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『秦こころのばれんたいんでえ』 作者: ウナル
※本作品にはスカトロ描写があります。
如月の走り、新芽が雪間から顔を出す頃、秦こころは漂う希望の気に人里へと来ていた。
「?」
てっきり祭りでも始まるのかと思いきや、太鼓も鳴っていなければ、屋台も出ていない。それに祭りとなればねじり鉢巻きを巻いた年配者が出張って来るというのに、今希望を持っているのは比較的若い者たちだ。
異変はそれだけではない。
普段は軽い調子で話し合う男女がなぜか今日に限って離れている。だが喧嘩別れをしたかというとそうでもなく、むしろお互いにお互いを意識しているようだ。偶然すれ違っても白々しく素通りし、かと思えば過ぎ去った背中を見やる。何とも異様な光景であった。
こころはその秘密が人の口に昇る聞きなれない言葉にあると踏んだ。
「ばれんたいんでえ?」
どこかの神様の名前だろうか、あるいは何かの儀式のことだろうか。ともあれ、何かしら厳かな響きを感じさせる言葉である。それがこの希望の元であるのは間違いないだろう。
ならば、知らねばならない。
希望の中に自分の感情を手に入れるために。
そして――
「この仮面を使いこなすために」
名状しがたい面を手に、こころはぐっと拳を握った。
◆
「ばれんたいんでえ?」
「はい。神子様ならば知っているかと思いまして」
こころが足を運んだのは自身の生みの親、豊聡耳神子の元だった。
「森羅万象世の理で知らぬ事は無いという神子なら知っていると思いまして」
「……なるほど」
藁の座布団に胡坐をかく神子は腕を組み、神妙な表情で頷いた。
ごくりと猿の面を付けたこころは息を飲む。
「――ばれんたいんでえ。それはすなわち、呪術的儀式の一つ。〈ばれ〉はお互い、〈いん〉は渡す、〈でえ〉は沈黙だ。つまりお互いに無言の行をした後、〈んた〉を渡し合うという意味となる」
「なるほど……。それで〈んた〉とはなんですか? それにそれが成功したら一体何が起こるのです?」
その問いに、神子は顔を引き締め心を見つめる。
「こころよ。それは私の口からは言えない。それではお前のためにならないからな」
神子の言葉にはっ、と心は顔を上げた。
「全てを教えるのは簡単だ。だがそれで良いのか? いいや良くない。物事は自らの目で確かめ、自らの考えで答えを導いてこそ意義があるのだ。一足飛びに答えを知って血肉になるはずがない。それは思考を止めた愚者の行動だ。そこで、こころよ。お前にばれんたいんでえの術を完遂させることを命じる」
「え……?」
突然の神子の言葉。だがこころはここで一旦心を落ちつかせた。
これは神子の親心だ。こうして難題を出し、自分を成長させようとしてくれているのだ。その過程で得た知識・経験はきっと役に立ち、自分の感情を得る手助けになると信じて。
「……わかりました。自分の力でその謎を解いてみます」
深々と頭を下げるこころ。
神子はその姿に、軽く笑むと文机へと向かう。
こころは静かにその場を出た。
そして部屋が沈黙を取り戻すと、二人の少女が神子の前へと現れる。
「太子様、流石です!」
「まさか巷で噂のばれんたいんでえにそんな意味があったとは!」
身を乗り出し神子を称賛する布都と屠自古。それに神子は不遜に笑んで、
「まあ、嘘なんだが」
答えた。
ぽかーんと口を開ける二人に、神子は照れを隠すように笏を顔に当てる。
「いやだって、復活したばかりで現代のことなんかわかる訳ないじゃない?」
「なるほど! それはそうだ!」
「納得しない。でも太子様、あの子本気にしちゃってますよ。いいんですか?」
「良いんだ良いんだ。本当に調べてきたらそれで良し。わからずとも精進せよと激励してやればそれで良し。この聖徳王、口に関しては負けんよ」
はっはっはっ、と豪胆に笑い神子は筆を走らせる。
もちろんその言葉が巡り巡って、己が身に降り注ぐことなど露も知らなかった。
◆
神子の事情など露知らず、こころは大股に道を行く。
その胸には未知への探求心と己への希望で満ち溢れ、どことなくその足取りも力強い。
とはいえ、
「何をどうすればいいのやら……」
生まれてこの方調べ物などした事が無い。面をとっかえひっかえうろうろしていると、一人の女性が声をかける。
「こころじゃないですか。どうしました?」
「聖」
グラデーションがかった髪を揺らすのは命蓮寺の聖白蓮だ。何かと神子と対立する彼女だが、こころに関してもいざこざが絶えない。片やもともと自分の物だと主張する神子、片や彼女のために寺で修行すべきだと主張する白蓮。こころを挟み睨み合うことも数え切れないほどあったが、当のこころからすれば二人の言葉はそれぞれ正しいし、二人にはそれぞれ良い所があるし、できることならいがみ合って欲しくないと言うのが本音であった。
「何か悩み事でも?」
「うー、うーん」
神子に言われた手前、すぐさま人に聞くというのは気が引けた。それでは結局他人頼りではないか。しかし、どこに進めばいいのか、その見当すら付かないのも事実であった。
「こころ、人に頼るのは決して悪いことではありませんよ。人は自分の力で歩かねばなりませんが、人に肩を貸すのもまた尊い行為なのです。もし私がこころの力添えになるのなら、その心中を伝えて欲しい」
「……聖」
本心からの言葉にこころもまた頷く。どの道にっちもさっちもいかないのだ、聞くは一時の恥知らぬは一生の恥と思いこころは思い切って白蓮へと問いかける。
「――なるほど〈ばれんたいんでえ〉ですか」
ふむ、と頷き白蓮は顎に手をやる。
「もしかして……」
「聖、何か知ってるの?」
「ええ。確かそうだったと思いますが、魔界に封印されている時にとある妖怪からそんな術を聞いたことがあります」
「本当!?」
「ええ」
「わあい!」
火男の面で小躍りするこころ。そんなこころを微笑ましく見ながら白蓮は優しく微笑んだ。
「私も詳しくは聞いていないのですが、縁結びや良縁祈願に近い術ですね。なんでもそのルーツは古代縄文時代まで遡るのだと」
「なんと!」
獅子口の面を被り、驚きの声を上げるこころ。
「まず結ばせたい相手同士を九日の間、会話をしないようにさせます。その後、相手の所縁ある物品を手に《スデキスイダガチンウハシタワ》と唱えます。これは誰にも見られてはいけません。そしてその物品を箱など外から見えないようにしてそれぞれの相手に渡します。相手がそれを開ければ術は成功です」
「あれ? それって本人たちがやるんじゃないの?」
「いいえ。第三者ですね。本人たちにその物が見られてたら効果がなくなるそうですよ」
微妙に神子の言っていた事と噛み合わないが、恐らくそれは長い年月の間に変化したのだとこころは解釈する。こういった術が時代の需要と共に変化していくのは良くあることだし、より効果的なやり方を模索するのも世の常だ。
「その渡す物は相手の物なら何でも良いのですか?」
「特に効果的な物があると聞いたのですが、それを教えては頂けませんでした。この術の奥秘だそうで」
「……そうですか」
「参考になったでしょうか?」
「はい。ありがとうございました」
ぺこりとお辞儀をしてこころは去っていく。その背中を白蓮は母親の瞳で見送った。
◆
白蓮から大きな収穫を得た。
これは縁結びの術であること、そのルーツは縄文時代まで遡ること。
なるほど、縁結びの術ならばこれが若い者たちの希望になっていることも頷ける。そわそわしていたのは、誰かが自分たちを思い人と結び付けてくれないかと思っているからだ。何故この時期に限ってなのかは定かではないが、儀式と季節が密接に関係するのもまたよくある話。とりあえず、そこは問題にしないで良いだろう。
「後はやはり〈んた〉か」
最後のピースはやはり〈んた〉についてだ。神子もこの言葉をはぐらかし、白蓮も聞けなかったいうのだから、やはり非常に重要な要素なのだろう。逆を言えば〈んた〉についてさえ知ることができれば、術の再現はできたも同じだ。
「しかし、どこに行けば調べられるか」
姥の面で困惑を表現するこころ。
縄文時代の記録などそうそう残っているようなものではない。歴史をひっくり返してもそれについて言及している書物など数えるほどしか――
「――あ」
ふと一人の人物に思い至る。
「はあ、縄文時代の記述ですか」
人里でもひときわ大きな屋敷の中、こころは一人の少女と会っていた。一秒でも時間が惜しいようにこころを前にしても筆を止めず、太い巻物にせっせと流暢な文字を書き込んでいる。
「古代の書物を編集したという貴方なら知っているかと思いまして」
「はあ。まあ私と言うか、最初の私ですが」
稗田阿求。
幻想郷の歴史をまとめ、妖怪について言及した幻想郷縁起を書き記す歴史の生き証人である。幾度と転生を繰り返す彼女だが、その最初の姿は古事記の編纂者、稗田阿礼である。
「確かに私は古事記の編纂をし、縄文以前の歴史にも触れてはいるのですが……」
そこで阿求は眉を寄せた。
「実は転生の内にその記憶も薄れてしまって、正確な事は……」
「……そう」
「ああでも、屋敷の奥にはかつての私の記録もあります。探したら何かわかるかも」
言うが早いか阿求は筆を置き、早足に廊下を歩き出した。屋敷の奥にある階段を降り、さらにその先へ。着いたのは地獄の門かというような分厚い扉である。黒茶けた表面からして相当古いものらしい。
「ごめんなさい。私の為に」
「いえいえ。それにこんな機会でもないとかつての私のことなんて思い出そうとしないものですから。せっかくの機会ですし、思い切って部屋をひっくり返しましょう!」
袖から鍵を取り出し、分厚い南京錠を外す。
重い音を立てて巨大な扉が開く。
「……おお」
中は書物の山、山、山。
さらに石板のようなものや、用途不明の工芸品などがうず高く積まれている。
「ここは私の私物を入れておく蔵なんです。といってもろくに片づけてないんで、ほとんど物置なんですけど。さて、最初の私となると、かなり奥の方ですね。よいしょ」
着物が汚れるのも気にせず書物の山に果敢に挑む阿求。だが日頃の運動不足のツケか、その速度はイモムシのごとく遅い。
「ん」
「わっ……あ、ありがとうございます」
その身体を抱き上げ、こころは蔵の中を飛ぶ。
やがて蔵の果てが見えてきた。
「ここでいい?」
「はい」
書物の谷間に阿求を下ろす。途端、カビ臭い匂いが鼻腔をくすぐる。
「さーて、発掘作業開始ですよ」
腕まくりして書物の山に挑む阿求。色の変わった和紙をめくり、すぐに横に置いて行く。どうやらあの一瞬で内容が頭に入ってしまうようだ。次々と書物をめくっては置いて行き、どんどん紙の山を切り開いて行く阿求の姿に〈書籍ブルドーザー〉という単語が脳裏に浮かぶこころであった。
「……んー」
それに対してこころの進みの遅い事。
こころとてあの聖徳太子から生まれた付喪神、ある程度の教養は具えているがまるで暗号のように入り組んだ文章の数々を前にしては阿求のようにはいかない。
どんどん紙の中へと進んでいく小さな背中を、こころはじっと見つめる。
「あ、これって感情?」
自然と湧き上がった感想。不思議と体温も上昇しているようである。
こころが今の状態を記憶しようと黙っていると奥の方から「ありました!」と阿求が手を上げた。
「これですよ。古事記編纂の時に使った覚え書きです」
阿求が広げた紙には細かな文字が所狭しと並んでいる。目を凝らして見れば、それは古代の言葉を現代の言葉に直したいわゆる辞書のようなものらしい。
「えっと、聞きたい言葉は〈んた〉でしたよね?」
「はい。〈んた〉です」
「〈んた〉……〈んた〉……あった!」
紙の一部を持ち上げ、そこに目を近づける阿求。
「ええっと……これは南部少数民族が使っていた言葉ですね。『それ、金色の輝きを持ち、人より出でし物。かの伊弉冉尊よりし生まれ出た土の神すなわち波邇夜須毘古神・波邇夜須毘売神に所縁するものなり』」
「?」
「これは神生みの神話に由った内容ですね。火の神ガグツチを生んだ際イザナミは火傷を負い病となります。その際にもイザナミは神を生みます。波邇夜須毘古神・波邇夜須毘売神は土の神。つまり〈んた〉とは」
「〈んた〉とは?」
「うんこですね」
◆
「よいしょ」
命蓮寺の厠は当然和式。汲み取り式を今でも使っているため、丸く開いた穴に排便する形である。白蓮は大き目のお尻で便器に跨ると、その肛門を穴へと向ける。
ぶっぷぅ―――――――っ!!
強烈な放屁が厠を揺らす。
「……?」
どこからか声がしただろうか。
「気のせい、ですかね」
ともあれ排便だ。
お腹の方は十分に温まっている。
「んっ! んはぁぁぁっ!!」
ぶぼ……ぶぅ……みちちぃ……。
気持ち良さそうな声を上げながら白蓮の排便が始まった。
日々健康的な生活を過ごしている白蓮はいつでも快食快便だ。
一握りもある太い便をもりもりと出す様子は、とても普段の彼女からは想像できないだろう。その便を見た者も一体どこのガチムチ男が出したのだと思うこと間違いなしの威風堂々さである。
「ふぅ。さて、今日は里の方へ説法へ――」
お尻を拭き、白蓮は厠から去って行った。
「ん……」
蛇のように身をくねらせ、こころは厠の穴から脱出する。
白蓮の大便とカスの付いた紙の下には無表情なこころの顔が覗いている。
「聖の一本グソゲットだぜ」
火男の面を付け、うんちを両手に小躍りするこころ。
思いっきり顔に屁を受け、バレかけたが何とか第一段階終了だ。
「次は……」
「ん! んふぅ!」
神霊廟の中、神子は水路を跨ぎ、苦悶の声を上げていた。
「……最近っ……少しお通じが……んっ!」
快便な白蓮とは違い、神子はやや便秘ぎみなようだ。固い固形便が肛門を広げては戻りを繰り返している。
「んっ……次で……んんんんっ!」
両手を握りしめ、神子が大きく息む。
これ以上ないほど肛門が広がり、まるで別の生き物のように外へと伸びる。
ぐぐぐぐ……ぶっ……。
それに根負けしたように、腸壁の文様が刻まれた大便が水路へと浸かる。神子は尻を振り、ようやく大便は尻から切れて水の流れに乗っていった。
「うぅ……尻が痛いですね……」
痔になってはいまいかと臀部を擦り、神子は部屋から出た。
流れに乗った大便はゆっくり神霊廟の外へと流されていき、それは一人の少女によって拾われた。
「神子の便秘便ゲット」
水に濡れた神子便を大事に抱えて、こころは神霊廟の外へと向かう。
「やった……やった」
何とか二人に気付かれることなく、大便を手に入れることができた。
これで、儀式は完遂できる。
「ばれんたいんでえ、ばんざーい」
「こねこね〜こねこね〜」
わざわざ声に出しながら、二人の大便をいじるこころ。
里での調査の結果、渡す際はハート型が定番らしい。
ハート、すなわち心臓。お互いの心臓を渡し合うことで信頼を分かち合う。なるほど縁結びの儀式としてこれ以上ない適切な造形だ。
うんちのカスを頬に付けながら、遂にこころは二人分のハート型ウンチを完成させた。
その二つを前にこころをは胸に手を組み、魔法の言葉を唱える。
「スデキスイダガチンウハシタワ」
どうか、二人が仲良くなってくれますように。
◆
「聖がこれを私にか?」
「はい。真心を込めてだそうで」
こころは神子に聖の物を、
「あの神子からの贈り物?」
「そうです。きっと気に入ると」
聖に神子の物を渡した。
これできっと二人は仲良しになってくれるだろう。
「たらったらたったった、うさぎのダンス〜」
陽気に踊りながら人里を行くこころ。すると、路地の影に隠れていた男たちがわっと心の元に駆け寄った。
「あの! こころさん! これを受け取ってください!」
「はい?」
「お、俺も! 俺からの気持ちです!」
「あの能を見た時からずっと好きでした!」
「こころちゃんコロコロ!」
あっという間に、こころの両手は積み重ねられたチョコの箱でいっぱいとなる。
「……なんなんでしょう?」
「おや、こころさん大人気ですね」
「阿求?」
微笑みながらやって来た阿求に、こころは手を上げて挨拶する。
阿求にも男たちが群がり箱を手渡そうとするのだが、周囲を固めた女中たちがそれを制し、牛舎の中へと箱を詰めていく。
「おっすおっす。阿求」
「おっす。こころさん」
「で、大人気ってなに?」
「ん? 今日はバレンタインデーですよ?」
「ん?」
お互いに首をかしげる二人。
「――つまり、うんちが入ってるの?」
「何を言っているんですか。バレンタインデーは男が女へチョコを渡し、愛情を伝える日ですよ。外の世界のお祭りなんですけど幻想郷に入ってきてからは毎年告白デーなのです」
「え? ええ?」
「知らなかったんですか? こころさん、能楽で目立っているから人気なんですよ。まあ半分お祭り騒ぎみたいなものですからあんまり本気にしてもダメですけどね」
周囲からおれはほんきだーと上がる声を無視してこころを牛舎へと招く阿求。
「せっかくですし、屋敷で少し話をしませんか? 幻想郷縁起に書くネタも聞いておきたいですし」
「……うん。行く」
がたごと牛車に揺られながら、こころは渡された包みの一つを開く。
少しいびつなハート型のチョコとメッセージの書かれたカード。
ヘタクソでも一生懸命に思いを伝えようとして作ってくれたのは間違いないだろう。
「気合い入ってますね」
「……うん。嬉しい」
軽く口に含む。チョコの甘い味が口に広がる。腕に抱く箱はまだまだある。この一つ一つが人の思いを乗せていると思うと心がポカポカする。
「……阿求はチョコの作り方知ってる?」
「え? 知ってますけど、誰かにあげるんですか?」
「うん。お世話になっている人。それに阿求にもあげたい」
「えへへ。告白されちゃいました」
「ちょっと違うから」
「わかってますよ。屋敷に着いたら一緒に作りましょう」
「うん。ありがと」
ポーカーフェイスを崩さないまま、こころは少しだけ嬉しそうに言った。
……その頃、
「聖白蓮! ぶっ殺す! その身体を八つ裂きにして肥溜めにばらまいてくれる!」
「太子様抑えて!」
「そうじゃ! 肥溜めは大切な肥料じゃ!」
神子は箱の中に入っていた大便に怒り狂い、命蓮寺に討ち入ろうとした所を布都と屠自古に止められていた。
また命蓮寺では、
「ねえ、皆さん。なぜ彼女はこんなものを送りつけたのかしら? わかる人いるかしら? 私には皆目見当もつかないの」
「……………」
白蓮の前に集められた命蓮寺の面々は沈黙で持って返すしかなかった。
白蓮の前には大便が詰められた箱。
アルカイックスマイルを崩さず微笑み続ける白蓮の顔は、能面よりもさらに仮面じみていた。
「「やはり彼女とは決着をつけねばならない」」
神子と白蓮が思いも新たにする頃、こころは稗田の屋敷でへたっぴなチョコを作るのだった。
〈終わり〉
無邪気なこころちゃんが大好きです
皆さんコメントありがとうございます
>>れにう様
可愛いと言って貰えると、書いた甲斐がありました
>>2様
こころちゃんは悪意なく状況を悪化させちゃうのです。でもきっと、回り回って良いようになるんじゃないかと
>>3様
日本の神様は色々奔放なので調べてみると楽しいですよ。
一応、魔界の人は縁結びのことを教えましたが、うんち大好きかはわかりませんですw
>>NutsIn先任曹長様
誤字の指摘ありがとうございます。修正しました。
個人的には白蓮と神子はケンカするほど仲が良い関係になれると思っているので、こころちゃんがその架け橋になったら素敵ですね。
>>5様
衛生観念に疎いこころちゃんです
>>6様
うんうんっていう
>>ギョウヘルインニ様
ありがとうございます。こころちゃんエロカワイイですよ〜
>>8様
そう言って貰えると書いたかいがあります。
きっとまたこころちゃんが何かやらかして二人はまた妙な関係になるかと
ウナル
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2014/02/13 17:35:56
更新日時:
2014/03/12 12:00:44
評価:
10/10
POINT:
1000
Rate:
18.64
分類
東方
秦こころ
こころ
スカトロ
3/12コメント返ししました
こころちゃん可愛いです。
大便で繋がるこころの輪
気になって波邇夜須毘古神・波邇夜須毘売神でググったところで自分の無知を恥じました。
ちゃんと古事記に倣って糞を持ってくるところが良かったです。
謎の魔界の儀式を聖が誰に聞いたのかが気になる、ウンチが大好きな人という事しかわからない・・・
さすが、知識人の阿求。
知ったかぶりやお年寄りより頼りになりますね。
最終的にこころちゃんに正しい知識とヒトを想う『心』を教えましたね。
ただ、検索ワードを間違えちゃあ意味無いけど……。
対立する二つの宗教家達に味噌が付いてしまいましたけど、こころちゃんが幸せならばそれで良し☆
ミラクル呪文が効果を発揮すれば、また違った展開になったりして♪
2人の心は別な意味で繋がりましたね。
とにもかくにも、腹を抱えて笑わせて貰いました。
ここはマイナーカップリングが色々見られるから好きです