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『食物連鎖』 作者: 和多
「キスメ、家に帰してくれよ。下さい」
「無理、魔理沙はここで私に喰われて死ぬの」
地底の妖怪は皆総じて嫌われ者、そんな妖怪を退治すれば、魔理沙は皆から尊敬されると思った。
ただ、地底の妖怪。勇儀とかは強くて怖いから一番弱そうで簡単に斃せそうなキスメを襲ったのが失敗だった。
魔理沙はあっという間に満身創痍になった。
「死にたくないぜ。どうにか許してくれよ」
「久しぶりの人間が箒背負って来てくれたのに食べない理由がない」
キスメは箒を食べないが、魔理沙をからかうために言ったのだった。地底では弱い。雑魚扱いされているキスメも地上の住民相手にはその本性が出ていた。
「箒? 箒がほしいならやるぜ。この箒は大切なやつなんだが、キスメが欲しいならやるぜ」
「ん? いらない。命が助かりたいの? もっている肉を全部置いて行ってくれたら命だけは許してもいいよ」
キスメは、やさしいから犠牲者の所有物や魂を奪ったりしない。興味が無いというのはあるが。だから、魔理沙が持っている肉を全て差し出せば許してくれるのだった。
「……肉って? 私は肉を持って無いぜ?」
「あれあれ、嘘はいけないよ。確かに魔理沙は少ないけれど肉を持っているじゃない」
魔理沙は肉というのが自分の肉を指しているのだと分かっていた。しかし、全部の肉。全身の肉を差し出すなど到底不可能なことだった。
「いやそのな。右腕で許してくれないか? お前を後ろから突然殴ったのはこの右腕だぜ」
「そうね。痛かったの、右腕は貰うことはもう決まっているの」
それを聞いて魔理沙は右腕を失うことに悲しみを見せたが、これで助かるという複雑な感情を顔で表現した。
「じゃあ、じゃあ、右腕で許してくれうのか? 下さい。お願いします。お願いします。お願いします」
「ん? 右腕に命令したのは脳、脳に情報を送ったのは眼、眼に栄養を送ったのは血管、血管が栄養貰うのはどこだっけ? そんな感じで、右腕が罪を犯すのに色々な魔理沙の身体が関与している。だから右腕だけの罪って、それじゃ。右腕が可哀相」
そうだ。右腕はありとあらゆる魔理沙の組織に動かされ支援されてキスメに攻撃したのだった。
「は? はははははは?」
「……壊れちゃった。地上の生き物は弱いね」
キスメは魔理沙の肉を手に入れて幸せ気分で、釣瓶を落として居た。だが、そこにヤマメが現れたのだった。
「あらあら、キスメお肉なんて何処で手に入れたの? まあ、どうでもいいけど頂戴ね」
「……ヤマメ!」
- 作品情報
- 作品集:
- 9
- 投稿日時:
- 2014/03/03 15:31:55
- 更新日時:
- 2014/03/04 00:31:55
- 評価:
- 4/6
- POINT:
- 460
- Rate:
- 13.86
- 分類
- キスメ
キスメが題材って珍しい
幻想郷の住民でありながら、寺子屋に入学前の子供でも知っている常識が無い魔理沙ならではの末路♪