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『上白沢慧音の暴走 (モコモコ王国ショートショート)』 作者: 木質
今夜は満月。
「いい月だなモコタン!!」
上白沢慧音がハクタクへと姿を変える日である。
「それにしても今晩は冷えるな! きっと今頃、男子生徒の乳首は寒さでさぞビンビンなんだろうな!」
「知らねーモコ」
「おっと! こうしちゃいられない。『急がば輪姦(まわ)せ』だ! 行くぞモコタンよ!」
「人をおともアイルーみたいなノリで連れ出そうとするなモコ」
「ところでモコタンは男の子に似合う服ってなんだと思う? 私は丈がちょっと長いTシャツ一丁の姿だと思うんだ! 想像してみろ! 興奮するだろ! 究極のチラリズムだ!」
「うるせーモコ。勝手に行けモコ。眠いモコ」
「おう! 行くってくるぞモコタン! 男の子大好きハクタク先生、推して参る!!」
こうして野獣は解き放たれた。
【例題1】
たかし君は300円持って八百屋さんに行き、一個160円のりんごを2個買いました。
八百屋「おや。たかし君。お金が足りないよ?」
たかし君「あ、本当だ。どうしよう…」
八百屋「お家に戻る?」
たかし君「家まで遠いの」
八百屋「それは困ったね」
たかし君「あのね。お兄さん」
八百屋「?」
たかし君「僕の体で、払わせて」
八百屋「裏に行こうか」
こうしてたかし君は、今まで密かに思いを寄せていたお兄さんに、処女を捧げたのでした。
【QED】
【 ファイル1: ドクター医龍診療所 〜ジェネラルルージュの巨塔〜 】
迷いの竹林。
「ピィィィィィィィポォォォォォォ!ピィィィィィィィポォォォォォォ!ピィィィィィィィポォォォォォォ!」
奇声を発しながら夜の竹林を疾走する。
「急患でぇい! 急患でぇい! 体が疼いて仕方ねぇ!!」
しばらくして、目的の建物が見えてきた。
永遠亭。
「師匠大変です! ハクタクと思わしき……というかハクタクがこちらに向かって来ています!」
鈴仙が研究室で薬の調合を行っていた永琳に報告する。
「わかってるわよ。あの奇声が聞こえない奴がいたら中耳炎の可能性があるわ」
ハクタクの声はだんだんと大きくなり、そしてついにその時はやってきた。
「にゃんぱすー!!」
壁をショルダータックルで破壊して永琳達の前に現れた。
「急患です先生! 主に私が!」
「帰りなさい。ここはメンタルクリニックではないわ」
「受け入れ拒否だと!? 貴様それでも医者か!? ブラックジャックによろしくに、よろしくを言わせる気か!?」
「そんな元気な患者がどこにいるのよ。それに私は薬師よ」
「んなことはどうだって良い! そんな事より、体が火照って仕方ないんだよ!」
「竹でも突っ込んで腰振ってなさい」
「ここに両手を骨折し入院している寺子屋の生徒がいるハズだ。その子の隣のベッドに一晩入院させてくれ。そうすれば治る」
(ここに来た目的はその子か)
「私のバキュームフェラはすごいぞぉ? ダイソンを凌駕する。ぷりっぷりの精子が飲みたくて胃袋も子袋もキュウキュウしてやがる」
「…」
永琳はハクタクの背後にいた鈴仙に視線を送り、子供を連れて逃げるよう指示を出す。
阿吽の呼吸で永琳の意志を汲み取った鈴仙は、子供を連れて逃げるべく音を立てずに部屋を出ようとする。
「疾っ!」
ハクタクは頭の角の片方を外して鈴仙の足元に投げた。
角は床に半分も埋まった。
「どこへ行こうというのだね?」
「クッ」
ハクタクと視線が合い、鈴仙は歯噛みした。
「貴様、抜け駆けする気だな? さては毎晩、彼の手が不自由なのをいいことにヌイていたな?」
「エロ漫画の読みすぎよ」
「うっせえ! 私の死ぬまでにしたい事リストNo.279番の『ナースコスして、両手骨折ショタに献身介護』を阻む者は死あるのみ!」
「279って、どれだけ煩悩抱えてるのよ」
「邪魔立てするなら仕方ない! たった今からここは診療所から貴様のメモリアルセンターに変わったぞ!! ってんん?」
背中に違和感を感じて、ハクタクは振り返る。
空になった注射器を持つ永琳が、すぐ背後にいた。
「おやすみなさい。ハクタク」
「ふにぁぁ」
倒れ、ハクタクは目を閉じた。
「助かりました師匠」
「ウドンゲがハクタクの注意を十分にひきつけてくれたおかげよ」
「それにしてもすごい効き目ですね。ハクタクが寝ちゃうなんて」
「一滴でクジラすら昏睡させる劇薬よ。これだけ注入して眠らない方がどうかしてるわ」
鈴仙はガーガーといびきをかいているハクタクを見る。
「どうしましょうかこの猛獣」
「幻想郷の猛者たちを一蹴し、里を騒がせ続けた怪物『ハクタク』。これを八雲紫に突き出して恩を売るのも有りだけど、解剖して探究心を満たしてみたくもあるわ」
「師匠…」
「冗談よ。これの生態に興味が無いと言えば嘘になるけど」
<このマッドサイエンティストめ!>
「「ッ!!?」」
ハクタクの声がして、二人は首を振る。
しかし、ハクタクは未だ眠ったままである。
<どこを見ている、コッチだコッチ>
眠っているハズなのに、声だけは聞こえる。
「どういうこと?」
「師匠、ひょっとして喋ってるのはアレなんじゃ」
鈴仙は、床に刺さっているハクタクの角を指差す。
先ほど自分を牽制するために投げてきたモノだ。
<やっと気付いたかマヌケども>
「まさか、角が貴女の本体なの?」
<実はそうなんだ。体は仕事帰りのOLから拝借している>
「ハクタクの正体は寄生生物だったの?」
<もともと私はお前達と同様、他の惑星の生物だった。しかし住んでいた星が突然爆発し、新たな星を探して発見したのがこの地球だった。地球に降りてからは脳量子波の強い人間を…>
「すんごい展開が来たわね」
<まぁ嘘だけどな>
「は?」
その瞬間、二人は背後から首根っこを掴まれた。
「どうした? 床に刺さった角がそんなに面白いか?」
ハクタクは二人の体を軽々と持ち上げる。
「ハクタク!? なぜ起きて!? それに今の声は!?」
「上手いだろう腹話術?」<角が喋るとか頭大丈夫か? 一度医者にいった方がいいんじゃないか?>
閉じている口元、唇が僅かに震える。
「有り得ない。あれだけの薬を打たれてもう起きるなんて」
「まったくだ。背後から注射とか、私はどこのグラップラーだ畜生。これが無ければ危なかった」
ハクタクの服の下から、シリコン製の棒が1本が落ちた。
「男の子と遊ぶ玩具を一杯持っていて正解だったよ」
オナホール、エネマグラ、ペニバン、ディルドー、ローションボトル、コンドームが次から次に落ちてくる。
「お前が注射したのは私ではなく『質感はまさに本物! ショタっこア・ヌ・ス☆』だ。人と肌触りが酷似して気付かなかったな?」
「そんな…」
「ふんっ!」
ハクタクは二人を部屋の隅に投げた。
「ちょうど良い。これを使わせてもらおう」
研究室にあったビニールで出来た無菌テントを手にとった。
「ブラックジャック好きだから、これの使い方はわかるぞ」
少しだけ膨らませてから二人に被せ、中に閉じ込める。
「さっき言ったよな? 『私のバキュームフェラはすごいぞぉ? ダイソンを凌駕する』と、ふーー」
息を吐いてから、空気穴に口を付けた。
「ヒョオオオオオオオオ!!」
「ヒィ!」
「きゃぁ!!」
布団圧縮袋の要領で真空パックにされる二人。
「んー!」
「んー!」
「さて、行くか」
予備で置いてあった永遠亭の看護婦衣装に勝手に着替えてから病室に向かった。
「なに!?」
しかし病室に少年の姿はなかった。
この時、窓が開いていることに気付く。
(彼は両手骨折だ。窓なんか開けられるはずは無い)
窓から身を乗り出す。
遠くで大鷲が飛んでいるのが見えた。その背には目当ての少年と、かつて一戦交えたことのある仙人がいた。
「ちっっくしょおおおオオオオオおおおおおおオオオオオおおおオオおおおおオおお!!」
その咆哮は、はるか遠くの茨木華扇の耳にも届いた。
「突然連れ出してごめんなさい」
大鷲の上で、華扇は少年に謝罪する。
ハクタクを捕らえようとしていた華扇は、ハクタクの後を密かに追っていた。
永琳たちとのやりとりを盗み聞きして、ハクタクの目的を知った彼女は、少年の保護を優先した。
「待てこらあああああああああ!!」
「 ? 」
下方の竹林の中から声が聞こえ、覗き込む。
「はいどうっ! 走れ! マキバオーのように!」
砂煙を巻き上げながら高速で移動する物体があった。
「何あれ!?」
二頭の並走する牛。その背中に足を一本ずつ乗せ、腕を組むハクタク。
「貴様に対抗してこっちも動物乗り物で来てやったぞ!」
「変なところで張り合いますね」
「くそう、奴が生徒を人質にとっているせいで撃ち落せない。おい、もっとスピードをあげろ! それかレッドブルみたいに飛べ! 翼を授かれ!」
牛の背中を靴底で小突く。
「む、無理ですよ飛ぶなんて」
「それに走るにしたってこれ以上は…」
「いいからやれ! 出荷するぞ豚野郎!」
「豚じゃないです!」
「あと俺ら種牛です! おいしくないです!」
「うるせぇ! じゃあテメェらの役割は一つだ! オイ邪仙!」
上空の大鷲に呼びかける。
「邪仙ではありません! 仙人です!」
「今からこの牛を殺す! 止めたきゃ降りて来い!」
「ちょ!!」
「何言ってるんですか姐さん!?」
「お前、動物大好きなんだろう?」
「くっ。卑怯な。仕方ない。竿打」
大鷲に着地するよう命じる。
「よーし。いい子だ。褒美にローションを200CC譲ってやろう」
大鷲の背中から地面に降りた二人を、牛の上から見下ろすハクタク。
「よし、私も降りるか。おい屈め…こらタイミングを合わせろ! そうだ良し、次は頭を下げろ。お前じゃない右の方だ馬鹿!」
四苦八苦しながら降り立つ。
「ドーモ。カセン=サン。ジャセンスレイヤーです。よろしくお願いします」
両手を合わせて慇懃に礼をした。
「大人しくその子を置いて去るなら見逃してやる」
「そうはいきません」
「ただとは言わん。獣姦裏DVD『猫姦〜ネコまっしぐら〜』をプレゼントしよう。ローションも付ける」
「いりません」
「ひょっとして。もう持ってるのか?」
「違います!」
華扇は構え、臨戦態勢に入る。
「どうやら死にたいようだな。ハイクを詠め。カイシャクしてやる」
「私の能力、忘れたとは言わせませんよ? 貴女は私の言葉に逆らえない」
華扇は動物に干渉する能力を持っており、半獣であるハクタクも、彼女のその能力の対象である。
前回、それのせいで追い込まれた。
「聞こえんなぁ」
ガンを飛ばし、両手の中指を立てる。
「良いでしょう! 連れ帰り、たっぷりと教育してして差しあげましょう!」
「SHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAH!!」
突進するハクタク。
手を振り上げる華扇。
「『跪きなさい』!!」
「だから聞こえねぇつってんだろ!!」
「ぎゃん!!」
ハクタクの抱え込みタックルにより片足を取られた華扇はそのまま押し倒された。
「ぐ、なぜ私の能力が効かない?」
「だから聞こえないんだよ馬鹿」
「はっ!」
のしかかるハクタクの耳から、何か液体が漏れていることに気付いた華扇。
「まさか鼓膜を破って…」
「耳に少量のローションを流し込んだ」
「…」
呆れ顔の華扇を無視して、鼻をつまんで「フン」と耳抜きをする。詰まっていたローションが噴出した。
「駄目だよぉ? 自分の能力をペラペラ喋っちゃぁ? それは死神の専売特許でしょぉ?」
「なるほど、私の言葉が聞こえなければ意味はありませんからね」
「今夜の私は気分が良い。お前に小顔整形を施してやる。当分はアンパンマンみたいに膨れ上がるがな」
マウントを取ったハクタクは顔を愉悦に歪ませながら指の関節を鳴らす。
「いいんですか?」
「なにがだ?」
「子供、牛さんが連れていってしまいましたよ?」
「何?」
振り返るハクタク。
二頭の牛が走り去っていた、角の先で少年の両脇を器用に引っ掛けて。
「クソ! あの駄牛共! 裏切ったな!」
「違います。貴女が耳抜きをする直前に私が命令しました」
「この野郎」
「私をここでギタギタにするか、子供を追いかけるか。お好きなほうをどうぞ」
「何が楽しくてお前に跨らにゃならんのだ!」
立ち上がり踵を返す。
「『跪きなさい』!!」
「だぁぁそうだった畜生!!」
慌てて耳を塞ぐハクタク。
「足だけでお前を殺すことくらい造作もないが、今は一瞬一秒が惜しい」
歯軋りしてハクタクは後を追いかけた。
しかし、途中で完全に見失ってしまい、本懐を遂げることはできなかった。
【 エピソード2: ハクータックーと秘密の部屋(意味深) 】
里の中。
「キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!」
両手を広げたハクタクは、猛スピードで里の往来を疾走していた。
永遠亭でのアテが外れたため、次なる獲物を求めていた。
とある地主の屋敷。
そこにハクタクは突っ込んだ。
「んちゃ!! ヘーイ提督ゥー! オチンポミルクティー淹れてアゲマース!!(台詞うろ覚え)」
何枚も壁を突き破り、家主の寝室に飛び込んできてそう告げた。
「男の子の為なら、例え火の中、水の中、アンダーワールドの中!! 最後の希望、半獣ライダーハクタクです! マーズランキング4位!」
「う、うちには子供なんていねえぞ!」
「座敷わらしがいるだろ。男の子の。連れて来い!! 早くしろ! これから一軒一軒のお宅を回って座敷わらし集めるんだから!」
「それだけは勘弁してくれ! あの子がいたからこの家は栄えたんだ!」
「心配するな。座敷わらしと人間の男の子で楽しいレクリエーションをするだけだ。具体的にはこうだ」
フリップを取り出して、そこに書かれている絵を指差す。
「座敷わらしのショタマンコに男の子のショタチンポをズブリ。その男の子のショタマンコに別の座敷わらしのショタチンポをズブリ、その座敷わらしのショタマンコに別の男の子のショタチンポといった具合にどんどん連結させて、
最終的に数珠のように一周した形にして、私の号令で腰振っちゃおうってレクリエーションだ。嗚呼……射精の許可を下す瞬間を想像するだけで潮吹きそうだ。さあショウタイムだ!」
「そんな非道は許しません!!」
その場に、割って入ってくる者がいた。
「私が来たからには貴女の思い通りにはさせません!」
「聖様!」
この屋敷が檀家だったということもあり、聖白蓮が助けにやってきた。
「出たな、お寺の魔法使い」
「今日と言う今日は、貴女を説き伏せます!!」
「やってみろこのブラコン!」
「スカンダの脚!」
「ぐぉ!」
一瞬で距離を詰められて蹴り飛ばされるハクタク。
壁と塀を突き破り、外の道まで転がった。
そこにさらに白蓮は追い打ちをかける。
「ハヌマーンの舞! ガルーダの爪! インドラの雷!」
「くそぉだらぁ!! これ見よがしに心綺楼の技使いやがって!! 自慢か!? 自慢かコラ!!」
反撃の蹴りを放つも、手で軽くいなされ、カウンターの掌底を貰う。
「がはっ!」
「貴女は力はあっても動きが単調過ぎる。何度も拳を交え、貴女の動きは全て覚えました。私には勝てません。『柔よく剛を制す』です」
「『獣欲、郷を制す』か、良い言葉だな」
コキコキと首を鳴らす。
「私の技を全部まともに食らったのに平然としているなんて。本当に信じられない耐久力」
「当たり前だ! なぜなら私は最後の希望だから!」<シャバドゥビタッチ ヘンシーン> ←腹話術
メリケンサックを装着するハクタク。
「死ねカス!!」
「くッ!!」
大きく後ろにさがる白蓮。
「そうだよなぁ? メリケンサック付きの私と戦うのは初めてだもんなぁ。そりゃあ警戒するよなぁ?」
「そのような暗器に頼るなど、恥を知りなさい!」
「知るか馬鹿! 暗器も淫具も使ってなんぼだろうが!」
「いざ南無三!」
飛び込む白蓮。
(暗器といっても結局はあれは手に装着するモノ。手袋と変わらない。対処できる!)
「かかったなアホが」
両手を交差するハクタク。その手にはローションボトル。
「潤滑情事空劣陣(ローションクロススリップアタック)!!」
勢い良く腕を振り、ボトルの中身をすべてぶちまけた。
「きゃっ!?」
摩擦の無い地面に踏み込んでしまいバランスを崩してしまう白蓮。
「フィナーレだ」 <チョーイイネ! サイコー!!> ←腹話術
不敵な笑みを浮かべつつ、メリケンサックを振り下ろした。
「む?」
しかし、その手が届くことはなかった。
手は突然空中に現れた隙間の中に取り込まれていた。
その隙に駆けつけた寺の面々が白蓮を引かせる。
「これは八雲紫の…」
「その通り。今晩は、謎の野獣さん」
妖怪の賢者。紫が現れる。
「人数が増えた所で一緒だ。私を止めることなど…」
直後、電流がハクタクの体を貫いた。
「今度はなんだ?」
見上げると、神霊廟の面子が一同に介していた。
「すみません太子。効きませんでした」
「構いませんよ屠自古。今の光で他の者達にも伝わったでしょう。ほら」
神子が指差す先、妖怪の山がざわざわと揺れていた。
「紫様。妖怪の山より入電です。加勢すると」
「紅魔館が討伐に協力してくれると言ってくれました」
藍と橙が紫に報告する。
「ご苦労様。藍、隙間の権限の一部を与えるわ。地底と地上を繋げなさい。話しは通してあるわ。橙、貴女は藍をサポートなさい」
「御意」
「頑張ります」
音も無く式と式の式は姿を消した。
「おいおい。みんな勢ぞろいか? テリーマンまで出てきそうな勢いだな?」
「貴女を排除するため、幻想郷の全勢力が団結したわ。これってすごい事なのよ?」
「知るか! 男の子のこと以外まったくもってどうでも良い!」
「その舐めた態度。今晩で終わりにしてあげるわ!!」
「まぁ良い。お前たち全員を倒せば邪魔者が消えるということだ!」
こうして、幻想郷にとって最も長い夜が始まった。
【 エピローグ: 悲しみの向こう側 】
朝。慧音宅。
「…」
上白沢慧音は、穏やかに差し込む朝日に起される。
「妹紅、いるか?」
返事は無い。
嫌な胸騒ぎがして、家の外へ出る。
「なっ…」
里のほとんどが瓦礫と化していた。
形が残っていそうな家は、自分の家を含めてごく僅かだった。
「お、けーねの野郎起きやがったモコか」
家の屋根に釘を打っていた妹紅が降りてくる。
「何があったんだ?」
「ほとんど自分でやっといてそりゃねーぜモコ。塊魂の王子でもここまでやらねーモコ」
「私がやったのか?」
「幻想郷VSハクタクだったモコ。円谷や東映も真っ青な内容だったモコ」
「ああ、そんな…」
「慧音せんせー!」
頭を抱えたその時、阿求が駆け寄ってきた。
「阿求か、怪我はないみたいだな」
「はい。なんとか」
「なぁ。里が復興するまでに、何年掛かるんだろうな?」
「さぁ? まぁ一ヶ月もあれば十分じゃないですか?」
「へ?」
突拍子の無い答えに困惑する。
「だって皆さん手を貸してくださってますし」
見れば里の人間に混じって建築や炊き出しの手伝いをする妖怪が大勢いた。
「材木は妖怪の山から無償で提供され、人手や資金は各勢力が援助してくれてます。避難所として施設の一部を提供してくれてる所も」
「すごいな。幻想郷が一つになってる」
ありえない光景に、知らず知らずの内に涙をこぼしていた。
「そういえば怪我人は? 誰か死んだりは?」
「大勢いますが、命に別状はありません」
「そうか」
「ただ」
「 ? 」
「昨夜もまた、たくさんの男の子達がハクタクさんの餌食に」
「ピュ〜〜」
慧音は何かを誤魔化すように、口笛を吹いた。
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2014/01/26 12:27:52
更新日時:
2014/01/26 21:27:52
評価:
9/10
POINT:
920
Rate:
17.18
分類
モコモコ王国スピンオフ
ハードショタコンのハクタク先生
矛盾だらけの舌戦で腹筋が割れてしまった。
ハクタクの新スキル『腹話術』!!
真空パックプレイとはマニアックな!?
ひょっとしたら作者様は、この作品を鎧武が始まる前から執筆していたのか!?
幻想郷の住民達は、慧音先生とハクタクは別者だと認識しているのが救いか……。
絶望エンドなら、ショタがハクタク達が平和に暮らす世界に堕ちてきて、絶望したショタが9mm機関けん銃を乱射するヤツが良いです♪
本質??
幻想郷のショタはおしまいだぁ・・・