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『魔理沙の全部』 作者: 和多
「気が付いたらお前のところに来てたんだが」
「ああ、それは魔理沙さん貴女が厄だからでは?」
引力の力はいつも下に効いているとはいるとは限らない。その日も魔理沙がにとりに会うために山の上空を飛んでいるとなにかの引力によって引付られ雛のところに着いたのだった。
「厄? 意味が分からないぜ。私はにとりに用があるんだ。お前みたいに触ると不幸になる奴に興味はないぜ」
「私自体が悪い訳では無いんですけどね。どうして、そういうキツイ言い方しかできないのですか?」
雛は厄を集めてくれる善良と言ってよい神様だった。ただ、魔理沙のように触ると不幸になる疫病神と思っているものも多かった。
常日頃、雛はそう思われていることは知っていた。少し悲しいことだったけれどももう慣れた。ただ、こうやって面と向かって言われるのは久しぶりで嫌な気持ちになった。
「はいはい、わかったぜ。おさわりすると、お不幸になるお雛様。私はおにとりにお用事があるんだぜ。お不幸になるお雛様に興味はないぜ」
「なんでも、おをつければいいと言った感じですね。私も魔理沙さんとはかかわりたくないですが。繰り返しますが貴女が厄だから私のところに集まって着てしまったのですよ」
雛は厄を集める、厄は通常、辺りを漂っているようなものだ。だが、引力がいつも下に効いているとは限らないのと一緒で厄も漂っているとは限らない。
「っち! 訳の分からないこと言うやつだぜ」
「そうですかわかりませんか」
魔理沙のすべてが厄だった。
「それと、さっきからお前だんだん近づいているぜ」
「それは、誤解ですよ。貴女から近づいています」
雛は先ほどから確かに動いていなかった。
「なんで? 私が、くそ」
「これほど大きな厄は初めてですよ」
いったい何年間、雛は厄を集め続けているのだろう。それはもう本人にもわからない。
ただ、これまでで一番大きな厄だということは分かった。
「嫌だぜ、私はにとりに用が! お前なんかと遊んでる暇は無いぜ」
「……遊びではないのですけど」
魔理沙と雛の距離はあと1m位しかない。ここまで来ると、もはや後ずさりや離れることは出来ない。
「なんで、足が勝手に」
「大仕事になりそうです」
魔理沙の身体は雛に近付くにつれて、厄化して身体を溶かして雛の周りの厄に溶け込み始めた。
「どうして、身体が! 早く逃げないと」
「やはり貴女は全部」
魔理沙が抵抗すればするほど、厄は溶け出していった。指の先はもうない。
「嫌だ。嫌だ」
「諦めて下さい」
後には服と箒だけが残った。雛は残った箒を地面に刺しそれに服を被せ魔理沙の墓標を作った。
それから、溜まりに溜まった厄を流しに向かったのだった。
- 作品情報
- 作品集:
- 10
- 投稿日時:
- 2014/04/01 10:04:45
- 更新日時:
- 2014/04/01 19:04:45
- 評価:
- 7/8
- POINT:
- 710
- Rate:
- 16.33
- 分類
- 雛
厄100%の魔理沙は今までどうやって雛から逃れていたのか。