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『夕 餉』 作者: 狂い
華奢で小さな身体に、僕は腕を回す。
蛙、知ってる?
諏訪子さまは僕の胸の中でそう言った。
小柄で数も多いからすぐ天敵に食われてしまう。
くぐもった声がかすかに聞こえる。表情は伺えない。
誰もいない小川の木陰。大きな麦わら帽子越しに見える夕闇が
川の流れを鈍く照らしている。
それならどう生きていく?
諏訪子さまは僕の体をぎゅうっと引き寄せた。消え入りそうな声に
耳を傾ける。
毒。
と諏訪子さまが少し笑った。木立の小鳥が一斉に跳ねた。その音が耳に響く。
毒。
諏訪様、もう社殿に戻らなくては。諏訪子さまの声をかき消すように僕は言った。
体のしびれが止まらなくなり始めた。諏訪子さまから離れることが出来ない。
麦わら帽子の小さな裂け目から、諏訪子さまは僕をじっと見つめ返していた。
狂い
- 作品情報
- 作品集:
- 9
- 投稿日時:
- 2014/01/03 22:17:17
- 更新日時:
- 2014/01/04 07:18:46
- 評価:
- 3/3
- POINT:
- 300
- Rate:
- 16.25
- 分類
- 洩矢諏訪子
- 蛙
- 肉食
彼は、蛇淫で諏訪子様を貪った。
たった二人で完結した食物連鎖。
諏訪子に寄り添う彼は正常なのか。