくださいね」
んむむ、と鈴仙は眉をひそめる。少し針を回した程度では血はほとんど注射器の中にたまらなかった。
「れ、鈴仙、痛いぜ。早く終わらせてくれ」
「んー、血が出ないんですよう」
「なんでだよ!?早くしてくれ」
「さ、さぁ……」
魔理沙に急かされ、焦った鈴仙はさらに注射針を血管に潜り込ませようと針を進め、
「痛いッ!!鈴仙、それ、痛い!!!」
目をきつく閉じたまま痛みに悲鳴を上げる魔理沙。
「ごめんなさい!今、抜きますから!!」
鈴仙は大きくため息をつき、新しいアルコール綿を取り出すと、針をアルコール綿で押さえながらそっと引き抜いた。
「……終わりか?」
「痛かったですよね、ごめんなさい魔理沙さん。ここ、押さえていてください」
今更のように溢れ出した血を止めるために魔理沙にアルコール綿を押さえているよう指示し、使い終わった注射器の片づけにかかった。
中身を見ると、ほとんど血は取れていない。これでは検査に使えないだろう。
「痛かったですよね、ごめんなさい」
罪悪感から、もう一度繰り返す。
「あ、あぁ。でも、終わったんだろ?」
目を涙でいっぱいにして鈴仙を見上げる魔理沙。
そんな彼女に鈴仙はすまなさそうに頭を下げ、告げた。
「ごめんなさい、採れなかったので、もう一回です」
お久しぶりです
この後魔理沙ちゃんは鈴仙ちゃんに二回、てゐちゃんに二回失敗されて最終的に永琳先生に採血してもらうまで五回針を刺されました。
注射苦手な魔理沙ちゃんかわいいぺろぺろ
290
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2013/12/12 14:46:22
更新日時:
2013/12/12 23:46:22
評価:
4/7
POINT:
460
Rate:
13.86
分類
魔理沙
鈴仙
採血
短編
その後、涙目の魔理沙は採血者に与えられる飲み物やおかしを、ありったけふんだくってくんだろうな……。