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『ツヅキモノ』 作者: ギョウヘルインニ
”この話は続きものです”
これが本日この話の目標で有りノルマです。それを叶えるために魔理沙はアリスの家を訪ねて続きものになるよう行動を起こしたのでした。
「魔理沙が私の家に来るなんて。ろくでもないことの前兆?」
アリスは丁度レコードでフリスビーしているところでした。そこに魔理沙が来たので警戒気味です。アリスがフリスビーにしていたレコードは洋楽でもう廃盤になっているのでプレミアが付いていたのです。
でも、レコードの件は続編の話への布石でもなんでもありません。
「アリス、この話は続編への布石なんだぜ。もっと、にっこり愛想良くしないと駄目だぞ。せっかくの整った顔が台無しだぜ」
「え? 魔理沙が私の容姿を褒めるなんて」
アリスは自宅に居たのでお化粧していませんでした。それなのに褒められたのです。これは、行き当たりばったりに魔理沙が言っただけでした。複線を張っておけば後で続編が作りやすいのです。
「まあ、たまにはアリスを褒めてやろうと思ってな」
「そ、そう。ありがとう」
アリスは少し、疑いながらもにっこりと笑いました。それから、はっとしました。
「ねえ、魔理沙。もしかして、これはあれ? さっき言っていた続編への布石? 私をおだてて、気分を良くさせて次回で一気に絶望させるつもりなんでしょう?」
「すごいな、アリス! それ採用だぜ」
続編にどう繋ぐか考えていた魔理沙でしたが、一つのこうみょうが見えたのです。
そうなれば、もうアリスを褒めて褒めて褒め潰します。そして、続編で叩き落とすのです。
「じゃあ、精々この話では、アリスには幸せになってもらわないとな」
魔理沙はどうアリスに幸せになってもらおうかと考えました。不思議な茸を吸わせるか。または不思議な茸を食べさせるか迷うところです。
「え? 私の幸せはこうして魔理沙と一緒に居られることなんだけれども。ずっと一緒に居たい」
「アリス、それは駄目だぜ。私と居ることが幸せは困るぜ」
「何で?」
「じゃあ、そのなんだ。あれだぜ」
なぜか魔理沙は顔を赤くしました。
「どうしたの?」
「だって、な。そうすると、私とアリスはこの話で結婚しないといけないじゃないか」
ずっと、一緒に居るってことはそういうことになります。自動的に成ります。婚姻届出さなくても事実婚です。
「え! 結婚? 私としてくれるの? だったら、私は最高に幸せよ」
アリスはずっと、魔理沙のことが好きなのでした。攫って人形にして永遠に自分だけのものにしてしまおうかと毎夜ベットの中で思っていたのです。
「でもな、それだと。私は続編で死ぬことになるぜ」
魔理沙にとってそれが一番困ります。この後、アリスと結婚して二人は幸せな日々を送りました。で、この話を終了したとします。
すると続編は、それから数年後の話になるでしょう。幸せな二人を別つのは魔理沙の死しかありません。浮気の結果、離婚とかそういう甘温いものでは有りません。
急に見に覚えの無いのに人心を騙した政治犯として魔理沙は捕まり、公平な裁判もされず縛り首にされてしまいます。アリスは絶望するでしょう。
もしくは、続編の設定が数十年後だった場合は、確実に寿命ネタで墓場送りにされてしまいます。それで、アリスは毎年、茸が生えているのを見ては魔理沙の事を思い出して泣くのです。
「ええ? 嫌よ。私は魔理沙と結婚したい。例え魔理沙が続編で死ぬことになってもこの話では魔理沙と一緒になって幸せになりたい」
続編で魔理沙がどうなろうが、アリスは今の魔理沙と結婚して幸せに成れればいいと思って居るのです。
「そういう、今が良くて後で後悔する話ってのも悪く無いと思うが、私達は女同士ってこと忘れていないか?」
今さらですが、二人とも女の子ですから同性婚って言うのはちょっと倫理的に問題視されている風潮があります。
「いいじゃない。性別なんてものは、所詮飾りみたいなものよ」
「……むちゃくちゃだな」
「魔理沙をむちゃくちゃにしたい」
アリスはもう結婚後のことを想定しています。
「……結婚は駄目だぜ。別の糸口を見つけて続編への布石にするぜ」
「そんな」
「私は死にたくない」
そう言った後に今度は魔理沙がはっとしました。
「魔理沙と結婚したかったわ。くすん」
アリスは泣いて居ました。この調子ではもう、アリスを褒めて褒めて褒め潰します。そして、続編で叩き落とすことが出来そうにも有りません。
しかし、魔理沙は別のことを考えていました。
「アリス、お前は私に振られたことに逆上して、私を拉致監禁する気じゃないだろうな?」
「え? 何で?」
「だって、それなら。お前が襲ってきて私が殴られて意識を失った所でこの話の切れが良いから続編への布石になるぜ」
「でも、私結婚しない魔理沙が悪いのよ。それで、続編への布石になったとしても文句を言われる筋合いは無いわ」
「続編への布石ということに文句は無いが、それだと私が続編で死ぬだろ?」
もしも、この設定で続編が作られたとします。そうすると、意識を失っていた魔理沙が眼を覚ます所から続編が始まるでしょう。
それ自体に問題は有りませんが、その後に行われるのはアリスが言うには愛のムチを言う名目の拷問です。
裸にされて辱められることから始まり、犯されます。それにアリスが飽きると、今度は指を一本づつ人形に変えるとか言い出して。その後はご想像にお任せしますが、魔理沙は最後死んでしまうでしょう。
「でも、魔理沙1人の命で続編が出来るなら安いと思わない? それに、私はなんだか魔理沙の事を拉致監禁したくなってきたわ。それで、裸にして辱め、犯したい」
「嫌だぜ。断るぜ」
そういう、魔理沙の眼は泳いでいました。いつアリスが人形を使って後頭部に攻撃してくるのではないかと警戒していたのです。
「じゃあ、どうやって続編に繋ぐ気なの?」
しかし、アリスは意外と冷静でした。
「そうだな、どうすれば良いんだろう?」
「レコードでも聴く? 洋楽でもう廃盤のやつレアよ」
「生憎私は邦楽派でな」
「謎の第三者が出た所で話を切ったら?」
「それだと、多分そいつに私は殺される」
「暴走したらどう?」
「暴走したら霊夢に退治される」
「私を魔理沙の箒の後ろに乗せて」
「続編はアラスカ上空から落下する」
「増殖、托鉢、貧乏揺すり、環境の変化、倫敦、黒土、社長」
「嫌だぜ。多分全部それだと死ぬ」
「実は私はアリスではなくアリスを食べてしまった狼さんでした」
「それは赤頭巾の人の話だろ」
「日が暮れて来たからまた明日」
「もう、二度と太陽を拝むことは無いだろう」
「月が出てきたわ」
「それは偽りの月だぜ。イージーモードじゃないとな」
「今日はもう疲れたわ」
「疲れが取れる飲み物飲んで疲れが取れすぎて大変なことになる。……多分死ぬ」
「さっきから死ぬとか殺されるとかなんなのそれ?」
「被害妄想だぜ多分死ぬ」
「ねえ、死ぬなら続編で勝手に死んでよ魔理沙。だから、この話では最初の予定どおり結婚して」
アリスは魔理沙との結婚を諦め切れてなかったのです。
「なあ、アリス」
「何?」
「この話の続編って私はどうあっても死ぬのか?」
どうやら、そういう風に続編が出来ているのではと魔理沙は感じて居ました。
「……多分。大丈夫、骨は拾ってあげるから」
アリスもそう思っていたのです。以心伝心、結婚を前提に思うアリスの考えの中では当然のことでした。
「やっぱり、そうなのか」
だから魔理沙はこの話に続編が作られないことを心から願ったのでした。もしかしたら、それが続編への布石になっているのではないかと疑いつつも願わずには居られなかったのです。
なお、続編が作られない場合はずっと魔理沙はアリスとこの話の中で生き続けることになります。
アリスの口の端が少し上がりました。
以上今回のお話でした。なお、続編は有りません。
ギョウヘルインニ
- 作品情報
- 作品集:
- 9
- 投稿日時:
- 2014/02/28 15:51:30
- 更新日時:
- 2014/03/01 00:51:30
- 評価:
- 4/5
- POINT:
- 430
- Rate:
- 15.17
- 分類
- 魔理沙
- アリス
この話の魔理沙とアリスは壊れている。
予想の斜め上を行くところがギョウヘルインニさんらしいですね。