Deprecated : Function get_magic_quotes_gpc() is deprecated in /home/thewaterducts/www/php/waterducts/imta/req/util.php on line 270
『花見と主力商品の売り込み』 作者: 戸隠
幽香の会社、有限会社ひまわりは毎年桜の季節になると花見を兼ねた宴会を行っていた。
新年会同様、世話になっている郷の有力者達も参加して大変賑やかなものだった。
「今日は無礼講だ。無礼を働く度胸があるなら働いても良いぞ。今日は許すが明日覚悟しろ!! ん! それでは乾杯!!」
幽香の乾杯の音頭で、宴会は始まったのだった。
戸隠も今日ばかりは、桜が綺麗で普段から汚い作品を作っているが今日は綺麗な作品にしたかった。
手元にはひまわり焼酎が入ったコップが二つ、戸隠と同じ班の魔理沙と呑もうと思っていたのだった。
「魔理沙さん、久しぶりの酒っすよ!!」
「戸が糞てめぇ、酒呑めんのか?」
だが、魔理沙は戸隠と呑む気はさらさら無かった。
「作者っすからね。ウワバミっすよ」
こういう無駄なことに長けているのが戸隠である。
「つまらんぜ」
魔理沙は戸隠がコップ二つ持っていることに気が付いたが、無視して自ら持っていたカップ酒を呑んだ。
「魔理沙すこいっすね。一合半一気飲みじゃないっすか!」
「てめぇに褒められても嬉しくねえぜ」
魔理沙は近くに置いてあったカップ酒をもう一本取って呑んだ。カップ酒は普通の人から見たら安酒だが、ひまわり畑で働く労働者にとっては高価な物だった。だからこういうときに呑み溜して普段の寂しさを紛らわすのだった。
「すごいっすね魔理沙さん。また一気飲みじゃないっすか!!」
「はぁん?? テメェも呑めよ」
「そうっすね」
戸隠はひまわり焼酎を呑んだ。久しぶりの酒は旨かった。
そんな、戸隠を横目に魔理沙はまた新たなカップ酒の蓋を開けて呑んだ。
「かぁ〜、ひめぇ!!」
「あれ? 魔理沙さん!! 呂律回って無いっすよ!!!」
「あんだって?? そんだはず無いだろ??」
魔理沙はまだまだ余裕だ。さすがにカップ酒ばかりは飽きたようで今度はウイスキーの入ったビンを開けてを直接飲み始めた。
「度数40度っすよそれ??? 大丈夫っすか」
「けけけけけけ、関係ないじぇえええ」
大丈夫、魔理沙はまだ素面も同然だ。一ガロンの酒は、魔理沙のはらに消えていった。
「尋常じゃ無いっすよ」
「はひゃはyはやはや、便所!!! 便所いってくるのぜえええええええええ」
魔理沙は千鳥足で便所に向かって歩き始めたのだった。
「慧音先生、一献どうだ?」
「これが噂のひまわり焼酎か? 貴様のひまわり畑の売りになると良いが」
魔理沙が千鳥足のそのころ幽香は郷の有力者である慧音に接待していた。社長である幽香だが経営は火の車で有力者に頼らなければ生きられない。
「無農薬リグル栽培で作らせたんだ」
「・・・これは旨いな。今度寺子屋の餓鬼共にも試飲させてみようか」
接待は上手くいっていた。ひまわり油を採るために栽培している一角から隔絶したところで、リグルを利用した新しい栽培方法で作ったひまわりを独自の製法で焼酎にした酒だった。
「褒めてもらって嬉しいよ」
「貴様が苦労していると、よく聞くが私はいつでも応援しているからいつでも頼ると良い」
「すまないな」
「なに、私と貴様の仲だ。貴様も呑め」
慧音は上機嫌で、返杯した。
「ありがたく貰うよ」
緊張していた、幽香も少し緊張が揺るぎ始めていた。これは良い傾向だ。
「旨いか?」
「ああ、旨い」
「貴様が自画自賛とは珍しいがこれは本当に良いものだ」
「たまにはいいだろう?」
宴会は賑やかで花は綺麗でとても良い雰囲気だった。
・・慈善事業のつもりなど無いのに、幽香は使えないやからさえも首にせず雇い続けている。
そのせいで、力・能力で圧倒的に劣る相手にでも媚びへつらい会社を維持していたのだった。
結局のところは情が深いのだった。そのせいで、結局今日も苦労することになった。
「なんだ? 貴様?」
上機嫌で慧音が酒を呑んでいると、酔って恐れを失った魔理沙が慧音の前に立ちはだかった。
「げへへ!!、今日は無礼講なんだよな!!!!」
「おい、魔理沙!! 慧音先生になんて口を聞くんだ!! 無礼だぞ!!」
無礼講なんて建前で、無礼が許されるはずなど無かった。
「はぁん??? 無礼って言うのはこういうことだぜ!!」
こうなることは、決まっていたことなのかもしれない。桜が綺麗だった、お酒が美味しくて、憧れのあの娘と思い出を。
なんて、甘い幻想など無かった。
魔理沙は、持っていた酒を慧音の頭にかけたのだった。あの帽子からお酒が流れるシャンパンタワーみちゃい!!!
「・・・貴様!!! これは・・・帰る!!!」
「慧音先生? 魔理沙!!! お前!!! あ゛!!覚えて居ろよ!! 慧音先生待って!」
慧音が怒って帰ってしまって宴会は即中止、幽香は青ざめた表情でその後を追って行った。
ことの重大さに魔理沙は気が付かずに慧音が呑んでいた器に残っていた酒を魔理沙は間接キスなど気にせず呑んだ。
この後、魔理沙は悪酔いして吐いた。他の従業員が避けて帰っていくなか、戸隠が結局介抱してさわやか寮に帰ったのだった。
次の日、昼ごろ魔理沙さんは、幽香さんに呼び出されて顔じゅうをボコボコに腫らして帰ってきたっす。
戸隠は酒の恐ろしさを知ったっす。
どどうっすかね???たまには普通の話っすよ。
ういっす
戸隠
作品情報
作品集:
9
投稿日時:
2014/03/21 11:57:55
更新日時:
2014/03/21 20:57:55
評価:
3/5
POINT:
330
Rate:
14.20
分類
魔理沙
幽香
慧音
戸隠
言い話しに見せてやっぱり戸隠作品
魔理沙はアレか!? 恩師の愛の鞭を受け、それを逆恨みして通り魔事件を起こすキ印か!?
彼女達の職場や寮が、なんだかその手の施設を髣髴とさせるネーミングですね。